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「戦友との再会」

日本テレビ系「THEワイド」が終了しておよそ一年半になりますが、先日同番組のリポーターとして大活躍した杉本純子さんと本当に久しぶりにお会いし思い出話に花が咲きました。

杉本さんは「THEワイド」では主に事件現場のリポートを担当しました。オウムによる地下鉄サリン事件、神戸の連続児童殺傷事件、和歌山毒入りカレー事件など世間を震撼させた事件は全て現場に赴き、長期に亘って滞在してその真相を究めようと努め、放送にもその努力が反映して他局の番組に勝る内容のリポートを届けてくれました。

何といっても私たち二人にとって忘れられないのは1997年の神戸連続児童殺傷事件です。多くの取材陣が現場に長く詰めて取材活動を展開したにも拘わらず、警察の犯人逮捕の発表の前に犯人の少年に行き着いた人が一人もいませんでした。ところが地元の人たちの間ではあの少年ではないかと疑いを持っていた人が実は何人もいたと後になって聞かされました。そこで私たちはその取材方法に欠点があったことを認識し真摯に反省し、その上で地元の人たちが共有する情報をどうしたら獲得できるのか、新たな取材方法はないのか考えを巡らせました。

その結果一つの結論に達しました。それは以下のようなことです。取材陣というのは通常マイクを持って取材し、そのマイクで証言や目撃情報を獲得しようとしますが、一般の人たちはマイクを向けられただけで普通身構えてしまうものです。大体の場合、「マイクに向かって話せばこの話が放送を通じて公になってしまう。だとしたらここまでは言えない」との判断から発言を抑制したり、内容のある発言を控えてしまったりする傾向にあります。従って私は、「先ず一人の人間として取材対象の地域に入り、その土地の人たちと普通にコミュ二ケーションを交わすこと。つまり無機質で非人間的と思われるマイクという道具を持たないで話をして信頼されるように努めること。そうすれば地元の人たちも取材者に対し徐々に距離を縮めてくれて話もしやすくなるはずである。だからとりあえずマイクの使用を控えよう」と彼女に提案しました。杉本さんはそれを見事に実践しその後の取材現場で数々の輝かしい実績を残したのでした。

彼女とは「また機会があればあの時のような緊張感の中で一緒に仕事するのも面白いかもね」などと自由気ままな会話を楽しみました。今は所属するプロダクションの東京オフィスの代表として活躍している杉本さんですが、どんな現場にも恐れず踏み込んで最後まで諦めない息の長い取材を続けていた当時の姿を懐かしく思い出し、彼女も本当のプロフェッショナルだったなと改めて感じ入ったものでした。

PS 杉本さんのご尊父、杉本明さんが去る4月24日ご逝去されました。大変残念なことですが故人のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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