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「第30回ジャパンカップ」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2010年11月30日 15:01
  • スポーツ

11月28日(日)、第30回ジャパンカップ(G1)を観戦に東京競馬場に行きました。

ジャパンカップと言えば、私がNHKアナウンサー時代の昭和56年に始まったもので、競馬の国際化を目指してJRAが開催を決め、実施に移すことにしたものです。とは言え、この催しがどこまで発展していくのか、当時はまだはっきりしたイメージは誰も持つことができませんでした。

従って、NHKとしてもテレビでの中継は行わなかったのですが、私自身は「将来、国際化は避けられないものであるから注目すべきレースで、何とか放送に乗せたい」と思い折衝した結果、NHKのラジオの国際放送「ラジオ日本(現 NHKワールド・ラジオ日本)」で中継することになり、結局外国にいる人たちだけが聴けるジャパンカップの放送になってしまいました。

当日は海外の競馬に精通している社台ファームの吉田照哉さんを解説に迎え、中継は私が担当して放送したことを懐かしく思い出します。レースではアメリカのメアジードーツ号が優勝し、日本馬とのレベル差を感じさせる内容で、「これはその差を詰めるには時間がかかりそうだな」と感じさせられたことをはっきりと覚えています。

それでも以後、日本の関係者の努力が実り第4回でカツラギエース号、第5回ではシンボリルドルフ号が優勝。そして第9回でホーリックス号(ニュージーランド)とレコードタイムで優勝を争ったオグリキャップ号の登場でそのレベル差は確実に詰まってきたことを実感したものです。更に、種牡馬としてのサンデーサイレンス号の導入により日本の競走馬全体のレベルが格段に上昇し、世界のレベルに肩を並べようとするところまで到達できました。やはり大きな改革を成し遂げるには20年30年の時間が必要なのだと改めて認識させられますね。

さて、今年は一口会員として参加しているブエナビスタ号が天皇賞を圧勝し、このレースに備えて万全の出来栄えだと聞いていたので大きな期待を持って競馬場にやってきました。パドックでブエナビスタ号を見ると、ふっくらとして落ち着きがあって、ドバイ帰りの春先は体調に問題を抱えて苦しんだというものの、この秋は完調の様子でしたし、これならまず負けることは無いと確信しました。

とにかく、ブエナはいつ見ても落ち着いています。担当の山口厩務員によると、基本的にはとても優しい馬で人に顔をすり寄せて来て顔を撫でられて喜ぶようなところがあるとのこと。でも気合が入ったときは人を寄せ付けない厳しさも併せ持っているということです。ブエナのライバルとなりそうな馬たちも極めて順調で、どんなレース展開になるのか注目されました。

気性に難しい所のあるナカヤマフェスタ号がゲート入りを嫌がってスタートが少し遅れましたが、30回目を迎えたジャパンカップのスタート、ペルーサ号またも立ち遅れ、ブエナは普通のスタート。第1コーナーに差し掛かるところでマリウス号が突然ブエナの前に入ってきたためブエナはつまずく不利。リズムを崩さなければ良いなと心配しましたが、後ろから5頭目でバックストレッチを追走。位置取りに変化ないまま第4コーナーへ直線で、どのコースを通るのかと見ていますと大外にコースを取ってラストスパートに入ります。直線中ほどからぐんぐん伸びてライバル馬たちを振り払ってゴールイン。本当に強い勝ち方をしました。

しかし審議のランプがついていると周りでざわめきが起きていました。でもブエナには関係ないなと思っていると、いや関わっていそうだとの関係者の声。そこから長い、長い審議が行われ、出た結論はブエナがゴール前で2位入線のローズキングダム号の進路を妨害したため、規定により1、2着が入れ替わりブエナは2着と決定しました

驚きました。それほどのことが起きていたとは実際見ていて感じませんでしたし、ざっとビデオを見直しても降着になるほどのものか疑問には感じました。ただルールはルールで、決定権を持つ審議委員がそう決めたのなら従う他ありません。一方、同じレースで4着に入ったジャガーメイル号に乗っていたムーア騎手は、英紙「レーシングポスト」の取材に対して「これは間違った決定だ。チャンピオンが求められていたのに、チャンピオンは誕生しなかった。レースにとっても恥ずべきことだ」とコメントしていました。恐らく、厳しい争いが展開されるヨーロッパの競馬ではルール違反とはみなされない程度の馬体の接近だったという見解でしょう。ただ、現実に日本では違反行為とされ着順変更が行われました。国際競馬が行われる以上、ルールの統一が望まれることは言うまでもありません。ブエナには何の罪もないことでした。

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