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「今一度...」

大相撲夏場所は九日目を終えて、白鵬、稀勢の里が全勝で並び、優勝争いのトップに立っています。

全ての要素が揃えば綱取りも可能だということで、稀勢の里にかかる期待は大変大きいものがあります。稀勢の里の今場所は初日から冷静でやるべきことをきちんとやって、この感じで進めば優勝も夢ではないと思います。ただ、ここまでの9日間の対戦相手は稀勢の里にとっては比較的やりやすい力士が続いたので、日本人横綱誕生に向け最大限の気配りが行われているようにも感じます。

一方、白鵬は稀勢の里だけには優勝させてはならじとばかり、勝利優先の非常に荒っぽい相撲を見せています。特に目につくのは激しい張り手、そしてかち上げの多用です。昨日の勢との一番は張り手から思い切りかち上げに出て勢の喉にこのかち上げが入ったため、これを受けた勢が瞬間的に失神状態となり崩れ落ちました。相撲のルール上は禁止されているわけではありませんが、この強力なかち上げはプロレスでいうエルボー攻撃であり危険です。半世紀以上相撲を見続けていますが、格下相手にかち上げを連発というのは見たことがありません。そもそもかち上げというのは、仮に使うとしても格下の側がとても勝てそうもない相手に奇襲的に使うものだと思っていました。

プロ野球でも今季から選手の安全を守るためコリジョンルールが採用されましたが、相撲でも力士の安全を担保するために危険な技の使用の是非に関して今一度検討、協議されることを望みます。国技館のお客様の反応を見ていても明らかにブーイングが起きているように思えます。

優勝36回という前人未踏の優勝を積み重ねた名横綱なのですから風格のある相撲をとって相撲ファンをうならせてほしいものだと思います。明日から2日間国技館に取材に行きます。

「皐月賞観戦記」

昨日久しぶりに皐月賞観戦に出かけました。

パドックで良く見えたのは勿論期待していたリオンディーズ、マカヒキも力強い感じがして良のマーク。サトノダイヤモンドは初めて見たのですが、想像していたより華奢な感じがするものの悪くはありません。勝負付けは済んだとは言うもののエアスピネルもしっかりした作り。あと、ディーマジェスティも溌剌としていて好調で、その他もっと馬場が渋っていれば面白い存在になったであろうロードクエストなどが目につきました。

注目のリオンディーズは返し馬も完璧だったので、ますます期待が持てた上にスタートは16番枠にいても素晴らしい反応。しかし反応が良過ぎてスタンド前で2番手に上がりました。あとはペースだけ間違えなければ大丈夫と思い、1000M通過が58秒4。

ちょっと早いですし、弥生賞もそうでしたが馬が行きたがっているのだろう、これでも押し切れるとミルコ騎手も思ったに違いないと感じましたが、やはり最後の直線で苦しがって横によれて他の馬を妨害して4着入線、5着に降着となってしまいました。

それでも勝ったディーマジェスティ以外との差はそれほどでもなく、あのハイペースを良くこらえたなと思います。一等抜けた脚を披露して栄冠に輝いたのはディーマジェスティでした。この馬は良くなると思っていたのでこれは納得です。マカヒキは少しだけ輝きを見せ、サトノダイヤモンドは余り目立たない感じでしたが3着確保というところでしょうか。

これでダービーが面白くなってきました。今回の走行妨害でミルコ騎手は4日間の騎乗停止処分を受けます。早く戻ってきて今度は問題のない騎乗を見せてもらいたいものです。

「皐月賞」

競馬のクラッシック戦線が始まり、ファンにとっては胸躍る季節です。

今週は皐月賞で、サトノダイヤモンド、マカヒキ、リオンディーズの3頭が有力視されています。3戦3勝のサトノダイヤモンドとマカヒキ、そして弥生賞ではマカヒキに敗れたものの2歳ナンバーワンのリオンディーズと見所十分のレースです。

私はリオンディーズが最も有力ではないかと思っています。その理由の一つは前走こそ久々のせいもあって、珍しく前に前にと出て攻めていき、結局ゴール前でマカヒキに交わされ2着に終わりましたが、今回は体制を整え準備は整い、折り合いも全く問題なく自在なレースができそうです。

それとミルコ・デムーロ騎手の腕です。勝利への執念が素晴らしく、追い出しにかかってからの姿勢が全く乱れず、馬の最後の一伸びを引き出せますし、その騎乗技術の高さは驚嘆に値します。

更に心から日本の競馬を愛し、日本を愛していて、日本人と変わらないほど順応しているものと私には思えます。そんな彼を見ると勝たせてあげたいと思いますし、勝つのではと思えてくるのです。

「今年のマスターズ」

今年もマスターズゴルフに釘付けになりました。

最終日の前半を終わった時点ではスピース選手の2年連続優勝で決まりだなと思ったのですが、意外なことに10番、11番でボギーをたたいた後、12番のショートホールで池ポチャ。第3打をダフッて再び池へ。結局5オン2パットの7を叩いてトップから滑り落ち、伏兵ウィレット選手に逆転されて2連覇を逸してしまいました。こんなことが超一流の選手たちの間でも起きるものなのだ、ゴルフの勝負はやはり分からないものだと強く感じさせられました。

でもすべてが終わった後のスピース選手のインタビューが感動的でした。「10番、11番でボギーを叩いても今日はまだ2アンダーです。この後あと2つバーディーを取れば優勝は間違いないと思いました。そして12番のショートホールでティーショットを打つ前にキャディーと綿密に打ち合わせをして臨みました。でも実はこの大会に入ってアイアンショットが完璧ではなく不安を抱えていたのです。ドローは良いが、フェイドは良くない傾向があったのです。なのに余り深く考えず、つまり集中力が欠けたまま打ってしまいミスをしてしまいました。思えば2年前も12番でミスをしています。どこかで引き摺るものがあったのでしょうか。やはりつくづく思うのはマスターズで勝つには全てが良くないと勝てないのだと思います」と。

しっかりした口調で語っていました。辛い気持ちを抑えながら、どんな質問にも質問者の方を向き丁寧に論理的にきっちりと答えている姿を見ていてこの22歳の若者は間違いなく偉大な存在のゴルファーになるなと感じました。勿論日本の松山選手も優勝を争える実力の持ち主だと誰もが思ったことでしょう。一流の域に来ていることは間違いありません。あとは超一流のレベルに入るために必要なことを身に着けて欲しいと願うのみです。

「大相撲春場所」

大相撲春場所九日目、琴奨菊と稀勢の里との一番は、立ち合い僅かに右に変わった稀勢の里が突き落としで琴奨菊を破りただ一人9戦全勝としました。

今場所きっての注目の一番だっただけにあっけない幕切れになったことで、稀勢の里がまともに琴奨菊の突進を受け止めるべきだったという向きもあるのですが、私はそう思いません。

昔、故鳴戸親方(隆の里)からこんなことを聞いたことがあります。現役時代、好敵手千代の富士とある場所で対戦したとき、その日千代の富士は一回目の仕切りから何時になく一気の出足を見せるぞと言わんばかりの雰囲気を醸し出していたそうです。そしてそれを見て隆の里は「これは逆に立ち合い変化するつもりではないか」と読んだというのです。そこで頭の中では変化する確率7割、普通通りの立ち合い3割と踏んで勝負に臨みました。実際には、最後の仕切りで立った瞬間、千代の富士が右に変化して読みがズバリ当たり、隆の里が一気に寄り切ったということでした。

勝負師はそのように相手の所作振る舞いまで読み解きながら勝負に臨むべきものです。昨日の一番は一回目の仕切りから琴奨菊の体勢がいつもより低く、思い切り立ち合いからエネルギーをぶつけてきそうだと感じとった稀勢の里がごく自然に体をずらしただけで、自らの頭脳を通して感じ取った勝負勘が勝ったのだと私は思います。見事な頭脳プレーでした。残り6日間を稀勢の里がどういう風に乗り切っていくのか、心配でもありますが楽しみでもあります。

「世界卓球選手権」

世界卓球選手権、日本は男女とも銀メダルで終わりました。中国の厚い壁を破るというわけにはいきませんでしたが、よく戦ったと思います。

特に、女子の福原愛選手、石川佳純選手、伊藤美誠選手のトリオの結束力が固く、チ―ムワークがとても良かったことが印象的でした。特にリーダーの福原選手が後輩たちを鼓舞し、引き立て、お互いが臆せず戦いに迎えるようにと細かく心配りをしていたことが大きかったようです。大会に入る直前の2月23日、23回目の誕生日を迎えた石川選手のために、練習が終わったところで電気を消し、ハッピーバースデイの歌係が歌い出し、ケーキが運ばれてきてお祝いするというサプライズパーティーが行われたようで、石川選手は大感激だったことでしょう。自分自身が小さいときからプレーを続けてきただけに15歳の伊藤選手への配慮も見事で、その意味で福原選手がチームを一番良い形でまとめた立役者だったと言えそうです。

昔、日本テレビの「THEワイド」を担当していた頃、まだ小学校入学前の福原選手が番組に出演してくれて、ミスをしては泣きながらプレーを続けていたことが昨日のように思い出されますが、今や27歳になりこのような形でチームリーダーとして見事な力を発揮している姿を見るとその素晴らしい成長ぶりに頭が下がります。中国チームの壁は際立って厚いのですが、いつか何としても打倒中国を果たしてもらいたいと心から思います。

「ラングレー」

先日1月24日、注目のラングレーがようやく勝ちました。

この馬はリアルスティールの兄でデビュー時から期待されていたのですが、どういうわけか乗り役が定まらず、成績も伸び悩みました。とはいえ、今回名手川田ジョッキーが乗ったらすんなりと勝てました。乗り役の役割の大きさを改めて感じさせられた勝利でもありました。

再びオープンに上がってどこまでやれるかは分かりませんが、なるべく川田騎手に乗って欲しいとこの馬に期待する人たちは思っていることでしょう。他にも気になる馬がいますし、そうした馬たちが活躍してくれることを心より願います。

「早10年」

先日、久々に大相撲観戦に出かけました。しかも九日目と十日目の二日間です。一番見たかった照ノ富士が鎖骨骨折のため休場してしまったのは残念でしたが、それまで場所自体はそれなりに盛り上がっていそうでしたので観戦はとても楽しみでした。

ただ、2日間の観戦で率直に言ってこれという印象に残る取組がありませんでした。おそらくそれは総じて下位の力士が上位の力士に向かうときの命懸けともいえる闘志のほとばしりが私にはあまり感じられなかったからだと思います。仮に力の上で及ばないなら、戦略、戦術を組み立てて、勝つための手順を実行に移そうとすることが求められると思うのですが、残念ながら実際に見た殆どの取組からはそうした格闘ぶりがそれほど窺えませんでした。

日本人力士が幕内優勝から遠ざかって早10年。なぜこんなにも優勝から遠ざかってしまったのでしょうか。

思えば日本人最後の優勝力士栃東は体力にはあまり恵まれていませんでしたが、立ち合いの素早さや前捌きの上手さで、相手より先に自分の有利な体勢に持ち込み、勝ちに繋げていくという頭を使った技巧派の相撲を取っていました。モンゴル出身の力士に体力で及ばないとしたら、速攻で自分の有利な体勢に持ち込む、主導権は自分が握るということを徹底してやる以外にないのではと思うのですが...

栃東のようなタイプの力士が少なくなってきたことが、日本人の中からなかなか優勝力士が生まれない背景かなと個人的には想像します。多彩な対応力を是非多くの日本人力士に身に着けてもらいたいですね。

「今年の競馬」

今年に入ってまだ競馬場には行っておりません。

通例は金杯から競馬場に赴くのですが、今回は仕事のためそれも叶わずちょっと残念です。予想の面では昨年末の有馬記念から金杯に至るまで好調なので、その分現場に行きたい気分が高まります。

本年の自分なりに関心のあるポイントとしては、昨年少しだけ良いところを見せたタッチングスピーチの動向、リオンディーズに新馬戦でボロボロにされたフォイヤーヴェルクが前評判通りの馬なのか否か、ラングレーが能力開花と行くのか、2歳になったブエナビスタの娘がそれらしい活躍を見せるかどうか、などなどたくさんあり、楽しみな年になりそうです。行ける限り今年は現場に行って楽しみたいと思います。

「隔世の感」

2016年はリオデジャネイロ・オリンピックの年なので、スポーツ界が盛り上がる年でもありますね。

それにしてもこのところの日本人スポーツマンの活躍ぶりは素晴らしいものがあります。野球、サッカーは言う間でもなく、フィギュアスケート、スキージャンプ、水泳、ラグビー、卓球、バドミントン、体操、テニスなどさまざまな分野で世界のトップ、もしくはそれに近いレベルの選手たちが現れて、全体を見ると日本スポーツ界の黄金期といってもよさそうな感じになってきました。勿論、これはそれぞれの分野で様々な強化策が講じられ、長い時間の経過と共にそれがようやく実を結んできたからであることは間違いありません。

昔、私がスポーツアナウンサーであった頃、フィギュアスケートも担当競技の一つでした。1980年のレイクプラシッド冬季オリンピックの男子フィギュアスケートの優勝者はイギリスのロビン・カズンズという選手でしたが、183センチの長身で長い脚、長くしなやかな腕という恵まれた体型。そして王立バレー団で修練を積んだという表現力、更にハンサムという全ての要素を兼ね備えた理想のスケーターでした。当時は、「日本人の体形ではとてもこうはいかない。どんなにテクニックを兼ね備えてもこんな選手にはなれない。日本人がフィギュアスケートの頂点に立つことはとても考えられない」と思っていました。

それから30年以上が経過し、なんとその頂点に君臨しているのは紛れもない日本人の羽生結弦選手なのです。日本のフィギュア界がこのように活性化されたのは長きにわたってエイジグループの錬成に力を入れ、野辺山合宿などを通じてレベルアップを図ってきた結果であり関係者の方々の努力には本当に頭が下がります。

「羽生結弦」という天才的なスケーターの出現で不可能と思われたことが可能になりました。長い手脚、バランスのとれたスリムで美しい体形、表現をより深いものにする体の柔軟性、そして常により高いところを目指していく飽くなき追求心、全てがチャンピオンにふさわしい選手です。時代は違いますが、羽生選手はあの時のロビン・カズンズ選手を超えたと私は思います。これは真実です。

「今年のマスターズ」

今年もマスターズゴルフの中継をしっかり見ました。

去年初出場で優勝争いに加わりながらバッバ・ワトソン選手に屈して2位に終わったジョーダン・スピースが、初日からトップを走り続け他に付け入る隙を与えない見事なプレー振りで18アンダーの最小スコアタイで堂々の優勝を飾りました。

勿論ピンチを迎えたシーンもありましたがその度に21歳とは思えない冷静さで切り抜けて、一人だけ次元の違う感じのゴルフをしているように見えました。今までのプレーヤーにはないタイプのクールガイで新たなスーパースターの誕生だと思います。4打差も離された2位タイには44歳のベテラン、フィル・ミケルソン選手と34歳のジャスティン・ローズ瀬選手が意地を見せて上がってきましたが、4位に12アンダーで25歳ローリー・マキロイ選手。

そしてわが日本のホープ23歳、松山英樹選手がマキロイ選手とともに最終日のベストスコア66をマークして11アンダーで自己最高の5位に入る大健闘を見せてくれました。松山選手が「今日のようなゴルフが続けられたら夢に手が届きそうです」と言っていた通りメジャータイトル制覇の糸口が見えてきたというのが実感だろうと思います。

特にこのところ最後まで崩れない本当の実力を身に着けてきた感じが伺え、頼もしい限りです。テニスの錦織選手、ゴルフの松山選手、水泳の萩野公介選手、女子卓球の平野美宇選手、伊藤美誠選手など若いスポーツスターの大活躍で楽しみが増えてきました。若さのエネルギーは素晴らしいとつくづく感じる昨今です。

「あっぱれ!」

選抜高校野球大会の決勝戦で、昨日言及した敦賀気比高校の松本哲幣選手が東海大四高との決勝戦で8回裏に見事な決勝2ランホームランを放ち、チームを初の優勝へと導きました。

前日の満塁ホームラン2本に続いてまたまた凄いことをやってのけました。もうこれはツキだけではできないことで正に日頃の努力が実ったものだと思います。去年の秋右肩の故障で練習ができないときでも使える左腕だけで一日に素振り200回を怠らず続けたということで、そのような野球にかける思いの強さそして執念が実ったものだと思います。

インタビューでも素朴にでも前向きに自分の気持ちをきちんと伝えていて好感が持てます。これから先は決して平坦な道ばかりではないでしょうが、他人ができないことを自分はやれた、そして自分には大きなター二ングポイントがやってきたのだと心に刻んで、今後に向けて力強く走り出して欲しいと思います。まずは今年の夏の全国高校野球選手権ですが、松本哲幣選手の更なる成長を楽しみに待ちたいと思います。

「選抜高校野球を見ていて」

忙しさの中で中々書く時間がなかったため(言い訳です)ブログの更新ができませんでした。

昨日、たまたま自宅で選抜高校野球を見ていて、驚嘆する場面に遭遇しました。準決勝第一試合、敦賀気比高校のこの日6番に起用された(準々決勝では控えに回っていた)背番号17番の松本哲幣選手が一回の表の攻撃で満塁ホームランを放ったと思ったら、2回にも2死満塁で回ってきた打席でまたまた満塁ホームランを放つという、見たこともない奇跡的なバッティングを披露したからです。

いや驚きましたね。松井秀喜さんのようなスラッガーが打ったのなら、「流石」というコメントになっていたと思いますが、レギュラーと控えを行き来していた背番号17番の選手がこの史上初の快挙を成し遂げたことには本当に驚かされました。でもよくよく松本選手について見てみると178センチ75キロと、まずは均整のとれた良い体をしていますし、とにかく練習熱心、素振りも欠かさず前向きの気持ちを持ち続けていることと、左投手に強いということで6番に据えられたようで、監督の見る目が確かだったということにもなります。

人間の運命はどうなるかは誰にもわからないものではありますが、これで松本選手にスポットライトが当たることになりました。これを良い契機にして決勝でも好打し、さらに良い選手へと成長してほしいと思います。インタビューに答えている様子を見ていても、とても冷静で浮かれることもなく、次に目標を据えていることが感じられ好感を持つことができました。がんばれ松本哲幣選手!

「凱旋門賞 パブリックビューイング」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2014年10月 6日 15:43
  • スポーツ

5日(日)夜、10時から新潟競馬場で行われる「第93回凱旋門賞」のパブリックビューイングに参加するため、久しぶりに新潟競馬場に向かいました。台風18号が接近しつつあるということで予定通り開催できるかどうか心配しましたが、台風の進行速度が遅かったのと当初の予想より東向きに進んできたこともあり、予定通りイベントは行われることになりました。

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雨はしとしとと降り続いていましたが、競馬場に集まった人は1200人を超え、第1部のご当地タレントたちのコンサートから結構な盛り上がりを見せていました。そして新潟競馬の中継でおなじみのNST鈴木アナウンサーの司会で第2部は始まり、日本からの3頭を含めた出走有力馬について競馬評論家の細江純子さんとともに見解を語り合いました。

日本馬3頭はいずれもハイレベルな能力を持ち、それぞれに個性的な馬なので日本人としては期待したいのは当然。しかし前哨戦を使うことなくいきなり本番というのは不安でもありました。とはいえ、これだけの馬が3頭も揃って挑戦するなどということはそうあることではないので、その点では今年はチャンスとも言えます。

ところが外国勢も強力です。3歳牝馬タグルーダは、英国オークスを勝った後、あえてアイルランドオークスを使わず、牡馬相手の「キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス」に挑戦して圧勝した実力派。ゴスデン調教師もこれまで管理した牝馬の中で12ハロンではこの馬が最強と言っていました。同じく3歳牝馬フランスオークスを勝って6戦6勝のアヴニールセルタン、担当のルジェ調教師は「ザルカヴァ」を思い出させると強気です。さらに3歳牡馬のフランス馬エクト、凱旋門賞の前哨戦「ニエル賞」を一気の末脚で勝った馬、主戦のブノワ騎手がアヴニールセルタンとの選択でこちらのエクトを取ったことでも注目されます。そしてもう1頭去年の勝ち馬「トレヴ」です。あのオルフェーヴルを5馬身ちぎった豪脚が忘れられません。今年は背中を痛めたことなどがあり、3戦して勝ち星がありません。ただ直前のヴェルメイユ賞で最後見どころのある末脚を一瞬だけ見せて、復調途上だなと感じさせてくれました。もし勝てば36年ぶりのアレッジド以来の連覇。

と、自身の見解を述べさせて頂きました。

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日本馬3頭対仏英の4頭の対決とみていたのですが、スタートしてみると日本馬はいずれも後方から位置取りとしては感心できない位置です。一方トレヴが先団の真ん中の絶好の位置、勝つときはすべてがうまくいくということなのでしょう。スローペースのままレースは進み日本馬は見せ場なく、トレヴが一気に抜け出して2連覇達成。

やはりこのレースを目指して実力を発揮できるように入念に備えを積み重ねてきたことが見事に実ったということでしょう。また、今年の成績がいま一つだった分、他の陣営からも厳しいマークを受けずに済んだことも幸いしたことでしょう。強い馬は強いと感じさせるレースでした。それと共にこのレースを勝とうとするのなら、馬も長期フランスに置き、騎手も半年くらいはフランスに滞在して欧州競馬での乗り方をマスターする必要があるのではないかとも思いました。

「全米オープン 決勝戦」

日本人初の快挙(アジア人初でもある)、全米オープンテニスの制覇なるかどうかで注目の錦織圭選手対クロアチアのマリン・チリッチ選手の決勝戦を今朝中継で見ました。

日本中が錦織ブームで盛り上がっており、世界ランクから見ても錦織選手がやや上で、過去の対戦も5勝2敗で錦織リードなどの実績から見ても彼がチャンピオンの座につくのではと見る向きが多かったようです。ただ松岡修造氏が昨日のテレビ番組で言っていた「チリッチはあのフェデラーをストレートで破って勢いに乗っています。必ずしも錦織有利とは思えません」という言葉が妙に胸に引っかかっていました。

さて始まってみるといつもの錦織選手のストロークが見られません。サービスにも冴えが出ません。第1セット6-3で落としてしまいました。やはり決勝戦ということで硬さが出ているのでしょうか。

第2セットに入るとチリッチ選手の弾丸サーブが決まり始めます。所々で錦織選手らしいショットも出ますが流れを変えるに至らず、6-3と連取されてしまいました。

第3セットに独特のリターンエースが出たりはするものの、チリッチ選手は常に冷静に自分のペースを守り続け、気持ちを崩すことなくやるべきことをやり通して6-3と接戦の予想を裏切って圧勝でチャンピオンの座につきました。

198センチの長身から繰り出す強力サーブ、そして元全英オープンチャンピオンのイワ二セビッチコーチの立てた戦略通りにテニスを進めて、錦織選手に立ち直りのチャンスを与えなかったのは見事でした。今日の試合に関してだけは「硬くなってしまった」と語った錦織選手は本当に残念ながら自分の特徴を発揮できないまま破れました。でも24歳の錦織選手と25歳のチリッチ選手のライバル関係は今後も良い形で続いていくことでしょう。

30年余り前、全米オープンテニスの中継を担当していた頃を懐かしく思い出し、(その当時はビヨン・ボルグ、ジミー・コナーズ、ジョン・マッケンロー、イワン・レンドルなどが活躍していました)久々に朝から燃え上がった気分で観戦しました。

「夏の甲子園が終わって」

夏の全国高校野球選手権が終わりました。

今から30年以上前、NHKでスポーツアナンサーとして勤めていた時代は甲子園で中継放送を担当していたので、この時期になると懐かしさも含めついついテレビの画面に目が行ってしまいます。

今回は予想した通り、大阪桐蔭高校が優勝して通算優勝回数を4回と伸ばし強さを見せつけました。これといって話題を一手にさらうスター選手はいなかったようですが、西谷浩一監督の指導方針「一球同心」という言葉に象徴されるように、一球一球に選手全員が同じ心得を持って臨むという精神が本当に浸透していたのだなと思わせるプレーが随所に見えました。

日刊スポーツ紙上で元ヤクルトの宮本慎也さんが指摘していたように、リードされている状況下で相手のスクイズを外すというような高度のプレーは簡単に生まれないものだとのことです。それとともに目立ったのは、毎回勝利監督インタビューでの西谷監督の発言がとても冷静で、常に試合を共に戦った相手チームに心から敬意を表していたところにも好感が持てました。強豪チームの中にはとかく全国制覇を当たり前のように唱える監督の存在が時折目につきますが、高校野球はあくまで謙虚さが下敷きにあって力を出し切って戦うところにこそ良さがあるのであって、そのことの大切さを西谷監督は理解している優れた監督の一人だと感じました。

「北海道へ」

グリーンチャンネルの「草野仁のスタジオGate J. +(プラス)」で浦河競馬祭りを取材するために、7月下旬北海道に出かけました。(オンエアは9月)

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まず初日はノーザンファームで初子を産んだブエナビスタとその子との対面でした。母馬となったブエナビスタは大分ふっくらとしましたが相変わらずきりっとした顔立ちで、気高さを保ったまま。初子は牝馬ですが、お母さんそっくり流星の形も顔立ちもすごくよく似ていて、この子も母親と同じような活躍が期待できそうな感じがしてくるほどです。

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動きを見ていても落ち着いていてきちんと姿勢を保ち、無駄なことは一切しません。走る馬は顔が良いとよく言われるのですが、この子も本当に賢そうで期待が持てます。まだ生まれて5か月余りですが、この時期にすれば鞆の発達も素晴らしいと関係者の皆さんも話していました。順調に育ってほしいものですが、一年後会員の皆さんの前に一体一口いくらで登場するのでしょうか。現実には母と並ぶほどの活躍をするのはなかなか難しいとは思いますが、これほど似ている姿を見たら何としても一口加入して応援したいですね。

そのあと社台スタリオンステーションで種牡馬軍団とご対面です。ディープインパクト、オルフェーヴル、キングカメハメハ、ドリームジャーニー、マンハッタンカフェ、ヴィクトワールピサ、ハーツクライなど日本を代表する名種牡馬を見て気分は最高でした。

その後、千代田牧場に伺いました。千代田牧場といえばニッポーテイオー、タレンティドガール、スマイルトゥモロー、ピースオブワールドなどのG1馬を輩出した名門牧場で、今もホエールキャプチャが現役で頑張っているなど生産者ランキング(8月3日時点)6位と頑張っている牧場です。社長の飯田正剛さんとは10年来のお付き合いで生産馬を共同で持たせていただいている間柄です。

更に、この牧場で働く末谷真央さんは大学の後輩で東大の大学院まで行きながら馬の魅力に惹かれて方向転換して千代田牧場に仕事場を求めてやってきたという女性です。生きる道を自ら選んで突き進んできたそのガッツに感銘を受け、応援するようになりました。ここ数年の末谷さんの努力は素晴らしいものがあり、今や千代田牧場にはなくてはならない存在となって飯田社長を補佐し、時に提言して社長とぶつかりあったりしながら、尚前進している毎日のようです。取材には目いっぱい協力して頂いて初日の仕事を終えることができました。

ノーザンファーム、社台スタリオンステーション、千代田牧場の皆様本当にありがとうございました。

「綱とりの道は・・・」

大相撲名古屋場所は終盤を迎えましたが、なんといっても今場所一番期待されていた稀勢の里が十二日目までに4敗を喫してしまい、日本人横綱誕生を期待していた人たちをがっかりさせてしまいました。

横綱への道が見えていてなかなか到達できない理由は何なのでしょうか。

思うに、まず自身の相撲技術の更なるレベルアップが思うようにうまくいっていないこと、そして相手に対して勝つための戦略が十分に確立されてないことではないでしょうか。

力士はであれば常に自分の弱い部分を強化し、強いところを一段と磨き上げていく必要があります。彼の場合、左腕の腕力は誰もが驚くほど強いのですが、せっかくの左の強さを生かすには右からの攻めが同時に生かされなくてはなりません。従って、立ち合い右でまわしを取って強力な左を使えば、相手にとってこんなに取り難い力士はいないという感じになるはずです。この右からの攻めがないばかりにここ一番の勝負では右腕を跳ね上げられて上体が起こされて伸び上がるケースが多く見られました。

また、土俵上の仕切りの中で相手が何を考えているのかを読み取っていく繊細さも必要だ、と故鳴戸親方がよく言っていました。そのことも含めて相手に対する徹底研究から戦略を組み立てておくことがやはり当然のこととして要求されます。

残念な戦績となってしまいましたが、来場所の奮起を期待したいところです。

「残念なことに・・・」

昨日、ヤンキース田中将大投手が残念なことに負け投手になってしまいました。今季の連勝記録も6ストップ。一昨年の8月以来続いていた連勝記録も34で終わりました。

この日は雨の中で投げにくそうで、途中で砂を入れてもらったりして苦労していましたが、先に失点を重ね、味方の援護もなくついに負けを経験することになったのです。でも勝負の世界に生きるものにとっては時に敗者となるのは当たり前で、正直よくここまで連勝が続いたものだなとも思います。

この日は持ち前のコントロールがいま一つだったのと、相手カブスの打撃陣が低めに落ちる球には手を出さないということを徹底してきたことで苦境に立たされたということだと思います。苦しいピッチングの中でもスクイズを本塁でアウトにするプレーも2度ありましたし、大崩れしなかったのはさすがだといえます。

これからは一段と相手チームのマークはきつくなってくるのでそこにどう対処していくかが見ものです。昨日の試合の後のコメントは、「次の試合こそが本当に大事です。しっかり準備をして臨みます」といつものマー君らしい発言でした。本当に次にどんなピッチングをしてくるのかが注目されますね。

「誰も書かなかった武豊 決断」

作家の島田明宏さんが上梓した「誰も書かなかった武豊 決断」を読みました。

島田さんは武豊騎手を25年にわたって取材し、海外遠征にも同行し、ずっと武騎手を一番間近で見守ってきた人です。常に取材対象に敬意を抱き、適正な距離感を保ち、ジャーナリストとしての冷静な目を失わない島田さんの生き方が何よりも武豊騎手の信頼を得て、二人の間にとても素晴らしい関係が出来上がっているのです。そこに描かれた武豊像はまさしく等身大の武豊さんです。これまでのさまざまな場において武騎手がどう考えどう行動してきたのかが分かり易く精緻に描かれていて、それを知るとより一層武ファンになってしまうことでしょう。

天才といわれる人が基本的に物事をどう考え、どう処理していくのか私たちにとってもとても参考になります。読み終わって元気を与えられると同時に何とも言えない爽快感を覚えました。それは誰よりも親しい関係にあるのに、そのような感じを読んでいる人に微塵も感じさせない島田さんのジャーナリストとしての姿勢が貫かれているからだと思いました。多くの皆さんに読んでいただけたらと感じています。

「ヴィクトリアマイル」

一昨日日曜日、ニッポン放送の「日曜競馬ニッポン」に出演しました。

その日は東京競馬場でG1(ヴィクトリアマイル)が行われ、番組のゲストとして出演をしたのです。第1回の優勝馬ダンスインザムードそして第4回の優勝馬ブエナビスタの双方の一口会員だったということで、自分自身にとって大変思い入れのあるレースです。午後2時半から4時までの放送ですが、司会の清水久嗣アナウンサーと堀江ゆかりさんがとても分かり易く、温かみのある放送をしていかれるので私自身もリラックスしてお話の中に入っていくことができました。

放送自体はヴィクトリアマイルの一つ前の10レースの実況から始まりましたが、清水さんからは「10レースはどの馬から買いましたか」と聞かれ、「13番のアナザーバージョンからです。ウイリアムス騎手に期待しています」と答えました。スタートするとアナザーバージョンは4番手くらいの好位を進み、直線中ほどからグイグイと上がってきて逃げたノースショアビーチと激しい叩き合いになりましたが、ノースショアビーチ」が最後まで意地を見せて一着でゴールイン。でも私はアナザーバージョンから馬単マルチを買っていたので、見事的中。ノースショアビーチが人気薄だったこともあり9,840円の配当でした。

とはいえ、思わずここで当てていても何にもなりません。ヴィクトリアマイルを当てなくてはならないのです。さらに番組ではメインレースで5,000円分の馬券を買って当たったらリスナーにプレゼントをするという仕組みになっているので、なんとしてもリスナーのためにと思って考えたのが人気薄のエクセラントカーヴの単勝2,500円、複勝2,500円という買目でした。もし当たれば大幅プラスになりそうです。

さてその肝心のレースですが、スタートするとクロフネサプライズではなく、ヴィルシーナが強引に先頭に立ちリードを奪います。人気のホエールキャプチャは好位マークで、メイショウマンボも早目中団に。私の狙い馬であるエクセラントカーヴもこれにほぼ並び、スマートレイヤーもその後ろにつけ直線でどんな攻防になるのか注目されました。

しかし逃げたヴィルシーナの踏ん張りはなんと最後まで続きついにほかの馬の追撃をかわして見事な復活劇を演じて見せたのでした。しかもこのレース初の2連覇でした。騎乗した内田騎手の執念、友道厩舎のチームークがヴィルシーナの闘争心を呼び覚ましたと言ってよいでしょう。

走られてみるとこういうこともあるなとつくづく感じさせられるレースでした。調子を落としていたように見える馬もその馬の潜在能力だけは考えの中に入れていなければならないことを教えられたレースでした。

「田中将大投手」

NYヤンキース田中将大投手の投球を3試合ほど見ました。

基本的にコントロ―ルが良いので大崩れする可能性は低い。スプリットが打ち気の打者にはもってこいの低いいところに落ちる。ここ一番のギアの切り替えができる。精神的に強さとクールさを兼ね備えている。などなど堂々と大リーグでやっていけるだけのものを十分に持っていることが伺えました。

5試合で3勝、防御率2.27、奪三振46というのは初体験の大リーグの成績としては立派なものだと思います。ただ、サバシア投手と黒田投手にやや力の翳りが見えるこのところの戦いを見ていると、いずれ田中投手にエースとしての働きを求められる日が来るのではないかという気もしてきます。その立場になったとき、また相手の研究が一段と鋭くなってきたときに田中投手がどう対応するか、そこにも注目したいと思います。

日ごろからとても緻密にピッチングを研究し、向上心を持ち続けている田中投手ですから、そうした苦難を見事にクリアしてくれるものと思います。今後がますます楽しみです。

「桜花賞」

私事ですが、パソコンの切り替えなどがあり、しばらくブログの更新が途絶えておりましたがようやく再始動致します。

まず昨日の桜花賞、予想通りハープスターがレッドリヴェールを競り落として優勝しました。

グリーンチャンネルで番組対抗の「炎の十番勝負」という対抗戦をやっておりまして、ここまで高松宮記念、桜花賞と2戦を終わったところですが、2戦2勝と順調な出だしになりました。ハープスターとレッドリヴェールの叩き合を見ていて5年前のブエナビスタとレッドディザイアの叩き合いが蘇ってきました。あのときも「レッド」の馬が惜敗したのですが、勝負の世界で辛いのは抜けて強い馬がいるとNo.2の馬はなかなか浮かばれない存在になってしまうことがあることです。ハープスターが異常に強いのでレッドリヴェールにとっても肩の荷が重いのではないでしょうか。

キャロットクラブの手嶋代表がチューリップ賞のときに喜びとともに少しだけの困惑の表情で「凱旋門に行くんですよ」と語っていたことが思い出されました。このまま順調に行って秋にファンの期待が実るようになってほしいと思います。来週は皐月賞で今度は大変な競り合いが予想されます。私はトゥザワールドが栄冠に近いものと思っています。

「同郷の著名人とともに」

5月7日から、長崎がんばらんば国体・大会の開・閉会式の一般観覧者募集が始まります。それに先立ち、開・閉会式に出演する長崎県出身の著名人の皆さんが発表されました。

多くの皆さまとともに、私は、両大会の開会式のプログラムの一部で司会を、また、国体の閉会式にゲストとして出演させ頂きます。

両大会の開会式の華となる選手の皆さまを歓迎する演技には、長崎県内の小・中・高校・特別支援学校・ろう学校の児童・生徒の皆さんが出演されます。「長崎万華響」をテーマに、マーチング、和太鼓演奏、創作ダンス、マスゲームが繰り広げられます。ながさきの未来を担う子供たちが、いま、一生懸命、そして楽しく練習しています。

また、選手団の入場行進、炬火(オリンピックの聖火にあたるもの)の点火、表彰などの際には、高校・大学・社会人の皆さんで編成する式典音楽隊が、長崎県ゆかりの曲、長崎県出身の歌手の名曲メドレーなどを合唱・演奏します。会場はながさきの音楽で満ち溢れます。

さらに、両大会の開会式では、「ながさき魅力発信!!」と題して、長崎県の歴史や文化、自然、食などの魅力を映像で紹介いたします。私は、同郷の女優である宮﨑香蓮さんと故郷の島原半島を旅してまわり、その模様を「島原半島の魅力発信!!」としてご紹介する予定です。

長崎県らしい長崎県の魅力が満ち溢れた記憶に残る開・閉会式の実現に向け、これから「がんばらんば!!」 開・閉会式の概要、ライブや映像でご出演頂く長崎県出身の著名人の皆さまの出演概要・プロフィール・コメントが、長崎がんばらんば国体・大会のホームページに掲載されておりますので、ご確認いただければ幸いです。

長崎がんばらんば国体2014 開・閉会式(長崎県ゆかりの著名人出演予定情報)

「春のG1シーズン」

依然として寒さが続きますが、競馬はそろそろ春のG1シーズンに向かっています。

桜花賞の前哨戦チューリップ賞ではハープスターが圧倒的な強さを発揮して、もう桜花賞は決まったなという感じを漂わせています。ひょっとしたらブエナビスタより強いのかとも思えてきます。陣営では既に凱旋門賞に挑戦することを考えているとのこと。

一方、弥生賞ではトゥザワールドがワンアンドオンリーに追いすがられましたが、期待通りの強さを見せて皐月賞の最有力候補になりました。さらにイスラボニータがどんなレースをして挑むのかなど興味は尽きません。

個人的には期待しているラングレーが毎日杯に向かい、どうやら上手く行けばダービー路線に乗りたいようです。骨折から復帰したリヤンドファミユもそろそろ持ち味を発揮してくれるのではないかと期待したいところです。1400が良さそうなネオウイズダムも疲れをいやして宣戦復帰しそうですし、1200に活路を見出したアスコルティもゆっくり次に備えそうです。そしてエスターブレが中京で21日に走ります。低位安定から早く脱却して欲しいと思っています。

「長崎がんばらんば国体・大会」

今年、私のふるさと長崎県で45年ぶりに第69回国民体育大会(愛称:長崎がんばらんば国体)と、長崎県では初めてとなる第14回全国障害者スポーツ大会(愛称:長崎がんばらんば大会)が開催されます。国体と障害者スポーツ大会あわせて、73の競技・スポーツ行事などが行われ、長崎県内の離島を含めた21市町すべてが会場となります。

全国から長崎県に集まるアスリートは3万人近く。県民総参加で「おもてなし」の心を持ってアスリートや観客の皆様をお迎えする準備が進んでおります。

その中で私は、この国体と障害者スポーツ大会の式典アドバイザーとして、実行委員会の皆様とともに開・閉会式の内容を企画させて頂いております。

国体の総合開会式は10月12日(日)、総合閉会式が10月22日(水)、障害者スポーツ大会の開会式が11月1日(土)、閉会式が11月3日(月・祝)で、共に諫早市にある長崎県立総合運動公園陸上競技場において行われます。

長崎は古くから海外との交流が盛んに行われた街で、これらの歴史を物語る出来事が昨年ありました。

それは、長崎市の端島炭坑(通称:軍艦島)や旧グラバー住宅などが「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」として、2015年のユネスコ世界文化遺産の登録をめざして、日本政府がユネスコ世界遺産センターに推薦書を提出したことです。あわせて、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」も2016年の世界遺産登録を目指しています。

2020年の東京オリンピックの開催が決まり、日本全体が明るく前向きな雰囲気になっているこの時期に、世界的に重要な資産や価値を持つ長崎県でスポーツの祭典が開催されることは、長崎県が明るく、県民の皆様が元気になるきっかけになるのではないかと考えています。
 
さらに、長崎県の歴史や文化などにスポットがあたり、街のすばらしさを再発見する機会でもあると思います。開・閉会式では、県民の皆様の伝統芸能の披露とともに、長崎の歴史や文化など多彩な魅力を発信するパフォーマンスが行われる予定ですし、長崎県ゆかりの著名人の皆様にも、ご協力頂くことになっています。
 
今後も長崎がんばらんば国体と長崎がんばらんば大会について情報をお伝えできたらと思います。長崎県に注目頂けましたら幸いです。

国体と大会のホームページ

「フィギュア・スケート」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2013年12月24日 13:05
  • スポーツ

フィギュア・スケートの全日本選手権女子のフリースケーティングをテレビで見ました。日本が力を入れて来たジュニアの養成が非常に上手く行っているようで15、6歳で近い将来を期待させる選手たちが結構いることを実感させられました。30年くらい前に自分がNHK杯フィギュアなどの放送を担当していた頃は、日本がこのようなフィギュア大国になろうとは夢にも思わなかったのですが、こうして現実をみるとやり方次第でこれ程の躍進ができるのだなと思うとともに、協会の方々の苦労がこんなに素晴しい形で実って来ていることに心から拍手を送りたいですね。

その昔、まず日本人の体形が相対的に美的表現を競うことに向いていないと思われていた時期もありました。それに仮に優秀な選手が出て来ても、その人と競い合うレベルのライバルがほとんどいなかったため、極めて孤独な戦いを強いられたものです。それに比べると現在は選手の層が厚くなって周りに競争相手がたくさんいるので、常に目標を持って前に進んでいくことができます。身近に競える相手が常に居るという、こんなに恵まれた環境は無いと思います。是非この優位性を生かしてもっと頑張ってほしいものです。

さて競技ではベテラン鈴木明子選手の演技が光りました。気合も凄かったのですがスムーズな出だしからまるでゾーンに入ったような完璧な演技で最高得点をマークし初優勝しました。この演技がオリンピックでもできればメダルも可能でしょう。ただしフィギュアだけはやってみなければ分からない一面があり大変です。でも今季限りでの引退を決めているそうで本番でも期待したいものですね。

五輪出場枠には浅田真央選手、村上佳菜子選手が順当に決まり、男子の羽生選手、町田選手、高橋選手と共に日本は最強のメンバーでソチ五輪に臨むことになりました。活躍を期待しましょう。

「今年最後の週を振り返って」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2013年12月23日 17:14
  • スポーツ

一年の競馬の最終週、漸く時間が取れて目一杯楽しみました。

21日、中山大障害、どう考えてもアポロマーベリックが軸に思え、単、複、アポロからの馬単、アポロ1頭軸の3連単を買って観戦しました。アポロは最初から出足よく飛ばし、飛越も非常に上手く快調にレースを引っ張り最後の障害も難なく越えて、あとは後続を離す一方で2着に8馬身差をつける圧勝で、久し振りに会心の馬券となりました。見ていて何とも気分の良いレースでした。この日はパドックでも馬の状態が良く見えて好調な一日でした。

続く22日、有馬記念の日です。この日は観客が多く大変な混雑で、冷静でなければならないのに、何かせかせかしたムードに引きずられてしまい、前日と一変して馬券は不調でした。有馬記念のパドックで良く見えたのは、ゴールドシップ、ウインバリアシオン、トーセンジョーダン、カレンミロティック。そしてオルフェーヴルはいつも通り落ち着いていました。

さて馬券はどうしようかと迷いましたが安い配当の馬券には手が出ず、結局敗れてしまいました。改めて競馬の難しさを噛みしめた一日でした。それにしてもオルフェーヴルの強さ、4コーナー手前からのまくり足のスピードはいまだかつて見たことがないほどの迫力でこれはディープインパクトよりも凄いと思わせるものでした。他の馬とは格が違うと言わんばかりのレースで、これで引退とは勿体ないなという感じです。とはいえ、色々な意味で歴史に残る名馬でしたね。あとはその遺伝因子が何処まで子供達に受け継がれるか、その点に注目したいものです。

「JCダート」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2013年12月 2日 14:40
  • スポーツ

この2か月働き通しだったので、昨日は息抜きのため中山競馬場に行ってきました。

天気も良く競馬を楽しむには絶好の条件が揃っていたのですが、午前中思い通りになったのは1レースだけ。苦戦が続きました。午後に入っても相変わらずです。

ついていないときにはそういうことが起きるものなのですが、買おうかなと思っていた阪神のレース、1頭軸にして相手は8点、3連単マルチにすると168点になってしまうので、ちょっと手を広げ過ぎてしまうなと反省してそのレースを見送ったところ、何と予想通りの展開になってしまい3連単の配当が何と199万円という結果でした。買っていれば良かったのに負けていたことで弱気になったのがいけませんでしたね。

でも苦しみながらも阪神のメインレース、ジャパンカップダートだけは何故か自信がありました。勝つのはベルシャザールと信じ込んでいたので馬単で流して成功。2着にワンダーアキュートが来てくれてようやく愁眉を開くことができました。でも競馬はやっぱり難しいものですね。今年も残すところあとわずか、馬券は頑張るぞと決意を固めました。

「アスコルティ」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2013年11月25日 14:30
  • スポーツ

このところ忙しくてブログの更新もなかなかできず、勿論競馬場にもいけないままなのですが、土曜日の新馬戦でアスコルティが見事な勝利を飾ってくれました。牡馬のラングレーと共に来年が楽しみです。

デビュー戦は結構難しさがあって思い通りには行かないものですが、アスコルティに関してはとても良いレースができたと思います。後藤騎手も、スピードがあるのは分かっていたので、そのスピードを生かしたレースをして馬にストレスを与えないようにしようと思った、とのことでした。逃げる形になりましたが決して無理はせず、直線に入ってもちょっとだけ馬に行くよと促しただけで、あとは追ったところなしのままで3馬身差の勝利。なんとも格好良い優勝でした。

「1600mまでは持たせるようにこれからしっかり教え込んでいきたい」と後藤騎手は語っていて、どんな馬に成長するか楽しみです。まだ早過ぎますが桜花賞路線を目指して順調に成長して貰いたいと思います。

「梅田陽子さん ありがとうございました」

昨日、グリーンチャンネルの「草野仁のスタジオGate J.」の公開収録を行いました。

2013年の最後は矢崎滋さんをゲストにお迎えしてとても楽しいトークになりましたが、一緒に司会を担当して頂いていた梅田陽子さんがこの回でこの番組から卒業ということになりました。そこで収録後、忘年会を兼ねた梅田さんのお別れ会が開かれました。

実は梅田さんとはこの番組で初めてお仕事をすることになったのですが、不思議なことに昔からの仲好しコンビのようにいつも自然体で仕事ができました。梅田さんの持っている雰囲気がとても爽やかで、細やかな心配りを絶やさず優しさに満ちていて、こんなに心地良く仕事をさせて頂いたのは本当に久々のことでした。誰でも時にテンションが高くなりすぎて空回りすることがあるものなのですが、梅田さんは決してそんなことはなく、私と一緒にこの番組を盛り上げ、より良いものにして行こう、という思いに常に満ちていて、本当に素晴らしいアシスタントでした。

更に感心したのは、決して他人を悪く言わないことです。それは他人に対する優しさであり、自分自身の気持をきちんとコントロールできる人だということです。一緒にいていつもほんわかとした良い気分にさせてくれる梅田さんはとても貴重な存在でした。三年間御一緒できたことに心から感謝しています。ありがとうございました。

「日本シリーズを振り返って」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2013年11月 5日 17:37
  • スポーツ

今年の日本シリーズは楽天の優勝で終わりましたが、なかなか見所の多いシリーズだったと思います。

王手をかけられた巨人が田中将大投手を打ち崩した第6戦。プロの意地にかけてもという巨人打者群の執念が実り、今季初黒星を田中投手に与えたのは結果として良かったと思うのです。田中投手の今シーズンのピッチングが素晴らしかったのは誰もが認めるところですが、双方プロですから絶対的に攻略不可能ということはありません。24連勝は驚異的ですがどこかに攻略の糸口はあるはずで、そこを目指して頑張るのがプロだと思います。

その意味で巨人が何とか攻略できたのはプロ野球ファンとして一安心という感じでした。ただ巨人にとってはその目標を果たしたところでエネルギーが尽きてしまったように見えます。肝心な第7戦に勝つための力はもはや残っていなかったように見える試合でした。

それにしても則本投手、美馬投手が予想以上の好投を見せて巨人に主導権を渡さなかったのは見事でした。巨人のキャプテン阿部選手が打てなかったところを見ても楽天の日本シリーズ対策はほぼ完璧だったと言って良いでしょう。一方巨人は戦力の厚みから言っても負けるはずがないとどこかで思っていたのではないかと思えるほど、十分な備えができていたようには見えませんでした。

「期待のニューフェイス」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2013年11月 4日 16:33
  • スポーツ

今季は一口でも目立った成果をあげられずにいたのですが、ようやく良い展開が望めそうになりました。期待をかけていたラングレーが新馬勝ちを収めてくれたからです。

前評判は高かったのですが、現実にどのような競馬ができるのか実戦を見てみないと何とも言えないものです。

そして注目の新馬戦。スタート良く飛び出したものの、一瞬馬が飛び跳ねてひやりとしましたが、その後はしっかりと好位を守り、直線では内から外を突こうとするも前が開かず、今度は埒沿いを真っ直ぐ走って一気に先頭に立ち押し切りました。

まだ随所に若さが見えますが走る能力はかなり高そうですね。この後は東スポ杯2歳ステークスに挑戦の予定だということで厩舎の意気込みも伝わってきます。更に牝馬にも期待の持てる馬がいるので来年にかけて楽しめると良いなと思っています。この時期は夢が描けて楽しめるときでもありますが、現実にはその通りにはならないことが多いのでゆっくり構えて応援致します。

「日本シリーズ」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2013年11月 2日 09:28
  • スポーツ

日本選手権シリーズも面白くなってきました。

楽天が3勝2敗と王手をかけて本拠地仙台に帰ります。そして追い込まれた巨人はいよいよ田中将大投手との対決を迎えるのです。今季負けたことのない田中投手を相手にして巨人打線がどんな対応策を練ってくるのかそこが最大の見所です。データを見ると序盤1~3回に比較的失点をしている田中投手、まずは何とか立ち上がりに焦点を絞って巨人は臨むのでしょう。低く落ちるスプリットは捨てて、やはり真中から高めストレートを狙うのかが、一つのポイントです。

一方巨人投手陣としては銀次選手、ジョーンズ選手、マギー選手の中軸を完封しなければなりません。これがまたなかなか難しそうです。

いずれにしても田中投手を攻略できなければ巨人の優勝はないので、具体的にどんな策を講じるかそこが最大の焦点ですね。今日の試合は見逃せません。

「レッドソックス優勝 おめでとうございます」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2013年11月 1日 15:51
  • スポーツ

MLBワールドシリ―ズもボストン・レッドソックスの優勝で幕を閉じました。

しかも地元フェンウェイパークでワールドシリ―ズ優勝を決めたのは1918年以来95年ぶりということですから、地元ファンの喜び様は私たちの想像を超えるほど大きなものだったと思います。今年はボストンで爆破テロ事件が起きて悲劇に見舞われたのですから、より一層人々の胸に浸みいる思いがあったに違いないでしょう。その意味ではMVPに選ばれた主砲オルティーズ選手がMVPトロフィーを前に「これはボストン市民のものだ」と語ったのは素晴らしかったですね。

さて、セントルイス・カージナルスにすればウェイン・ライト投手とワカ投手の両エースが打ち崩されては敗戦も致し方ありませんでした。それに自慢の攻撃陣も不発のまま。全体のリズム感も良くなかったように見えました。

一方レッドソックスはシーズンを通してコンスタントに力を発揮してきた、その流れをポストシーズンも持続でき、極端なチーム力の落ち込みがなかったのはファレル監督の見事な統率力でした。去年バレンタイン監督のもとで乱れたチームの和を素早く取り戻し、チーム一丸となった戦いができるところまで引き上げた手腕は素晴らしかったと思います。上原投手、田沢投手の使い方も的確で彼らにそれぞれ86試合、84試合を任せ、十分な配慮と二人に対してリスペクトする気持を伝え続けてきたからこその世界一だと感じます。

完璧な抑えを果たした上原投手をオルティーズ選手が優しく抱えあげるシーンが目に焼き付いて離れません。本当に皆が一体に成っていたのだなと思いますね。おめでとうレッドソックス。そしておめでとう上原投手、田沢投手。

「凱旋門賞」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2013年10月 8日 16:42
  • スポーツ

今年の凱旋門賞も勿論テレビ観戦しました。

フォア賞のレースぶりから見ても、またその後の調整過程から言っても、池江調教師の思い通りに仕上がったと聞いていたのでオルフェーヴルが勝てるだろうと考えていました。しかし勝負の世界は本当に甘くないですね。結果はご存じの通り、トレヴの前に完敗してしまいました。

まず位置取りがイメージよりも後ろになったこと、出だしは馬も行きたがっていたこと、そして直線の勝負どころで一歩早く仕掛けたキズナに蓋をされる形になって外へ出すのが気持遅れたこと、など小さなマイナス点はありましたが、決定的なミスは無く持てる力は発揮できたように思えます。

ところがトレヴは想像以上に強く、一気の加速で抜け出して行きました。54.5キロという3歳牝馬に与えられた負担重量のメリットはありましたが、それにしても強いと思わず叫んでしまうほど素晴らしい脚力を披露してくれました。最初は300万円足らずでも買い手がつかなかった馬が、デビューして4連勝。G1を連取してトレードに10億円ものお金が動いたというのですから能力は極めて高い馬だったと認めざるを得ません。

またキズナの武豊騎手も最高の乗り方を見せて4着と大健闘。勝利には届きませんでしたが日本馬はハイレベルだということは証明できた感じです。来年以降に課題を残しましたが、その分勝った時の喜びは大きいものになると言って良いでしょう。

オルフェの仇はその弟であるリヤンドファミユが果たしてくれると良いのに、と勝手に思ったものでした。

「ヤンキース」

この時期、毎朝時間があれば大リーグ中継にチャンネルを合わせます。

今日はヤンキースが負ければポストシーズンの戦いに残れなくなるというレイズとの一戦でした。今季不振のヤンキースの先発ヒューズ投手が立ち上がりから乱れ、結局レイズにリードされる展開となり、中盤レイズのロンゴリア選手に3ランホームランを打たれ結局8―3でレイズが勝ち、ヤンキースは5年ぶりにポストシーズンに進出できずに事実上の終戦となったのです。

ヤンキースの不調の原因は沢山ありますが、先ず主力選手に故障者が多く出たことが挙げられます。キャプテンのジーター選手、タシェアラ選手、グランダーソン選手、A.ロッド選手などきりがないほどでした。その割に前半から中盤にかけて投手陣が踏ん張って5割以上の勝率を維持していましたが、肝心の終盤に黒田投手が疲れ、サバシア投手が故障し、今季限りで引退するベテランのペティート投手が踏ん張ったものの、他の投手も息切れした感じで遂にワイルドカード争いにも敗れてしまったという感じですね。

ジラルディ監督の去就も気になりますが、チーム編成も大きく変えざるを得なくなることでしょう。第一のポイントは若返りということになるでしょう。そうなるとイチロー選手の扱いがどうなるのか日本人としては一番気になりますね。

「日本テレビ盃」

今週の月曜日、23日に船橋競馬場に行きました。この日行われるメインレースである日本テレビ盃(JPN3)のトークショーをはじめとしたイベントに参加するためです。

イベントに参加したメンバーは古谷剛彦さん、鈴木淑子さん、荘司典子さん、六車奈々さん、司会として秋田奈津子さんそれに私の6人でした。

まず、競馬場来場者の中からベストドレッサーを選ぶコンテストが行われました。男性も女性もとても個性的なそれでいて、とても工夫したファッションの10組が予選を通過して決勝に臨みました。大変厳しい戦いになったのですが、男性の部はインナーに着ていた5500勝記念のTシャツが見事なアクセントとして引き立っているとして67歳の的場文男騎手ファンの方が選ばれ、女性の部は自分が連れて来た幼い姉妹のコーディネートが際立っていて素晴らしいと評価されてそのお母さんが親子揃って選ばれたのでした。競馬を楽しむためにファッションも思いのままに決めてみようという気持ちを持った方が増えてきているのはとても良いことだと感じました。

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そしてこの表彰式に何と地元のスター<ふなっしー>が登場しました。半年ほど前、日本テレビの「行列のできる法律相談所」のスタジオで出会って以来の再会です。あの頃はまだまだテレビ出演もまれにしかないという感じでしたが、このところの人気沸騰で忙しくてしょうがないとのことです。こちらから声をかけると「草野さん久し振りで嬉しいなっしー」と喜んでもらえました。相変わらず元気一杯、飛び跳ねては甲高い声を発して駆け回ります。お客さんも大喜びでした。

さてメインレースの日本テレビ盃の予想も皆で行ったのですがこちらは本命馬が強すぎて今一つ盛り上がりませんでした。レースも予想通り武豊騎手のワンダーアキュートが福永祐一騎手のソリタリーキングを最後に交わして優勝。レース後の表彰式の司会も担当させて頂いたので、久し振りに武豊騎手に優勝インタビューをする機会を得ました。直接顔を合わせるのは本当に久々でお互い顔を見合せながら楽しいやり取りができました。とても気分の良い一日を過ごすことができて幸せです。

「終盤戦」

プロ野球ペナントレースもいよいよジャイアンツと楽天がリーグ優勝に近づいて来ました。

両チームとも危なげなくリーグ優勝となりそうなのですが、やはり両チームともに総合力が抜けていたように思います。ジャイアンツには投手力も打力も他チームを圧倒する厚みがありました。予想に反したのは沢村投手くらいで後は大体期待通りの成績を収めているといえそうです。レギュラーメンバーが不振のときはそれに代わって登場した若手がその穴をしっかり埋めてくれました。

一方、楽天は負けないエース田中将大投手がどんなピンチも乗り越える強さ、巧さ、粘りを発揮して大黒柱として君臨。ル―キー則本投手がここまで14勝をあげる大活躍、他の投手陣も持てる力を出して頑張りました。また打撃陣もマギー選手、ジョーンズ選手の現役大リーガーが勝負強さをいかんなく発揮して快進撃のバックボーンとなり、相手に嫌がられるチームに成長してきました。

まだこの両チームが日本シリーズを争うと決まったわけではありませんが(可能性は高いと思いますが)とても楽しみです。ジャイアンツが田中投手を打ち崩せるかどうか、ジャイアンツ投手陣がマギー選手、ジョーンズ選手を抑えられるかどうか、今からわくわくするような両チームのぶつかり合いです。

「祝 東京決定!」

2020年のオリンピック開催地が東京に決まりました。

今年に入って、イスタンブールが優勢と報じられた時期もありましたが、トルコ国内のオリンピック反対運動が起こり事態は急変し、隣国シリアの内戦もあって状況が思わしくなくなってしまいました。また、マドリードはフェリペ皇太子が登場されて評判が上がり、最悪の経済状況からは脱却しつつあるとの主張で有力候補に挙げられるようになりました。終盤ではマドリード優勢と報じられたのは記憶に新しいところです。

イスタンブール、マドリードと比べて東京にはこれまで大きなマイナス点は無かったのですが、ここへ来て福島原発の汚染水問題が海外で大きく報道されるようになり、この影響がどうなるのかがポイントだと見られていました。

今回の日本のプレゼンテーションは特に素晴らしかったと言われていますが(イギリスのコンサルタントの方の指導がその根底にあったからと思いますが)、中でも汚染水問題にはっきりそしてきっぱりと答えた説得力を持った、安倍総理の発言が多くのIOC委員の心配を払拭したことがやはり第一の勝因ですよね。皆で力を合わせて誘致成功をもたらしてくれた本当に素晴らしい結果だと思います。

これで安倍内閣にとっては経済政策を含め大きな目標ができました。それも総理自身が極めて精力的にやるべきことをやり尽くしていこうと努力を積み重ねてきた結果だと感じます。全てが順調に行くことを心より祈ります。

「小橋建太さん」

先日グリーンチャンネルの番組「草野仁のスタジオGate J.」で元プロレスラー小橋建太さんをゲストにお迎えして楽しい収録を行いました。

小橋さんは誰もが知っているように真面目一徹な人で、プロレスラーとしての人生はいつも命懸けの真剣勝負を旨として生きて来た人です。それだけにお話の一つ一つに真実味と説得力があり、会場に来た人たちも静かに聞き入っていました。故三沢選手とのタイトルを懸けた試合の前日、自分の母親にかけた電話ガどんな内容のものであったのかとか、三沢選手のエルボーを受けてどれほどの損傷を受けたのかなど、聞き逃せない話が多く、充実した内容の番組になったと確信しています。

それに何よりも人柄が素晴らしく、話を聞いたら誰もがファンになってしまうような魅力に満ち満ちた人です。お会いするのは3度目でしたが、「草野さんが社会人になった年に私は生まれています。そこに何か大きな繋がりを感じます」と嬉しい言葉を頂きました。これからも彼には出来る限りの応援を続けたいと思いました。

興味が湧いた方はは今月の「草野仁のスタジオGate J.」を是非ご覧ください。

「世界柔道」

リオデジャネイロで行われている世界柔道選手権で日本男子の活躍が光ります。開幕して最軽量級からの3連勝は1973年ローザンヌ以来40年ぶりということで快進撃と言って良いでしょう。

先ず60キロ級で初出場の高藤直寿選手が4試合のうち3試合で1本勝ち、決勝でも攻めに徹して優勢勝ちを収め、金メダルを獲得して勢いをつけました。このクラスの金メダルは1997年の野村忠宏選手以来です。そして高藤選手は井上康生監督の高校、大学の後輩で20歳、期待の若手です。

続く2日目、66キロ級の海老沼匡選手が初戦から5試合連続1本勝ちで決勝に進み、決勝戦の試合中にカザフスタンの選手の反則とも思える左腕への攻めで左腕を痛めながら、残り1分で大内刈りを決めて見事大会2連覇を飾りました。

そして昨日、73キロ級で大野将平選手が順調に勝ち進み、準決勝でベルギーの選手に綺麗な大外刈りで1本勝ち、決勝でもフランスのルグランと対戦して立ちあがりに有効を奪い、2分33秒跳ね腰で1本を決めて堂々と優勝。反則勝ち2試合を含めて6試合オール1本勝ちという見事な内容でした。

ロンドン五輪で壊滅的な状態になった日本男子柔道ですが、井上康生新監督が選手たちにじっくりとモチベーションを高める話をし、それぞれに相応しいキャッチフレーズ(例えば大野選手には「お前の時代を作れ」と激励)を与えることによって精神力で相手に負けないという自負心を抱かせていることが成功しているように思えます。それが証拠にここまでの3人は他のどの選手よりも勇敢で、強靭な精神力を持っていたように見えるのです。

流石に4日目はメダルには手が届かなかったようですが、井上康生監督の今後の指導ぶりには注目したいと思います。

「素晴らしい快挙」

イチロー選手が4000本安打の大記録を打ち立てました。実質的にほぼ20年で成し遂げたのですから1年に平均して200本ずつヒットを打ち続けたことになり、これは誰にも真似できない快挙と言わざるを得ません。多くの人たちが指摘しているようにまず、プロになってからこれまで故障らしい故障をしたことがないということが注目に値します。これは自分の肉体のケアにいかに彼が気を配ってきたかを証明するものです。ストレッチ、準備運動、を徹底していることは周知の通りですし、打席に入る時も必ず屈伸をして、思い切り内股を絞って構えます。つまり内転筋をしっかり体に意識させてバッティングに臨むのです。明らかに他の選手たちとは異なるルーティンワークを持続させてきたことがそれを支えているのだと感じます。これからもどこまで数字を伸ばせるかに注目したいものです。

ところで4000安打についてさまざまな見方、捉え方があるようですが、イチロー選手は日本での活躍期間も長いので、大リーグ記録と一概に同列に扱おうとするとどうしても議論が分かれてしまいます。確かにピート・ローズ選手は4256本の安打を大リーグで打ったのであり、タイ・カッブ選手も4191本の安打を大リーグで打ちました。とはいえ、イチロー選手は大リーグだけでも2722本の安打を打っているのですから、それだけで負けず劣らずの大打者だということが分るので十分ではないでしょうか。ピート・ローズ選手やタイ・カッブ選手とどちらが上かとかいう議論になると時代と環境が違うものでもあり、あまり意味の無い比較論になってしまいます。どちらも同じくらい偉大だという認識でよろしいのではないでしょうか。

「世界陸上」

世界陸上が始まりました。初日からボルト選手、ガトリン選手、桐生選手、白人唯一人の9秒台ランナーであるルメートル選手たちの走りを見ることができて満足です。

桐生選手、スタートは良かったのですが後半力みが出て10秒31で落選。惜しかったのは山県選手で10秒21を出しながら準決勝進出を逃してしまいました。二人とも素晴らしい要素を持っているランナーなのですが、さすがに世界のトップクラスと比べるとエンジンが違うという感じがします。

60メートルくらいからの加速については、ボルト選手などは飛び抜けた強さを持っています。持って生まれた身体能力の高さとそれを磨きあげてきた鍛錬の凄さ、そこに他の追随を許さない秘密があるように思えます。

また、10秒を突破できるかどうかについても大きな壁の存在を感じずにはいられません。1968年にジム・ハインズ選手が9秒台に突入して以来、80人以上のランナーが9秒台入りを果たしていますが、これまでのところほぼすべて黒人選手です。白人選手では2010年にフランスのクリストフ・ルメートル選手が初めて9秒台を記録するまで一人も9秒台を出せなかったのです。

ローマ・オリンピックでドイツのアルミン・ハリー選手が10秒00を出してから壁突破までに50年を要しました。何か不思議な壁が間違いなくそこには存在するようです。ということは桐生選手の10秒01という記録を見て「ああ、これは9秒台も近い」と誰もが感じたでしょうが、すぐにその快挙が見られるのかということについては、案外まだ時間がかかるのかもしれない、と思えてします。

ライバルとしては、中国の張選手が今回の準決勝で10秒00を出して(日本の伊東浩司選手のアジア記録と並びましたが)、なかなか切れる走りを見せていました。これからアジア人で最初に10秒の壁を誰が突破するのか、興味が尽きませんね。   

「ファーストオーサー」

今年は忙しくてなかなか競馬をゆっくり楽しむ暇がないせいか、もう一つ気持の中で競馬熱が盛り上がって来ません。愛馬もぱっとしない成績で気合が入らないのです。

先週もエスターブレは小倉に登場しましたが、見所全くなく7着でした。調教師からは、「夏なのに全く飼い葉が上がったりせず、元気一杯です。良い競馬ができそうです」という報告があったのですが、いざ実戦になると後方を付いて回って直線内を突いて一瞬上がりかけたものの、最後は前が閊えて7着。何とも歯がゆいレースぶりでした。乗り方もできる限り好位置につけてとお願いしたのですが全く残念でした。思い通りにならないのが競馬ではありますが...

そんな中嬉しかったのは馬主仲間でもある石橋英郎さん(バシケーン号で中山大障害を優勝)の2歳馬ファーストオーサー号が2戦目の未勝利戦で後方一気の決め脚を発揮して優勝したことです。今年のブリーズアップセールで買われたアルデバラン産駒の牡馬です。新馬戦では出遅れてレースにならなかったのですが、調教はとても素晴らしいタイムを連発していたので必ず走ってくると思っていました。何と2戦目で見事な変わり目を見せ快勝です。13人気での勝利、馬券は凄い結果になりました。感激してレース後すぐに石橋さんに電話して喜びを分かち合いました。

「やはり野球は面白い」

先日4日(日)、巨人対阪神戦をテレビ観戦してやはり野球は面白いなと感じました。

巨人の先発は9勝2敗と巨人投手陣のローテーション入りを果たして新人王を目指す菅野投手です。体幹がしっかりしている体つきで、新人とは到底思えない常にマイペースで打者に向かって投げ込んでいく投球ぶり。しかも落ちる変化球を上手に操って続けるピッチングはベテランかと見紛うほどのものです。

一方、巨人戦初登板の藤浪投手はここまで6勝をマーク。これまた高校卒の新人としては期待に違わぬ投球を見せている野球ファン注目の投手。経験の上でやや菅野投手有利かと思いながら見ていたのですが、何とこの日の藤浪投手はほとんど隙の無い投球を見せていきました。

立ちあがり1点を失った菅野投手でしたが、2回以降は立ち直り、投手戦の様相です。我慢比べとなったこの試合6回まで踏ん張り通したのは藤浪投手でした。一方の菅野投手は7回に味方内野陣のエラーなどもあり、珍しく打ち込まれてマウンドを降りました。

結局、藤浪投手が勝ち投手となり、7勝目。内容のある乱れの無い安定した投球が光りました。菅野投手は悔しさを覗かせながらベンチに下がりましたが、「藤浪投手にとっても苦しい試合だと思ったが良く踏ん張りましたね。また彼とは投げ合いたいです」と雪辱を果たしたい気持を滲ませたコメントを出していました。

前にも書きましたが今年は若い投手たちの活躍が目につきます。この二人の他にも、12勝を挙げているルーキー、ライアン小川投手、またパ・リーグでは9勝の新人、則本投手など色々なタイプの新鋭投手が活躍していてこれからも楽しみですね。

「松井秀喜選手引退セレモニー in N.Y.」

先週末久々にニューヨークに行きました。勿論松井秀喜選手の引退記念セレモニーを見るためです。

セレモニーの前日、マンハッタンのステーキ店で食事をしていると、若い日本人女性が「草野さんですね」と声をかけてきました。「そうです、松井選手の引退記念試合を見るためにやって来ました」と答えますと、「あぁ、やっぱりそうだったんですね。実は私たちもそうなんです」と近くの席にいる同伴者を指しながら嬉しそうな表情を見せていました。ということは同じ思いで日本からニューヨークにやってきた人が他にも相当いるのだろうと感じました。

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28日の現地の天気予報は雨が降りそうということでしたが、ヤンキースタジアムに行ってみると入場券を求める長い列が既に出来ていました。予想した通りその中に日本人のファンの姿が結構多く見受けられました。

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さて試合開始30分前からセレモニーが始まりました。まずバックスクリーンの大画面に松井選手の7年に渡るヤンキースでの大活躍シーンが次々に映し出されます。最後に2009年のワールドシリーズでの獅子奮迅の活躍でMVP獲得の瞬間が映し出されると球場は最高潮に達します。更にこの日の午前に行われた松井選手とヤンキースの一日契約の調印式で契約書にサインする松井選手の姿がアップになりました。

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引き続き、ホームプレート前に置かれた机で松井選手とオーナーのハル・スタインブレナーさんが契約解除の書類に署名して松井秀喜選手がヤンキースの選手として大リーグを正式に引退したということになりました。ヤンキースに多大な貢献をした松井選手の大リーガーとしてのキャリアを最高に重んじてあげようというヤンキース球団の温かい配慮なのです。そして日本から駆け付けた松井選手のお父様、お母様、お兄様が紹介されて入場し、お母様が花束を松井選手に贈るという感動的な展開。

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更に最高の盟友ジーター選手が大きな額に入れられた背番号55番のヤンキースのユ二フォームを松井選手に送りました。スタジアムは大興奮、そしてジーター選手、黒田投手を初めとするヤンキースの主力選手たちが松井選手に祝福の握手を求めて、場内は割れんばかりの歓声の中セレモニーはフィナーレを迎えました。

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勿論その後は松井選手の始球式で対レイズ戦が始まりました。

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それにしてもプレーヤーとしては勿論それ以上に一人の人間としてチームメイト、球界関係者そしてファンからこれほど人間性を評価された選手はこれまでにいませんでしたし、今後もなかなか松井選手ほどの選手は出て来ないのではないかと思います。取材者の一人として松井選手の存在を本当に誇らしく感じます。

「パ・リーグ面白くなってきました」

プロ野球のパ・リーグがなかなか面白く成ってきそうです。

日本ハムが一時期抜けた最下位だったのですが、ここへ来て一気にチーム状態が良く成り遂に勝率5割にこぎつけました。7月2日時点で首位ロッテが貯金11、2位楽天が9、3位ソフトバンク3、4位に日本ハムと西武が勝率5割で並び、最下位オリックスでさえ、借金わずか3という状況なのです。シーズンのほぼ半ばを終えたところでこの感じですから、今後一寸した調子の上がり下がりで上から下までどうなるかは計り知れない様な気がしてなりません。

ここまで見ていて凄いなと思うのは、楽天田中将大投手の11連勝です。今季はピンチになってからの密度の濃い投球が目立ちます。満塁のピンチでも気持で相手打者より上に立ち、最も打ち辛い所にボールを投げて行くその投球術の素晴らしさが見事です。テレビ中継を見ていて何度もそういうシーンを見ました。チームを引っ張るエースが頑張っていますし、打者ではマギー選手の豪打、ジョーンズ選手も打率は今一つですが一発の威力は侮れません。チームの総合力はかなりのもので今後パ・リーグの台風の眼は楽天ではないかなという気がしてなりません。

セ・リーグの2強4弱の流れは一寸変わりそうもありませんね。

「期待の男子ゴルフ界」

昨日NHKテレビで日本プロゴルフツアー選手権最終日を見ました。

全米オープンから帰って来たばかりの松山英樹選手が崩れそうになりながらも流れを引き戻して健闘する姿を目にして、本当に強い精神力を持った選手だと感じました。最終日は67と良く頑張ったのですが、本人としてはあと2つか3つはスコアを伸ばして優勝争いに加わりたかったというのが本音だったようです。自分に満足しない姿はこれからますます伸びて行く選手だと感じさせられました。本当によく頑張った7位タイだと思います。

そんな中で感心させられたのは初優勝を飾った小平智選手です。ダブルボギーを叩いたりしながらも全くペースもリズムも変わらず、堂々とそして淡々とプレーを続けました。そして勇気を以てラフからの難しいショットを打ち抜いて初優勝を飾ったのです。23歳の若さ、薗田選手や藤本選手と同期生で、レッスンプロだったお父さんから手ほどきを受けてゴルフを初め、大学を中退したのもゴルフに専念するためだったようで、自分をしっかり持った有能なゴルファーだと思います。

これで石川遼選手を含め若い有能なゴルファーが続々と輩出してきたのは何とも楽しみです。

「日本ダービー & 安田記念」

競馬のG1シリーズが終わりました。

今年は日本ダービーが80回目を迎える節目の年ということで、私自身も新聞や競馬週刊誌などで第80回の盛り上げに参加させて頂きました。結果ダービーの入場人員が去年を大幅に上回って13万9806人に成り、売上もアップしたということで安心したのですが、馬券は残念ながら今年も取れませんでした。

どう見ても一番強い馬はロゴタイプと見ていましたし、パドックでの出来もとても良かったので、もうこれしか無いと決めて馬券を買いました。一つだけ気になっていたのは、この馬に乗って皐月賞を取ったミルコ・デムーロ騎手が、「ペースが遅ければ前に、早ければ控える。それが自在にできる馬だが、鋭い決め脚は無いので、そこだけ気をつけて乗りなさい」と弟クリスチャン・デムーロ騎手に伝えて帰国したとのこと。鋭さ比べのレースにだけはなって欲しくないなと思っていました。

しかし結果はロゴタイプが直線伸び切れず、外から追ってきたキズナ、エピファネイアの首位争いとなり、キズナが抜け出し優勝。3着に先行して粘ったアポロソニックが入り、ロゴタイプはやっとこさの5着、去年の悪夢が甦りました。去年も一番強い馬はゴールドシップと決めてかかり5着で終わったからです。強くても負けることがある、これが競馬だと思います。強いて言えばクリスチャン騎手の乗り方に思い切りの良さがなく、ちょっと大事に乗りすぎたかなとも感じます。

そして昨日の安田記念これも一番強いと思っていたグランプリボスが敗れ去り、ロードカナロアが見事な優勝。冴えないこの2週間でした。残念!

「日本人投手陣の活躍」

今年の大リーグは日本人投手の活躍が目立ちます。

ダルビッシュ投手は流石と言うべきか、多くの球種を試しながら相手打者との勝負を楽しんでいる感じですね。しかも多くのバッターに対して精神的に優位に立って投球しているように見受けられます。常に研究を怠らないダルビッシュ投手ならではという感じです。特に今年は三振奪取率が素晴らしいですね。オールスターも当確でしょう。

そしてヤンキース黒田投手。去年が良かったので相手チームに相当研究されて今年は苦労するかもしれないと思っていたのですが、それを撥ね付けるように上手く計算された投球で早くも5勝です。完全にベテランらしいテクニックを駆使した技巧派投手に変身したのは凄いことだと思います。元々強い肉体と体力に恵まれていて力で押すタイプのピッチャーだった彼がこのように見事に変身できるとは正直予想外でした。常に自分の有るべき姿を模索して変えて行こうとする強い意志を持っているのだと感じます。

そして岩隈投手です。投球の上手さには元々定評がありましたが、今年は相対する打者のことがかなり分かってきて、バッターに対して確信を持ちながら投球ができているように思います。体の手入れ、トレー二ングをきちんとやっているのでボールの切れが素晴らしいですね。

更にレッドソックスの上原投手と田沢投手も持ち味を十分に発揮していて、見ていて思わず拍手を送りたくなるほどです。こんなに投手陣が好調だったことは初めてですね。このまま皆頑張って欲しいものです。

「感動的なセレモニー」

5月5日東京ドームに出掛けました。

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12時を過ぎたばかりなのにもうドーム周辺は人で一杯。中に入ると国民栄誉賞授賞式までまだ1時間はあるのにもう超満員。そして場内の空気がいつもとは全く異なり大変な高揚感に満ち満ちていました。集まった人達の期待感の大きさが伝わってくる感じです。

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そして先ず松井秀喜選手の引退セレモニー。「ここに戻ってくることを許されるとは思っていませんでしたが、今日このようなセレモニーを開いて頂き感激しています。」とスピーチ。その後オープンカーに乗った長島さんと松井選手が場内をゆっくり一周してファンに挨拶をしました。車の中で師匠と弟子は多くの言葉を交わしたようには見受けませんでしたが、私にはまるで長島さんが「松井君、野球をやってて本当に良かったね」と話しかければ、松井選手は「いえ、監督に出会うことができて、監督に指導して頂けたからこそ今日があるのです」とでもいうようなやり取りが行われているように映りました。

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グラウンド一周が終わって、長島茂雄さんと松井選手に国民栄誉賞が授与される運びとなり、安倍内閣総理大臣、菅官房長官が入場してきました。場内の興奮、盛り上がりは最高潮に達します。先ず長島さんに表彰状と金のバットが授与されると松井選手がそっと介添えの手を伸ばしていました。続いて松井選手の表彰、松井選手は少し緊張気味、でも頬笑みを湛えながら表彰状と金のバットをしっかり受け取りました。その後長島さんが国民栄誉賞受賞本当に有難うございますと久々に肉声を聞かせてくださったのです。厳しいリハビリを乗り越えてここまで回復されたのですねというファンの喜びと長島さんへの尊敬の念が入り混じったどよめきが起きました。

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松井選手はあくまで松井選手らしく、受賞は恐縮しますが全ては20年間応援して下さった皆さんのおかげであり、日米で素晴らしいチーム、素晴らしい野球人と共に歩めたことを最高の幸せと考えているという挨拶をしてくれました。流石に国民栄誉賞を受けるだけのお二人だなとつくづく思ったものです。

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そして始球式。松井選手が投げたインコース高めのボール球を何と長島さんが左手一本で振りに行ったのです。場内は驚きとリハビリの成果を見せようとした長島さんの魂に揺さぶられ大歓声がわきました。

こんなに感激的なセレモニーが過去あったでしょうか。いやもう二度とないことかもしれませんね。安倍内閣の企画力は結構凄いなとも思った次第です。

「嬉しい快挙」

先だって世間を驚かせたのはゴルフのジャンボ尾崎選手でした。

つるやオープン初日、66歳のジャンボ尾崎選手が1イーグルを含むバーディーラッシュで9アンダーの63をマ―ク。あっさりレギュラートーナメントの中でエイジシュートを達成したからです。

近年は腰痛に苦しんでいたので、まさかこのような快挙が達成できるとは思ってもいませんでした。尾崎選手については青木選手、村上選手、中島選手といったプロと競い合いながら日本プロゴルフ界をリードしてきたスーパースターです。スランプに陥ったこともありましたが、自らのゴルフを修正し、体を鍛えあげ、堂々と王道を歩き続けて来ました。かつてスランプの渦中にインタビューをしたことがありますが、自分のやるべきこと、自分のやっていることに絶対の自信をもっている人でした。体調も良かったのでしょうが、初日であったとしてもこんな素晴らしいゴルフが展開できるというのは彼以外にはあり得ないことだと思います。これからもあっといわせるようなことをまたやって欲しいものです。

そしてもう一つの驚きは17歳の高校生スプリンター桐生祥秀選手が織田記念陸上で10秒01という日本の100メートル史上第2位に相当する記録を出し、更に決勝でも10秒03をマークして優勝してしまったというニュースです。これまでにもジュニア世界最高10秒19を出して期待されていた新星ですが、いきなり9秒台突入を予感させるこの記録は凄いですね。

更に体を鍛えてアジア人初の9秒台ランナーになって貰いたいと思います。日本人には絶対できないと思われていたオリンピックでの100メートル決勝進出を果たしてほしいと心から思います。

「スイートピーステークス」

28日日曜日は東京競馬場にエスターブレの応援に出掛けました。

パドックで見た「エスターブレ号」は、馬体はよく仕上がっていたのですが、歩くときにちょっと気持が前に出て少し急ぎ足になる、いわゆるチャカつく感じになっているのが気になりました。ところが本馬場に出てくるとそれは解消し、川須騎手と気持を合わせた返し馬でほっとさせられました。

さて15頭の出走、エスターブレは13番枠、人気は12番人気とほとんどノーマーク状態です。でも高野調教師は前走で騎乗した柴田善騎手から「この馬、良馬場なら良い脚を使いますよ」という話を聞いていて、この日の馬場なら良いレースをしてくれるのではと思っていたようです。私もそれを聞いて密かに期待して観戦に臨みました。

スタートは何時も通り問題なく、外枠なのに5、6番手の好位置を取り、順調に進んでいきます。4コーナーを回って直線に入ると持ったまま前へ前へと出て来て、ゴールまで150mくらいのところではひょっとして首位争いするのではと思えるほどの良い行きっぷりでした。しかし2頭の馬がそこからすっと抜けだして、エスターブレはついて行けず離された位置で3着争いをするも結局ハナ差で4着に終わりました。それでも12番人気を考えると大健闘のレースでした。

この子は飼い葉の食いがとても良いそうで、あとは一つずつ教えたことをきちんと憶えて、一段ずつ階段を上るようにレベルアップして行くタイプで、高野調教師は「教えがいのある楽しみを感じさせてくれる馬だ」と評しています。次の目標は18日東京のカーネーションカップだそうです。

「今年のプロ野球」

今年のプロ野球は新人、新鋭選手の活躍が目につきます。

まず阪神藤浪投手が昨日2勝目をあげました。苦しい状況になっても自力でそこからピンチを切り抜けるだけのテクニックと精神力を持っているのは流石です。高校卒のル―キーが4月に2勝目を挙げたのは1999年の松阪選手以来とのことです。それにしても防御率は0.86(21イニング)は凄いですね。やはり大阪桐蔭時代春、夏連続優勝のキャリアは伊達ではありません。基本的に常により高いレベルを目指して努力する、その根本的な気持ちがしっかりしているので年齢よりはるかに大人と思える投球ができるのでしょう。

一方期待の大きかった大谷翔平選手は足首を痛めて休養中ですが、彼もまた投手としても打撃面でも一級品の輝きを持っているのは言うまでもありません、それでは具体的にどういう形で彼の能力を開花させ、伸長させて行くのか。それがなかなか難しいということを今回の故障が物語っているように思えてなりません。私としてはバッティングで良さを見せ始めていたので取り敢えず中軸に固定して打撃中心でやらせてみてはと思ったのですが、間々でピッチングもやらざるを得ない状況がありました。そうなると、結果的に打撃面も中途半端になってしまったのではないでしょうか。新人で二刀流を併せてやるというのは極めて難しいことでしょうね。

そして大物ルーキー巨人菅野投手もピッチングが良く分かっていて、状況に合わせて投球を修正できる新人らしからぬ堂々とした活躍で早くも3勝。他にも身長171センチしかないのにノーラン・ライアン投法のヤクルト小川投手など、見ていて頼もしい選手が登場してくれているので今年は楽しみですね。

「巨人―阪神戦 東京ドーム」

本日、今季初めて東京ドームに出掛けました。巨人阪神戦を見るためです。

巨人宮国投手、阪神能見投手の先発で始まった試合は、立ちあがり宮国投手の調子が上がらず、もたつき気味のピッチングで阪神に2点を先行されました。

一方能見投手は一週間前甲子園で巨人を完封していますが、今夜はそのときほどの出来ではありません。先ず自分のペースを守った投球で、ひょっとしたらまた彼の術中にはまるのかなと思っていますと、3回裏1死1、3塁で4番阿部選手が1ボール1ストライクから、能見投手がクイックで投じた3球目内角球を振り抜くとライトスタンドに入る逆転3ラン。甲子園のときと同じ手は食わないという流石プロフェッショナルといえる阿部選手の快打でした。

阿部選手が東京ドームでホームランを打てば32連勝という巨人。やはり4番が主役になるときはチームが輝くときでもありますね。セ・リーグは歯早くも1強5弱という感じが出来つつありますが、他のチームの奮起を期待したいものです。

「シャンボールフィズ」

先週土曜日、中山競馬場に向かいました。この日の第8レースに出走するシャンボールフィズ応援のためです。

パドックで久々に見たシャンボールフィズはプラス14キロと体重が少し増え、何よりも体に力強さがみなぎった感じでその分、歩き方にもゆとりがあるように見えました。何と言ってもアプリコットフィズの妹で、東京の新馬戦で1600Mを1分35秒2で持ったままで走り抜け、騎乗していたルメール騎手をして「この馬は怪物かもしれない」と言わしめた馬だったのです。

陣営もその言葉に後押しされてジュべナイルF挑戦まで考えたほど。その後2勝目を目指してやや焦った感じの使い方で勝利に手が届かず、馬体は細いままスランプに陥りました。去年の12月に中山で8着に終わって4か月放牧。調整して久々のレースでしたが、これなら良い勝負ができそうだと思えました.

単複、馬単、3連単とシャンボールフィズから買ってレース観戦です。

好スタートから好位置に控え、3、4コーナーにかけて外を回り直線図ったように抜け出して念願の2勝目をあげました。口取りに降りると小島太調教師が「いやあ、ようやく良くなってきましたよ。この血統は晩生(おくて)ですからね」と嬉しそうに話してくれました。

「これからもっと勝ちますから」と付け加えてくれましたが、その言葉通り、この子はもっともっと良さを発揮してくれるでしょう。今後のシャンボールフィズには期待です。

「デイジー賞」

あちらこちらへと移動し忙しく仕事をしていたので机に向かってブログを書く時間がありませんでしたが、昨日久々に中山競馬場に出掛けました。エスターブレがデイジー賞に出走するのを見届けるためです。

中京競馬で未勝利戦を勝ち、芝の2000Mくらいが向いているということでこのレースに参戦することになりました。管理している高野調教師によると、「この娘は教えたことを一つ一つきちんと憶え、一段一段レベルアップして行くところが良いですね。飼い葉はきちんと食べますし、元気があって調教師にとっては楽しみな馬です」とのこと。確かに実戦経験を積んでいく中にもそうした点が伺えて、エリートホースとはまた違う興味を抱かせてくれる馬なのです。

パドックで見るのはデビュー戦以来。体はシャープに出来あがっていましたが、初めての中山への輸送で少しテンションが上がったのか、歩行がチャカつき気味でした。高野調教師に聞くと「確かにチャカついていますが、体の張りは良いですし、十分戦える状態だと思います」と言う返事。でも他にもっと良く見える馬も多くて少し不安を感じていました。

レースでは12番枠からのスタート。スタートは上手でタイミングはピタリ合いました。しかし外枠だったこともあり1コーナーでの位置取りは後ろから3頭目。2コーナーでは他の馬に弾かれる不利、向こう正面では前に上がろうとするも馬場の悪いところに入ったせいで後方のまま、直線に入るところではほぼ最下位。漸く最後外に出して追い出したら良い伸び脚を見せトップと0.5秒差の7着でゴールイン。

残念な結果でしたが騎乗した柴田善騎手によると「不利が重なりましたが、最後の脚は良かったです。良馬場だったらもっと良い脚が使えると思います」ということでした。今後に希望を残してくれた今日の敗戦だったと思います。今年はリヤンドファミュが骨折して潰えていましたが、南関ではジェネラルグラントが望みをつないでくれているので羽田杯が楽しみです。いずれにしても勝っても負けてもやはり競馬は楽しいものですね。

「振り返って」

第3回WBCは懸念していたように日本の弱さが出て残念ながら準決勝で敗退しました。

采配の失敗は、ダブルスティールをやるのであればこの一球と限定してかからなければならないと思いますが、行ければ行って良いというのはサインプレーとは言えるのでしょうか。明らかに戦略上のミスではと感じます。

それに一部報道で伝えられましたが、コーチ陣のなかにはスケジュールの合間に余興に勤しむ人もいたとのことで、これも選手たちの知るところとなり疑問を感じる選手たちもいたそうです。そういう人をコーチにした側の任命責任も問われそうです。また、首脳陣が食堂に陣取り連夜酒盛りをしていたということも伝えられましたが、選手と首脳陣との間に一体感が醸成されなかったとしたら、理由はそんなところにあるのかもしれませんね。

前にも書きましたがベンチが一つになった盛り上がりが生まれなかったのには、こんな事情があったからなのでしょうか。

次の回には監督選びの段階からより慎重にならねばならないように思います。

「WBC」

第3回WBCが間もなく開幕しますが、3連覇が期待される全日本の調子が余り上がりません。元々選手選考段階から色々あって大リーガーは出場せずとなり、国内のプレーヤーだけで参加することになったこともあるためか、やはりスケールが小さい感じは否めません。投手陣も当てにしていた浅尾投手が肩を痛めて外れるなど、思い通りの人選が出来なかったこともあって思いを残した選考だったように思えます。

今回ばかりは、日本に甘い汁は吸わせないと有力チームは思って参加してきているようですね。いよいよ明日から第1ラウンドが始まりますが、日本チームの苦戦は避けられないのではという気がしてなりません。

先発陣がやや不調、打線も全体に湿りがち、ベンチからもあまり盛り上がった雰囲気が伝わってこないように見え、何か過去の2回とは違うなと思えてなりません。かなり心配な感じの現状ですが、本番に入ったらがらり変わったということになってほしいものです。

「レスリング」

2020年の夏季オリンピックからレスリングが除外される可能性が出て来たことで世界中のレスリング関係者が大慌てする事態になりました。

確かに古代オリンピックからレスリングは中心的な競技として存在し続けてきましたし、オリンピックの象徴的な競技として見られていたので、「まさかそんなことが」という驚きを以てこの報道を捉えることになりました。

とはいえ、この数十年オリンピックはビッグマネーを稼ぎ出す超ビッグビジネスへと変貌を遂げてきました。IOCはより多くの稼ぎを生み出せるスポーツを歓迎し、重要視してきた経緯があります。その流れを勘案すると、まずレスリングはグレコローマンとフリースタイルに種目が分けられていることの理由も含め、ポイントの差というのも分かり辛いために、観客もそれほど集められるわけではないといった要素もあります。また他競技のようにビッグスポンサーがたくさん集まっているということでもありません。そこで別の競技と入れ替えようという話になったのではないでしょうか。

そもそもレスリング界全体として、特別に危機感を持っていたわけではないでしょうし、より分かり易いルール改正を行おうという段階まで到達していなかったことが原因なのでは、という印象です。

やはりどの競技も、常に多くの人を引き付け、多くの人たちにとって分り易く応援し易いものであり続けることへの努力を忘れてはならないのだと思います。言ってみれば、人間が関わっている限り、進化するものでなくてはならないということを今回の問題は教えてくれているような気がします。

「エスターブレ」

10日、エスターブレが小倉競馬第4レース未勝利芝2000m戦に登場しました。パドックでは少しチャカついてる感じもありましたが、出来は悪くなく前走の中京戦で2着に追い上げたあの脚を再現できれば、今日は良い勝負になりそうな感じがしていました。

競馬ファンも良く分かっていてエスターブレは2番人気に支持されていました。スタートは問題なく出ましたが思ったほど前に行けません。18頭の多頭数のレースですから余り後ろからでは困ります。しかし向正面に入っても12番手くらい、なかなか前に上がれず3コーナーで内を突いて上がろうとしたら前をカットされて馬体を立て直す不利があり、これはいけないと思ったのですが、直線も馬群の中に入ったままでトップから0.9秒差の9着で終わりました。

ジョッキーは行くところ、行くところスペースが無く本当に勿体ないことをしてしまったとのことですから、力を余して負けてしまったということのようです。調教師からもレース後も行きの入りが早く競馬をしていなかったようですねとのこと、力負けではなかったのが救いです。5着以内に入っていないと次のレースの目算が立てにくいのですが、もう一度中京戦で出直しを図りたいと思います。エリートホースと違って1戦1戦苦しい戦いが続きますが、これがまた人生に似て面白いものです。少しずつ地力をつけてやがて競走馬らしくなってくれると良いなと思う昨今です。

「スポーツのあり方」

柔道の薗田隆二全日本女子代表監督が暴力行為とパワーハラスメントで告発された問題で、全柔連の対応が拙劣の謗りを免れないものだったために問題として更に大きくなってきました。

女子選手から告発があった段階で、なぜこのような問題が持ち上がったのか、すぐさま実態を調査して再びこういうことが起きないようにするための措置をしっかり取らなくてはいけないはずでした。ところが、あたかも一人の選手の訴えなど取るに足りないこととして、そのまま蓋をしてしまおうとしたと言われても仕方のない対応で、結果これではどうにもならないと感じたオリンピッククラスの15人もの選手達がJOCに訴えを出すことになり、(ということは監督の暴力が度を越したものだったことを示唆するのでしょうか)これが明るみに出て国内はもとより国外にも報道される一大問題となったのです。

ここにきて日本ではスポーツと指導者の在り方が厳しく問われる状況になったと言っていいでしょう。私自身もスポーツに勤しみスポーツを愛好してきましたが、やはり日本の学校スポーツの問題点は、例えば上級生が徹底して下級生を制御する、ただ年齢が1年2年上だったからという理由だけで無理なこともやらせてしまう、分かり易く言えばいじめが発生しやすい構造を抱え込んだままここまで来てしまったというところ、また指導者は教え子たちとは別格の存在で暴力を振るってでも言うことを聞かせていいという風潮を当たり前のこととして継続してきたところに、その根源があるのだと思います。時代は変わりましたし、指導するのに暴力を用いる必要は全くありません。選手一人一人の個性を尊重し、その選手の属性に最も合った指導法を見つけ出し、確立することが監督、コーチの役割です。

かつて仕事でご一緒した、ゴルフ評論家でゴルフ場設計家の川田太三さんがこんなことを語っていました。小さい頃から野球を続け、立教高校を卒業してアメリカオハイオ州立大学に留学したときのこと。各々の部員は授業のスケジュールによってグラウンドに現れる時間はまちまちでした。遅く来る1年生もいれば早く来る4年生もいる。それでも何の問題もなく部活動は進んでいく。日本だったら1年生が勢揃いしてあらゆる準備をして上級生を迎えなくては始まらないのに、アメリカのあり方は何とも心地良かったとのことでした。

選手は皆同じ立場、そしてコーチも同じ立ち位置に立ってやる、これがスポーツのあるべき姿なのだと思います。そういう意味で日本のスポーツのあり様を根本から考え直す時期に来ているのではないかとつくづく思う昨今です。

「久々の京都」

先週土曜日朝、MBSの「知っとこ」に出演して楽しい一時を過ごすことができました。三人の女性司会陣(松島さん、柳原さん、富岡さん)が揃って明るくて笑顔が素敵な方々で話し易く本当に良い雰囲気の番組でした。

終了後、久々に京都競馬場に寄ることにしました。

この日の10レースに期待のリヤンドファミユが出走するからです。お昼前に競馬場に到着。ゆったりとした気分で競馬を楽しむことができました。思えば2013年初めての競馬場での観戦です。

さて10レース、パドックで彼の馬を見ますと体重が前奏より6キロ減って436キロ。元々余り大きな馬ではありませんが、これ以上細くならない方が良いなという感じです。前を歩くミヤジタイガがいれ込んでチャカつくのに影響されて、初めは同じようにチャカチャカしていたのですが、そのうちに次第に落ち着いて来たので安心しました。

レースが始まってみると中団からやや後ろに位置を取り、前を見ながらのレース運び。直線に入ると条件の良い最内にコースを取って、ゴール前楽々抜け出して快勝してくれました。チャンスがあったので池添騎手に「楽に運べた方でしたか」と聞きますと、「とても楽でした。それよりお兄ちゃん(オルフェーヴル)より素直で凄く乗り易いですよ」とのこと。この後も楽しみになってきました。戦績もまずまずで良い気分で帰宅。

ところが翌日、「リヤンドファミユが骨折、直ちに手術」という情報が入りました。少々残念な気持ちにはなりましたが、これが競馬でもあります。馬は生き物でいつ何が起きるか分からないからです。

昔(1996年)、ダンスインザダークが弥生賞を勝ち皐月賞も勝てそうだなと思っていたときに、皐月賞の最後の追い切り前に熱発で出走を回避したこともありました。これが競馬の難しさということは分かっているのでそれほど落ち込むということはありませんでした。できればカムバックしてくれると良いのですが、後肢ですので復帰は難しいのではと思ったりもしています。とにかく元気になってくれれば文句はありません。

「第二の人生」

昨年末、松井秀喜選手の引退会見を寂しい思いを抱きながら見ました。大リーグ挑戦以来、何度かテレビ番組を通じてアメリカで松井選手を取材し、心から彼の活躍に声援を送り続けて来た私としては、出来ればもうひと花咲かせて貰いたいと思っていただけに瞬時に残念な思いになりました。でも彼の話を聞いているうちに、このタイミングで引き際を考えたことはとても良く理解でき、その決断は見事なほど潔いもので流石、松井選手だとも大いに納得しました。

これまで取材していて特に強く感じたのは、松井選手の人間性がアメリカの野球ファンにとても良く理解されていて、真摯で常にチームの勝利のために尽くす模範的な選手であることや、手首を骨折した時にはファンに向かって「申し訳ありませんでした」と謝罪し、野球ファンにもしっかり目を向けている数少ないプレーヤーの一人であることなど、どこを取っても非の打ちどころの無い日本人選手だと尊敬の念で見られているということでした。そのような話をたくさん聞いて、こんなにも嬉しく誇らしい思いになったことはありませんでした。

ところが各球団からオファーが無いとい現実は厳しいもので、最終的な決断をしたということです。松井選手にはこれまで素晴らしい取材体験をさせてもらったことにお礼を申し上げたいですし、日本人プレーヤーとしては今後二度とないかもしれないワールドシリーズのMVP受賞など凄い歴史を刻んできたのですから、胸を張って次の人生に力強いステップを踏んで頂きたいと思った次第です。

そんな思いになっているときに、旧知の友人でもあるノンフィクションライター遠藤宏一郎さんが上梓した「戦力外通告」という新著を手にしました。毎年大きな夢を抱いてプロ野球の世界に多くの才能ある若者達が入団してきますが、期待通りに成長して行く選手は残念ながらその中の一握りだけ。殆どの選手達が5、6年もたてば、球団としては「君とはもう契約しない」、つまり「戦力外通告」を受けて球界を去っていくのが現実です。ドラフトなどで10人が新入団をすれば、戦力とはみなされなくなった10人の選手たちは球団から去っていかなければならないのです。そうして去って行った選手はやがてファンからも忘れられ、スポットを浴びることもなくなってしまいます。

彼らにとっては第二の人生を切り開いていくことが課題になっていくのですが、遠藤さんはその中の7人の元プロ野球選手を徹底取材してさまざまな形で新たな人生に向かって邁進している彼らの姿を生き生きと描き上げています。タイガースの4番バッターを務めたこともある濱中治さん、ドカベンの愛称で親しまれた香川伸行さん、大リーグにも挑戦した抑え投手福盛和男さん、横浜のホームランバッターとして期待された古木克明さんなど、野球ファンの記憶に残る選手たち7人の生い立ちからプロ野球界に入るまで、そして入ってからの本当の有り様、更に戦力外通告を受けてからの生き方を見事に描いていて、彼ら一人一人の考え方、生き方がとても良く理解でき、「そうだ。そういう生き方もまた素晴らしいな」と感じました。

遠藤さん自身の人間の多様な生き方への理解と思いやりが溢れていて、読み終わって一人一人の元プロ野球人に拍手を送りたいという気持ちになりました。と同時に、自分も優しい人間になれたような気持になりました。好著ですね。

「有馬記念」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2012年12月24日 17:41
  • スポーツ

今年の有馬記念は仕事と重なり競馬場で見るというわけには行きませんでした。

ゴールドシップが強いということは分かっていましたが、それに対抗できるのは一体どの馬なのか色々考えてみました。ゴールドシップもルーラーシップも後方から行くタイプなので、その間隙を突いて穴をあけられる存在は何か。それはデムーロ騎手が乗るエイシンフラッシュ以外にはないと思いエイシンフラッシュから3連単1頭軸マルチで馬券を買うことにしました。

しかし結果はご存知の通りゴールドシップの圧倒的な強さが際立った勝負になりました。注目のエイシンフラッシュは直線あと250くらいから内を突いてするすると伸びて来て、「これはやったかな」と思わせるシーンもありましたが、ゴールドシップの剛脚に粉砕されたという感じでした。それと私にとっての誤算は、デムーロ騎手が病気のため三浦騎手にジョッキーが代わっていたということも大きかったと思います。手ごたえの良さに三浦騎手は行けると判断して仕掛けましたが、結果的に見ると早仕掛けのデムーロ騎手だったら3着はあったのではないかと勝手に思っています。

でもゴールドシップの強さの前には何を言っても無駄でしたね。彼の馬の強さだけが印象に残る2012年の有馬記念でした。

「アストロズ」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2012年12月 7日 14:14
  • スポーツ

今日のスポーツニッポンが一面で、ヒューストン・アストロズが松井秀喜選手を春季キャンプに招待選手として参加させる用意があると伝えました。

記事によると、アストロズのジェフ・ルーノーGMがウィンターミーティングで年明けに松井選手にオファーを出す見通しを示したとあるので、かなり確度の高い情報だと私は受け止めます。これが事実であれば本当に良かったと思います。この一年は松井選手にとって本当に辛い一年でした。キャンプ参加に参加できないままレイズに声をかけられ、100打席を目処に結果を出すことを求められましたが、それに応えられずチームを去ることとなってしまったのです。

どんなに過去の名声があっても(松井選手はワールドシリーズのMVP経験者)、大リーグで求められるのは今答えを出せるかどうかということであり、それに応えられなければ解雇という厳しい現実が待ち構えているのです。松井選手も言いたいことはたくさんあったでしょうが何も語らず、来季こその思いで自己鍛錬と練習を積んできています。幸いにアストロズ関係者の見方は、松井選手は数多く使ってこそ結果を出せる選手だということで一致しているようです。競争の世界ですからライバルも多く出現するでしょうが松井選手は必ずそれを乗り切ってくれると確信しています。

「ジャパンカップ」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2012年11月26日 14:27
  • スポーツ

昨日東京競馬場に出掛けました。ジャパンカップを観戦するのと第6レースに登場のプレミアムテースト(一口加入)の応援のためです。

プレミアムテーストは一年二か月ぶりを一叩きしての二走目で状態も上がってきていると見ていたので狙いとしては面白い存在だと思っていました。パドックでも仕上がり良く乗り役も追えるムーア騎手ということで期待感は一層高まりました。

距離2400m、スタートは良かったのですが位置取りは中団からやや後ろ、でも折り合いはぴったりついて追走して行きます。そして第4コーナーで大外を回り前の馬達を懸命に追い、じりじりと順位を上げて2着に上がったかというところでゴール。結果は写真判定の末、惜しくも3着でした。でもレース内容がとても良かったので満足できるレースだったのです。もっともっと強くなる馬だと見ているので今後が楽しみになってきました。

そしてジャパンカップ。15番ジェンティルドンナ、13番ルーラーシップ、の2頭がとても良く見えたパドックでしたが、私は3歳馬フェノーメノ、ジェンティルドンナ、のどちらかがニュースターになると思っていてどちらを軸にするか迷いました。でも最後の競り合いになったら牡馬が上と見てフェノーメノを軸に据えてしまい、結局馬券は外してしまいました。

3歳牝馬3冠のジェンティルドンナと去年の3冠馬オルフェーヴルとの叩きあいは見応えがありましたが、結果ジェンティルドンナに軍配が上がりました。ただジェンティルドンナの岩田騎手がデッドヒートの叩きあいの中でオルフェに3度ぶつかったということで20分の長い審議になりました。結局、着順は変更せず岩田騎手は2日間の騎乗停止処分となりました。

此の審議で思いだすのは2年前のジャパンカップです。スミヨン騎手が騎乗したブエナビスタが2馬身以上引き離して先頭でゴールインしたところ、2着になったローズキングダムの武騎手からゴール前で2度接触し著しい不利を受けたとの抗議を受け、審議の結果それが認められてブエナビスタが2着に降着となったあのケースです。

あの時も同じレースで別の馬に騎乗し、目の前でその一部始終を見ていたイギリスのムーア騎手は「考えられない裁定だ」と言っていたのを思い出します。同じような展開で異なる処分になった今回のジャパンカップ、ご覧になった方はどのようにお感じになったのでしょうか。

「第1回富士山国際ノルディックフェスタ」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2012年10月30日 15:22
  • スポーツ

先週26日金曜日、富士山5合目に初めて行きました。

この日第1回富士山国際ノルディックフェスタに参加するためです。今日本ではウォーキングがブームになっていますが、ウォーキングよりも更にスポーツ性を高めた運動として、両手にポールを持ってノルディックスキーをするようにそれを地面に付けてウォーキングをするノルディックウォーキングを日本でも広めようという目的で開かれたフェスタです。

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初日の26日はゲストとして元巨人軍投手でスポーツアドバイザーの宮本和知さん、クロスカントリースキー選手で2010年バンクーバーパラリンピック銀メダリストの太田渉子さん、そして私が参加して一般の参加者の皆さんと一緒にコースを歩くことになっていました。

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一般の参加者はおよそ100人、普段からウォーキングなどをやっている人たちばかり、年代層は50代から少し上の人たちまで女性がやや多い感じです。地上では雲一つなかった好天気でしたが流石5合目まで上がってくると結構雲に覆われてしまいました。コースは決められた片道2.2キロのやや上りこう配の山道です。「余り早いペースで行き過ぎると酸素が薄いため気分が悪くなるのでオーバーペースにだけは気を付けてください」と関係者から注意がありました。

昼食を済ませていよいよ出発です。標高2,300~2,400Mの御中道コース(片道2.2キロを往復)を皆で歩きはじめました。足場は決して良くないのですが、勾配はそれほどきつくは無く、呼吸法だけはしっかり意識して歩きました。普段それ程歩いていないので内心大丈夫かなと気になりましたが、歩くほどに段々ペースがはまって来て良い感じになりました。全く宮本さん、太田さんにも遅れることなく折り返し、帰りは一段とペースが上がり楽々のゴールイン。

初めて挑んだノルディックウォーキングなのに結構自分に合っていそうな感じです。ポールを使うことで体のバランスが良く取れましたし、腕、上体の力も使うので良い全身運動になったように思います。ゴールインの後は皆さんを囲んでのトークショーそしてお楽しみ抽選会などが行われ、気分が盛り上がったところでお開きとなりましたが、皆さんの楽しそうな表情が印象に残りました。

「第91回凱旋門賞」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2012年10月 8日 14:33
  • スポーツ

第91回凱旋門賞で日本のオルフェーヴルが勝利を掴んだかに見えましたがゴール前でソレミアに逆転され2着となって涙をのみました。日本馬は今回も壁を打ち破ることはできませんでした。

オルフェーヴルを管理する池江調教師にとっては1969年凱旋門賞に挑戦したスピードシンボリを子供心に絵に描いたという思いのこもったレース、まして父親の泰郎師が現役時自信を持って挑戦して3着入線も失格という結果に終わったディープインパクトの無念をも晴らしたいと意気込んで、あらゆる準備をして臨んだ今回だけに勝つつもりでいたことでしょう。有力と見られていた馬が何頭か出走を取りやめたこともあり状況はオルフェーヴルに有利に運んでいるようにも見えました。スタートの枠順が発表されると大外18番枠となりマイナス面が出るのではと心配されたりもしました。

しかしテレビ画面を通してみるオルフェーヴルはゆったりと落ち着いていて不安は感じられません。スタートしてしばらくは馬群の後ろをゆったりと進んでいきます。中盤一緒に帯同したアヴェンティーノがコースを誘導するよう外へとオルフェーヴルを導く、良い感じで外に出したオルフェーヴルが最後の直線で一気にスパートを始めると先行馬群とみるみる差が詰まり、そしてあっという間に先頭に躍り出ました。これはひょっとして圧勝劇が見られるのかと思っていると後ろからソレミアが忍び寄ってきます。凱旋門賞優勝経験3回というベテランのペリエ騎手が操るソレミアが勢いを増して迫り、オルフェーヴルが内埒に刺さりながらスミヨン騎手が必死に追うがやや脚が上がり、遂にゴール前で交わされ2着と涙を飲んだのでした。

競馬に勝って勝負に負けたという感じのこのレース。結果論でいえばオルフェーヴルの加速が想像を超えるものでスミヨン騎手もこのままで行き切れると感じたのでしょうが、やはりゴールまで450メートルからのスパートはちょっと早すぎたように思えます。過去このレース2回優勝のスミヨン騎手、それを上回ったのが過去3回優勝ベテランのペリエ騎手の粘っこいレースぶりだったと思います。来年以降できれば3頭ぐらいで日本馬が出走して、日本の馬場で走るのと同じという感覚を全ての関係者が持てるようになる良いななどと感じたことでした。

「輝く金メダリストたち」

女子レスリングで小原選手、伊調選手に続いて吉田沙保里選手が堂々と金メダルを取りました。

伊調選手、吉田選手はオリンピック3連覇ですから大変な偉業です。私は北京オリンピックのときに女子レスリングの取材を行いましたが、まずその練習量の多さに驚かされました。何回か休みを入れながらの練習ですがもう終わりかなと思っていると終わりません。「まだ練習を続けるんだ。凄いな」と何度も舌を巻かされました。はっきり言って男顔負けの練習量です。

加えて、必ず新潟で合宿を行うのですがこれがまた死にそうなほど辛い練習の連続だというのです。そのように練習の量を積み重ねて行くとともに次第に練習の質がレベルアップして行きます。その結果どの国の選手よりもはるかに多くの練習を重ねていくので、選手一人一人が自分の力量についての確信を持つことができます。

今回も3人の試合ぶりを見ていると、ピンチになっても慌てず自分のできることを思い通りにしっかり実行できていました。その結果が3個の金メダルになったのだと思います。それにしてもここまで5個の金メダルのうち4個は女性が獲得したもので、今の日本の国内状況そのままに女性が圧倒的に元気だということを証明する形になりましたね。

続いてなでしこジャパンのアメリカとの決勝戦を見ました。スコアは2対1でアメリカが勝ちましたが内容的には劣らぬ良い戦いだったと思います。何としても日本に勝つのだという思いの強さで僅かにアメリカに勝ち運が向いたという感じもしました。でも世界ランクナンバー1のアメリカをそこまで追い込んだのですから大したものだと言えます。総合的に見て女子に関してはアメリカと日本が他の国々よりも高いレベルにあったなと強く感じます。なでしこジャパンは本当に良く頑張ってくれました。

「勝負師太田雄貴選手」

昨日夜は日本男子のフェンシングフルーレ団体戦に釘付けになりました。

準々決勝で中国と対戦。この試合は比較的順調に進んで日本がリードを奪い最後は太田雄貴選手が北京の銀メダリストらしい力を発揮して中国を破りました。続くドイツとの準決勝が大変な熱戦となりました。最後の9試合目に登場した太田選手が3ポイントリードの状況からスタートしたのですが、試合時間の残り1分53秒で同点に追いつかれ、残り9秒で2点をリードされてしまったのです。

「あぁ、もうだめかもしれない」と思いましたが、そこからドラマが待ち受けていました。残り6秒で1ポイントを返しますが、あと1秒と思った瞬間太田選手の剣が相手の胴着を捉えて同点に。延長戦で決着を図ることになりました。延長に入って双方が相手を捉えたとアピールしましたがなかなか決着つかず。遂に最後太田選手が相手を捉えたと思われたポイントについて長いビデオ判定の結果太田選手の突きが決まったと判定が下り、日本男子史上初の団体銀メダル以上が決まりました。

この難しい試合に勝ったのはやはり経験豊富でここ一番に最も頼りになる勝負師太田雄貴選手だったからこそだと感じました。追い込まれたこの試合の中で落ち着いてビデオ判定を要求するなど、相手選手の反即を見逃さず審判にきちんとアピールしていました。どんな苦しい状況でも冷静で緻密な状況判断ができて、ここという時に勝負に出る勝負勘の素晴らしさこれこそが一流の仕事師ですね。この後の決勝戦は流石に相手のイタリアが強く敗れましたが、生で見ていて本当に良かったと思えるこの日の試合でした。

「天晴れ! 日本水泳陣!」

今回のロンドンオリンピックは出だしメダル量産が期待された柔道が意外に振るわなかったせいで日本国内での受け止め方はもう一つ気勢が上がらない感じなのですが、それを補うかのような水泳陣の頑張りが光ります。

日本人が一番問題にする金メダルこそありませんが全部で11個のメダルを獲得できたのは正直予想を越えるものでした。これまで平泳ぎ、背泳ぎは世界レベルに到達はしていましたが今回は松田丈志選手があのフェルプス選手を上回って200mバタフライで銅メダルを取り、立石諒選手が200m平泳ぎ銅、入江陵介選手200m背泳ぎ銀、100m背泳ぎ銅、女子も鈴木聡美選手200m平泳ぎ銀、100m平泳ぎ銅、寺川綾選手100m背泳ぎ銅、星奈津美選手200mバタフライ銅、とそれに男子40m個人メドレーの萩野公介選手の銅メダルを加えると自由形を除く各種目で男女とも世界に伍していけるレベルにあるということがはっきりしました。これはいまだかつてなかったことで素晴らしい躍進だと思います。これらがあったからこそ最後のメドレーリレーで男女ともメダルが獲得できたのです。

今から36年前初めてオリンピックの中継に行ったとき(そのときはモントリオールオリンピックでしたが)、私が担当した日本水泳陣は実は決勝進出者ゼロという惨憺たる成績に終わったのでした。それを見て当時の水連会長故古橋広之進さんは「どうにもならない」と悲鳴に近い声を漏らしていたのを覚えております。そのどん底から這い上がって今日ここまでの水準に引き上げて来た関係者の努力に心から敬意を表したいと思います。世界水準で争う選手を創るのにはやはり10年20年単位の時間と努力が必要なのです。

「三宅宏美選手」

ロンドンオリンピックが開幕しました。日本女子としては初めてウエイトリフティングで銀メダルを獲得した三宅宏美選手の活躍ぶりが目に付きました。

アテネで初出場した時はまだ競技を始めて3年半くらいだったそうで基礎的なことで準備が足りなかったようです。そして北京では上位陣の壁厚く6位に終わりましたが、本人のウエイトリフティングに対する思いは一段と高まりどんなハードな練習にも音を上げない姿勢で臨み遂に3度目のオリンピックで銀メダルに手が届いたということです。

中継で三宅選手の様子をずっと見ていましたが、猛練習をこなして自分自身の力量をしっかり把握できているという確信に満ちた試合ぶりで一回ごとの試技を着実にこなしていきました。試技の度に笑顔も見え精神的にとても充実していたことが伝わってきました。一段ずつ階段を上り3度目に銀メダルを獲得した三宅選手の辿ってきた努力のプロセスに思わず茶の間で拍手を送っていました。

「伯父が金メダル(東京、メキシコ)父が銅メダルだったので、私が銀で丁度良かったと思います」とユーモアに満ちた発言もしていました。きりっとしまった三宅選手の表情が美しく見えました。

「辛いニュース」

松井秀喜選手がレイズから戦力外通告を受けました。

松井選手を高く評価していたマドン監督は100打席を目処に契約を延長するかどうかを考えようとしていたそうで、何とかして期待に応えて欲しいという思いだったのですが、結果的に松井選手が期待にこたえられず戦力外通告に至ったようです。大リーグは全てがビジネライクに判断されていくので致し方ない結果なのですが、松井ファンにとっては何とも辛いニュースでとても残念です。でもこの後の松井選手の決断を待ちたいと思います。

ところでその前にイチロー選手がヤンキース入りしました。ヤンキースのキャッシュマンGMによりますと、下位打線に入ってもらうなどヤンキース側の提示した条件をイチロー選手側は全て飲んで想像以上に交渉がしやすかったということです。イチロー選手はヤンキース入団を望んでいた、つまり優勝できる球団でプレーしたいという気持ちが強かったのだと思います。その気持ちは誰にでも理解できることでしょう。また打率も3割を大きく越えないとヤンキースとの契約延長は無いのだそうで、イチロー選手も自分をそういう立場に追い込んで活気に満ちたプレーをしたいと考えたのでしょう。頑張ってほしいものです。

「福島競馬場 トークショー」

昨日、福島競馬場でのイベントに参加するため朝早い便で東京駅から福島に向かいました。

グリーンチャンネルで放送している「草野仁のスタジオGate J.」の梅田陽子さんと一緒に復興福島競馬を盛り上げようという試みで、まずお昼にトークショーを行いました。

当然のようにこの日のメインレースのラジオNIKKEI賞の予想もすることになり、本命はヤマニンファラオ。これは頭確定というのではなく連勝の軸として信頼できそうということ。あと有力馬として51キロの軽ハンデの牝馬ウィングドウィール、更に前走古馬とのレースで競り勝ったファイナルフォームを挙げ、他にサンレイレーザーなどを注意馬としてマークしました。

ただ実際ハンデ戦の難しさがありどの馬にもチャンスがありそうで馬券は分かり易く、ヤマニンファラオ、ウィングドウィール、ファイナルフォームの3頭の馬単ボックス。そして単勝は一番人気のヤマニンファラオはうまみが無く連勝の軸なので除外してウィングドウィールとファイナルフォームの2頭の単勝を買うことにしました。

レースを見ていると予想通りヤマニンファラオは逃げる。メイショウカドマツは二番手キープ。ファイナルフォームはこれをマークするように4番手。更にその後ろにウィングドウィールが付けてレースは進み、直線ヤマニンファラオが早目に先頭に躍り出るとこれをマークしていたファイナルフォームが外からヤマニンファラオを交わしてゴール。ウィングドウィールは早目に前に付けたのが響いたのか後退。3着には最も人気薄のオペラダンシングが入ってレースは終わりました。馬券の上では何とかうまく行き、予想としてもまずまずの結果となりほっとしました。

全レースが終わってからも20分のトークショーが行われましたが300人くらいの方が残って話を聞いて下さいました。嬉しくて楽しい一日でした。

「青木宣親選手」

ダルビッシュ投手が珍しく打ちこまれて4敗目を喫しました。

実際の試合を見ていなかったので何とも言えませんが、長いシーズンの中ではこういうこともあるだろうとおもいます。

一方、松井選手ですが、2本のホームランを打った後もう一つ会心の当たりが出ていません。昨日も4打数ノーヒットでしたが、ただ内容は決してそんなに悪いものではなく、飛んだコースがほんの少し良ければ長打になっていたものです。マドン監督もそれは分かっていて松井選手をなるべく試合に使いたいと考えているようで、その策の一つとして松井選手に一塁の守備練習を命じたということです。少し時間は必要でしょうが必ず存在感を示してくれると確信しています。

中継がほとんどないので見落としがちなのはブルワーズの青木選手です。思い起こせば契約前にテストとしてプレーをさせられるなど、日本で首位打者にもなった選手にとっては屈辱ともいえる経験をさせられました。ところが、それにしっかり耐えて自分という選手を知って貰うためにはただただ一生懸命にやるしかないと腹を決め全力プレーを続けた結果、遂に首脳陣の信頼を勝ち得てとうとう一番バッターとして起用され、昨日は先制ホームランとサヨナラホームランを打つ活躍で信頼に応えました。やはり競争に打ち克つにはこれくらいの精神的な強さが必要だと思うとともに、青木選手の頑張りに敬意を表したいなと思います。

昨日の時点で打率は3割を超えています。ガンバレ青木。

「MLB諸々」

ダルビッシュ投手が2敗目を記録しました。相手はシアトル・マリナーズで、特にイチロー選手に2度もタイムリーヒットを打たれたのが大きかったとのこと。今日は調子は悪くなかったがコントロールがいつもものようには上手くいかず全般に苦しい投球になったとのこと。そして4回で降板をワシントン監督から言い渡された時「Sorry(申し訳ありません)」と言ったところ、ワシントン監督から「こういう時でも絶対に謝るな」とのお達しがあったということです。

日本人はついそういう表現をしてしまいがちですが、常にベストを尽くすべくやっている人間として謝るべきではないということなのでしょう。恐らく抱き続ける闘争心に陰りが出てはいけないと言いたかったのではないでしょうか。

さて常に気になっている松井秀喜選手ですが、3Aでの打撃成績はまだ1割台。調子は上がりきっていないようですがマドン監督はどう判断するのでしょうか。レイズに故障者が次々に出ている現状からすれば早く引き上げて使いたいところでしょう。我々松井ファンからすれば早くテレビでその姿を見たいと思います。

「待ち遠しい復活」

ダルビッシュ投手が6勝目を上げました。マウンド上での動きを見ていると何年も前から大リーグでずっとプレーをしてきた選手のような落ち着きが見られます。ボールにも馴染んできたし、ヤンキースなどの強力打線とも対戦して大リーグ全体のレベルなど大体のことを把握できたという気持ちが生まれて来たのだと思います。此の感じであれば17~18勝は固いと思いますし、上手くいけば更に上積みもできるのではないでしょうか。レンジャーズは本当に良い買い物をしたし、ダルビッシュ投手も史上最強の打線を味方にして本当に良い球団に入れたものだと思います。

一方松井秀喜選手の大リーグ復帰を目指した戦いは続いています。今回は松井選手をプレーヤーとしてまた人間としても高く評価しているマドン監督の下でプレーができそうなのできっと期待に応えてくれると感じています。あと1週間もすればテレビの中継で松井選手の勇姿を見られるようになることでしょう。

ダルビッシュ投手を除くと大リーグでの日本人の活躍が殆どみられなくなって来ている今、松井秀喜選手の復活が本当待ち遠しいですね。

「残念ながら黒星でしたが・・・」

今朝早くダルビッシュ投手の登板試合を見ました。

ストレートが思うようにコントロールがつかず、また球審の判定もやや厳しくて立ち上がりから苦労の多いピッチングになりました。3回にはインディアンズのデイモン選手が打ち上げた二塁フライをキンズラー選手が太陽安打(太陽の眩しさに打球を見失ってヒットにしてしまうこと)にしたのがきっかけで次打者キプ二ス選手に四球を与えて無死1、2塁。更にカブレラ選手に1塁線突破の2塁打を浴びて2点を失い、味方内野陣のエラーもあってこの回3点を取られてしまいました。

5回にはキプ二ス選手にホームランを打たれ6回4失点(自責点は3)でマウンドを降りました。今回は味方の援護もなく初の黒星となりましたが、苦労しながらも変化球中心の投球で11三振を奪い、存在感だけは示しました。エラーが出ても冷静で慌てる様子は微塵も無くローテーションピッチャーらしさが出ていたように思いました。終わった後の談話でもこれまでも幾つも負けて来たけどそれと同じ一つの負けにすぎないと総括していたのです。マウンド上の振る舞いを見ていてももう何年も大リーグでプレーしていた様に感じてしまう落ち着きが素晴らしいと思います。

一方野手陣ではイチロー選手の他にはこれと言って活躍している選手がいないので松井秀喜選手の登場が待たれます。早ければ16、17日くらいとのことですね。

「見事な活躍」

大リーグでの4戦目、昨日のヤンキース戦はダルビッシュ投手の持ち味が見事に発揮された素晴らしいピッチングでした。相手投手の出方を余り読んで来ないA ロッド選手は手も足も出ないまま、よほど悔しかったのかダルビッシュ投手についてのコメントも出さないで球場を後にしたとのこと。グランダーソン選手もスウィッシャー選手も抵抗できず、タシェアラ選手は「ボールが手元で激しく動いていた。打つのは難しかった」とダルビッシュ投手の良さを素直に認めました。ただ一人2安打したジーター選手も攻略が簡単ではないと見て、3打席目には意表を突いたバントに打って出たほどでした。

レンジャーズのオーナー、ノーラン・ライアン氏も「ダルビッシュが自分の投げる総ての球に自信を持っているのが良く分かった」と高い評価をしています。

本人も今日は良かったけれどまだまだ目指すべきことがあると目標は高いところに置いているようで、この辺が並みのピッチャーと違うところですね。勿論今後も良かったり悪かったりはあるはずですが、常に考えて自分の進むべき位置を見定めているのでかなりの活躍が期待できそうですね。

そして松井秀喜選手の去就が来週明けには決まりそうだということで、そうなるとますます大リーグ中継から目が離せませんね。

「ダルビッシュ投手2戦目」

初戦は思い通りの投球ができず、それでも打線のバックアップで大リーグ初勝利を上げたダルビッシュ投手。何と言っても2戦目は色々と修正を加えて本来の投球をしてくれるだろうなと思って見ていたのですが、結果はまた6回途中での降板となりました。

本人もイニングの途中での交代は気持の良いものではないと試合後述べていましたが、いささか期待に反するものになってしまいました。日本でのピッチングと明らかに異なっているのは制球力です。ボールがなかなか手に馴染まないのでしょうか、明らかにボールになってしまう球がちょっと多いように思えます。

とにかく今季の大リーグの最大の注目を集めた一億ドルの男ですから期待が大きい分早く結果を出さなければなりませんし、内容も契約額の大きさに見合うものでないと特にアメリカのファンは納得してくれないでしょう。いよいよ次の日本時間21日の登板こそ真価を問われるものになりそうですね。

一方まだ所属が決まらない松井秀喜選手ですが、いつでも対応できるようにと連日350球の打撃練習を続けているとのことで、精神的に強い松井選手に周囲が励まされるような感じだということです。

「東京ドーム 今年初観戦」

昨日(10日)、今シーズン初めて東京ドームで巨人VS中日戦を観ました。

出足好調の中日、一方打撃不振の巨人どうなるのかと思いつつ、一回表中日がホールトン投手から一点を先制。しかし中日の先発雄太が乱調で一挙4点を奪われ、試合の流れはあっという間に巨人に傾きます。巨人は2回にも一点を追加し5―1と差を開きます。3回表中日は1点を返しましたが流れは変わったようにも見えません。息子と叙々園の焼き肉弁当を食べ終えて3回が終わったところで「今日は勝負あった」と判断してドームを後にしたのです。

あとは家でテレビ観戦、と帰路についたのですが、勝負は分からないものでピリッとしなかったホールトン投手に中日は6回に襲い掛かり2本のヒットと四球で無死満塁としてマウンドから引きずり降ろし、二人目の小野投手が押し出しの四球と代打山崎選手の2塁打を浴び5―5の同点。変わった三人目の高木投手から大島選手がヒットを放って何と6―5と逆転してしまったのでした。

この試合を落としたらダメージが残るなと思っていたことろ、巨人は必死に食らいついて9回岩瀬投手を攻めて一点を返しましたが、3時間半を超えて新しいイニングに入らないという特別ルールによって引き分けとなりました。

それにしても巨人のスランプは結構酷いですね、今日は大勝していなければならない試合でしたのに引き分けにするのが精一杯では復調までにはまだまだ時間が掛かりそうです。

「ダルビッシュ投手 デビュー戦」

注目のダルビッシュ投手が大リーグ初登板を初勝利で飾りました。

と言えば格好良いのですが、今日の投球内容はお世辞にも良かったと言えるものではありませんでした。立ち上がりからコントロールが悪く、先頭打者をストレートの四球で出したのをはじめ、狙い通りに球が行かずアップアップの投球だったのです。2回までに5点を取られひょっとしたら早々に降板してしまうのではと心配させる内容でした。

ただ味方強力打線が早目に反撃態勢に入ってくれたので3回からは少しずつ自分取り戻し、そうこうするうちにホームラン攻勢で逆転してくれて6回途中まで投げ、勝利投手になれました。レンジャーズのオーナーであるノーラン・ライアン氏が「今年のチームは史上最強の打線だ」と言う通り、凄い攻撃力を持っています。まずはダルビッシュ投手、チームのその凄まじい攻撃力に感謝しなければなりませんね。

勿論、全てが初めてのことですから計算通りに行かなかったのは致し方ないところもあります。とはいえ、3回以降修正しようという努力が上手く行きましたし、これがポテンシャルの低い投手だったらこうはならなかったでしょう。まあ最初にこういう経験をしたというのは却って良かったかもしれません。次回の投球がまた楽しみになって来ました。

「ペナントレース開幕」

先週プロ野球ペナントレースが幕を開けました。

セ・リーグでは戦力増強を図った巨人はヤクルトに大苦戦1勝2敗と負け越しのスタート。一方戦力は変わらぬまま大苦戦が予想された横浜DeNAは阪神相手に1勝1敗1引き分けと大健闘。落合監督が辞めてどうなるのか気懸りの中日は躍進が予想される広島に3連勝。

パ・リーグでは、これまた苦労が多いと思われていた日本ハムが西武に2勝1敗と大健闘。去年よりは上に行くとみられているオリックスが3人のエース級の投手が抜けたソフトバンクに3連敗。また苦手の田中マー君をオープニングゲームで打ち崩したロッテが楽天に3連勝とやや波乱含みの開幕戦でした。

とこのように、スーパースターたちが米大リーグに移っていって次第に小粒になってきたと言われる今の日本のプロ野球界には絶対的な強さを誇るチームというのは無いために、恐らくシーズンを通して混戦になるのではと思われます。勿論長いペナントレースを勝ち抜くには攻守のバランスが取れていなくてはどうにもならないので、横浜DeNAや日本ハムはいずれにしても苦戦を強いられそうな気がします。

私自身は、去年はオープン戦を見たときに巨人の沢村投手は2桁勝てると確信したのですが、今年は忙しさに紛れてオープン戦をじっくり見る機会が無かったのでどの若手選手が活躍できるか予想できぬままでした。それでも必ずや各球団に期待を抱かせる若手が何人かはいるはずなので、彼らに是非活躍して貰って球界を盛り上げて欲しいと思います。

それにしても海の向こうの松井秀喜選手の所属先がなかなか決まらないのは悲しい思いです。代理人はダルビッシュ投手やその他NBAのスター選手多数に時間を割かれ松井選手を後回しにしていたのではとも思えてしまう状況。早く決まって欲しいですね。

「中京競馬場」

JRA中京競馬場が2年間をかけて大改修工事を行い、全く新たな競馬場に生まれ変わったということでその様子を是非この目で見てみたいと思い、先週末新幹線の朝早い便で名古屋に向かいました。

名鉄線に乗り換えて競馬場前に降り立ち、歩いてほぼ10分すると中京競馬場に辿りつきました。スタンドに立って見るとコース全体が昔の中京競馬場とはかなり異なり広々とした感じに見えます。芝の根付きも良く鮮やかな緑が眼に心地よく何よりも直線が400メートル以上と落ち着いてレースが楽しめる好感の持てるコースになりました。

レースが始まってみると逃げ切りあり、差し切りありと騎手たちもまだまだコース特性を掴み切れていない感じがはっきり窺えます。ただ見ていて不便を感じたのは、東京などの他競馬場と異なり、モニターが小さいために引きのサイズで取っているときはどの馬がどこにいるのか、極めて識別が難しいということです。これは著しく興味を殺いでしまいます。この日は双眼鏡を持っていかなかったのでとても不便で、部屋の中に戻って部屋のテレビを見ざるを得ませんでした。

加えて、食堂を利用したときに、ご飯の量が底をついたのかどうなのか事情は分かりませんが、「この後つくれるかどうか分からない。時間もどれくらいかかるか分からない」という信じられない言葉が返ってきました。お腹が空いているときにこのような返事には正直むっとしてしまうもので、初日からこれではととても心配になってしまいました。

ということで何かが欠けていると感じたこの日の中京競馬場初体験でした。

「今年の松井秀喜選手」

ほぼ1年ぶりに松井秀喜選手とお会いしました。

まだ今季の所属球団は決まっていませんが、松井選手はいつもと同じで慌てている様子も焦っている感じも全くありません。大リーグのキャンプ入りが野手は今月25日ですからまだ時間はありますと悠然としているのです。

松井選手とお付き合いをしていて、どんなときでも(生まれて初めて骨折したヤンキースタジアムでのあのプレーのときでさえ)悠々としていて、なぜこの人はこのような気持ちで居続けることができるのだろうと、いつも人間としての度量の大きさに圧倒されてしまうのです。悪いことを悔いてみても始まらない、自分にできる最善の努力をして結果を待つしかないというのが小さいころからのお父さんの教えだったそうで、そこから自然にそういうものの考え方が自分に根付いたのだろうと彼は言います。

さて今年実際にはどの球団に所属することになるのでしょうか。私見ですがやっぱり願望も含めてヤンキースなのではと思います。ジラルディ監督とは相互理解できた仲でもありますし、ヤンキースも確実性があり打点を上げられるバッターを必要としているのですからデーモン、イバネスよりもチームに貢献できそうな松井選手が欲しいのではないかと思います。

ただヤンキースのキャッシュマンGMが不倫疑惑の渦中にあり、機能できない状況になっているのが気になるところです。早く解決して松井選手との契約が行われるよう期待したいものです。ファンとしては早く契約が纏まって順調にキャンプ入りできるようになってほしいと思います。

「稀勢の里大関昇進祝いパーティー」

先週4日、福島からの帰途、グランドプリンスホテル新高輪で行われた「稀勢の里大関昇進祝いパーティー」に出席しました。

出席した人およそ1500人といいますから大変な賑わいでした。それだけ稀勢の里に対する期待が大きいということを物語っているのでしょう。会場に到着したときは開宴から1時間以上も経過していたのですが、明るく盛り上がった雰囲気で、詰めかけた人たちは皆嬉しそうにあちこちでグラスを上げ語りあっていました。

到着後少し経って、司会の緒方元NHKアナに促されて挨拶をしました。

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「かつて、横綱朝青竜や白鵬を稀勢の里が破って金星を上げたとき、故鳴戸親方に『良い内容の相撲でしたね』と伝えると、親方は嬉しそうに『いや実は今朝までずっと横綱の相撲内容をビデオで徹底チェックしていたんです。それで横綱攻略の糸口を見つけて稀勢の里に作戦を授けて、稀勢の里もその通りの相撲を取ってくれたんで勝てたんですよ』と話してくれたことを思い出します。親方亡きあと今度は稀勢の里関が一人で戦略を立て上位力士にぶつかっていかなくてはなりません。でも稀勢の里関には類まれな左腕の強さがあります。それを生かすためには右からの素早い攻めを磨いて上を目指してくささい。次にこのようなパーティーでお会いするときは是非とも稀勢の里「横綱昇進パーティー」の場でお会いしましょう」と言葉を述べ、場内から拍手を頂きました。

若乃花が横綱に昇進して以来日本人横綱は出ていません。稀勢の里関が精進して昇進する日を楽しみにしております。

「今年のプロ野球」

プロ野球12球団が一斉にキャンプインして誰しも球春の訪れを心待ちにする時期なのですが、今年は列島全体が冬将軍の支配下にあるため今一つその気分になれない感じですね。

この時期になるといつも自分自身もキャンプインした気分で体の鍛錬に気を配りたくなるのですが、結局忙しさに負けて大したことができないままで終わってしまいます。今年こそは出来る限りしっかりと体の手入れに時間を使おうと思っています。

今年はプロ野球の勢力図にも大きな変化が起きそうです。まずパ・リーグですが、日本一になったソフトバンクに関しては、流石に和田、杉内、ホールトンの3投手の抜けた穴は大きくてこれを埋める手立てはなさそうです。またダルビッシュ投手が抜けた日ハムも新監督の手腕未知数ということもあり苦しいシーズンになるでしょう。オリックスは今年こそ上昇気流に乗りたいと岡田監督が意気込んでいますし良い戦いが可能だと思います。西武はダッシュができれば勢いに乗れそうな感じもします。楽天、ロッテも去年よりは上昇できる可能性もあり、案外面白い戦いが繰り広げられるかもしれません。

セ・リーグを見ると、日本シリーズ惜敗の中日はチームを完全掌握していた落合監督から高木監督に変わったのは正直マイナス要素が大きいことで優勝争いは難しいと見ました。やはり杉内、ホールトンの2投手が加わり村田が加入して戦力の厚みを増した巨人の狙いは優勝の二文字だけ。ヤクルトがこれを追い、広島、阪神が後に続き、中畑新監督を迎えた横浜DeNAは戦力の補強がまだほとんどできておらず最下位からの脱出のハードルは高いでしょう。

何れにしても新しいスターが沢山登場してこないと困りますね。

「稀勢の里の進歩」

大相撲初場所今日は十三日目ですが、新大関稀勢の里は昨日まで9勝3敗とまずまずの成績を収めています。十日目の琴奨菊との一番立ち合いやや左に変わりつつ下手出し投げで勝ちましたが、この一番について解説者が「まともにぶつかりあって欲しかった。苦手とする琴奨菊であっても逃げて勝つのは勝ちにこだわっていると思える」というような話をしていましたが、正直的を射ていない発言との印象を抱きました。

というのもかつて鳴戸親方がこんなことを私に話してくれたことがあるのです。自身の現役時代、宿敵千代の富士との対戦で仕切りを重ねるごとにいつになく千代の富士がぐっと前に出て突っかける様なしぐさを見せてきました。これは逆に立ち合い突っ込んで来るのではなく変化する兆しなのかもしれないと思い、変化7割、平常通りの立ち合い3割と頭に入れて最後の仕切りに入ると、「はっけよい」で立った瞬間千代の富士が右に変わったというのです。得たりやおうとばかりその動きにすかさずついて行き、あっという間に千代の富士を寄り切ったことがあるとのことでした。

このように土俵上では相手の細かな動き、気配に敏感でなければならないと実体験を話し、稀勢の里にもいつもそういう話をしているのだと言っていたことを思い出しました。稀勢の里は師匠の教えに忠実に琴奨菊の土俵上での動きに注意を払い、立ち合いいつもとは違う気配を感じ立ちあがった瞬間ぶつかりながら相手の動きを見てとって、体をやや左に変えて掴んだ下手から投げを打ったのです。従って、立ち合いから変わって勝ちを拾いに行こうとしたものとは全く異なる動き、臨機応変の動きだったと思います。

稀勢の里が師匠の教えをいつも頭に入れて土俵に臨んでいることが分かり、一歩進歩したなと感じたのでした。その後白鵬、把瑠都戦にはなすところなく敗れましたが、これはまだ戦略がきちんと出来上がっていなかったためで、これからはそこも自分自身で組み立てて行かなくてはならないのです。

親方の教えを思い出しながらそれを組み立て日常の稽古でそれを実現するための修練を重ねることです。そうすれば横綱も夢ではなくなるでしょう。

「ブエナビスタ、お疲れ様でした」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2011年12月26日 12:44
  • スポーツ

25日(日)愛馬ブエナビスタ号の最後のレースということで中山競馬場に出掛けました。

お天気は晴れていて予報よりも暖かく感じるほど、風も余り吹いておらずパドックを見るにもコートは必要ありません。11万人を超える入場者があり場内はやはり結構込み合っていました。

有馬記念出走の13頭がパドックに入ってくると、ぎっしり埋まったパドック席から愛馬の名前や騎手の名前をコールする声が飛びかいます。ファン投票を中心にして選ばれた馬たちですから人気のある馬ばかりでそれも当然です。

ブエナはいつも通り落ち着いています。オルフェーヴルは引き締まった筋肉質の体つき威圧感はありませんがいつでも動き出せそうな機敏さ瞬発力を感じさせます。トーセンジョーダンはやはり元気いっぱい。エイシンフラッシュは黒光りする馬体が調子の良さを伺わせます。ヴィクトワールピサも元気回復の様子、目移りのするパドックです。

さてレースが始まってみるとブエナ好スタートから4番手くらいを追走、行きたい馬があまりおらずスローペースになりました。ブエナのポジションはそれでよし。後はどこで外に回すかだけだと思って見ていると、岩田騎手はそのまま内に入ったまま結局外に出せず殺到する各馬に進路をふさがれ7着でラストランを終えました。勝ったオルフェーヴルは新時代登場を告げるように見事な強さを発揮しましたが、ブエナにはやり残した感を抱かせるレースでした。

それにしても7着で終わったのに全レース終了後の引退式に6万人もの人たちが残ってくださって拍手を送って下さったのには感動しました。いつもただひたすら全能力を発揮して走り続けたブエナにファンの皆さんは様々な思いを抱き、その姿勢に共感を持ってくださったのだと心から感じました。

3年余りの栗東トレセン生活の中で1日も休まず調教調整に臨んできたブエナの健康優良児ぶりは「素晴らしい」の一言です。こんな名馬に一口会員として関わることができたのは最高の幸せです。あとは優秀な子供たちを世に送り出して欲しいと心から思います。夏には会に行きます。本当にお疲れ様でしたブエナビスタ号。

「大関昇進おめでとうございます!」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2011年11月30日 15:02
  • スポーツ

大関稀勢の里が誕生しました。

伝達式で大関の名を汚さぬよう精進致しますと簡潔に答えたのも好感が持てました。日本人力士の中で最も強くなりそうで、横綱になるとしたら彼しかいないと言われて久しかったのですが、ようやく一つの壁を越えての大関昇進です。場所前に急逝した鳴戸親方もこの伝達式を待ち詫びていたそうですが、弟子の中で大関になる力士は初めてのことでしたからどんなにかこの瞬間を体験したかったに違いありません。

場所前に今場所は11勝することが大関昇進の条件と言われていましたが、14日目に突然10勝でも昇進させるという話が協会幹部から出されました。結局稀勢の里は琴奨菊戦に敗れて10勝止まりでしたが大関昇進は決まりとなってしまいました。過去をさかのぼると3場所トータル28勝でも昇進したケースもあり、3場所で33勝は絶対的な条件とはいえなかったのですが、協会側の早く大関に上げて相撲界を盛り上げたいという思いが俄かに昇進ラインを下げてもという発言に繋がったようですね。

でもこの昇進については、私はこれで良いと思っています。横綱白鵬と五分に渡り合える相撲が取れそうな力士は他にそういるわけではありませんから。あとは稀勢の里自身が自分の相撲に磨きをかけることです。彼の左腕の力は異常なまでに強いと言われます。ならばそれを最大限に生かすため右からの攻めを徹底研究する必要があると思うのです。これまでは右からの攻めが甘いために、相手に右腕をはね上げられて右腕が浮いてしまいそこから攻め込まれるケースが非常に多かったのです。従って、この右からの攻めの強化が今後の大きな課題になるでしょう。そこを強化できれば相撲内容はより厳しいものになり、更に上を目指すことも可能になるのではないでしょうか。

根は非常にまじめなタイプの力士です。今までは鳴戸親方から作戦を伝授されて金星に繋がったことも多かったのですが、これからは自分で作戦を練りそしてそれを実戦に生かしていかなくてはなりません。自分のため、亡き親方のため、これからの精進を心から祈ります。

「見事な勝利に感激」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2011年11月28日 12:54
  • スポーツ

ジャパンカップの昨日、ブエナビスタ号の応援に出掛けました。

パドックで見たブエナは何時も通り落ち着いているものの少し気迫が欠けているようにも感じられ、今まで一度もそんな思いになったことが無かっただけに大丈夫なのかなと心配になりました。ただ馬体はきっちりと仕上げられ陣営の調整が上手く行ったことを伺わせてもいました。

他ではトーセンジョーダンの出来の良さが目立っており、天皇賞の勝利は恵まれたものではなく馬の力が本格化してきたことを感じた次第です。あとはペルーサ、トレイルブレイザーなどの具合の良さが目につきました。従って、今日はブエナの位置取りと勝負どころでのコース取りが鍵だと思い、2番枠なので後ろに下げて進むことだけは避けて欲しい、必ず最後は外に出すレースをと望みながら観戦しました。

スタートは素晴らしいものでした。さあどうするのかと見ていると好位置6番手で1、2コーナーを回ります。よしこれ以上後ろに位置しなければ良いと思いペースを見ると1000メートルの通過が62秒近くのスローです。バックストレートから3コーナーそして4コーナー手前までしっかり好位置キ―プ。いよいよ直線コース、どこで外に出すかと思っていたら良いタイミングでトーセンジョーダンの外に位置を取って追い出しにかかりました。思わずそれで「良し」と声を出していました。あとは持ち前の根性で追うだけ。剛腕岩田騎手の腕が撓りました。クビだけ抜けたところがゴール、遂に待ち遠しかった栄光のゴールインでG1「V6」達成です。

しかし本当にブエナビスタは凄い馬です。年齢を重ねても少しもその力に陰りを見せず、次第に余分な力が抜けて枯れた感じの強さを見せてくれました。人間に例えれば名人の域に到達した勝負師のように思えます。前走まで3戦して結果が出せなかった岩田騎手も大変なプレッシャーと戦っていたようで本当にほっとした喜びの表情が見えました。騎手の交代もありうるかと思ったりもしたのですが、松田博資調教師は何も言わず信頼の言葉だけ伝えたということで、それに岩田騎手がきちんと答えを出してくれて本当に良かったと思います。今日のような柔軟性の有る乗り方ができるのですからラストランとなる有馬にも希望が持てそうです。

3冠馬オルフェーヴルとの対決に関心が移ります。

「日本シリーズ」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2011年11月21日 10:27
  • スポーツ

2011年プロ野球日本シリーズが終わりました。

戦前の予想は大半の専門家がソフトバンク圧倒的有利と唱えていました。しかし蓋を開けてみると中日がまず敵地で2連勝、名古屋に戻るとソフトバンクが3連勝、そして再び福岡で中日が勝って3勝3敗のタイにこぎつけました。想像された以上に中日が頑張り面白いシリーズになりました。

最後の第7戦は遂に中日が力尽きてソフトバンクがシリーズを制覇しましたが、派手な打ち合いこそ無かったものの緊張感に満ちた投手戦ばかりで一戦ごとに盛り上がった珍しいそして記憶に残る日本選手権でした。その一番の原動力は中日を率いた落合博満監督の手腕にあると言えます。客観的に見て実は今シーズンの中日の戦力はそれほど厚みのあるものではありませんでした。シーズン中も何度も試合を見ましたが良くこのチーム力で上位にいるなと思ったほど、選手層の厚い巨人などに比べるとやや非力なチームに見えたものです。

にもかかわらず、中日が8年間も常にリーグ上位にいて優勝を争うことができたのは偏に落合監督の指導力、チーム掌握力の素晴らしさだと感じます。特に今年はこれから優勝に向けての戦いが熾烈になるという時期に球団から落合監督は今季限りで退団という発表が行われました。常識では考えられない時期の発表です。普通ですとここで緊張感が途切れてチームはガタガタと崩れてしまうものですが、今年の中日は逆にこれを契機に集中力が増し一気にスパートしてヤクルトを逆転してリ―グ優勝を成し遂げてしまいました。このことを見ても落合監督がいかに選手たちに信頼されていたのかが分かります。監督の言う通りにやっていれば自分たちの成績も上がりチームも勝てる。8年という長い期間に落合監督の指揮への信頼がチーム全体に浸透していたということです。

野球に関しては落合監督の指導は正しかったのです。ではなぜ解任されたのでしょうか。それはマスコミに対して落合監督が一切サービスをしないという頑なな姿勢が結果的に中日球団についての情報が表に出て来づらいことになり、ファンにとっても嬉しくない状況がつづいたこと、従ってファン動員数も減少してきたことなどが主な理由になるのでしょう。指導者としては一流の技量を持ちながらプロ野球の監督としてはやや欠けるところもあったということで甚だ残念な幕の引き方になってしまいました。

「槙原寛己さん」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2011年11月10日 15:56
  • スポーツ

昨日、元巨人軍のエースで現在は野球解説者として活躍している槇原寛己さんと番組でご一緒して色々と楽しい話を聞かせて頂きました。

高校時代は愛知県の県立大府高校で投手として活躍し、県下には名古屋電気(現愛工大名電)、東邦などの私立強豪高がひしめく中、甲子園出場を春夏合計2回果たし、高校3年生の春には豪腕金村投手のいた報徳学園を倒して注目されました。長身から投げおろす速球は150キロ近い速さで、プロ球団の注目を集める存在となったのです。

そして、読売ジャイアンツにドラフト1位指名を受け入団。最初の一年間はじっくり体をつくり2年目から一軍で活躍を始めます。阪神戦での初勝利や思い出の完全試合などプロ野球界でのお話し、そして趣味の競馬についての思い出など、たくさんの面白い話を聞かせて頂きました。とてもポイントを突いた軽妙なお話しぶりでサービス精神旺盛。頭の良い方だと感じました。

詳しくはグリーンチャンネルの12月放送「草野仁のスタジオゲートJ」をご覧頂けますと幸いです。

「天皇賞 秋」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2011年10月30日 23:18
  • スポーツ

10月30日(日)、今日はテレビ番組の収録があり、東京競馬場には行けない日でした。従って、その日のレースはテレビで様子を見守るしかありませんでした。

先ず第3レース新馬戦に一口加入しているシャンボールフィズ号が出走してきました。調教を通して小島太調教師は「これ程動く馬を見たことが無い」と言っていたようです。テレビのパドック中継では落ち着きがあって良い雰囲気の馬でした。圧倒的な人気を背負ってレースに臨んだシャンボールフィズ号は良いスタートを切って4、5番手を追走。4コーナーから外へ出して手綱をちょっと動かしただけでいとも簡単に先頭に立ちそのまま独走態勢に入り楽々ゴールイン。「強いな」と思わせるレースで新馬戦を飾りました。騎乗したルメール騎手によると、自分は何もしなかったのにこの強さは「怪物級」な感じだとのことです。馬体が420キロ台とちょっと小さめなのですが、持てる能力はかなりのものがありそうで今後が楽しみです。

一方、京都7レースにはランブリングローズ号が出走。スムーズなレースで直線一端は先頭に立ちましたが最後伸び脚を欠いて4着に終わりました。でも本当にいつも一生懸命がんばってくれて嬉しい限りです。

そしてこの日のメインレース、天皇賞にはブエナビスタ号が出走。この馬に3回目の騎乗となる岩田康誠騎手がどんな乗り方をするのかが注目のポイントでした。5番枠からスタートしてどのあたりで直線外に出すのかそこだけが見所だったのです。スタートは問題なく位置取りは中段とこれまでより少し前にとります。さあ、どの辺で外へ行くのか見ていたところ、一番内をつきました。良馬場ですからどの馬も内に入って来ます。結局行くところ行くところ全て前が支えてラストスパートができず4着に終わってしまいました。

昨年のスミヨン騎手が理想通りの走りを見せて楽勝したのとは対照的なレース内容でした。それでも言われているようにブエナが衰えたわけでもないようですし、JCでの巻き返しは可能と見ました。そのためにはジョッキーの人選も含め考えなければならないことが多いと思います。とは言え、次は人気も落ちるのでやり易くなりそうな気がします。

「リンカーン」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2011年10月28日 14:54
  • スポーツ

先日、TBSの「リンカーン」からシニア芸能人徒競争への出演依頼を頂き、ロケに参加しました。「リンカーン」の年一回恒例になっている大運動会が行われその中で60歳以上の高齢の芸能人に走らせようという企画でした。

最高齢67歳の私を筆頭に伊吹吾郎さん(65)ヨネスケさん(63)鈴木正幸さん(65)蛭子能収さん(63)というメンバーでした。距離は30メートルという正にダッシュを競うレースです。

千葉県九十九里の学校の校庭で大運動会の合間に登場して、近隣の人たちにも見守られた中でのレースでした。ウォームアップに臨み、ちらちらと他の選手たちの様子を見てみると、鈴木さんが短いストライドで回転を上げるスプリント走法、走りなれた感じが伺えました。他の3名の方々に関しては競争前までに今一つ掴みきれないままのスタートになってしまいました。

ピストルが鳴って割合良いタイミングでスタートを切ることができました。あとはただまっすぐ走るだけ、並ばれることもなくそのままゴールイン、2位は鈴木さん、3位ヨネスケさん、4位伊吹さん、5位蛭子さんの順でした。幸いなことに極端な接戦にならずに勝てたのですが、走り終えた後の感想としては距離がもう少し、50メートルくらいあっても良かったかなということです。勿論、高齢者同士が走っているのですから無理はできませんが。

これからも少しずつ練習して普通に走ることができる様な体つくりをしていきたいですね。

「ランブリングローズ」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2011年10月19日 15:41
  • スポーツ

先週の日曜日、愛馬ランブリングローズ号が京都競馬場で久々に勝ち星を上げました。

これまでにデビュー以来2勝してはいますが、まだ最下級の500万以下のクラス所属の身でした。藤岡調教師からの報告では極めて出来は良いとのこと。メンバーが発表されてみるとそんなに強敵と思える馬はいない感じなのですが、勝負はやってみないと分かりません。これまでも勝てそうですと言われてなかなかその通りには行きませんでした。

レース当日、私は四国大学の50周年記念講演会に招かれていて徳島に出張。愛馬のレースを見ることはできません。辛うじて休憩時間に電話の実況中継で走りを確認することができただけです。

聴いておりますとスタート良く3番手追走、直線に入ると早目に抜け出しを図って他の馬の追走を振り切って堂々と1着でゴールイン。見事な内容で3勝目を上げたのです。これで福永祐一騎手が乗ってくれるのは3回目ですが、2勝2着1回と完璧な騎乗です。福永騎手が乗ると馬がとても素直に指示に従い、好位置に付けて見ていて安心できるレースをしてくれます。流石日本一のジョッキーですね。

こうしてみると競馬における騎手の巧拙の差は大きいものだとつくづく感じさせられます。もう少し切れる脚があったらもっともっと活躍できそうですがそれは欲だと思います。これまでに元気いっぱい頑張ってレースに臨んでくれているので、とても素晴らしい孝行娘です。この後も良いレースをしてくれることを祈りながら徳島を後にしました .

「稽古は大切です」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2011年10月14日 12:43
  • スポーツ

このところテレビ番組内で相撲を取ったり徒競走に挑んだりと、すっかり肉体派的な要素の露出が増えてしまいました。

先日、TBS「クイズ☆タレント名鑑」でガッツ石松さんと相撲で対戦しました。相手は私より5歳若い62歳。何と言ってもボクシングの世界チャンピオンになった人なので大変な難敵だと思いました。ガッツさんも相撲はあまり取ったことは無いようですが私自身も5年ぶりの相撲です。

作戦的には立ち合い、先に左上手を取って引き付け右から起こして寄る、もしくは体を左に開いて出し投げというイメージを抱いていました。しかし、普段やっていないと思い通りには体が動かないものです。立ち合いお互いに見合って組み合うまで時間がかかり、ガッツさんは組み合うことを嫌がって離れて相撲を取ろうとし、結局二人がもつれたまま同体で土俵を割るという不思議な取組になってビデオ判定に持ち込まれました。判定の結果はやはり「同体」で取り直しとなったのです。

取り直し後もガッツさんは同じようにあくまで離れて展開させようと図りました。そこで今度は上からやや抱え込み気味に組み、相手の動きを見て左からの小手投げでガッツさんを破ることができました。ところが、この時痛めていた左腕の上腕筋を更に痛めてしまい左腕が使えない状況になってしまいました。

続く一番は相撲芸人として名前を売っているあかつさんとの対戦。この時も先に上手を取ることを念頭に置いていたのですが、立ち合い私が立ち遅れてしまいあかつさんに前廻しを取られ、下から下から押し上げられて完全に後手に回りこれといった抵抗が出来ないまま土俵を割ってしまいました。やはり相撲を取っていない悲しさで体の反応が遅れ遅れになってしまったのです。完敗でしたがもう少し相撲勘を掴んでいればもっとましな相撲が取れたのではと反省しました。

次はきちんと稽古をして準備を整えて臨みます。痛めた左腕はまだ思わしくはないのですが、まだまだ体は動きそうな感じがして捲土重来を期したいと思います。

「なでしこジャパンの快挙に万歳!」

なでしこジャパンのワールドカップ制覇には正直驚かされました。アメリカが1点先行したときは「やはりあちらのチームが優位なのかな」と思ったのですが、日本も負けじと取り返して追いつきました。延長戦でまたアメリカがリードを奪うと今度はコーナーキックから出したボールを澤選手が見事に蹴り込んでまたまた追いつき、PK戦に持ち込んだのです。その闘いぶりには「負けるはずがない、この戦いは勝つための戦いでしかない」というような空気が漂っていました。まるで東日本大震災の被災者の皆さんの気持ちを背負って戦っているうちに、勝つしかないという信念が全選手の胸の中に一様に生まれ根付いていったような気がします。

一方アメリカは今まで感じたことの無かった日本チームの執念に驚き、これまで持っていた自信がぐらつき始めました。試合終了後のインタビューでワンバク主将が言っていた「今日の日本はいつもとは異なり何かに動かされているような不思議な力を持っていた」という言葉から想像できるように、これまで抱いていた自信に変わってこれで良いのだろうかという疑念が湧き始めたのです。そこが今回の勝敗を分けた一番のポイントだったような気がします。PK戦は水ものと言われ運が左右することも多いのですが、PK戦に持ち込めただけでも儲けものだと選手をリラックスさせた佐々木監督の言葉も力となって見事にアメリカに土をつけたのでした。

本当に歴史上の快挙ですね。体格的には劣る日本チームが見事なパスワークととにかく走り続けたスタミナで世界の頂点にたどり着きました。日本人でもやり方次第で世界に伍していけることを示してくれた素晴らしい見本であると思います。

「オールスターですが・・・」

注目していた大リーグは前半戦を終りオールスターゲームが行われます。今年は日本人選手の出場は無くその分関心も薄れますし寂しい感じがして残念です。

まず、イチロー選手ですが前半を終わって残り71試合で101安打、打率.270とこれまでで最も元気の無い成績です。全般に打撃に波があり、打てなくなるとそれが尾を引く傾向が強くなりました。時々テレビで見ていても何か力感が少し落ちているような感じがするのです。50歳に成っても4割に挑戦したいと語っていた彼ですが、ひょっとして少し衰えが見えて来たのではないのだろうかと気になります。ここまで実績を積み重ねてきた彼のことですからこのままでは終わらないとは思いますが、少し心配です。

一方、松井秀喜選手もとても心配な今年のここまでの成績です。打率.209、ホームラン6本、打点34。今まで見たことの無い不調が続いています。スウィングスピードが落ちている、年齢からくる衰えではないかと指摘する専門家もいます。本人は自覚としてそんな感じはまったく無いと答えていますので大丈夫だとは思うのですが、中々調子が上向いてこないので心配するファンも多いようです。私自身は精神的にやや迷いがあるのではと思っています。一年契約ですからすぐに結果を要求されるという辛さが有ります。後半戦は開き直って思い切りのよい本来の打撃が見られると私は信じています。

「阪神の女房」を読んで

昨年まで阪神タイガースのキャッチャーとして活躍し、今季からは野球評論家として第2の人生をスタートさせた矢野燿大さんが書いた「阪神の女房」を読みました。

彼はプロ野球のいわゆるスーパースターではなかったのですが、阪神に矢野ありと誰もがその存在を認める実力派のキャッチャーでしたし、打撃でもここ一番というところで快打を放って勝利に貢献したことも多い、いわば玄人好みの好選手でした。

彼が辿ってきた野球人としての道を見てみると有り余るほどのポテンシャルがあって、自他ともにそれを意識するような存在では全くなかったというのです。兄の影響で野球を始め、やりだすと器用なのと、毎日素振りを繰り返す真面目さで、要求されるレベルにはいち早く到達したようです。

それでも高校大学と進学するときも引く手数多ということもなく紆余曲折の末桜宮高校、そして東北福祉大に進みました。そこで出会った指導者が伊藤義博監督という矢野選手のことを中学のころから知っていて期待していた方だったのです。伊藤監督に引き立てて貰っていた高校一年の夏の甲子園予選の終わりと共に同監督の退任が決まり、監督から「このユニフォームお前にやるから持っていけ」と手渡されました。監督の矢野選手に対する期待の大きさが伺えます。

そして今度は大学進学の時です。伊藤監督は既に東北福祉大の監督として活躍しておられ、矢野選手に対して「良かったら東北福祉大に来ないか」と誘いをかけるのですが、東京の大学で腕を磨きたいと考えていた矢野選手は「すみませんが僕は行くつもりはありません」と断りました。そして勇んで受けた東洋大学のセレクションでは無残にも落ちてしまったのです。

結果的に東北福祉大を一般入試で受けて再び伊藤監督の指導を仰ぐことになりましたが、この東北福祉大での体験が野球人としての矢野選手を一気にプロで通用するレベルに引き上げる起爆剤となりました。高校の最初の一年を共にし、大学で4年間じっくり教育を受けて矢野選手と伊藤監督の師弟関係がついには完結します。

このような出会いも極めて珍しいことです。そして監督の思い、期待に応えようと努力を続けた矢野選手の一途な気持ちが実ったということでもあります。プロに入ってからも一歩一歩段階を踏んで前進し遂にオールスターに選ばれ、リーグ優勝を果たし日本シリーズにも出場しました。ベストナイン3回、ゴールデングラブ賞2回球界を代表する捕手と評価される選手になりました。

この本は、目立った素質、有り余る素質が無かったとしてもやるべきことをやり続け段階を踏んで上って行けばプロの世界でもこれだけの立派な選手になれるということを教えてくれる、そして野球に限らず他の道であっても目標を持っている若者に必ず努力は報われるのだという自信を持たせてくれる好著だと思いました。

「宝塚記念」

6月26日(日)、早起きをして飛行機に乗り阪神競馬場に向かいました。

天気予報よりも良い天気で気温もぐんぐん上がり、馬主席の入場はクールビズでOKと言われたのですが、ブエナビスタ優勝の可能性も考えるとやはりきちんと正装して行こうと思いスーツにネクタイ姿となりました。とは言え、この気温、この湿度を考えると実際は少し辛いかなという感じでした。

今年前半戦の最後を締めくくる「宝塚記念」が行われるということで、観客の出足もとても良くいつの間に熱気が場内にみなぎって来ました。さて10レースが 終わってメインレースのパドックを見に行きました。16頭をじっくり見ていて、アーネストリー、ルーラーシップ、エイシンフラッシュ、はとても良い出来にみえましたが、肝心のブエナビスタはいつも通り落ち着いてはいるのですが何かしっくりこない、いや良く見えないのです。

今までほとんどのレースを見てきましたがこんな感じのブエナは初めてでした。馬体は前走より12キロ増えているものの太めではなくそこには問題は無いのですが、何か歩いている姿に一本芯が通っていない感じがして悪い予感がしました。

今回のレースでは岩田康誠騎手がどんな乗り方をするのかが最大の注目点でした。個人的には、後方から最後直線大外を回って差すパターンだけはやめて欲しい、横山典弘騎手が乗ったときのようにせめて中団位に位置して早目に上位に進出する柔軟性のある乗り方にしてほしいと望んでいました。

ゲートが開いた瞬間、ブエナは真っ直ぐではなく右横に揺らいで隣の馬にぶつかりそうになりました。これも初めてのことです。そしてスムーズさを欠いた分位置取りは後ろになりインコースを追走。バックストレッチでも3コーナー回っても後方のまま、この時「ブエナ敗れたり」と思いました。そして4コーナー内から大外をぶん回す感じになったときには完敗だなと覚悟したのです。

結果は正しくアーネストリーの前に完敗こんな負け方は初めてです。それでもブエナの偉大な所は必死に競争相手を抜こうとして2着にまで押し上げたところです。決して完璧な状態とは思えなかったのにこの闘争心には頭が下がります。ただ乗り方がこのパターンでは同じことの繰り返しだと思います。秋も同じ騎手で行くということですが何とか考えて欲しいものです。

「今年の全米オープンゴルフ選手権」

全米オープンゴルフ選手権を4日間テレビで観戦しました。

R・マキロイ選手が一人無人の境地を行くゴルフを見せ、16アンダーの全米オープン記録で優勝メジャー初制覇を成し遂げました。22歳1カ月の若さで4日間独走して他を寄せ付けない強さはかつてのタイガー・ウッズ選手をも凌ぐ感じです。今年のマスターズで首位に立ちながら最終日後半大きく崩れ、80を叩いた口惜しさをバネに今回は全く危なげのないゴルフで4日間を通したのです。

340ヤードは飛ばすというドライバー、切れの良いアイアン、パッテイングのセンスの良さ、そして攻めを忘れない一貫した強気のゴルフ、何処をとっても難が無く文句の付けどころの無いものでした。胸筋の張り具合から見ても相当なトレー二ングを積み重ねて来たのでしょう。ウッズ選手が完璧な状態でなくなった今、このマキロイ選手を中心に今後のゴルフ界は展開して行くことになりそうです。

一方、期待の石川遼選手も全体的には頑張りました。3日目は崩れたものの、最終日きっちりと立て直して3アンダーをマークして随所に見せ場を作ったのですから。とはいえ、世界のトップとはまだ少し差がありそうです。特に、マキロイ選手が疲れを見せずに4日間をラウンドしたのに対し、石川選手は3日目を終わった時点で少し疲れたと語っていました。体力的にもその差が伺えたのですが、これからは是非そうした点を克服してマキロイ選手達と競り合う姿を早く見たいものです。

「嬉しい松井秀喜選手の復調ぶり」

アスレチックスの松井秀喜選手の今シーズンの活躍を楽しみにしていましたが、出だしは勢いに乗れないまま5月も終え6月に入りました。ここまで目覚ましい結果が出てこなかったので「もう松井は衰えてきた」「スウィングスピードが落ちている」「このままではマイナーリーグに落とされるのでは」など、色々な観測記事が流されました

でもそれは違うと私は思い続けていました、フルに出場していてこの不振であればそのような見方が出て来ても仕方がありませんが、なにせゲレン前監督の松井選手起用法には一貫性がありませんでした。活躍した翌日にベンチスタート、あるいは何試合も連続してスタメン出場無しなど、選手のやる気を削ぐような起用法が目立っていたので、「これは松井選手も内心フラストレーションが溜まっているに違いない、ずっと出続けていて調子を上げて行くタイプの選手である彼には辛すぎる仕打ちだな」と思っていたからです。

そしてチームの連敗が続いたところで突然のゲレン氏解任、新たにメルビン監督就任となって松井選手にとって状況が一変しました。メルビン監督は松井選手の特長を良く知っていて、例え相手が左投手でもスタメンで起用、そして打順も中軸を打たせるという、選手のやる気を刺激する方法をとりました。すると途端に不調だった松井選手が打ち出し既にここ7試合でホームラン3本を放つ活躍を見せています。

彼は監督の起用法に一切文句を言ったりしません、仮に連日ベンチスタートであったとしても、「それは起用されない自分の側に問題があるのです」と言い続けて、決して不平不満を言わない自制心の強い男です。でもそれが却ってゲレン前監督には何でも我慢してしまうタイプの選手と勘違いされたのかも知れません。

メジャーリーグでスタートしたときのヤンキース、ジョー・トーリ監督(当時)がいつも選手とコミュニケ―ションを交わし一人一人の選手を理解しようと努める理想的な監督であったので、松井選手も自ら監督に働きかけようとはしなかったのだと思います。とはいえ、やはり一般的にはトーリ氏のような人は珍しい存在なので、恐らく普通は選手の側からも積極的に言いたいことをきちんと伝える必要があるのでしょう。(今回松井選手理解派のメルビル監督なのでそこまでの必要はなさそうですが。)

松井ファンにとって嬉しいのは22日からの交流戦で3年ぶりにライトの守備に付くことが決まったということです。膝の状態も良く何時でも動けると言っていたので、守備についてそしてバッティングでも思い切りのよさを見せてくれることを期待せずにはいられません。

「圧巻! オルフェーヴル」

5月29日(日)、関西テレビの「競馬beat」のゲストとして出演するため京都競馬場に出掛けました。

この日は日本ダービー。競馬サークルが一年で一番盛り上がる日です。なぜなら競馬のスケジュールはダービーを中心にして組まれているからです。3歳馬が一生に一度サラブレッドの最高峰を目指して競うレースがダービーであり、自ら管理する愛馬にその栄冠を取らせてあげたいと厩舎関係者は必死の努力を続けてこの日を迎えます。オーナーの皆さんはここまで幾多の関門を潜り抜けて出走枠の18頭の中に入れた幸運を喜び、できることなら一国の宰相になることより難しいと言われるダービー馬のオーナーになりたいと願います。更に、多くの競馬ファンは自分の贔屓の馬が勝つことを信じて応援することになるので盛り上がらないわけが無いのです。

しかしこの日は台風2号の影響で朝から激しい雨。レースが近づいても雨は弱まることは無く降り続きます。天気が良ければレースは実力通りに収まる確率が高いものですが、これだけ雨が降ると思わぬ展開になって波乱が起きることがあります。このような不良馬場ではその適性がはっきり出やすいものですが、出走する全ての馬がこれほど悪い馬場では戦った経験がないので、実際にどの馬が上手に走り抜けられるのかは全く分からないのです。

番組の中で草野さんの推奨馬はと聞かれ、「力量的にはやはりオルフェーヴルが抜けていると思います。展開が読み難いのですが」と答えました。思わぬ馬が上手に先行ペースを作りそのまま逃げ残ったりすることもあるので、このような劣悪な馬場でそれが絶対に無いとは言えないからです。

注目のダービーのスタートが切られました。何が先行するのかと見ていると、オールアズワン、ノーザンリバーがスタート良く出て行きます。1コーナーから2コーナーにかけオルフェーヴルは後ろから5頭目。この時点ではまだこの辺りで良いだろうと思いましたが、3コーナーから4コーナーにかけても依然としてその位置は変わらず。ちょっと後ろ過ぎるのでそこからでは届かないのではと心配になりました。そして直線に入り外に出ようとして更に外から来たナカヤマナイトと接触。内に切れ込んで行ったときにはこれは危ないと思ったのですが、そこからが本領発揮。足取りが重くなった各馬を尻目にグイグイ伸びて追いすがろうとするウインバリアシオンを楽に振り切ってゴールイン。見事栄冠を獲得してくれました。

初めてダービージョッキーとなった池添謙一騎手の落ち着いて冷静な騎乗が光ります。初めてこの馬に騎乗して以来8戦。段階を踏んで教えて来たことが実を結びました。これだけの馬場で誰しもポジションが後ろ過ぎると感じたのですが、池添騎手は馬の力を信じ直線勝負に懸け見事に勝利をものにしました。「苦労を共にしてきた自分とオルフェーヴルだ。騎手が乗り替わってきたりした馬には負けない」と心の中で叫んでいたそうです。

本当に強いと思わせたこの日のレースでした。無事に行けば菊花賞も獲得して三冠馬になれそうに思えます。実は皐月賞の前まではサダムパテックの方が実力は上かなと思っていました。しかし皐月賞のレースを見てオルフェーヴルのポテンシャルの大きさに気が付き、雑誌に載っていたオルフェーヴルのクロースアップの写真を見てとても可愛く綺麗な顔立ちをしていることに気付き、一段とオルフェーヴルが好きになりました。(強い馬は顔立ちも良いと厩舎関係者は強調します)

今回は人気通りの結果となりましたが、東京スポーツ上でもテレビにおいても予想が当たりほっとしました。

「名ゴルファー セベ・バレステロス選手」

世界的名ゴルファーのセベ・バレステロスさんが脳腫瘍のため54歳の若さで亡くなったという悲しいニュースが飛び込んで来ました。

セべ・バレステロスさんについては忘れられない思い出があります。それは私がまだNHKでスポーツ放送を担当していたときのことでした。1977年千葉県習志野カントリークラブで行われた日本オープンゴルフ選手権の中継でラウンドリポートを命ぜられ、有力選手の取材に奔走していたとき、練習場でスタートぎりぎりまで練習を続けていたのが初来日のセベ・バレステロス選手と日本が誇る青木功選手でした。バレステロス選手は前年19歳で欧州ツアー優勝。そして欧州ツアーの賞金王になって、20歳の若さで日本オープンにチャレンジしてきたのです。

少し早く練習を終えた青木選手がセベ選手の方を見るとまだ5球ほどボールが残っていました。歩み寄った青木選手が人懐こさを発揮して「セべ、ユーギブミーワンボール。アイギブユーワンストロ―ク」つまり残っているボールを一つ貸してくれたら君にワンストローク譲るよとジョークで話しかけたのです。

それに気付いたセベ選手は思わず吹き出しながら「ノー、ノー」とやんわり断って残りの5球を打ち終えたのでした。片言の英語でぐんぐん人の輪の中に入っていく青木さんの「人間が大好き」という姿勢と若々しく生真面目なセベ選手のやりとりが今でも生き生きと甦って来るのです。

セベ選手はこの時、堂々と日本オープンを勝ち取り翌年もいとも簡単に2連勝を飾りました。マスターズ2回、全英3回優勝。欧州ツアー50勝、米ツアー9勝、全世界で91勝を挙げた彼のゴルフはとにかく豪快そのもの。ドライバーは曲げてもアイアンで奇跡的なショットを放って勝つという魅力溢れるものでした。顔もハンサムで体形も美しい。真面目で余り欠点が無いように見えたそのセベ選手に病魔が忍び寄っていたとは何とも悲しく、残念な訃報でした。

「5月5日 巨人―阪神戦」

5月5日、東京ドームに帰ってきたジャイアンツの試合を見に行きました。

注目の先発は、巨人がル―キー沢村拓一投手で、阪神は岩田稔投手。沢村投手を見るのはオープン以来2度目ですが、颯爽とマウンドに向かいスリーアウトを取ると悠然とベンチに下がるその風情は見ていて気持ちが良いですね。ピンチになっても決して動揺の色は見せず、バッターに立ち向かっていく、眼光鋭くファイティングスピリット溢れる佇まいが見ている人の期待感を煽ります。何かどこを取っても軽やかな感じの斎藤佑樹投手とは異なり重みと存在感を感じさせてくれるのです。

この試合、結果は城島選手にホームランを打たれ負け投手になってしまいましたが、彼にとってはこれも良い体験の一つであり、これからいくらでも挽回できるはずです。この日は負けても、二桁は勝って新人王になれる逸材だと言えますね。強いて言えば、この日はフォ―クボールの落ち方が今一つでしたし、もう少し抜くところは抜いても良いのではと感じました。そうすればもっと自分のペースで投球ができ、メリハリのあるピッチングになるでしょう。

でも強打者にも力負けしない球威のあるボールはやはり魅力的です。今後の沢村投手の立ち直りに期待しましょう。

「高橋三千綱さん」

グリーンチャンネルでこの3月から始まった「草野仁のスタジオGate J.」。

2回目の公開収録(3/18)の直前に東日本大震災が起きたためJRAの施設である新橋ゲートJは利用できず、そのため収録も延期となり放送上も既にオンエアされたものが再放送されておりましたが、ようやくGate J.が再起動を始めたため2度目の収録が可能になりました。

2人目のゲストは作家の高橋三千綱さんです。幼少期に家計を支える仕事をしていたことや、初めて行った東京競馬場で見た馬がシンザン号(後の三冠馬)で「そのとき人気の無かったこの馬がこのレースでは勝つ」と思ったことなど、さまざまなことをとても楽しく話してくれました。何せ競馬に目を向けて50年というので、本当に事細かに思い出を語ってくれて、収録は予定を遥かに超えて2時間にも及びました。作家としての文体もそうですが、三千綱さんのその語り口は男っぽく歯切れよく聞いている人の胸に迫ってくるものがありました。

かつて三千綱さんが病気療養し退院したのち、彼を元気付けようと思って周りの人たちがゴルフのショートコースに彼を誘ったとき、三千綱さんが軽く打った一打が短い距離のホールだったとはいえホールインワンしてしまったそうです。「こんなに体力が落ちていてもホールインワンが達成できた。自分にはゴルフの適性があるに違いない」と思い立ち、それからゴルフ会員権を買ってプロになろうと本当に考えて打ち込んだことがあるというのです。

思い立ったら真っ直ぐ突き進んでいく闘争心に満ちた彼の生き方が良く伝わってくる番組に仕上がっていると思います。久々に顔を合わせたのですがずっと交流が続いていたかのようにお話ができて、お互い相性が良いのだと勝手に考えてしまいました。高橋三千綱さんがゲストの回は5月5日(#3)、19日(#4)にオンエアされる予定です。どうぞお楽しみに。

「WINS八代 オープニングイベント」

去る24日(日)久々に熊本を訪れました。東京は素晴らしい好天気。しかし熊本の予報は雨。気温も東京は20℃を超えるというのに熊本は17℃とのこと。何だか不思議な思いのまま飛行機に乗りました。

熊本空港から目的地八代まではおよそ50分。この日の仕事は熊本県の八代にJRAとしては40番目のWINSとして開設されたWINS 八代のオ―プ二ングイベントへの出演でした。空港に降り立ったときには小雨が降っていましたが、現地に到着したときは雨も止み空も明るくなっていました。

子供たちの遊園地に隣り合って広々とした土地に作られたWINS 八代は目の前に八代の海が広がり、建物はコンパクトな平屋建て。形が独特でこの土地の名産品竹輪をイメージしたものになっています。中に入ってみると大勢の人たちがそちらこちらに陣取ってマ―クシートの書き込みをしたり、椅子に座って買い目を絞ったり、また自動券売機で馬券を購入したりと全国どの場外馬券売り場でも見られる風景がそこにはありました。でも他とちょっとだけ違うのは、そこに漂う人々の息遣いがゆったりとしていて和やかさえ感じるほどソフトなものだったということです。多くの方が競馬の初心者であり一つずつ覚えて行こうという気構えでいらしたからかもしれません。

この日のメインレース「皐月賞」の前から予想を交え色々な情報を入れ、そして競馬の魅力など思いを込めて語って行きました。聞き手は関西テレビの競馬中継で司会を担当していた柳沼淳子さん。想像以上に多くの方がこのトークコーナーに集まり、ほぼ1時間半にわたって耳を欹てて聞き入ってくれました。私が推薦したサダムパテックは残念ながら2着でしたが、柳沼さんの手なれた進行のおかげであっという間の1時間半でした。

「長く競馬を楽しむためには自分の予算の範囲内でゆとりを持って競馬と相対していくこと」私が何度も強調したこの言葉に多くの人たちがしっかり肯いてくれたのがとても印象的でした。WINS 八代が良い形で発展して行くことを願いながら現場を後にしました。

「選抜高校野球 & 大リーグ開幕」

第83回選抜高等学校野球大会が幕を閉じました。

4人の好投手を揃え、強打を発揮して今大会チーム通算74安打という記録を打ち立てた東海大相模高校が圧倒的な強さを見せて11年ぶり2度目の優勝を飾りました。優勝インタビューの中で東海大相模の佐藤大貢主将が「開催してくれた高野連の方々、開催を許してくれた被災地の方々に感謝の気持ちをもってプレーしました。恩返しは精一杯プレーすること。自分たちが逆に勇気を貰ってプレーすることができました」と感謝の気持ちを表現したのです。優勝チームのキャプテンらしい状況をしっかり把握して野球ができることの幸せを表現した佐藤主将の言葉に、物事を考えながら行動している若者の存在を実感しとても爽やかな気分になりました。このような若者が居る限り日本は大丈夫だと思います。

さて、心待ちにしていた大リーグも開幕、ツインズの西岡剛選手の開幕試合をテレビで見ました。アップで見る西岡選手はとても緊張している感じで、立ちあがり挟殺プレーで送球ミス、セカンドゴロをはじくエラーなどがあり、平常心を少しだけ失っているように見えました。やはり今までとは何もかも異なる環境の中ですからこれは致し方ないところです。試合は一方的な敗戦でしたが西岡選手は初ヒットも放って翌日に繋げました。そこは流石でしたね。

一方、アスレチックスの松井秀喜選手の登場は一日遅れ。初戦2戦目ともにヒットは出ず、期待していた地元ファンにとっては残念な出足となりましたが、3戦目最初の打席に左翼線2塁打を放って日米通算2,500安打をマ―ク。4打席目には渋いライト前ヒットで初打点を上げ地元ファンの大歓声を受けていました。初戦、2戦目と7打席中6度内野ゴロだったのですが、3戦目は全部外野に打球が飛んでいましたのでどうやら本来の打撃に戻って来つつあると思います。これから打ちまくって日本を元気づけて欲しいですね。

「草野仁のスタジオGate J.」 どうぞお楽しみに!

グリーンチャンネルで来月から放送される「草野仁のスタジオGate J.」の初収録がJRAの新橋Gate J.で昨日行われました。毎回馬を愛する著名人をお招きして楽しいト―クを展開しようという試みの番組です。

第1回のゲストはJRA-VANのキャラクターを務める眞鍋かをりさん、私とグリーンチャンネルキャスターの梅田陽子さんが進行役です。眞鍋さんの子供のころからのお話しに始まって、上京して大学に通いスカウトされたこと、また芸能界入りしてからの体験談、競馬との接点、JRA-VANのキャラクターを務めて全国の競馬場巡り、競馬ファンとの交流のエピソ―ドなど目一杯時間を取って伺いました。更に、今眞鍋さんがはまっていることやこれからの夢などを伸びやかに語って貰いました。

1回目にしてはリラックスした中でやり取りができた様な気がします。会場は60席程の椅子しか用意されていなかったのですが、途中からはお客様がどんどん増えて、部屋をはみ出して後方からご覧になる方も出るほど何かとても良い雰囲気の中で収録を終えることができました。

すぐ近くにお客様がいて下さるので反応や思いがストレートに伝わる良さがあります。この分で行けば、次には更に盛り上がってきそうだなと感じた昨日の収録でした。

「新たな1ページに期待します!」

キャンプ入りを控えて間もなくアメリカにわたる予定の松井秀喜選手と久々に食事をする機会がありました。

待ち合わせ時間に遅れることもなくやって来た松井選手はとても爽やかで充実した表情をしていて、ああやはり、今年プレーをするオークランド・アスレチックスと契約して心から良かったと感じているようです。

というのも昨年のエンゼルスはマイク・ソーシア監督が強い権限を持っているチームだそうですが、松井ファンの私から見てそのソーシア監督の松井選手起用法には強い疑問を感じざるを得なかったからです。

前の年のワールドシリーズMVPだった松井選手に強い期待感を持ってソーシアは彼を迎えたのですが、監督自身の期待以上の活躍ができなかったせいでしょうか、途中からその起用法に一貫性が見られなくなりました。素晴らしい快打を放った翌日の試合でまさかのベンチスタートとなったり、左投手には強いのにも拘わらず相手チーム左投手が先発の場合はスタメンから外したりなど非常に冷たい采配が続きました。

松井選手は例えそうなったとしても決して不平不満を漏らすことは無く、「それは起用してもらえない自分に問題があるからだ」と答え、大人の対応を取り続けましたがでも想像するところ、フラストレーションは相当なものだったのではないかと思うのです。

今年所属するアスレチックスは契約に当たり、GM 自らが松井選手の打力に期待し、環境整備はきちんとやると約束してくれているので、昨年とは全く違う雰囲気でプレーできそうです。

そして、松井選手自身も今年は大リ―グ生活の中でまた新たな1ページを書き加えなければならない年と位置付けているということなので、大活躍が間違いなく期待できるという強い確信を持ちました。来週にはキャンプ地アリゾナに旅立つとのこと。私もシーズン中の激励訪問を約束して別れました。本当にいつも爽やかな松井選手でした。

「大相撲八百長問題について」

大相撲の八百長問題で力士たちが交わしていたメールの存在が明らかになり、日本相撲協会を揺るがす大問題となってきました。

大相撲の世界に八百長が存在するということは誰もが噂としては耳にしたことがあるはずです。しかし実際にはこれまでそのことが証明されたことはなく、八百長の存在を訴えた人は逆に告訴されて、謝罪したり、賠償金を払ったりせざるを得ませんでした。そもそも相撲に限らず「八百長」というものは裏で密かに実行される性質のものだからです。

しかし、今回は多数のメールの存在が明らかにされ、それを報道陣が取材して手に入れることができ、八百長の存在が一部の力士たちの間とはいえ否定しようのない事実であることが分かったのです。

今後の焦点は、八百長が今明らかになっている十両力士だけの問題なのか、それとも幕内上位でも同様に行われていたのかについても究明が待たれます。更に大きな問題は、まだ詳細ははっきりしないものの、大相撲を対象にした賭博が行われ、それに現役力士が絡んでいたのかどうかということです。

いずれにしても日本相撲協会の存在そのものを揺るがす疑惑が白日のもとに晒されようとしています。協会としては本当の意味で全てを明らかにし、今後への道筋をはっきり提示できなければ、最悪の場合解散せざるを得なくなることも考えられます。

大相撲の歴史が命脈を保てるかどうかそのター二ングポイントを今迎えていると言って良いでしょう。

「祝 アジアカップ制覇!」

サッカーのアジアカップで日本は苦しみながらも優勝の栄冠を勝ち取りました。

これで4度目の優勝ですが、これまでとはちょっと違う日本チームの姿がそこにあったような気がします。どちらかと言えば、過去の日本代表は先行して逃げ切る、リードしていながら後半の大事なところで追いつかれたり逆転されたりして涙を呑む、ということがありました。それは肉体的にも精神的にもタフになりきるというところまで到達できていなかったのでしょう。

しかし今大会は違いましたね、多くの試合で先行されましたが気持ちの上で負けていませんでした。必ず追いつける、いや逆転できる。そういう気持ちが選手全体を包み込んでいたようで、一人一人が確信を持ってプレーしているように感じられました。これは選手たちがまず肉体的にレベルアップしていて、最後までペースを落とさず走り抜くことができるという自信がベースになっていたのだと思います。

更に技術的にも確実に上昇していて、他には絶対負けないという気迫を持ってプレーできるようになってきたことが大きいのだといえます。そして選手に愛情を持って接し、熱心で細かい分析力を持ち決断が速いザッケロー二監督の指揮も、これまでとは違う日本にチームを変貌させつつあるのだと感じます。

岩政選手の投入や長友選手を前に上げるなど、よく選手の特長を掴んで使いきったところなどなかなかの指導者だと思います。チームの団結力も更に上がってきました。今後の日本チームに更に期待したいですね。

「初場所が終わって」

大相撲初場所が幕を閉じました。白鵬が14勝1敗で6場所連続優勝を飾りましたが、横綱の後を追うべき大関陣が不甲斐なく優勝争いから早々と脱落して興味を殺ぎました。終わってみると次の成績優秀者は琴将掬、隠岐の海の11勝4敗ですから、白鵬と彼を追う者の差が開き過ぎてしまったことが本場所の緊張感を希薄にしてしまった大きな要因ですね。

辛うじて稀勢の里が白鵬に土をつけたことが今場所の救いでした。体力と柔らかな体質に恵まれ、十分な稽古をこなし先輩横綱たちのビデオ研究も怠らない横綱に対し、他の力士たちの努力はまだまだ不十分だと感じられます。強い横綱をどうしたら倒せるのかその1点に絞って力士たちの研究努力を期待したいものです。その意味では稀勢の里、琴将掬の二人に少しだけ自覚の芽生えが感じられました。相撲内容については十分とは言い切れませんが勝利への執念が以前よりは大分見えるようになってきたように思えます。と言うことは、次の春場所が二人にとっての正念場。今場所見せた良さを持続し更に発展させられるかどうかですね。

今場所も満員御礼が出たのは僅か5日だけ、全体に空席が目立ました。この二人が充実した相撲を見せるようになれば、他の日本人力士にも刺激を与え自分たちもやれると後を追う存在になると思います。その意味でも稀勢の里、琴将掬の責任は重大です。もう一人今場所頑張った隠岐の海も立ち合いからの鋭い攻めが出るようになれば更に上位でも活躍できそうです。もうそろそろそれらしい力士が登場しても良い頃ですね。

「大相撲初場所十二日目を観戦して」

先週20日、久々に大相撲観戦に出かけました。

席は維持員席東5列目という力士たちの動きを間近に見られる素晴らしいところでした。十両の勝負が終わって幕の内力士の土俵入りから楽しむことができましたが、いつも感心するのは力士たちの顔色肌色がとてもきれいに映えるように工夫されている照明の素晴らしさです。それにこれまでやや気になっていた鬢付け油の匂いが全く抵抗なく爽やかにさえ感じられて気持よく観戦ができたのです。

前半で目についたのは、隠岐の海が攻め込まれてからしぶとさを見せて、北太樹に追い込まれながらも良く残して突き落としで10勝目をあげました。その後豊真将、豊ノ島がやるべきことをやって勝ちに結びつけました。真面目さ直向きさが好感のもてる両力士です。

そして注目の稀勢の里は、場所前鳴戸部屋に出稽古に来たという玉鷲を豪快に突き落として勝ち越しを決めました。まだまだ安定感に欠ける稀勢の里ですが先場所あたりから勝ちたい、何としても勝ちに繋げようという気持ちの前向きなところは表に出るようになって来つつある感じがします。あとは沢山稽古を積んで自分が誰よりも稽古をしているという確信が持てるようにすることだと思います。そして相手の変化に素早く反応してついて行けるようにすることですね。

この日は琴欧州、把瑠都の二人に覇気が無く、元気なときとは別人のような相撲で敗れ、白鵬優勝の可能性が強まってしまいました。見終わってそれなりには楽しめたのですが白鳳とそれを追う上位陣との力差が付き過ぎてしまっていること、日本人力士に次代を担える人がはっきり見えて来ないこと、体が大きくなり過ぎたせいで押し出し、寄り切り、はたきこみといった簡単に勝負がついてしまうケースが多くなり、土俵上で躍動し逆転するというスリリングな勝負が見られないことなど、不満な点も幾つか感じた12日目でした。

「頑張れ! 稀勢の里」

先場所に続いて一昨日、関脇稀勢の里が無敵の横綱白鵬を破って国技館に座布団が舞い上がりました。白鵬は横綱になって日本人力士に連敗したのは初めてのことでこれは今の大相撲にとって大きな出来事ですね。

稀勢の里は初めから立ち合い当たっておっつけて攻めることを念頭に置いていたようで、狙い通りの立ち合いができました。逆に先手を取られた形で白鵬は気持いけないと焦りましたね。先場所63連勝で連勝記録にストップをかけられた心の引っかかりが切れないまま珍しく白鵬がバタバタの状態になり押し出されてしまいました。これであの後から続いていた再びの連勝記録も23で止まってしまいました。

未完の大器稀勢の里は横綱白鵬に油断ならない相手としてその存在を意識させることに成功したと言っていいでしょう。以前稀勢の里が横綱朝青竜を破ったときもそうだったのですが、鳴戸親方がビデオで朝青竜の動きの特徴を徹底研究して作戦を授け、その通りに成果を収めたことがありました。恐らく今回も親方のアドバイスがきっと力を発揮したのではないかと想像しています。

鳴戸親方から現役時代の話を聞いたことがありますが、優勝争いを展開していた横綱千代の富士と土俵上で仕切りを重ねるうちに、千代の富士がいつになく思い切り前へ出るぞという意気込みを見せてくる、あぁこれは逆に立ち合いに変化するのかもしれないと感じたそうです。そこで相手の変化7分、まともな立ち合い3分と割り切って勝負に臨み、いざ立ち合ってみたら案の定千代の富士が横への変化を見せました。得たりやおうとその動きについていき一気に寄り切ったことがあるそうです。

このように対人競技では相手の心の動きを見破る対応力が必要なのです。稀勢の里がその域までに到達するのにはまだ時間が掛かるかもしれませんが、自らの判断と自らの意志で自在に動いて臨機応変な相撲が取れるようになってほしいなとつくづく思います。69連勝で双葉山の連勝記録にストップをかけた安芸の海が部屋に帰って出羽の海親方に言われた言葉「勝って騒がれる力士より、負けて騒がれる力士になれ」を稀勢の里にも送りたいですね。

「プロ野球取材」

日本ハムファイターズに入団した斎藤佑樹選手に凄まじいスポットが当てられ佑ちゃんブームが起きています。

4年前ハンカチ王子として甲子園を沸かせ、野球ファンの注目を集めたことを考えれば不思議なことではありませんが、まだピッチングもしていない自主トレの初日からこの騒ぎでは斎藤選手には少々気の毒な感じがしてきます。人気選手が注目されるのは必然であり致し方ないのですが、キャンプに入ってピッチャーとして始動し始めるまではまだ時間がありますし、今の段階でヒートアップし過ぎてしまうとファンの皆さんも開幕までに疲れてしまうのではないでしょうか。

この時期は取材する側からするとスポーツの大きな話題が比較的少なくなるので、斎藤選手に取材が殺到してしまったのでしょう。それにしても230人の報道陣が自主トレ取材にやってきたのには驚きました。

かつて自分がNHKのスポーツアナウンサーだったときに、プロ野球キャンプの取材について、キャンプリポートを毎日克明にやる必要があるかどうかについては、スタッフの中でも色々と議論が分かれるところでした。キャンプは普通3週間くらいの間に計画的に個人とチームがそれぞれに習熟度を上げて行くべきもので、一日一日ではその違いを目に見えるものにすることは困難だからです。4、5日経って、ああ確かに変わってきたなということが確認できるものだと思います。そのような事情を考慮してキャンプ取材の方向性を考えていくと、見ている人たちにもより理解されやすい放送になるのではと今でも思っています。

斎藤選手も勿論要注目ですが、個人的には巨人が進んで獲得に動いた沢村拓一選手がキャンプ中にどこまで頭角を表すのかに注目しています。

「初茜賞」

わが愛馬ランブリングローズ号が9日(日)、中山競馬第9レース「初茜賞」に出走しました。

一昨年の9月にデビューして以来、コツコツと地歩を固め17戦して1着2回、2着5回、3着2回と健闘し一度も大敗が無いという馬主孝行の4歳牝馬です。普段から親しくしている千代田牧場の飯田正剛社長に薦められて千代田牧場に行き、良さそうな候補の中からこの娘をと拘って決めさせて頂いた馬でした。体もしっかりしていましたが何より気の強そうな感じが気に入って愛馬にしたのです。

デビュー当初から藤岡健一調教師(栗東)は「良いものを持っていますよ。早晩勝ち上がりますよ」とゆとりを持った発言を繰り返していました。しかし初勝利までに9戦を要しました。少しじれったい感じもありましたがいつも最後まで諦めず走る姿にとても好感が持てたものです。それに一度も足許に問題が起きたりせず、常に飼い葉もきちんと食べる健康優良児だというのが素晴らしいですね。

昨年の小倉で素晴らしい差し脚を発揮して2勝目を挙げ去年の最後には1000万クラスに上がったのにも拘わらず3着と好走。このたび初めて中山競馬場に姿をみせたのです。

久々にパドックで見たランブリングローズ号は筋肉が一段と発達し、落ち着きも出て内に闘志を秘めている様子が伺えました。出来としては文句なしです。あとはレース展開と相手馬との力関係がどうかだけです。心配があるとすれば松岡騎手が初めて騎乗するということだけでした。

スタートは良かったのですが、ゆったりと出て行くうちに位置取りが思った以上に後ろになり後ろから2頭目。中々前に上げられず直線追い出すも5着まで追い上げるのが精一杯でした。松岡騎手も頑張ってくれたのですが展開も向かなかったようです。

それでも最後5着まで押し上げてくるところに成長ぶりを感じさせてくれました。次の機会にはまた良いレースをしてくれそうな予感がします。本当に頑張ってくれて御苦労さまと心の中で声を出しました。

「有馬記念」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2010年12月28日 15:45
  • スポーツ

26日(日)、「有馬記念」を観戦に中山競馬場に出かけました。9時頃には競馬場に着くように早目に家を出ましたが、流石に一年納めの競馬ということなのか車の出は多く駐車場にたどり着くまでに結構な時間がかかりました。

人は今年これが最後の競馬だと思うと気が入って儲けたい、稼ぎたいとつい思い込んでしまうものです。が、良く考えてみれば競馬は年が明ければまたすぐ始まるのでありその後もいつまでも続くのですから、今日こそ儲けなくてはと必要以上に考えることは無いのです。私はいつの頃からか負けても「今はJRAに一時預けをしているだけ。自分に才能さえあればいくらでも引き出すことができる」と考えるようになりました。そうすると随分と気が楽になりましたね。

さて愛馬ブエナビスタ号がジャパンカップの雪辱を果たしてくれるかどうかが今回の見所でした。ブエナにはジャパンカップの後少し疲れは出たそうですが、すぐに回復。有馬に向けて順調に調整をすすめてきました。パドックで見たブエナはふっくらとしていて悠然とした雰囲気。出来は完璧です。他ではヴィクトワールピサがとても良く見えてブエナの相手はこれしかないと思えました。

レースでは好位を進んでくれると思って見ていると一週目のスタンド前では後ろから数えて4頭目しかもインコース。どこから上がっていくのか注目していると動かないまま、いや現実には周りをしっかりブロックされて動けないままこれは位置取りが良くないなと思っていると、いよいよ4コーナー外を回してスパート態勢に入るも短い直線。ひょっとすると5着も危ないかと思われた瞬間、一気のスピードアップで先頭のヴィクトワールピサに襲い掛かってさぁどちらかというところまで追い上げました。

正直一寸及ばなかったかなという感じでありましたが写真判定。結果は2センチ差で涙を飲みました。でもこの馬は凄い馬だなと改めて能力の高さと根性に感嘆しました。今年一年ブエナには本当に幸せを与えて貰いました。ドバイでも困難と思われたところから追い込んで2着。世界でも通用することを見せてくれましたし、使うたびに成長を感じさせてくれました。この分で行けば来年は更に雄飛してくれるものと考えています。来春はドバイに応援に行かなければなりませんね。

「鬼澤信子プロとの対談」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2010年12月28日 15:15
  • スポーツ

「週刊パーゴルフ」の企画で女子プロゴルファーの鬼澤(きざわ)信子さんと対談をしました。

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鬼澤さんは今年8月のニトリレディスゴルフトーナメントでプレーオフの末、キム・ナリ選手を降して40歳にして初優勝を遂げたことで知られています。プロ入りして20年、本当に待ち望んでいた優勝でした。元々168cmと長身、バランスのとれた体から繰り出すドライバーショットは豪快でとても魅力的な選手でした。

1997年、軽井沢72ゴルフで行われた「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」で2位タイとなって注目を集め、いずれ必ず優勝できる選手と期待されながら、現実にはあと一歩及ばず勝てないままプロ入り20年を迎えた今年、遂に念願の優勝に手が届いたのです。その試合を私はテレビで見ながら鬼澤選手に勝って欲しいと念じていました。というのは、勝てる可能性を持った選手でありながら思いが叶わずそれでもいつも懸命に挑戦する姿に心打たれていたからです。

このト―ナメント初日69で7位タイとまずまずのスタート。2日目自己最高の65の好スコアをマークしてトップに立った鬼澤選手逃げ切りがなるかどうか注目されました。最終日、鬼沢選手はピンチになっても笑顔を見せるなど何かいつもと違う雰囲気を漂わせていました。そのときのことを「いつもアドバイスをして下さる大先輩安井純子プロが『最終日は必ず並ばれたり、抜かれたりするものだけれど、そのことに気を奪われずに自分のゴルフを貫きなさい』という励ましの言葉を頂いていたので動揺することなく平常心を保つことができました」と語ってくれました。

結果的にキム・ナリ選手に追いつかれプレーオフとなりましたが、鬼澤選手は晴れ晴れとした心持でプレーオフでは負けないと感じていたようです。自分を信じていられたのですね。正しくその通りプレーオフ1ホール目で見事キム・ナリ選手を降して463試合目で初優勝を成し遂げたのでした。これはツアー史上最も遅い初優勝だそうですが、そのようなことは関係ありませんね。諦めずにコツコツと積み上げてきたことが初優勝に繋がったわけで本当に感動的な優勝でした。

生きる道は異なりますが歌手秋元順子さんが57歳でメジャーデビュー。61歳で紅白初出場を果たすという、一つの道をしっかり歩み続けていればいつかは夢を実現できるという実例は本当に私たちに勇気を与えてくれるものです。

対談を通じて明るくて爽やかで真っ直ぐな気持ちを持った鬼澤選手を益々応援したい気持ちになりました。優勝を契機に強くなりますよと語っていた彼女に一つだけ僭越ながら注文を言わせてもらいますと、「アプローチ、パットに一段と磨きをかけて下さい」ということです。

「馬主孝行のランブリングローズ」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2010年12月 8日 13:27
  • スポーツ

先日12月5日(日)に我が愛馬「ランブリングローズ号」が小倉競馬で待望の2勝目をあげました。

3月に初勝利を上げた後、500万クラスで善戦を続けていましたが勝ち切るというところまで行きませんでした。ところがこの日、秋山真一郎騎手が騎乗してゆったりとレースを進め、4コーナー手前から進出を始め直線内をついて前に接近。前に居た馬たちをあっという間に交わして先頭に躍り出ると、他馬を引き離して2着に4馬身差をつけてゴールイン。待望の2勝目をあげたのです。

あまりの内容の素晴らしさに驚かされました。秋山騎手の冷静な騎乗も素晴らしかったし、馬の状態もピークに仕上がっていたようです。思うに馬自身がレースを覚えてきたのでしょうし、体力も身についてきたのではないでしょうか。競争は厳しいので油断は禁物ですが、この感じであればクラスが上がっても良い競馬ができそうです。ブエナビスタのように絶対能力は大きくありませんが、体が丈夫でいつも能力をきちんと出してくれるところは馬主孝行の競走馬です。今後も様子を見ながらですがじりじりと能力アップを続けてくれると言うことはありません。期待したいですね。

「第30回ジャパンカップ」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2010年11月30日 15:01
  • スポーツ

11月28日(日)、第30回ジャパンカップ(G1)を観戦に東京競馬場に行きました。

ジャパンカップと言えば、私がNHKアナウンサー時代の昭和56年に始まったもので、競馬の国際化を目指してJRAが開催を決め、実施に移すことにしたものです。とは言え、この催しがどこまで発展していくのか、当時はまだはっきりしたイメージは誰も持つことができませんでした。

従って、NHKとしてもテレビでの中継は行わなかったのですが、私自身は「将来、国際化は避けられないものであるから注目すべきレースで、何とか放送に乗せたい」と思い折衝した結果、NHKのラジオの国際放送「ラジオ日本(現 NHKワールド・ラジオ日本)」で中継することになり、結局外国にいる人たちだけが聴けるジャパンカップの放送になってしまいました。

当日は海外の競馬に精通している社台ファームの吉田照哉さんを解説に迎え、中継は私が担当して放送したことを懐かしく思い出します。レースではアメリカのメアジードーツ号が優勝し、日本馬とのレベル差を感じさせる内容で、「これはその差を詰めるには時間がかかりそうだな」と感じさせられたことをはっきりと覚えています。

それでも以後、日本の関係者の努力が実り第4回でカツラギエース号、第5回ではシンボリルドルフ号が優勝。そして第9回でホーリックス号(ニュージーランド)とレコードタイムで優勝を争ったオグリキャップ号の登場でそのレベル差は確実に詰まってきたことを実感したものです。更に、種牡馬としてのサンデーサイレンス号の導入により日本の競走馬全体のレベルが格段に上昇し、世界のレベルに肩を並べようとするところまで到達できました。やはり大きな改革を成し遂げるには20年30年の時間が必要なのだと改めて認識させられますね。

さて、今年は一口会員として参加しているブエナビスタ号が天皇賞を圧勝し、このレースに備えて万全の出来栄えだと聞いていたので大きな期待を持って競馬場にやってきました。パドックでブエナビスタ号を見ると、ふっくらとして落ち着きがあって、ドバイ帰りの春先は体調に問題を抱えて苦しんだというものの、この秋は完調の様子でしたし、これならまず負けることは無いと確信しました。

とにかく、ブエナはいつ見ても落ち着いています。担当の山口厩務員によると、基本的にはとても優しい馬で人に顔をすり寄せて来て顔を撫でられて喜ぶようなところがあるとのこと。でも気合が入ったときは人を寄せ付けない厳しさも併せ持っているということです。ブエナのライバルとなりそうな馬たちも極めて順調で、どんなレース展開になるのか注目されました。

気性に難しい所のあるナカヤマフェスタ号がゲート入りを嫌がってスタートが少し遅れましたが、30回目を迎えたジャパンカップのスタート、ペルーサ号またも立ち遅れ、ブエナは普通のスタート。第1コーナーに差し掛かるところでマリウス号が突然ブエナの前に入ってきたためブエナはつまずく不利。リズムを崩さなければ良いなと心配しましたが、後ろから5頭目でバックストレッチを追走。位置取りに変化ないまま第4コーナーへ直線で、どのコースを通るのかと見ていますと大外にコースを取ってラストスパートに入ります。直線中ほどからぐんぐん伸びてライバル馬たちを振り払ってゴールイン。本当に強い勝ち方をしました。

しかし審議のランプがついていると周りでざわめきが起きていました。でもブエナには関係ないなと思っていると、いや関わっていそうだとの関係者の声。そこから長い、長い審議が行われ、出た結論はブエナがゴール前で2位入線のローズキングダム号の進路を妨害したため、規定により1、2着が入れ替わりブエナは2着と決定しました

驚きました。それほどのことが起きていたとは実際見ていて感じませんでしたし、ざっとビデオを見直しても降着になるほどのものか疑問には感じました。ただルールはルールで、決定権を持つ審議委員がそう決めたのなら従う他ありません。一方、同じレースで4着に入ったジャガーメイル号に乗っていたムーア騎手は、英紙「レーシングポスト」の取材に対して「これは間違った決定だ。チャンピオンが求められていたのに、チャンピオンは誕生しなかった。レースにとっても恥ずべきことだ」とコメントしていました。恐らく、厳しい争いが展開されるヨーロッパの競馬ではルール違反とはみなされない程度の馬体の接近だったという見解でしょう。ただ、現実に日本では違反行為とされ着順変更が行われました。国際競馬が行われる以上、ルールの統一が望まれることは言うまでもありません。ブエナには何の罪もないことでした。

「歴史に残る大快挙!」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2010年11月16日 12:35
  • スポーツ

これまでの相撲内容そして他の力士との実力差からどこまでも続きそうに思われていた横綱白鵬の連勝記録に何と稀勢の里がストップをかけ白鵬の連勝は63で終わってしまいました。

稀勢の里は18歳3カ月で新入幕して(貴花田=後の横綱貴乃花に次ぐ史上2位のスピード出世)早くから期待されてきましたが伸び悩み、このところ2場所は7勝8敗で平幕へ転落。もはやこれまでかと思われていたのですが思わぬところで歴史に名前を残すことになりました。昨日の一番では、いつも先手先手と攻める白鵬が珍しく稀勢の里に先手を許し、すくい投げから内掛けで体勢を盛り返そうとしましたが、逆に相手を呼び込む形になり追い込まれて寄り切られ、勢いで土俵下に転落して一瞬放心状態となりました。

一方の稀勢の里は、いつもは攻めに出ても一瞬それが緩むことがあり、そこから逆転を許すことが多かったのですが、この日は休まず攻め続けて勝利に繋げました。白鵬にとっては連勝の緊張感を持続させることがいかに難しいのかを改めて感じさせられた一番だったでしょう。

勝った稀勢の里はこれをきっかけとして持っている素質を出し切る相撲を取ってほしいものです。今日の読売新聞に書かれていましたが、双葉山の連勝記録にストップをかけて親方に褒められると思って部屋に帰った安芸の海に親方はにこりともしないで「勝って騒がれる力士より、負けて騒がれる力士になれ」と言ったとのこと。稀勢の里にもその方向で先を目指して欲しいと思います。

「三井住友VISA太平洋マスターズ」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2010年11月15日 15:55
  • スポーツ

石川遼選手が昨日の「三井住友VISA太平洋マスターズ」で今季3勝目を挙げ、賞金王争いでトップのキム・キョンテ選手にあと1300万円差と迫り、逆転賞金王の可能性が広がってきました。

このところ前半の出遅れを最後に詰め切れず優勝にもう一つ手が届かなかった石川選手ですが今回は3日目に65、最終日も苦労しながらも67と攻めのゴルフを徹底して堂々の優勝を飾ったのです。毎回毎日テーマを抱え、それをクリアしようと努める姿はそれだけでも素晴らしいのですが、きちんと大きな実りを形にして結果を出すところは凄いとしか言いようがありません。これで来年のマスターズ出場も確実となりました。

チーム石川のバックアップとそれに甘えず自らもより上を目指して努力する姿勢は本当に美しいですね、今のところ欠点が見当たらないところが石川選手の欠点です。一点の曇りもない人生を歩いている遼君にパ―フェクトゴルファーとなってほしいと心から思います。

「祝 天皇賞制覇」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2010年11月 1日 14:20
  • スポーツ

昨日の天皇賞、ブエナビスタ号が強さを発揮してG1五冠目を獲得しました。

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ドバイ帰りだった春先と違い今回はゆっくり休養を挟み、9月に入厩して天皇賞を目指して
調教を続けてきました。追い切った後、松田博資調教師が「この後取れるところは全部取りたい」と語ったと言われていますが、それだけ良く仕上がったと言いたかったのだと思います。

昨日はパドックでも良く落ち着いていて気持ちよさそうに周回しており、正に調子は最高と感じられました。ライバルと見られるアーネストリー、ぺルーサ、シンゲン、アリゼオなども好調をキープしているようでした。本馬場に入ってからブエナビスタ号は初騎乗のスミヨン騎手とピタリと息が合っているようでスムーズな返し馬に入りました。何か全体に凄く気分が乗っていて走りたいなという感じに見受けられました。

スタートは決して良くありませんでしたが、中団馬群の中に位置して折合って進みます。4コーナーに差しかかっても位置は変わらず、直線の何処でスパートするのか注目していましたが、馬群がバラけ始めたところからぐんぐん前方に接近し、あと350m地点からスピードを上げ先頭に立つと後は鞭も使わず一気にゴールを目指しました。追いすがってきたのはペルーサ唯一頭、それでもそのペルーサに2馬身差をつけて悠々ゴールイン。ドバイシーマクラッシックで見せた鬼脚が伊達では無かったことを証明してくれました。

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レース全体を見ていて感じたのは、ブエナビスタ号を思い通りに走らせて少しもストレスを与えなかったスミヨン騎手の騎乗ぶりが素晴らしかったということです。今迄のレースで一番強い勝ち方だったと吉田勝己サンデーサラブレッド社長が語っていましたが私も同感です。ブエナビスタ号の地力を見せつけられた今回の天皇賞でこの後のジャパンカップの闘いが楽しみになってきました。

「球秋」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2010年10月18日 21:40
  • スポーツ

プロ野球セ・リーグのクライマックスシリーズ、ファーストステージ阪神―巨人戦第2戦をテレビ観戦しました。

第1戦を落とした阪神は絶対に負けられないとばかりに先制攻撃で2点を取り、更に3回に追加点1点を上げて、リードを広げ理想的な展開に持ち込もうとします。

対する巨人の選手たちも何としても今日の一戦をものにしてファイナルステージに上りつめようと気力を振り絞って、5回坂本選手のヒットさらに阪神にアンラッキーなエラーが絡み、小笠原選手のタイムリー、ラミレス選手の犠牲フライで2点を返し接戦に。でも今日の阪神は矢張り気持ちが張り詰めていました。5回裏に1点、6回裏には2点を追加して6―2と差を開いて先手先手と攻めて主導権を握ったかのように見えました。

しかし巨人の闘争心は全く衰えておらず、7回高橋由伸選手のホームランなどで3点を返し、また1点差に詰め寄り白熱の好試合になりました。後はリリーフ陣がどう踏ん張るかの勝負です。阪神は逃げ切りを策して8回から藤川をマウンドに送りました。脇谷選手、坂本選手を討ち取ってツーアウトを取ったものの、2番亀井選手に四球を与えて巨人重量打線の重圧に押され小笠原選手に同点タイムリー2塁打を浴び、ラミレス選手に勝ち越しのセンター前ヒットを打たれ7―6と逆転されてしまいました。

お互いに一歩も引かない闘争心のぶつかり合いで希にみる好試合となりましたが、最後はチーム力の厚みの差が出て相手により重圧を与えた巨人の勝利だったと感じました。野球については「球春」という言葉がありますが、これは春の訪れと野球シーズンの到来を待ちわびる気持ちが表れた良い響きの言葉です。でも半年かけて優勝を目標に戦ってきたチーム同士が本当の頂点を目指した激烈なぶつかり合いをするこの時期こそ「球秋」と呼んでよい濃密な試合が続く野球が面白いと思わせてくれる時期なのだとつくづく感じました。

「『RESPECT』 乞うご期待!」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2010年10月 4日 10:25
  • スポーツ

先日、テレビ東京の「石川遼スペシャル RESPECT」の収録で石川遼選手と御一緒する機会を得ました。直接顔合わせするのは実は初めてです。これまでテレビを通して彼のコメントを聞いたり、青木功さんのパーティーに出席したときにスピーチをしているのを聞いたりしたことがありますが、喋ることに関してはプロである私から見てほとんど文句のつけどころの無い素晴らしい話しぶりに常々驚かされていました。

そして、実際に会って直接話をしてみても、それがほぼ完璧なものであることが分かり感嘆してしまいました。まず第一に、人の話をしっかり聞いていて的を外さぬ答えを返してくれます。更にその答えは論理的できっちりと筋道が通っているのです。それだけに留まらず今後のこと、これからの展望にまで話が及ぶので、聞いている方にとっては心から満足してしまう話になるのです。

また、自分をサポートしてくれている人たちやギャラリーにまで心配りを忘れない彼の姿勢を見たときに、今までこれほど素晴らしいアスリートを見たことがないと感じました。石川遼選手は日本のスポーツ界の宝だと思います。何としても彼が全能力を発揮していけるようにこれからも応援したいですね。詳しくは番組がオンエア(10月17日~)されてからまた書くつもりです。

「アナハイムを訪れて」

先週ロサンゼルスへ行ってきました。エンゼルスの松井秀喜選手を激励訪問しようと前々から考えていたのですがなかなか時間ができず、ようやくこの時期になってスケジュール調整が可能になり2泊4日の弾丸ツアーで行って来たという次第です。

20日(月)の日に現地の日本料理店で昼食をご一緒することができました。今年はソーシア監督の期待が大きかったのですが、特に公式戦前半の成績はその期待に応えるというところまでは残念ながら行きませんでした。それでも後半にはピッチを上げて打率.270、ホームラン20本、打点80まで引き上げて来たのは流石だといえます。同じチームには15億とも言われる高給取りのハンター選手とほぼ並ぶ成績を残しているので、やるべきことはやったと言っても良いでしょう。

しかし、地区優勝を狙っていたソーシア監督にとっては、期待していたほど活躍してくれていないという思いが松井選手に対してあるのでしょうか、スタメン入りとスタメン落ちを交互に繰り返させるという一貫性の無い起用に繋がっているような気がしてなりません。松井ファンの立場から言えば、その起用法には強い不満が残ります。特に相手チームが左投手の場合に松井選手をスタメンから外すことが非常に多く、またスタメン入りさせても終盤に打席に入ってから相手投手が左投手に交代すると代打を送るという、プライドを傷つけるようなケースもありました。データに基づいてと監督は言いますが、松井選手は左投手を少しも苦手とはしておらず、むしろ右投手が相手の場合と同じ打率を残しているのです。

更に、大活躍をした翌日にスタメン落ち、ベンチスタートというケースも目立ちました。戦う男の気持ちを大事にしてくれていない起用法だとつくづく思うのです。この点、彼にその気持ちを尋ねてみましたが、「起用されない自分の方に問題があるのであって全く気にしていません」とにこにこしながらさらりと答えてくれました。

そう、松井選手は腕を骨折したときも、両ひざの手術をした後も、苦しんでいるとか辛いなどという様子を見せたことが無いのです。悠揚せまらずと言うのでしょう、人間苦境に立たされたときはそのときそのときにやるべきことをきちんとやって後に備えるしかないということを我々に示してくれているように思えてなりません。本当に人間としての器が大きい人だなといつもながら感じさせられます。

「そして何よりここは気候が良いんです。いつも晴れて爽やかで良いですね、膝も何の問題も有りません」と力強く語ってくれました。エンゼルスのスポンサー日本企業も松井選手がやって来て3社から15社に増えたと聞きますので、そうした経済的効果も加味すれば来年もこのチームでプレーをしているのではと思います。

同日のナイトゲームでもレンジャーズが左腕のホランド投手を起用したため、スタメン落ちとなりました。それでも7回裏にようやく代打で起用され、三遊間に内野安打を放ち打点1をマークしました。松井選手に関する限り、気持ちが折れたりすることなど絶対ない。そのことを確信して日本に帰ってきました。

「フジサンケイクラシックの激闘」

昨日5日(日)男子プロゴルフのフジサンケイクラシック最終日をテレビ観戦しました。3日目に首位に立った石川遼選手と杉並学院の2年先輩薗田峻輔選手の優勝争いはハラハラドキドキの連続で、一瞬たりとも目を離せない緊張感漂う素晴らしい展開になりました。

石川選手にとって薗田選手はジュニア時代からの憧れの先輩で、石川選手が小学4年生の時に初めて会って以来ずっと目標にしてきた存在で杉並学院時代いつもその背中を追いかけてきたそうです。プロ入りは石川選手より遅れて今年からの薗田選手ですが既にト―ナメントで1勝を挙げている実力派です。

最終日は3ストロークの差を追って最終組で回る石川選手の一組前でプレー。前半意外にもたつく石川選手を追い詰め追い越して途中1ストロークのリードを奪い、激しい優勝争いが始まったのです。先にホールアウトした薗田選手9アンダー。17番ロングホールでバーディーを取れず1ストロークの差をつけられている石川選手は最終18番でティ―ショットは左バンカーへ。しかし石川選手の思いはバーディーを取ってプレーオフに持ち込むことだけ。その集中力で第2打は全盛時のタイガー・ウッズ選手が打ったかのようにピンそばにピタリ。遂に先輩に追いつきプレーオフに持ち込んだのです。

そのプレーオフ4ホール目、ともにパーオンしてパットの勝負に持ち込まれました。ピン下からの石川選手のバーディーパットは僅かに外れパー。薗田選手にチャンスが回ってきたかに見えましたがピン左横からのバーディーパットも外れてカップの先Ⅰメートルに転がり、それでも当然パーで上がって5ホール目に移るのかと思われました。ところが次の瞬間、薗田選手の返しのパットがカップの淵をくるりと回って飛び出してパーならず、遂に二人の激闘に決着がついたのでした。

その瞬間の石川選手の表情にはまさかという意外感が漂い、次の瞬間には尊敬し慕っていた薗田選手の無念さをも思いやる気持ちが浮かんだことが伺い知れました。終了後のインタビューで「薗田先輩といつまでも戦っていたかった」と語っていました。技量が接近し、お互いに全てを知り尽くした間柄の18歳と20歳の二人の戦いには得も言われぬ爽やかさが漂っていました。

薗田選手は「来年は3連覇されないよう頑張ります。この後も遼君に今日の分のお返しができるよう頑張ります」と笑顔を見せながら語っていました。これから長いライバル関係が続いていくであろうこの二人の存在が日本のゴルフ界に新たな風を送り込んでくれました。イメージ的には石川選手=タイガー・ウッズ選手。薗田選手=アーニー・エルス選手という例えもできそうな二人にこれからも注目しましょう。

「興南高校春夏連覇に思う」

第92回全国高校野球選手権大会で遂に沖縄興南高校が沖縄勢念願の初優勝を成し遂げました。興南高校は今年の春の選抜で優勝しているので春夏連覇も達成し(史上6校目)、文句のつけようのない今年の活躍ぶりです。

今から35年前、習志野高校(千葉)が新居浜商業(愛媛)を破って優勝したときの決勝戦のテレビ中継(NHK)を担当していた私が懐かしく思い出すのは、習志野にとって夏の優勝への大きな力になったのはその年の春の選抜で自分たちより格下と思いこんでいた豊見城高校(沖縄)に3-0で敗れてしまったことだそうです。(実はこのころから故裁監督が率いて徐々に力をつけ始めていた豊見城高校。しかものちに巨人に入団することになる赤嶺という好投手がいたのに、習志野はいつまでも沖縄勢にだけは負けることはあり得ないと思い込んでいました。)

しかし現実はその沖縄勢にあっさり敗れてしまったのです。野球については長い伝統を持つ習志野としてはこの敗戦を最大の教訓として夏に向けてできることは何でもやろうという精神で立ち向かったことがチーム力の劇的なアップに繋がったと関係者が話していたことを思い出します。裁監督は、沖縄勢が本当に強くなるには日頃から九州、四国、関西或いはときに関東の強豪チームと交流試合を経験する必要があると考えて苦しいやりくりをしながら選手達に肌で本土の強豪チームの存在を感じさせようと努めてきました。そしてそれが大きな礎となり更に裁監督の後を追った指導者たちの努力が積み重なって遂に沖縄高校野球関係者の夢が今年このような形で実現したと言っていいでしょう。

本土に比べれば温かい日が多く、プロ野球のほとんどの球団が沖縄でキャンプを張るようになってきているのを見ても分かるように、冬でも練習が可能なのですから高校球児にとって沖縄は恵まれた環境にあることは確かです。後は指導者が常に研究を怠らず、本土との交流に力を入れて行けば沖縄勢の強さはまだまだ続きそうな気がしますね。

「山本昌邦サッカートークライブwith草野仁」

8月1日、平和島ボートレース場にて開催されたイベント、「山本昌邦サッカートークライブwith草野仁」に出演しました。来場している人たちは皆レースで舟券を的中させようと懸命になっているので、レースとは直接関係ないサッカーの話に一体どれだけの人が耳を傾けてくれるのか心配でもありましたが、行ってみると特設ステージには150人くらいの人たちが椅子に座って待っていてくれました。一応満席だったのです。

司会は競馬番組の司会などで活躍している目黒貴子さんでした。目黒さんは「THEワイド」が始まったころ短い期間でしたがリポーターを務めていたことがあり、久々の出会いになりました。トークのお相手は日本サッカー界の指導者としてこれからを背負っていく山本昌邦さんにワールドカップ南アフリカ大会について興味深い話を私が聞いていくというものでした。

岡田JAPANの健闘はカメルーン戦で上げた最初の一点から始まった、あの得点で一気に選手たちの戦う気持ちが統一できたと山本さんは語りました。また、パラグアイとのベスト8をかけた戦いでは0―0のままPK戦へと持ち込まれましたが、日本の情報収集は完璧でパラグアイの選手についてPKをどちらの方向に蹴るのかといったことを予測できていたのだそうです。ところが、一人目、二人目ともその読み通りに蹴ってきたものの、GK川島選手が届かずセーブできませんでした。逆に川島選手の早めの動きが察知され、三人目からはその裏をかく形で全てを決められたというのがPK戦の真実だったのだそうです。

U19、U20 の監督、トルシエJAPANのコーチ、またアテネオリンピック監督などを歴任してきた山本さんは「監督やコーチの教え通りのことをやっている選手は伸びない。自分でさまざまな角度から考えたことを監督やコーチにぶつけてくるような選手でなければ世界レベルに入ってやってはいけない」と力強く語ってくれました。これはどの世界で生きる人にも言える至言だと感じました。

「日本大健闘」

ワールドカップサッカーの日本対パラグアイ戦をテレビ観戦しました。視聴率を見ると平均で57.3%もあり、占拠率は77.8%。つまりこの時間にテレビをつけていた人のおよそ8割が日本チームの闘いに注目していたということを示しており、当然のこととは言えその関心の高さが伺えます。

最後はPK戦で敗れはしましたが、日本チームのワールドカップ本番に入ってからの戦いぶりは予想を上回る力量を発揮し、見事というほかは無いと感じました。大会前のテストマッチは不甲斐ない負け方で、これでは本番でもあまり期待はできないかもと思えました。また、大会直前には岡田監督の進退伺い騒ぎもあり、これではモチベーションも上がらないのではと心配しましたが、初戦のカメルーン戦から守りが極めて固く隙を見せず、更にオランダ戦、デンマ―ク戦でも堅守には崩れが無く、実力上位の相手に気持ちで負けない堂々たる闘いを展開し予選リーグ戦を勝ち抜きました。

そして昨日のパラグアイ戦も五分に渡り合い、大会前には不安な側面もあったチームがこれほどの闘いを見せるようになったことに驚きました。勿論、岡田監督の指示も良かったのでしょう。それと共にその指示を見事に守り通した中澤佑二選手、田中マルクス闘莉王選手の守備は観るべき点が沢山ある素晴らしいものでした。本田圭佑選手をはじめとする攻撃陣が思い通りに動けたのもこの守備が機能していたからでした。日本大健闘の一番の立役者はこの二人だったと言っても過言ではないと思います。

長谷部誠キャプテンが、このチームの特長としてチームワ―クの良さを上げていましたが本当に選手たちの気が合い良く纏まっていたと思います。後はここ一番で得点を上げられるエースストライカーが2人くらい出てくれば相当強いチームになれると確信します。

大会前はなぜか盛り上がらないと思われていたのですが、日本の大健闘もあって雰囲気が非常に良くなりました。ブラジル、スペイン、アルゼンチンなどがこの後どこまで実力を発揮するのか楽しみな大会になってきました。

「ヴィクトリアマイル優勝祝賀会」

6月6日、「ブエナビスタ号のヴィクトリアマイル(G1)優勝祝賀会」が行われました。

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去年のオークスを制して一年ぶりのG1優勝だったので会員の皆さんの喜びは一入のものがありました。立ち続けに桜花賞とオークスを勝ったので秋華賞も獲れるのではないかと多くの会員は考えていたと思いますが、勝負はそんなに甘いものではなく秋華賞は僅差で負けた上に降着処分で3着になり、エリザベス女王杯は先行馬ペースにはまって3着と悲運なレースが続きました。

ところが有馬記念で横山典弘騎手が騎乗して、追い込み一辺倒のレースではなく、早目に上位に進出して行くという柔軟性のあるレースを展開し、ブエナビスタ号には色々なパターンのレースがあるのだということを教えてくれたことが大きな転機になったと私は思っています。この時は2着でしたが、ブエナの可能性を大きく開くレースだったと言っていいでしょう。

京都記念は自在性のあるところを見せ一瞬ジャガーメイル号に追いすがられましたが、最後は見事に振り切って優勝。勝負強さを発揮したレースでした。ドバイシーマクラシックは、後方に位置してバックストレッチで前に上がろうとしては何度も外の馬に塞がれて動けずじまい、スムーズさを欠くレースになりながらも直線苦労しながら追い込んで僅差の2着となりました。

この時、この馬は私自身が想像していたよりも遥かに強い馬であることを思い知らされました。そして乗っていたペリエ騎手にとっては悔いの残るレースだったに違いないと思ったのです。あのブエナを動かそうとしたとき、自分の思い通り前に上がって行けたならば勝てていたかもしれないと思ったペリエには苦い思いが残ったレースだったはずです。横山騎手が「どうしてあのとき僕が乗っていなかったのでしょう」と思わず語りました。

ブエナビスタ号はドバイから帰国して3週間の検疫があり、栗東に戻って僅か2週間でヴィクトリアマイルだったので本当に大変な強行軍でした。横山騎手も返し馬で「いつもより少し動きが硬い感じで完調ではない」と思ったそうです。「東京コースの馬場状態がとても良くて、ある程度前のポジションでレースを進めようと思ったけどもブエナは前に行こうとしないんです。そこでブエナのリズムを崩さないようにゆっくり行くことにしました」とのこと。この辺りのブエナとの意志の疎通が見事であり相互信頼がとてもうまくでき上がっていたということです。パーフェクトな状態でもないのに最後まで力一杯走って勝利に繋げてしまうところが他の馬たちとは違う、いわゆる次元が違う馬ということなのですね、と横山騎手は語りました。

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とにかく、この後も無事で競走馬生活を全うし優れた母馬になってくれるようにという会員の思いが一つになった夜でした。

「祝 一年ぶりのG1制覇」

愛馬「ブエナビスタ号」が久々のG1レース優勝を成し遂げました。

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昨日東京競馬場で行われた第5回ヴィクトリアマイルで、ブエナビスタ号は馬場が走り易くて先行馬にとって有利な条件下にも拘らず、後方から進んで直線大外から脚を伸ばして先行各馬を追い詰め、遂にゴール寸前でヒカルアマランサス号をクビ差捉えて4つ目のG1タイトルを物にしたのです。

3月下旬にドバイでG1レースに出走し僅差の2着と好走して帰国、それから検疫のために時間を要しレースに備えた調整はたった2週間しかないという悪条件の中で勝ち取ったものだけに関係者の喜びは一層大きなものがありました。松田博資調教師は何時も通りにこにこしていましたが心配もあったでしょう。松田剛調教助手に至っては涙を流しながら握手を求めてきてくれて、このレースに出走させるために如何に大変な苦労をして来たかということが想像できました。

それにしても、ブエナビスタ号は強い馬だと思っていましたが、ここまでのレースぶりを見てみますと自分の想像を遥かに超えるスーパーホースなのだなと感じます。騎乗した横山典弘騎手は「返し馬のときから馬が硬い感じで完調ではないと感じていました。レースでは前に行かせようと思いましたが、馬が行こうとしませんでした、自分としては馬の走るリズムを大事にしようと腹を決めて後方からの競馬になりました。直線で追い出してからもブエナはすぐに反応してくれませんでしたが、それでも勝つのですから凄い馬ですね今日は馬の底力に助けられました」と語っていました。

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この馬にレースのパターンは幾つもあるのだということを教えてくれた横山騎手をブエナビスタ号も信頼しているのでしょう、今日はこんな感じで行きましょうというブエナビスタ号の提案を素直に受け止めてくれた横山騎手との相互信頼が生み出した今回の優勝だったような気がします。448kgという牝馬にしても細身の体の中に潜む精神力は凄味を感じさせます。思えばディ―プインパクト号もほぼ同じような馬体重で走っていたのですからひょっとしたら無駄のない体で力学的に理想的なフォームで走り、強い精神力の支えがありさえすれば体の大きさと強さとの相関関係は以外に薄いと言えるかもしれませんね。

次は宝塚記念へという計画もあるようですが少し休ませてあげたい気もします。

「ドバイシーマクラシック」

ブエナビスタ号がドバイでどんなレースができるのか心配しながら28日午前1時半からのドバイシーマクラシックをグリーンチャンネルで観戦しました。現地入りしてからの2週間近く調整の様子は逐一聞いていましたが、状態は非常に良く飼い葉も良く食べ、何時もと変わらず落ち着いているとのことで良いレースができそうだなとは思っていました。とは言え、戦う相手との力関係が今一つはっきりしなかったので、どんな流れでどんなペースのレースになるのかなかなかイメージが湧きませんせした。

テレビに映し出されたブエナビスタ号は日本にいるときとまったく変わらず堂々としていました。この馬の強さのポイントの一つは何物にも動じない精神面の安定性にあると前々から考えていたのですが、今回もそこは揺るぎがないと感じました。

16頭の10番枠からのスタート。ペリエ騎手はゲートの中で動いていたためスタートが悪かったと言っていましたが、画面ではまずまずのスタートに見えました。しかし次第に後ろに下がっていき、後ろから3頭目の位置でレースは進んで行きます。途中何度か前に動こうとしたように見えましたが、外にいた馬と接触するなど思い通りのレースができていないようでした。4コーナー手前から他の馬たちが動き出しましたが、ブエナは前にあがってきません。直線に入って馬群の真ん中を突いてスピ―ドを上げようとしますが、他の馬たちも頑張ってブエナ苦戦かと思えました。

ところが、本当に力のある馬は違うものですね。残り150mくらいからでしょうか、前が開いてトップスピ―ドに乗り先頭に立っていた欧州最強牝馬の一頭ダーレミ号に襲い掛かりましたがわずか及ばず2着でゴールイン。途中でひょっとして今日は惨敗かと思われたのにそこから優勝争いに加わってきたその底力には正直驚かされました。強い馬はどこへ行っても強い。これが今回のレースを通じて教えられたことです。この娘の強さに多少の疑問を感じていた自分が一寸恥ずかしくなりました。世界で十分戦っていけるだけの力を持っている凄い馬だと思います。

「タイガー・ウッズ選手復帰に思う」

タイガー・ウッズ選手がマスターズゴルフで復帰することになったという二ュースが伝えられました。

自分がまいた種であったにしてもここまでの日々は辛いものであっただろうと想像できます。年間100億円前後のビッグマネーを稼ぎ出す世界のスポーツ界最高のヒ―ローがスキャンダルにまみれ傷ついて人前に顔を出せなくなったのは何とも気の毒な状況です。

とは言っても、ゴルフ界にとってタイガーは失うことのできない大きな存在です。タイガーの並みはずれた活躍があったからこそUSPGA は巨大マ―ケットに成長してきたわけで 、彼を失うことはマ―ケットの委縮に繋がります。それに、ロングドライブを放ち、ピンをダイレクトに狙って正確なアプローチショットを見せ、長いパットでも絶妙のタッチで攻めるというゴルフの極致ともいうべきプレーでギャラリーを魅了するタイガーがいなくなれば、ゴルフはエキサイティングなスポーツではなくなってしまうでしょう。ゴルフが好きな人たちはやはりタイガーがグリーンに戻ってくることを待ちわびています。

ただ、本人も一番そこを気にしていますが、今までのように温かい応援の声だけではなくなり、時に酷い野次が飛んだりすることがあるかもしれません。でもそれを乗り越えるのが男であり、実際に乗り越えられる力を持っているのがタイガーだと思います。人間とは過ちを犯すものだし、仮に過ちを犯してもその後に自らを律し立て直しを図らなくてはならないものなのです。その苦境を越えて復活を果たしたとき、ファンはより一層の応援、支持をしてくれるものだと思います。

少々皮肉な感じになりましたが今年のマスターズはタイガーのプレーは勿論ですが、彼の精神コントロール力がどこまで強固なものかを見るという点でも興味深いものになりましたね。

「愛馬ランブリングローズ号」

3月6日(土)、愛馬ランブリングローズ号が阪神競馬場の3歳未勝利戦で初勝利を上げました。昨年9月にデビューしてから8戦目での未勝利脱出で本当によくやったと思います。

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デビュー戦から3戦は芝コースで走らせてみたのですが6、6、8着と、内容は決して悪くないのですが追いこんで届かないという結果が続きました。そして4戦目からダートに移してみたところ2着が3回連続、そして前走は3着ということで、良いところもあるのですがもう一つ決め手に欠ける頼りないレースを繰り返してきました。

そこで気分を変えるため福永祐一騎手に騎乗を依頼し、先行して欲しいとお願いして乗ってもらったところ、苦しみながらも逃げた馬を交わして見事に優勝したのです。前半から前に前に行きたがるランブリングローズ号を上手になだめて、最後に全力を出し切るという形で勝利に結びつけた福永祐一騎手の騎乗ぶりは流石名ジョッキーだと感心させられました。その日私は仕事で現場には行くことはできませんでしたが色々な方からお祝いの電話を頂きました。嬉しいものですね。

ランブリングローズ号を生産したのは名門千代田牧場のオーナー飯田正剛さんです。飯田さんがわざわざ声をかけてくれて馬を見に行ったのが去年の2月で、駆け回っている数頭の馬の中でどうしても気になる馬がいました。それがランブリングローズ号だったのです。

飯田さんの御好意で共同所有することになり栗東藤岡健一厩舎に入厩しました。この馬の良さはいくつか挙げられますが、何より素晴らしいのは脚元に全く問題が無く元気一杯だというところにあります。藤岡調教師をはじめスタッフに恵まれ、愛情を持って調教されているので精神的にも良い状態を保っているようです。JRAの競走馬はまず1勝しないと先の目標が立てられません。従ってこれで、ゆっくりと体調を整えて立てた目標に一歩でも近づけるように頑張ってくれると良いですね。父アグネスデジタルと同様芝もダートもこなせますし、1800mでもまだ余力があり、長い距離のレースにも対応できそうに思えるので、生きる道はまだ色々ありそうな気がします。勿論親の欲目ではありますが今後の成長に期待したいものです。

「バンクーバー五輪が終わって」

バンクーバーオリンピックは無事に終了しました。やはり日本国内で一番盛り上がったのは日本時間の2月26日(金)の午後行われた女子フィギユアスケートのフリースケーティングでしたね。視聴率は平均で36.3%最大瞬間視聴率は46.2%だったといいますから、この時日本全国でテレビをつけていた家庭の7~8割の人々が浅田選手の演技に釘付けになっていたことになります。

結果は御承知の通り浅田真央選手は2度のトリプルアクセルを成功させたものの他のジャンプでのミスもあって2位に終わりました。残念ながら日本の女子フィギュア悲願の金メダル獲得はなりませんでしたが、内容的には205.50点という自己最高得点を記録し、堂々と胸を張れる銀メダルを獲得しました。宿命のライバルといわれた韓国のキム・ヨナ選手がミスのない完璧な演技を見せて228.56点をマークしたので、これはもうキム・ヨナ選手を賞賛するしかないですね。

この二人の素晴らしいライバル同士は、各々がそれぞれに素晴らしい特長や個性を持った甲乙つけがたい選手なのですが、今回は精神面でキム・ヨナ選手が浅田選手より少しだけ上だったように思えるのです。というのも、ショートプログラムではキム・ヨナ選手の目の前で浅田真央選手がほぼ完璧な演技を見せました。ライバルにはプレッシャーを与えてもおかしくないほどの好演技でしたが、キム・ヨナ選手は浅田真央選手の得点をちらっと目にしただけで何時も通り平然として演技に入り、ノーミスの演技でトップに立ったのでした。

この後のインタビューで「浅田さんの高得点は気になりませんでしたか」と問われてキム・ヨナ選手は「得点は確認しましたが、気持ちに動揺は全く有りませんでした。何故ならオリンピックでは神様に選ばれた人たちが金メダルを取れるのだと考えていたので、自分の演技をするだけだと思ったからです」と答えていたのです。恐らく自分の到達しているレベルの演技をきちんとやれば自ずと結果は付いてくるという確信がそう言わせたのだと思います。相手がどんな演技をしようとも自分がやるべきことは変わりなく決まっている、というのは極めて高いレベルに到達して認識できるものなのでしょうね。逆に浅田真央選手はショートプログラムでリードされ、フリーでも目の前で完璧な演技を見せられ、一点の乱れも見せられないと追い込まれてしまったところに僅かな狂いが出てしまったようです。

キム・ヨナ選手が身に付けた自己規律力、セルフコントロール力は本当に見事でした。敗れたとはいえ立派な銀メダリストの浅田真央選手がここからどう自己を昇華させていくのか注目したいですね。

「バンクーバー五輪 男子スピードスケート」

今度こそメダルをと期待されていた女子モーグルの上村愛子選手が残念ながら4位に終わり、バンクーバー五輪の日本選手団になかなか勢いがつかなかったのですが、現地時間15日のスピ―ドスケート男子500mで長島圭一郎選手が2位、加藤条治選手が3位に入り銀メダル、銅メダルを獲得しました。日本勢にとっては今大会初メダルで、しかもスピ―ドスケートでは1992年アルベールビル五輪の男子500mで黒岩敏幸選手、井上純一選手が銀、銅を獲得して以来の一種目2個のメダル奪取で一気に元気が出てきた感じがします。

この男子500mの結果について長野五輪の男子500mのゴールドメダリストで今回も出場を目指していたベテラン清水宏保選手が読売新聞紙上で大変興味深い分析をしていました。清水選手は観客席でこのレースを観戦していたわけですが、「一日にアウト、イン、スタートで2回500mを滑らなくてはならない現在の方式の中ではただ単に500mが早ければ良いというのではなく、2回のタイムをなるべく揃える必要がある。(タイムにばらつきが出るのが一番良くないということ)そのためには1000mを強化してスピードプラススタミナを強化する必要がある」と言うのです。清水選手自身500m のために1000mがあると考え、1000m の強化に取り組んだ結果500mがより強くなり1000m でも銅メダルを獲得するほど力をつけることができたと述べています。

今回の優勝者である韓国の牟選手は元々1000m、1500m が強い選手で何としても500mで勝たなくてはならないというプレッシャーが無く、1回目は34秒92で滑り全体の第2位でしたが、2回目も硬くなることもなく34秒90ときれいにタイムを揃えて走り金メダルに繋げています。長島選手は1回目ミスがあったものの2回目一か八かの勝負をかけて挽回し何とか銀メダルに手が届きました。しかし加藤選手は1回目3位につけて優勝への可能性も残していたのですが、2回目カーブワークに失敗して3位止まり。レース後国旗を肩にリンクを走っているときには息をゼイゼイ言わせながらの状態で、もはやスタミナは残っていなかったように見えたと清水選手は記しています。昔の一発勝負でスピ―ド自慢の競走だった500mから今の500mはより厳しさを要求されるレースに変わってきていることを教えてくれた清水選手の素晴らしい分析記事でした。

「松井選手、心から応援しています」

帰国中の松井秀喜選手、広岡勲広報と久し振りに食事をしながら語り合うことができました。

先ず松井ファンの皆さんにお知らせしたいのは、松井選手はトレ―二ングも十分積んで体が引き締まり、血色も良く表情に輝きがありました。今年に懸ける意気込みは私たちファンの想像以上のものがあるのではないかと思います。「ランニングはかなりやっているんですよね」と私が聞きますと、「だいぶ良い感じで走れるようになりました。まだ100%の全力疾走というところまでは行ってないのですが、この感じなら守備にもつけると思います」と嬉しい答えが返ってきました。すると彼の横から広岡さんが「その言葉は初めて聞いたね。良いね」とまた彼も嬉しそうに合いの手を入れてくれました。松井選手の話から推測すると、この状態のままシーズンに入ることができたら全ての試合で守備につくことができるかどうかは別にして、エンゼルス首脳陣の期待にはかなり応える活躍ができるのではないでしょうか。

ここ数年、左手首の骨折に始まり、右膝の手術、左膝の手術と苦労を強いられましたが、強靭な精神力でそれを乗り越えてワールドシリーズのMVPを獲得した松井選手の次なる思いはエンゼルスで世界一になることだといって良いでしょう。長いワールドシリーズの歴史上2年連続のMVPはいないそうです。(2回MVPに輝いた選手も3人しかいないそうですが)従ってもし今年もMVPになれたとしたら松井ファンにとってこんなに嬉しいことはありません。ここまで不可能と思えることを可能にしてきた彼のことですからやってくれそうな気がしてきます。

ところで、去年のワールドシリーズでの最も大きなター二ングポイントは、松井選手が第2戦でフィリーズのペドロ・マルティネス投手からライトに放ったホームランだったと言っても過言ではありません。マルティネスの低めに落ちるカーブを松井選手がぐっと踏ん張って、落ちてきた球を掬うようにスウィングするとボールはライトスタンドに運ばれていきました。打たれるはずはないと思っていた球を打たれたマルティネス投手のショックは大きく、結局第6戦でもまた松井選手に痛打を浴びることに繋がっていったのです。

「あの第2戦のホームランはカーブを予測していたのですか」と私は尋ねたのですが、「いえ、追い込まれていましたから予測はしていませんでした。ただその前の打席でカーブを打ってライト前にヒットを放っていましたので、カーブの曲がりの軌跡は目に焼き付いていました。その状況でストライクゾーンに来たから「よし」とバットが出てホームランになったのですが、後でビデオを見直してみると低めの完全なボール球でしたね」と苦笑しながら語ってくれました。このようなことを正直に語ってくれる松井選手が私は大好きです。

「世にも不思議な・・・」

40年以上競馬を見続けてきてこんなに大きな落馬事故は初めてのことでした。

去る11日、中山競馬場で行われた第4レースの新馬戦でその事故は起きました。(私は自宅でグリーンチャンネルの放送を観ていました)三浦皇成騎手のノボプロジェクト号が先頭で4コーナーを回ろうとしたとき、左の後肢が外側に流れお尻も外側にブルンと振れました。その瞬間一気に追い上げを図ろうとしてすぐ後ろに迫っていた勝浦騎手のフォルメン号とノボプロジェクト号のお尻が接触してフォルメン号が転倒。各馬が密集してスピードを上げてラストスパートに移ろうとしていたため、この落馬をきっかけに出走馬が次々にバランスを崩し、落馬した馬たちに接触してさらに落馬が相次ぎ、合わせて16頭中9頭が落馬するという前代未聞の事故になってしまいました。

その瞬間、騎手たちは、そしてこれがデビュー戦だった馬たちは大丈夫なのだろうか。大怪我をした騎手はいないのか、はたまた競走能力を喪失した馬はいないのか、そうしたことが気にかかってずっと情報を待ちましたが、すぐには詳しい情報は伝えられませんでした。良く考えてみるとこの間、舞台裏では9人の騎手たちの身体チェックが行われ、9頭の馬たちの馬体チェックが慎重かつ入念に行われており、後のレースに騎乗できなくなった騎手については別の騎手に騎乗依頼をしなくてはならず、その全てを情報としてまとめて放送するには大変な時間がかかるのは当然のことでした。

結果的にはお昼休みを挟む時間でもあったため、次の第5レースの開始が予定よりも15分遅れただけで、JRAの事後処理はとてもスムーズに行われた感じです。そして9人の騎手の中で、去年のリーデイングジョッキー内田博之騎手だけ左腕骨折の負傷となったのは残念でしたが、他の騎手たちは擦り傷や打撲などの怪我をしたものの大怪我には至らず、さらにデビュー戦で落馬という怖い体験をさせられた馬たちも全馬が競走能力を失うこともなかったのは本当に不幸中の幸いだったと思います。

でも改めて思うのはハイスピ―ドで競う競馬は一歩間違うと死亡事故や馬の命を奪うことに繋がるわけで、安全のために騎手や関係者が一層注意深く努力して欲しいということです。馬券を買って応援しているファンのためにも、愛情を注いで競走馬を仕上げてレースに臨ませている馬主や関係者のためにも、このような慄然とさせる落馬事故だけは二度と起こしてはならないと思います。

「有馬記念」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2009年12月29日 13:33
  • スポーツ

2009年の中央競馬を締めくくる「有馬記念」が27日中山競馬場で行われました。今年一年ずっと出資会員に夢を与えてきた愛馬「ブエナビスタ号」がどんなレースを見せてくれるのか、そこに大きなポイントが有ると誰もが思っていたことでしょう。

今まで安藤勝己騎手がデビュー以来8戦手綱を取ってきましたが、後方を追走して最後の直線で差すという内容のレースを続けてきて、このところ脚を余して惜敗(まだ余力が有るのに追い込みのタイミングが合わずほんの僅かの差で負ける)することが続いたため騎乗者を今年大活躍の横山典弘騎手に変えて臨んだ上での有馬記念ですから、横山騎手の騎乗ぶりに焦点が当てられたのは当然のことでした。

パドックで出走馬の状態をじっくり観察したところでは、ブエナビスタ号、ドリームジャーニー号の二頭が際立って良く見えました。何時もだと自分の愛馬の馬単を買うのですが、この日ばかりはブエナビスタ号が負けるとしたらその相手はドリームジャーニー号だけだと思え、2-9、9-2の馬単を買い3連単は2番9番の1、2着固定3着は少し手を広げ7点にマークしてレースを観戦しました。スタートもスムーズに出たブエナビスタ号は最後方ではなく前から5番手くらいを気持ちよさそうに進み4コーナー手前からは少し外に出して早目に先頭に躍り出てゴールを目指しましたが、後方でじっとチャンスをうかがい追い出しを我慢したドリームジャーニー号がブエアビスタ号に襲い掛かり、激しい競り合いの末同馬が有馬記念を制しました。

愛馬は残念ながら2着に終わりましたが新たなブエアビスタ号の一面を覗かせる横山典弘騎手の騎乗に流石ベテランと納得させられました。現時点では最高の乗り方だったと私は思います。何より3歳牝馬でここまでの頑張りぶりには正直頭が下がります。このレースを見る限りブエナビスタ号はどんなレースにも対応できる能力を持っていることが分かりましたし、馬自身もこういう形で行くこともあるのだということを覚えてくれたことでしょう。ブエナビスタ号にとって来年への可能性がまた大きく広がった今年の有馬記念競走だったと思います。幸いに馬券も当たり私自身良い締めくくりをつけることができました。

「恐るべき18歳のチャンピオン」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2009年12月 7日 14:53
  • スポーツ

今年の日本の男子ゴルフツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」が昨日終わりました。期待された賞金王争いの石川遼選手と池田勇太選手は優勝争いには加われませんでしたが、アメリカツアーから復帰した丸山茂樹選手の10年ぶりの日本での優勝で、詰めかけた大ギャラリーはゴルフの楽しさに酔いしれました。

初日の大きな出遅れで苦しい展開となった石川遼選手ですが、流石実力者で3日目―3、最終日―4とスコアを戻して見所を作りました。その結果、18歳と80日で日本ツアーの賞金王に輝いたのです。過去の最年少賞金王は尾崎将司選手の26歳でこれを36年ぶりに大幅に更新しました。海外を見ても欧州ツアーのセベ・バレステロス選手の19歳6カ月を破る大変な新記録(勿論世界新記録)になりました。あのタイガー・ウッズ選手でさえ賞金王に成ったのは21歳の時だったと言いますから石川遼選手は凄いことをやってのけたことになります。プロゴルファーになって僅か2年で成し遂げたこの記録は恐ろしいほどの快挙という他ありません。

そして今年は昨年にも増してゴルフの内容が大きく進化しました。石川遼選手に直接指導しアドバイスを送ってきた尾崎将司選手は「18歳の若さを超越した攻撃的なゴルフとショートゲームに磨きがかかって、今年の彼のゴルフは内容的にまさしく王者の姿だった」と称賛の声を送っています。青木功選手や中島常幸選手も、今迄見たことも無い可能性を持った日本人ゴルファーとして世界に大きく羽ばたいてほしい、とエールを送っています。

今年一年マスターズ、全英オープンなど大舞台で予選落ちを経験しましたが、それでも大崩れすることなく、むしろ将来への可能性を感じさせる内容のあるゴルフを見せてきました。そしてその経験を一つ一つしっかり吸収して次に確実に生かしていくという、分かっていてもなかなか実践できないことを楽々とやってのける能力を持っていることを見せてくれました。

石川遼選手を見ていて感じる素晴らしさは誰の目にも明らかですが、体の柔軟性や筋肉の柔軟性に優れていること、目標設定が大きく高くそれでいて的確であること、ゴルフが人生と答えるほどゴルフが好きでそのために真摯に練習すること、体の手入れやトレー二ングをしっかりこなすこと、など挙げれば切がないほどでしょう。

それに加えて、インタビューに答える彼の話の内容は極めて論理的で分かり易く、何時も誠実に答えているその彼の姿勢に心打たれるのです。大人でも誰もが納得する受け答えというのは簡単にできるものではないのですが、それをきちんとやり通している18歳の青年は他には私も見たことがありません。

その基礎は家庭教育の中で築かれたものだと思いますがここまで好感のもてるインタビュイーは稀有だと感じます。この後は来年に向けて早くも準備に入るということで、紅白歌合戦やバラエティー番組にも一切出演しないとのことで安心しました。その気持ちでどんどん前進して欲しいと思います。

「『野球は人生そのものだ』を読んで」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2009年11月22日 19:13
  • スポーツ

先日京都に行ったときに、駅の書店に入ると長嶋茂雄さんの「野球は人生そのものだ」という本が目に入りました。表紙には長嶋さんのあの素敵な笑顔があって、本を手にした人に「野球は人生そのものなんだよ」と話しかけているように感じられるものだったので、私はすぐにこの本を買いました。

本書は長嶋さんが日本経済新聞に2年にわたって連載した「私の履歴書」に大幅に加筆してつい11月10日に出版されたばかりの本でした。私自身も少年時代長嶋選手に憧れて育ち、NHK時代にはスポーツアナウンサ―として長嶋さんを取材した体験があるので、長嶋さんの大まかな野球人生についてはある程度のことは知っている心算でいました。ご本人の目を通してこれまでの野球人生を語って下さるのに私もお伴をして、もう一度長嶋さんの生き方を一緒に振り返るのもまた楽しいことだろうなという少し軽い気持ちでこの本を手にしたのでした。

読み始めると過去の名場面、名勝負にぐいぐいとひきつけられて行きました。そして長嶋さんが選手としてまた監督として何時も胸の中に刻み込んでいた思いがダイレクトに伝わってきて、こんなにも深いそして強い思いを胸に野球を続けてこられたのだということがとても良く理解できた気持ちになり、改めて長嶋茂雄という人の存在の大きさに感動したのでした。

砂押監督の指導を受けていた立教大学の学生時代から、長嶋さんは将来プロ野球でプレーするときのことを想定してどうしたら観客が満足してくれるか、喜んでくれるかということを真剣に考えていたということで、これは長嶋さん以外の選手には恐らく無かったことだと思います。今にして思うと三遊間のゴロをダダッとダッシュして捕球し、矢のようなボールを一塁に送る、その一連の動きは流麗且つ豪快でほかの誰にも真似できるものではありませんでした。また、チャンスで打席に入るとき、バッターボックスの手前でもの凄く豪快なスウィングを2回3回と繰り返して観客の期待感を煽り、打席に入ったらその期待通りに快打を放つ。時に凄い空振りをしてヘルメットが飛ぶということもありましたが、実は被っていたヘルメットはアメリカ製で、頭の形が外国人仕様ということで後頭部の部分が1cmほど自分の頭より長く、猛スウィングをすると頭からヘルメットが抜けて飛ぶようになっていたのだそうです。空振りをしたときでさえ皆が凄いと感心し得くれるように打ち、投げ、走る、全てのプレーが観客を喜ばせ、観客を満足させるためだったというのですから長嶋さんは正に不世出のプレイヤーなのだと思います。

さらに驚くのは、砂押監督を通じて手に入れたジョー・ディマジオのバッティング分解写真などを参考にして、大リーグの名選手たちは腕や上体の力でボールを遠くに飛ばしているのではなく腰の回転で素晴らしい打球を放っている、ということを見抜いてそのようなスウィングを意識しながら練習していたそうです。

大リーグで彼らに負けないプレーをしたいという強い思いをずっと抱き続けていたということですから、半世紀以上前に本格的大リーグ挑戦を日本で最初に考えていた野球選手ということになりますね。巨人軍の事情で勿論それは実現しませんでしたが、長嶋さんの野球を見据える先見性には敬服するしかありません。とにかく、どこを取っても緊張感に満ちたすばらしい筆力で描かれたこの書は必読に値するものと感じました。読み終えて私の長嶋さんに対する思いはこれまで以上の深い尊敬の念へと昇華しました。

「エリザベス女王杯を振り返って」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2009年11月17日 15:21
  • スポーツ

愛馬「ブエナビスタ号」は前走の秋華賞7cmの鼻の差で敗れた上、他馬の走行を妨害する行為があったとして3着に降着処分を受けましたが、その悔しさを晴らそうと11月15日京都競馬場開催のエリザベス女王杯に出走してきました。ライバルの「レッドディザイア号」がこのレースへの出走を見送ったため、多くのファンが今度は「ブエナビスタ号」の独り舞台になるだろうと考えたようで圧倒的な一番人気でした。

パドックではいつも通り落ち着いていて、出来もとても良く見えました。これなら今年3つ目のG1が手に入りそうだなとも思えました。しかし勝負というのは決して生易しいものではないのですね。絶好のスタートを切ったもの、どの辺に馬の位置をとるのだろうかと思っていると、安藤騎手はじっくり手綱を絞っていつものように後方から3、4頭目のポジションでレースの流れを見ながら進んで行こうと考えたようでした。

しかし、バックストレッチに入り先頭を走るクインスプマンテ号がピッチを上げ、それにテイエムプリキュア号がついていき2頭で後続の馬群をぐんぐん引き離しその差最大で25馬身にもなってしまいました。流石にこれは差がつき過ぎでは、と懸念するどよめきが場内から上がりました。後方群の馬たちは催眠術にでもかけられたかのように牽制しあったまま、ブエナビスタ号が必死に先を行く2頭を追走しましたが時既に遅く3着が精一杯で、またしてもG1タイトルはお預けとなってしまいました。

競馬では稀にこういうことが起きるものではありますが、ただ多くの人たちが期待して見ているレースでしかも最もグレードの高いレースで有力と見られていた馬たちが能力を出し切らないで凡走するというのは残念としか言い様が有りません。ブエナビスタ号はスタートが抜群に良かったので、もう少し前に付ける、もしくは中段位の位置取りをするのではと思いましたが何時も通りの後方に構えていました。

これは安藤騎手が大事をとってパターンを変えて失敗してはいけないということでこのような乗り方になったのだろうと思います。ただ、馬にも色々なパターンを教えたほうが良いとすれば、正直なところもう少し前につけて欲しかったですね。もっと前にいれば先頭との差がどれくらい開いているかが確認できたはずです。そうすれば仕掛けのタイミングも柔軟に対応できた可能性があります。

逃げた馬たちのペースは決して速くなく、G1にすればややスロ―と言ってもいいくらいでした。このようなレースでは馬群の中で最初に動いた馬が失速することが多いという競馬の常識があります。しかし、後半の600mが32秒9という破格のスピードを発揮するほどの力があったことを考えると、何とも残念な思いがしてしまいます。

これでここ3戦の結果が2着、3着、3着ということで、ブエナビスタ号はもはや「スーパーホース」ではなく、「普通の強い馬」でしかないと言われそうですね。今後どこで立ち直りのきっかけを掴むのでしょうか。

「本当におめでとう!! 松井秀喜選手」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2009年11月 5日 17:26
  • スポーツ

松井秀喜選手がついに夢を実現しました。7年前、読売ジャイアンツからFAで二ューヨークヤンキース入りした松井選手、その胸の中にあった目標はヤンキースの一員としてワールドシリーズを制して世界一になることでした。一年目の2003年にはアメリカンリーグで優勝しワールドシリーズに進出しましたが、フロリダ・マーリンズに敗れ念願は叶いませんでした。

豊かな資金力でスター選手を集めることのできるヤンキースですから松井選手の夢は遠からず実現しそうに思えたものですが、現実は厳しいものでした。長く頂点にいたヤンキースも次第にチームのバランスが悪くなり、プレーオフに残ってもワールドシリーズまで駒を進めらくなってしまいました。2006年には松井選手が左手首骨折の重傷を負い、その後も右膝、左膝と手術をしてリハビリや調整に努めなければならず、何とも苦労の多い日々を送らなければならない羽目に陥りました。

そして今年は松井選手にとってヤンキースとの契約最終年なので、良い結果を残すことだけがヤンキースとの契約延長の条件でした。ですから、スランプがちょっと続いただけですぐにトレードの話だけが独り歩きして記事になる始末だったのです。その上ヤンキースの采配を振るうジラルディ監督はデータ重視の細かい野球を志向するタイプですから、膝にまだ不安を抱えている松井選手を守備に就かせようとはしませんでした。さらに始めの頃、松井選手は左投手を苦手にしているという誤ったイメージを持っていたせいでしょうか、右投手の時だけ使うような傾向がありました。それでも松井選手が素晴らしかったのは偶々対決することになった左投手を苦も無く打ち崩して監督の考えを改めさせてしまったところです。

そんな苦闘の積み重ねの中からジラルディ監督も松井選手の勝負強さを十分認識するようになり監督発言の中にも松井選手の存在の大きさを認めるコメントが徐々に増えてきました。与えられた数少ないチャンスに答えを出してポストシーズンの闘いに入る前、「マツイはヤンキース打線に欠かせない存在」とまでジラルディ監督に言わせたのです。普通の選手なら気持で負けて行ったかもしれないところを松井選手は自力で切り抜けて今日の評価を獲得したのでした。

ワールドシリーズに入ってからは特に集中力が高まっていて、出番があれば何時でも対応するという姿勢が印象的でした。それが第2戦のマルティネス投手からの勝ち越しホームラン、第3戦の代打ホームラン、第5戦の代打でのヒットを生み、そして本拠地に戻っての今日の大爆発に繋がったような気がします。今年6月、二ューヨークで取材したときに「必ず爆発します」と宣言した松井選手でしたが、その言葉は実は今日の日のための言葉だったのではないかという気がしてきました。

松井選手の座右の銘は「人間万事塞翁が馬」ということで、何があっても慌てず騒がず最善を尽くして結果を待つということですが、正しくその通りに振舞ってワールドシリーズMVPを獲得したのだと思います。ここまでの様々な苦労は神が松井選手に与えた試練であり、その試練を乗り越えることのできた松井選手に勝利の女神がほほ笑んだのだと思います。日本人が大リーグのワールドシリーズのMVPに輝くということはなかなかあり得ないことで、大リーグの歴史に刻まれた大きな1ページとして何時までも語り継がれることでしょう。「ヒデキ・マツイ」は本当にすごい選手です。

「いざ、ワールドシリーズへ」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2009年10月28日 12:49
  • スポーツ

二ューヨーク・ヤンキースがアメリカンリーグ優勝決定シリーズでカリフォルニア・エンゼルスを降して6年ぶりにワールドシリーズ進出を決めました。試合後いわゆるシャンパンファイトでシャンパンを掛け合ってヤンキースの選手たちがお互いの健闘を称え合い、アメリカンリーグの代表になれた喜びを分かち合う様子がテレビで流されました。中でも松井秀喜選手が最高の笑顔でシャンパンをかけながら、インタビューにも快く応じていた姿が印象に残りました。

彼がヤンキースの一員になった6年前、ヤンキースはプレイオフシリーズ、リーグ優勝決定シリーズを勝ちワールドシリーズに駒を進めましたが、フロリダ・マーリンズに2勝4敗で敗れ、世界一にはなれませんでした。1年目としては彼は良く頑張ったし、ましてポストシーズンを最後まで戦ったのだからある程度の満足感を持って帰国したのだろうと私は思っていたのですが、そのことについて聞くと「充足感は全くありません。ワールドシリーズで勝てなかったのは極めて残念です。野球はチームの優勝のためにやっているのですからね」という返事が返ってきたのです。

チームが勝てなければいくら自分が打ってもそこに喜びは無いという松井選手の考えは野球という団体スポーツの原則を大事にするもので、本来野球に参加する一人一人が持っていなければならないものなのですが、意外に期待値の大きな選手ほど自分が打とう、自分が活躍しなければという思いに縛られていることが多いものです。ところが松井選手はチームのために最大限に貢献する姿勢を日本でもアメリカでも貫き通してきました。ここは自由に打ちたいだろうなと思えるところでもきっちりボールを見極めて塁に出ることを目標にストイックな姿勢を崩しません。

その姿勢を大リーグでも続けてきたので、最高の目標にしていたワールドシリーズに6年ぶりに進出できたことを心から喜んでいることでしょう。日本のプロ野球にも在籍し大活躍したチャーリー・マ二エル監督率いる昨年の世界一チームであるフィラデルフィア・フィリーズは強敵ですが、今年のヤンキースは問題だった投手陣にサバシア投手、バーネット投手が加わり安定感が出てきましたし、ワールドシリーズは選手生活16年目で初出場になるA・ロッドが闘志を燃やしているので、ヤンキースが勝つ可能性も高いような気がします。

松井選手はこの4年間、左手首の骨折、右膝、左膝の手術と苦難を乗り越えて頑張ってきました。今年も守備につく準備はしていましたが結局DHでの起用で、出場も随分制約を受けてきました。とはいえ、そうした悪条件の中で本当に良く頑張って、シーズンの終盤にジラルディ監督の信頼を勝ち得ました。そんな松井選手ですからワールドシリーズでも何かやってくれそうな気がしてなりません。日本時間29日の開幕が待ち遠しいですね。

「投手起用の判断」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2009年10月22日 15:31
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日本でもアメリカでもそれぞれ日本シリーズ、ワールドシリーズを目指してポストシーズンの激しい戦いが展開されていて、野球ファンの気持ちを惹き付けます。

昨日は楽天が8回裏日本ハムの反撃に遭い6―1から6―4と2点差に追い上げられて試合の流れが急に日本ハムに傾き始めました。それでも9回表、今季首位打者になった鉄平選手が逆転されてなるものかと体をぶつけるようにうまく回転させて日本ハム林投手のカーブをライト観覧席に打ち込み2ラン。スコアは8―4となり楽天としては勝利をぐっと手元に引き寄せたかと誰もが思った筈です。

しかし野球は分からないものですね。9回裏マウンドに立った福盛投手がワンアウトを取った後、田中選手、森本選手、稲葉選手に3連続ヒットを打たれて8―5となり、悪いことに次の4番高橋選手に四球を与えワンアウト満塁。日本ハムの本拠地札幌ドームは逆転への夢を抱くファンの声援で最高潮に盛り上がりました。

テレビを見ていて気になったのはこの間、楽天ベンチは守護神福盛に全てを託すということだったのでしょうが、全く動きが無いまま明らかに冷静さを欠いている感じに見えた福盛投手に続投を命じました。勿論、先発投手をこの場の逃げ切りに投入するという判断はシリーズ全体を視野に入れている監督にはし辛いのでしょうが、マ―君を使って逃げ切るという方法もあるのではと思いながらテレビ観戦を続けました。そして迎えたバッターがスレッジ選手。この日2本のヒットを打ち、前の打席では打点も上げているため気合いを込めて打席に入ってきました。それが証拠に彼は初球から思い切り振ってきました。甘いフォークボールで一瞬ヒヤッとさせられましたが空振りに終わりました。ところがそのあとの2球目、アウトコースの球を逆らわない巧いバッティングで左翼席に逆転サヨナラ満塁ホームランを放ったのでした。一塁側ベンチの梨田監督も驚きと喜びが入り混じった何とも言いようのない笑顔でこの信じられないような逆転劇を見つめていました。

そう言えば、ここ一番の大事な場面での投手起用ほど難しいものはないと、NHKでのプロ野球放送でよくご一緒させて頂いていたV9監督の川上哲治さんも語っておられました。自分のひらめきで早めに別の投手にスイッチした途端、乱打されて勝っていたゲームを落としたことが何度かあったそうです。ただ、投手交代が手遅れになることは一番悔いを残すことになるので、そうならないように細心の注意を払っておられたようです。

アメリカンリーグの優勝決定シリーズでもヤンキース対エンジェルス戦の第3戦は4―4のまま延長戦に入り、11回の裏ヤンキースのジラルディ監督はマウンドにロバートソン投手を送りました。そしてツ―アウトを取ったところで突然ロバートソン投手に変えてアセベス投手を起用したのです。ところそのアセベス投手がエンジェルスの7番打者ケンドリック選手にヒットを打たれ、8番打者のキャッチャーのマシス選手にサヨナラ2塁打を打たれてヤンキースは第3戦を落としてしまいました。ジラルディ監督は過去のデータで判断してアセベス投手を送ったのだが、と悔しそうな表情を見せました。

このようにベテラン監督にとっても難しい投手起用ですが、楽天のファンにとっては目の前に勝利の文字がはっきり見えていたのに逆転負けを喫したのは何とも残念で仕方がないでしょう。このショックから立ち直って今日からまた楽天らしい野球を見せて欲しいものです。

「残念、三冠ならず」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2009年10月19日 15:56
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JRAの歴史上メジロラモーヌとスティルインラブの過去2頭しかいない牝馬の三冠馬になれるかどうか注目されたブエナビスタ号が昨日、京都競馬場で秋華賞に出走しました。

ブエナビスタ号はこれまで常に後方から追走して最後の直線でトップスピードに上げて他馬を交わすという硬直したレースしかしていなかったので、レース前の予想では秋華賞の行われる京都競馬場の直線が320m余りと短いためブエナビスタ号の追い込みが届かない可能性が高いと考える人が多かったのです。私もその危険性は十分にあると感じていましたが、一口会員としてはそれでも勝って三冠馬になって欲しいと思っていました。

いざ本番のレースではブエナビスタ号は好スタートを切りましたが、何時ものようにゆったり進んでインコースを我慢しながら追走していきます。4コーナーを回るときに、インコースは馬群がどっと混みあって不利を受けやすいため、安藤勝己騎手は何とかコースの外側にブエナビスタ号を導こうとしました。ところが思い通りにはならず結局追い出しのタイミングが遅れ、早目に抜け出しを図ったレッドディザイア号にハナ差(7cm)及ばず2着でゴールインしました。その後パトロールビデオを参考に審議をした結果、4コーナーで外側に動こうとしたときにすぐ横にいたブロードストリート号の動きを妨害したことで2着から3着へと降着になってしまいました。応援している人たちにとってはつらい裁定でしたが、安藤勝己騎手に意図があったわけではなく競馬の流れの中では起きうるケースの一つが偶々あの場で起きてしまったということです。

それにしてもブエナビスタ号は素晴らしい競走馬ですね。負けはしましたがトップスピードに乗るのが遅れたにも拘わらずあれだけの接戦に持ち込み、スローの映像で確認するとゴールを過ぎたところでは先頭に立っていたのですから凄い馬です。8月に札幌でレースに出走した後、右前の蹄に蟻洞という穴が空く病気を発症したそうです。爪に入った水虫菌と同じく、手当てが遅れると蹄が全部伸びるまでは走れないので大変なことになっていたところでしたが、手当てが早く充分な治療ができたため競争能力に影響が出なかったのは本当に良かったと思います。山口厩務員や関係者の皆さんの努力に拍手を送りたいものです。

京都競馬場の帰りに久し振りに元JRA名ジョッキーの岡部幸雄さんとお会いしてお話ができました。岡部さんは「ブエナビスタ号にとって今日はいい経験ができました。今までは後方から行って直線で外から追い込むということだけしかやってこなかったので、今日は内でじっと我慢して最後思い通りにはならなかったものの、馬群の中で外へ出すタイミングを計るという競馬ができました。こうやって色々なパターンのレースを経験することが競走馬の可能性を広げることになるのですから、負けたのは残念ですが収穫の多いレースだったと思いますよ」と語っておられました。次のレースが何になるのかはまだ決まっていませんが、次回は本来のブエナビスタ号の持ち味を十分に見せつけるレースをしてくれることは間違いないと確信しています。

「オリンピックを開催することについて」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2009年10月14日 16:57
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コペンハーゲンで開かれたIOC総会で東京が落選してから既に10日ほど過ぎましたが、敗因について石原都知事は「昔の自民党総裁選挙のように目に見えないところで不明朗な力が働いて結果が決まったように思える。ブラジルがアフリカ諸国にリオデジャネイロに投票して貰うことを条件に経済援助の働きかけをしたといった話もある」などと話し、東京のプレゼンテーションは最高だったのにと語るばかりで反省点の洗い出しには至りませんでした。

やはり東京にとって説得力を欠いた最も大きなポイントは開催地での住民の支持率がIOC調査で55.5%しかなかったというところにあったのではないかと思うのです。1964年に東京オリンピックが開かれたとき、日本は池田内閣のもと所得倍増政策がとられ、多くの国民が未来に大きな期待を抱いていました。そして敗戦の苦しみを乗り越えて頑張って世界最大のスポーツの祭典を自分たちの手で開くことができるのだという高揚した気持ちで、当時の印象では90%を超えるくらいの支持に裏打ちされていたように思います。

しかし今回は周りの誰に聞いても、開催することのメリットは認識していても、どんな困難を乗り越えてでも開催しなければならないとか、今やらないとだめなのだといった思いに溢れている人はそれほど見受けられませんでした。自分自身も2016年にどうしても東京でやらなくてはならないという気持ちにまでは正直至りませんでした。他の3都市が80%を超える住民の支持を集めていることと比較すると、そこからは開催への燃えるような情熱が感じられません。これでは投票権を持つIOC委員に対してアピール力が弱かったのは致し方が無かったと思います。

勿論、他の都市に勝る要素としてコンパクトでエコを考えてのさまざまな工夫がなされていることなど優れた点もあったのですが、それだけではいの一番に東京というわけにはいかなかったですね。やはり、もっともっと早くから都民や国民に東京でやることの意義、経済効果、若者に与える精神的な効果などをどんどん情報発信してPRすべきだったと思うのです。都政に関る一部の人たちだけが認識しているだけでは、都民の意欲は燃え上がってくるはずもありません。オリンピック招致大使として萩本欣一さん、古田敦也さん、クルム伊達公子さんが出演しているPR映像も何回もテレビ上で拝見しましたが、もっと多くの各界各層の有名人が同じく将招致大使として出てこられればPRの印象も随分違ったような気がします。

次のチャンスがあるのか否か現時点では分かりませんが、今回の招致活動には反省点は多かったと思います。と思っていたところに広島と長崎が核廃絶を目指して2020年のオリンピックに共同開催を検討しているという発表がなされました。確かに、核廃絶をアピールしたアメリカのオバマ大統領がノーベル平和賞を受賞したその流れを考えて世界の注目支持を集めようという思いが両市にあったのは良く理解できるのです。ただ、オリンピック憲章では開催地は一都市と限定されていて共同開催は認められていない実情もあります。しかも長崎、広島は新幹線特急乗り継ぎで4時間もかかるほど離れています。宿泊施設の数にしても、財政基盤にしても、いざ開催となれば大きな課題が山積するものと思われます。現実的に見れば開催実現までの道のりは遠いような気がしてなりません。

今の核廃絶への雰囲気をより強いものにしたいという両市の市長の思いは理解できますが、核廃絶だけに限定することなく幅広いテーマを掲げて、世界中の多くの人たちが納得し、特例的な扱いをしてでも開催させてあげようではないかという声が溢れるような戦略が理想的ではないでしょうか。その意味ではいささか拙速な面も見えたような気がします。今回の共同開催の意思表示に対してIOCの幹部からは共同開催はありえないという反応が早くも出てきました。やはり、核廃絶への気持ちをオリンピックだけに限定しないで別の形でも盛り上げる方法を考えていくことも大切ではと思った次第です。

「祝 ヤンキース東地区優勝」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2009年10月 2日 13:07
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ニューヨーク・ヤンキースがアメリカン・リーグ東地区の優勝を決めました。

今年も出だしはレッドソックスが好ダッシュで、特に前半戦の直接対決ではヤンキースがレッドソックスに1勝もできない状態で心配されましたが、懸案の投手陣の立て直しがサバシアとバーネットの二人の新加入によって漸くでき上がり、(9月30日現在サバシア19勝、バーネット12勝)落ち着いて野球ができるようになって持前の強打線が一段と威力を発揮するようになりました。特にオールスター戦以後は破竹の快進撃を見せて貯金を積み重ね100勝を超える勝利数に到達しました。その快進撃に歩調を合わせるように松井秀喜選手がペースを上げて、あれだけ出場の機会を抑えられながら9月30日現在28ホームラン90打点と目覚しい活躍を見せてくれました。

今年の松井選手の頑張りには本当に頭が下がる思いです。一昨年の右膝の手術が11月と遅かったことで去年のキャンプでは試合に臨めるコンディションにすることに苦労しました。そこで去年の左膝の手術を2か月繰り上げて行い、今年はキャンプ早々から動けるように努めましたが、ジラルディ監督は故障上がりの選手に無理をさせないという考えで、松井選手については様子を見ながら少しずつ使って行くという方針を立てていました。松井選手自身が「もう行けます。守備にもつけます」とアピールしても彼を休ませながら使うという考えを変えませんでした。ですから大活躍をした日の翌日にスタメンから外れてベンチスタートということも少なくは無かったのです。

おそらく人間の心理からすると、活躍して自分の手にその感触が残っているうちに続けて打席に立ちたいと欲求が出てくるのが自然でしょうから、このジラルディ監督の采配には個人的には疑問が残ってしまいます。仮に自分が松井選手の立場だったら、監督に直訴していたかもしれません。ところが、松井選手は「使ってもらえないのは自分に原因があるのであり、何時行けと言われても対応できるように最善の備えをするしかありません」ということで不快な表情など微塵も見せずじっと機会を待ち続けたのです。

そして後半戦の与えられたチャンスに好打を連発し、限られた出場機会を本当に良く生かして指名打者としては球団記録の27ホームラン(9月30日現在)を放つ活躍ぶりです。「男は黙って」というキャッチコピーがありましたが正にその通り。改めて松井選手の器の大きさを思い知らされました。恐らくポストシーズンも目覚ましい活躍をしてくれるに違いない、と楽しみでなりません。

「無限の可能性」

男子プロゴルフツアーのフジサンケイクラシックで注目の石川遼選手が2位に5ストロ-クの差を付けてぶっちぎりの優勝を果たし、今季3勝目となり賞金ランキングでも首位に躍り出ました。

この優勝はさまざまな点で大きな意味を持つ優勝です。中堅そしてベテラン選手たちとラウンドしても一向に動じることなく伸び伸びとプレーを続け、次第に自身の発散するオーラや集中力の凄さに一緒に回っている選手たちの方が圧倒されてしまうという大会になってしまいました。また、石川選手のプレーの流れを見て行くと、ボギーが続いて崩れそうになるところもあったのですが、そこでしっかり踏み留まってもう一度気持ちを入れ替えて攻勢に転じ、バーディーを連取するという具合に付け入る隙を相手に与えない見事な4日間の戦いぶりだったのです。この勝利で賞金ランキングのトップに立ち、このペースを保てれば賞金王は間違いないと言い切ってもよさそうです。

テレビで解説を担当しているプロゴルファーの沼沢聖一さんが今回のトーナメントを見て石川選手は一気に5段階くらい進歩したように思えると言っていました。4日間通して毎日、ラウンド後に彼はメディアからコメントを求められますが、その内容はその日その日のラウンドの総括をきちんと客観的に行い、翌日のラウンドの目標をはっきり宣言して締めくくるという形で終わるもので大変判り易く、一日一日に懸ける彼の思いがとても良く伝わって来ました。それとともに17歳の青年が本当に素晴らしくここまでの表現ができるものだなと感心してしまいました。

ここまで立派な姿を見せられるのは石川遼選手が本当に頭の良いゴルファーであるからだと思います。一緒にプレーをした選手たちは口々に「遼君を止めようと思っても止められなかった。いや彼は止まらないのです。」「彼は総合力でNO.1だ。」「日本のタイガー・ウッズだ。誰も敵わない」などと嘆くばかりでした。日本ゴルフツアー機構の小泉直会長が「他の選手たちがだらしないと言われても仕方がない」と語りましたが、現実には石川選手は異常なまでの強さを発揮したのだと私は思います。

恐ろしいほどのスケールを持ったゴルファーがついに日本に現れたという感じを抱かせた今回のトーナメントでした。かくなる上は来年からはアメリカに戦いの場を移し、ウッズ選手をはじめとする世界の強豪たちと渡り合って欲しいと思います。これまで長い間日本のプロゴルファーたちを見てきましたが、石川選手だけは別格で彼なら4大トーナメントでも勝てる可能性があるのではないかと思えてきました。長年スポーツ放送を担当してきた立場だったため、どうしても選手の可能性を論じるときは慎重な姿勢になる傾向がありますが、石川遼選手には是非「世界の石川」と呼ばれるような大選手になってほしいと心から願っています。

「札幌記念」

久し振りに夏の札幌を訪れました。先週22日(土)の午後新千歳空港に到着、何時もはタクシーで札幌に向かうのですが、よく札幌に行っている次男から「空港から電車で行くのも意外に楽で良いよ」と教えてもらったこともあり今回は電車を利用してみました。確かに駅も近いし快速を利用すれば36分で札幌駅に着いてしまうので、これは良いルートを見つけたなという気分になりました。

特に今回は身軽な旅だったこともあり、荷物が少ないときは列車に限る、と感じた次第です。宿はホテル「ロイトン」でしたが、従業員の接客ぶりが大変素晴らしく印象に残りました。従業員一人一人が明るい笑顔で近づき挨拶や御用を伺う積極性が本当に程良くて厭味がないのです。部屋もとても綺麗で何処をとっても久々に好感の持てるホテルに泊まることができてよかったなという気分になりました。

実は今回札幌に出向いたのは翌23日(日)札幌競馬場で行われる札幌記念(GII)に出走するブエナビスタ号の走りを確認するためだったのです。春は桜花賞、オークスとGIを連勝し、その勝負強さを評価されて10月にフランスのロンシャン競馬場で行われる凱旋門賞に挑戦することでスケジュール調整が行われていました。そしてその準備の一環として8月の札幌記念に出走して様子を見て、具合が良ければそのままフランスを目指すということで関係者の気持ちは固まっていたのです。

確かに際立った強さを持っている馬なので凱旋門賞挑戦も選択肢の一つとして視野に入れても良いなとは思ったのですが、よくよく冷静に相手関係を見てみると今年のヨ―ロッパの3歳牝馬や古馬には相当な実力を持った馬が多く、とても一筋縄では行きそうにないと思えて私自身フランスへ行くべきかどうか迷っていました。まあ兎に角、札幌記念であっさり勝てるようであれば最終的にはフランスへは私も行こうと心に決めて札幌にやってきたのです。

ただ、ブエナビスタ号はレースでは常に前半は後ろの方にいて後半特に直線に入ったら一気に追い込むという戦法の馬なのですが、札幌競馬場は狭いレースコースで、東京競馬場の直線が500m以上あるのに比べ僅か269mメートルしか無く、追い込みの馬にとっては何とも頼りないコースなのです。これだけの短い直線では全ての馬を追い抜いてトップでゴールインというのは極めて難しいことで、どちらかというと2着以下に敗れることもあるのではという感じがしていました。パドックでブエナビスタ号を見ると、馬体が大きくなったと言われたわりにはあまり成長したようにも見えず、いつもとても落ち着いている馬が珍しく物見と言って、パドックの外や外にいる人たちに視線を送るなど集中力にやや欠けるところが見えました。レース後安藤勝己騎手が言っていましたが、いつもより力んで走っていたそうですし、じっくり構えて追い込んでくる馬なのにこの日は初めから行く気を見せるなど春のブエナビスタ号とはちょっと違う一面を覗かせていたのも事実です。サラブレッドは非常にデリケートな生き物で、管理する人間の方が緊張しているとそれを鋭く嗅ぎ取って馬自身も緊張の中に身を置いてしまうものだと言われるのですが、ひょっとしたら海外挑戦のための準備から何時もとは違う何かを感じて平常心を少し失いかけていたのかもしれません。

レースでは結果的に追い込み届かず2着で、スムーズな競馬で力を出し切ったヤマニンキングリー号が栄冠を手にしました。ブエナビスタ号は経験の浅い3歳の牝馬にしては良く頑張ったとも言えますが、世界で最強の馬が集まる凱旋門賞で互角の戦いをするにははっきり言って物足りないレースだと感じました。どんなに不利な条件下からでも勝利につなげる力量が無いと只参加するだけに終わってしまうだけでしょう。ディープインパクト号にはそのような力がありましたが、ブエナビスタ号はそこまでは行っていない存在の馬だと思います。多くのファンの方々から是非挑戦させてみたかったという思い遣りのある言葉を頂き、こんなにも沢山の方々が応援して下さっていたことを知り感激しましたが、それにはもう一歩力をつけなければと感じています。この後は秋の秋華賞で三冠を懸けレッドディザイア号とライバル対決をしなければなりませんし、更に力をつけてジャパンカップや有馬記念で古馬達と対決して良い勝負ができる競走馬に成長して欲しいものです。

「それにしても凄い石川遼選手」

先週、全米プロゴルフ選手権が行われ、日本の石川遼選手が本人にとっては初めてメジャートーナメントで予選を突破して決勝ラウンドに進みました。あのタイガー・ウッズ選手でさえ石川選手と同じ年齢のときにはメジャーの予選突破はできなかったということですから、改めて石川選手の成長ぶりは大したものだなと感じます。

4日間戦って最終的に順位は56位でしたが、72ホールの中で内容のある有意義なプレーを幾つも積み重ね、特に最終日は世界ランク2位のフィル・ミケルソン選手とラウンドして、そのミケルソン選手を上回るスコアをマークして見せたのです。特に前半、崩れそうになりながら踏ん張り通して最も難易度の高い16番ミドルホールでは、セミラフから残り56ヤードの第3打をサンドウェッジで軽く打ってグリーンに乗せ、ボールはそのまま転がってカップイン。素晴らしいバーディーで観衆から一際大きな拍手喝采を得たのです。ミケルソン選手は「彼は驚くべき選手だ。飛距離が出るだけでなくパッティングも巧い。もっともっと成長するだろうね」と石川選手の可能性に太鼓判を押してくれました。

全英オープンのときはウッズ選手と回ってともに予選落ちでしたが、大崩れせず見所のあるプレーを見せていましたし、マスターズでも崩れそうでいてまた盛り返していく強さを持っていることを印象付けていました。まだそれほど大舞台での経験がない選手なら崩れだしたら中々ブレーキが効かなくなるのが普通ですが、石川選手にはしっかり踏み留まれる実力があるように思えます。そして注目度の高い、難易度の高いホールでチップインバーディーやチップインイ―グルを取って見せたりする劇的な一打を放てる不思議な能力。大スターになれる可能性を十分に持った選手であることは間違いありません。

それに素晴らしいと思うのは礼儀正しく相手に敬意を持って、きちんとコミュ二ケーションを取ろうと努めているので一緒に回った選手たちから可愛がられる、愛される選手であるということです。スーパースターになった選手というのは皆そのような要素を持っていたので、その点でも石川選手は大きな可能性を感じさせる人です。今後何処まで大きな存在になっていくのか今年後半の戦いぶりに注目してみましょう。

「週末はゴルフを...」

先週末は大きなスポーツイベントが幾つも行われテレビでそれぞれをチェックするのに慌しくTVのリモコンを操作する有様でした。

まず、男子プロゴルフツアーのサン・クロレラ・クラシックで石川遼選手が4日間首位を守り通して自身初の完全優勝を達成。今季2勝目通産4勝目を挙げました。17で既に4勝。このペースで今シーズンを戦っていけば賞金王獲得も現実のものになる可能性が高そうです。国内の賞金王の最年少記録は1973年の尾崎将司の26歳ですから、常識を超えたもの凄いゴルファーが出現したと言ってよいでしょう。石川遼選手は今年、マスターズや全英オープンで健闘しましたが結果的には予選落ちでした。でも彼が素晴らしいのはそこから色々なことを教訓として持ち帰り、その中から自分に取り入れられるものをいち早く栄養素として自分のものにしてしまえるところだと思います。

技術的な面で言うと、スタンスの幅が少し狭くなり体重移動のスライドも小さくなっていたとプロ・コーチの内藤雄士氏は指摘しています。(スポーツニッポン8月3日号、p2)プッシュが出難くなるように工夫していることが見えるとのことで、日々石川遼選手は進化しているということでしょう。全英オープンから学びとったこととして私が感じたのは、タイガー・ウッズ選手の歩き方を参考にして今大会での彼の歩き方は背筋をピンと伸ばし胸を自然に張りリズム良くしっかりした足取りで歩いており、17歳とは思えない堂々たる大人の歩行になっていたということです。これは全てのプレーに良い影響をもたらすものであり、勉強して素早く吸収できるところが石川遼選手の素晴らしさの一つだと思います。更に、最終日最後まで優勝を争ったブレンダン・ジョーンズ選手に対し常に敬意を払い、名選手と優勝争いができることを最高の喜びと考えながらプレーできたというのですから、すでに精神的にも相当高いレベルに到達していると言って間違いないでしょう。13日に始まる全米プロゴルフ選手権(開催コースはミネソタ州ヘーゼルティンCC)でどのような内容のゴルフを見せてくれるか楽しみですね。

夜は全英女子オープンの優勝争いに加わっている宮里藍選手のプレーに注目しました。先週全米女子ツアーで念願の初優勝を成し遂げ、全てのモヤモヤを振り払ったのでしょう。今大会も随所に彼女らしい小技の切れ、パットの感覚の素晴らしさを発揮して良く頑張りましたがあと一歩及ばず3位タイで終わりました。苦労しながらも自分の生きる道を自分自身で切り開き、海外のツアーで通用する力量や技量をようやく獲得したということなのでしょう。

それにしても今大会はカトリーナ・マシュー選手のためにあったと思える大会でした。アマチュア時代、このロイヤルリザム・アンド・セントアンズで全英女子アマのタイトル取ったものの、プロになってからはこのコースでの全英女子オープンには3回出場したもののいずれも予選落ちだったそうです。彼女はこの5月に赤ちゃんを出産したばかりでしたが、家族の素晴らしい協力を得て縁起の良かったはずのこのコースで徹底的に練習を積み重ねて、意欲を燃やし挑戦した結果が夢にまで見た全英女子オープンの優勝でした。淡々とプレー続けるマシュー選手の姿からは迸り出るようなオーラは感じられませんが、この全英でのリンクスでのプレーは、征服してやろうと闘志をむき出しにして立ち向かうと自然がそれに反撃してくるもので、何が起きても柳に風という感じで自然のまま感情を荒立てないプレーが全英らしい雰囲気にぴったりくるのかもしれないなと妙に彼女の優勝に納得したものでした。

「フジテレビ『ボクらの時代』」

先日、フジテレビの「ボクらの時代」のロケで、大相撲の世界が抱えるさまざまな問題について考えてみようという趣旨で、スポーツジャーナリストの二宮清純さん、貴乃花光司親方と私の三人という組み合わせで鼎談が行われました。

二宮さんは昔からの持論で、財団法人として国から財政上の優遇措置も受けている故に日本相撲協会は組織的にも運営の透明性を確保し、社会に対して自らの行動や方向性が説得力を持つものでなければならないということを強調していました。確かに時津風部屋で起きた力士に対する暴行事件で若い力士を死に至らしめた問題でも、また横綱朝青龍が腰の骨の疲労骨折を理由に巡業をキャンセルしてモンゴルに帰りサッカーに興じていた問題についても、日本相撲協会ははっきりした態度を打ち出せず結果的に事態の適正な収拾を図ることができませんでした。

やはり、相撲経験者だけで構成されている組織では、幅広いものの見方ができにくいという弱さがあったように感じられます。協会ではその辺りの弱点を指摘されて外部からも慌てて役員を迎え入れましたが、まだ体制が十分に整ったようには思えません。

私は相撲をスポーツとして見た場合、肥満体の力士が圧倒的に多くすぐに息が上がりスタミナに欠けること、動きの俊敏さがなくスピード感が落ちてスリリングでなくなること、糖尿、痛風、高血圧などに罹っているかその予備軍である力士が多いこと、ビジュアル的な美しさに欠け女性ファンが付き難いことなど、信じられない位の色々な弱点を相撲は持っていると考えているので、力士の肉体改造、食事食生活の改善、稽古の在り方、トレー二ング法などを根本的に変えていく必要があると指摘しました。

貴乃花親方はそんな私、そして二宮さんの話をじっくり聞いてくれて全く正しい指摘だと言ってくれました。ただ、明日からすぐに変えられることと、時間をかけて変えていかなければならないことがあるので、十分に吟味して取り入れられるところから取り入れていきたいとも語っていました。このような本当に前向きの気持ちを持った貴乃花親方のような人が協会の中にももっと増え、また現実に貴乃花親方が権限を持って動き出す日が来れば大相撲ももっともっと魅力的なスポーツに変わって来ることだと思います。

尚、この鼎談は9月に放送予定です。放送日が決まりましたら後日お知らせ致します。

「素晴らしき59歳プレイヤー」

今年の全英オープンゴルフ選手権は見所の多い大会でした。何といっても59歳のトム・ワトソン選手が一体どこまで上位をキープできるのかと思われながらも4日間頑張り抜きました。優勝に王手をかけながら18番ホールでパーパットを決められず、S・シンク選手とのプレーオフに突入、最後は遂に力尽き残念ながら最年長優勝記録の更新はなりませんでした。それでも59歳のワトソン選手は何とタフであったことでしょう。ドライバーの平均飛距離が295ヤードを記録したり、4日間に渡って集中力を保ち続けたりと、59歳の人間にはとてもできないと思われていたことをやってのけたのです。恐らくその陰では想像を超える節制や努力の積み重ねがあったのでしょう。

トム・ワトソン選手といえば私には忘れられない思い出があります。1982年、全米オープンゴルフ選手権がカリフォルニア州ペブルビーチで行なわれたとき、私はまだNHKのアナウンサーで実況中継要員として現地に入りました。(ちなみにその3年前の1979年、青木功選手が初挑戦した、オハイオ州トレドにあるインヴァーネスカントリークラブで行われた全米オープンゴルフ選手権が私にとっても初めての全米オープン中継でした。翌1980年はニュージャージー州バルタスロールで歴史に残るジャック・二クラス選手と青木功選手の4日間一緒のラウンドで大接戦の優勝争いが繰り広げられ結局二クラス選手が青木選手を降して優勝)私にとっては二度目の全米オープンの中継だったので、少しは余裕のある放送をしたいと思いつつも中々上手くは行かなかったことを懐かしく思い出します。

さて、最終日の優勝争いで帝王二クラス選手が先にホールアウト、その二クラスと並んでタイスコアで17番ショートホールにやってきた新帝王ワトソン選手が第一打を右の深いラフに外してしまいました。そして深いラフからの第二打のアプローチは打った瞬間ちょっと強いと思われたのですが、ボールは下りのラインを転がりながらピンに当たってそのままカップインしてバーディーとなり、二クラス選手との差を開いて結局逃げ切り優勝を決めたのでした。あの17番ホールのアプローチは、もしラインが少しでもずれていたらボールは随分転がってパーを拾うのも難しかったのではと言われ、全米オープンゴルフ選手権史上でも最も劇的なショットの一つとして話題になりました。

そのショットについて、ワトソン選手自身は、「あれは決して強くなかった。入れようと狙って打ったショットだった」と強気の発言を貫き通しました。その当時は意地を張っての発言かと思っていましたが、今回の全英オープンでの彼の頑張りを目の当たりにすると、あの時のアプローチショットも彼の言った通り本当に入れてやろうと狙って行って生まれた、正に自分の全身全霊を込めた一打だったのではないかという気がします。本当に強い精神力を持ったゴルファーだと改めて思い知らされた今大会でした。

来年の全英オープンはセント・アンドリュースで開催されますがワトソン選手は「来年も何とか戦えそうな気がする」と頼もしい発言をしてくれました。これからも彼には長く頑張ってもらって高齢者に勇気を与え続けて欲しいと思います。

「松井秀喜選手レポート in NY (4)」

二ューヨークで松井秀喜選手について取材をしているときに興味深い話を聞きました。ニューヨーク・ヤンキースの往年の名選手や現在のスーパースターたちが登場する子供向けのアニメ映画「ヘンリー&ミー」という作品が制作されていて、松井選手も本人役で登場し、(勿論実写ではないので声の出演になります。)2月にアテレコが終わっているというのです。

その制作会社を訪ねてみますと、原作者、プロデューサー、監督をはじめ主な関係者が私たちを丁重に出迎えてくれました。丁度全員で打ち合わせをしているところで、日本のテレビ取材者たちが自分たちの仕事に注目してくれて来てくれたのがとても嬉しかったと皆さんが口を揃えて言っていました。見るからに知的で論理構成の達者な感じの人、芸術性豊かでそれでいてユーモアを忘れぬ人など色々なタイプの人が集まって構成されたこのグループは話をすればするほど魅力的な存在の人たちであることに気が付きました。

原作者のレイ・ネグロンさんはヤンキースタジアムでバットボーイを勤めた経験があるそうです。つまり一番近いところから多くの大リ-ガーを見ていて、色々なイメージを持っている人でもあります。物語はそのレイ少年とジョージ・スタインブレナー(ヤンキースオーナー)が歴史に残る名選手たちを球場に呼び集め、時間を超えて最後の記念試合を行うというストーリーになっています。(ヤンキースタジアムが去年で85年の歴史に幕を閉じ、新球場に移るというタイミングで考えられたお話だそうです。)

そして数多いるスター選手の中で最後にあっと驚く大活躍をするのが 何と松井秀喜選手だというのです。レイさんに「なぜ、ジーター選手やA・ロッド選手ではなくて松井選手なのですか」と尋ねるとすかさずレイさんが答えました。「子供達の眼から見て一番人間として尊敬できるのは松井秀喜選手だからです。勿論我々大人から見てもそうですがね。」

この言葉には泣けましたね。長い長い歴史を持つ大リーグに飛び込んできて7年目。手首の骨折も両膝の故障も乗り越えて懸命にヤンキースのために頑張っている松井選手の姿をしっかり正しく評価してくれている人たちがいる、そのことに私は感動しました。思えば去年フロリダ・タンパのキャンプのときにもある女性ファンがこう言いました。「松井秀喜は本当に素晴らしい選手です。左手首を骨折したときに彼はヤンキースファンに向かってこのようなことで心配や迷惑をかけてしまい申し訳ありませんと謝罪したのですよ。怪我をしてファンに向かって謝罪したのは松井選手が初めてです。彼は本当に凄い人なのよ」と。

日本人大リーガーはこれからも沢山誕生することでしょうが、プレーだけでなく人間性についてこれほど敬意をもって受け止められる人は今後も中々出てこないだろうなとふと思ったものです。このような選手を目の当たりにできる私たちはとても幸運です。

後は後半戦の彼の「爆発」を期待するだけです。

「松井秀喜選手レポート in NY (3)」

二ューヨ―クリポートを続けます。

コネチカット州在住の熱烈なヤンキースファンの取材の後、近くに千葉ロッテ・マーリンズ監督のボビー・バレンタインさんの経営するレストランがあるということを聞きつけ、立ち寄って見ることにしました。お店の名前は「ボビー・バレンタインズ・スポーツ・ギャラリー・カフェ」。ごく普通のレストランのような入口から店内に入ると、意外に奥行きのある構造でテーブル席、カウンターなどグル―プで楽しめそうな感じのお店で、正にスポーツバーそのものです。座って少し上を見上げると隙間なく設置されている多くのモニター上では色々なスポーツの実況映像が楽しめるようになっています。

お食事に関しては人気メニューの一つがハンバーガーで、ボビーさんがこれまで在籍した球団の名前が種類ごとに付けられていて7~8種類もありました。私は「メッツ」を注文しましたがカラッと焼きあがっていて中々良い味でした。

午後7時を過ぎた頃からお客さんがどっと詰めかけてきて気が付いた時には店内は満員になっていました。丁度放送されていたメッツ対ヤンキース戦に注目が集まり、勿論ボビーさんが監督を務めたことがあるメッツファンが多く店内に陣取り、メッツの選手が打てば大歓声が湧きヤンキースの選手が好プレーを見せればブーイングといった感じです。でも基本的にはそれを肴に楽しく語らうというのがアメリカ人の楽しみ方なのですね。

さてハンバーガーやホットドッグを2日ほど食べ続けた後、松井選手も良く訪ねるという東52丁目155番地にある「レストラン日本」にスタッフを伴って訪れました。私がこのお店を訪ねるのは3年ぶりです。オーナーの倉岡伸欣(のぶよし)さんは慶応義塾大学出身で学生時代は剣道部の選手として活躍された方なのですが、同窓生たちが赴任先の二ューヨークで食生活に苦労しているという話を聞き、ならば皆の窮状を何とか救ってあげようと一念発起して開いたのがこのお店になります。オープンが1963年だといいますから既に46年の歴史を持つ日本料理店です。日本で食べる日本食に負けないものを食べて貰おうというのが倉岡さんのそもそもの思いなので食材選びが入念です。より良きものを求めて世界中の食材をチェックして歩き、日本国内については1~2ヶ月に1度は帰国して食材選びを怠ることなく続けています。故橋本龍太郎元首相が二ューヨークを訪れたときには特別に「レストラン日本」で会食をすることを優先したという逸話が残っているほど要人にも高い評価を受けているレストランです。

倉岡さんの発想の原点はリラックスして日本食を楽しんでもらいたいということですから、高級志向に走らず、メニューの中には松井秀喜選手のお母さまが作るものと同じレシピのカレーがあり、これがまたとても美味しいのです。松井選手に対してはヤンキース入団以来お店を上げて応援していますが、2006年左手首を骨折して病院に運ばれた松井選手のもとに真っ先にお弁当を作って届けたのが倉岡さんで、松井選手もあの時は本当に助かりましたと語っていました。

さて私たちは倉岡さんが心を込めて組み合わせて下さったコース料理を頂きましたが、一品一品が素晴らしく「今まで食べた海外での日本食の中で最高だった」「食事をしながらここが二ューヨ―クだということをすっかり忘れてしまっていた」など、全員から同じ賛辞が寄せられました。これも倉岡さんが最高の持て成しをしようと志して真のプロフェッショナルとしてお仕事を続けていらっしゃるからだと思います。何方にもお勧めできる最高の日本食レストランだと私は考えています。

「松井秀喜選手レポート in NY (2)」

今シーズン、ヤンキースのジラルディ監督は直接松井秀喜選手に膝の状態や本人の意向を確認した上で試合への起用を決めていると伝えられていますが、松井選手本人がもう守備にもつけますよと言っている割には試合への起用が少なく、特にナショナルリーグとの交流戦が続いた6月はスターティングメンバーから外されせいぜい1打席限りの代打起用という形が続きました。

勿論松井選手自身、それまでの段階で有無を言わせぬ活躍ができていればそんなことは無かった筈ですが、調子がやや下降気味のところで交流戦に突入したことが不運といえば不運だったかも知れません。その上、殆どのバッターがそうですが、やはり一試合のうちに3~4打席チャンスが与えられて初めて結果が出せるのが普通であり、松井選手も完全にそのタイプの選手なのです。ですから理想は先発メンバーとしての出場を期待するのです。その点において、ジラルディ監督の采配には不満が残るものでした。松井選手本人にこうした起用方法についてお話を聞いてみましたが、「監督が試合に勝つ為に組んだメンバーに入れなかったのは自分自身の責任です。アピール力が足りなかった自分の方に問題があったと思いますので不満はありません」と何処までも自己規律心の強さを感じさせる答えでした。最も心配されていた左膝は「勿論昔のように完璧とはいかないけれど、自分自身で細かくチェックしながらやっているので大丈夫です」という嬉しい答えが返ってきました。

松井選手としては、当然のようにヤンキースとの契約最終年にあたるので自分の存在感を示すような仕事をしなければならないし、必ずして見せるという思いを強く持っていることが、話の端々というより話の全体を通して私にもしっかりと伝わって来ました。これほどの決意の強さを松井選手が見せてくれたのは初めてのことです。この感じであるなら良い結果を残してくれそうだと思えました。

事実スタメンで起用された30日のマリナーズ戦では勝利に繋がる右中間突破の2塁打を打ちました。翌日はスタメンから外されましたが、7月2日からは快打連発。7日現在7月に入って18打数9安打打率5割ホームラン3本の大活躍です。私はジラルディ監督に「松井選手は殊の外夏に強い、だから彼にもっとチャンスを与えてくれれば良い働きをしてくれますよ」と言ったのですが、彼は「それは自分でも分かるけれど、まあ大体普通どの選手も夏は調子を上げるものだよ」と分かったような分からないようなコメントが返って来ました。ジラルディ監督は対戦相手が左投手だと松井選手をスタメンから外すケースが多いのですが、松井選手の大リーグでの通算打率は右投手に対して.293、左投手に対し.291なのです。これを見ても左投手を決して苦にしていないことが明らかなので、左投手云々はあまり説得力を持ちません。今季のホームランも右投手から5本、そして左投手から8本打っており、むしろコンスタントに打っていることが分かる筈なのです。今後適正な形で起用してくれれば必ずや良い結果が出るものと確信した今回の取材でした。

「松井秀喜選手レポート in NY (1)」

去る6月27日から7月2日まで、3年ぶりに二ューヨークに取材に行って来ました。テレビ東京そしてBS JAPANで今月26日にオンエアされる番組のロケです。

昨年お蔭様で大好評を得た「松井秀喜X草野仁 ゴジラの真実2008」はその後リピート放送という形でBSでは何度もオンエアされました。今回はいわばその続編ということで、左膝の手術を経験しヤンキースとの最終契約年に奮闘する松井選手の素顔を紹介しようと取材に赴くことになったのです。

ニューヨークに到着早々先ずヤンキースの大ファンで色々なグッズを集めているコネチカット州在住のダグさん一家を訪ねて話を聞きました。ダグさんは心から野球を愛する人で、歴史上の偉大な選手の写真やグッズは勿論のこと、こんなものがあったのかと思われるような珍しい品までとても幅広いコレクションを持っていました。愛犬には何と往年の名選手ヨギ・ベラにちなんで「ヨギ」と名付け、大学のサマースクールで講師として働いて得た特別収入をヤンキースの年間予約席の購入に当て大事な試合には妻子も連れて応援に行くという模範的なヤンキースファンでした。野球のプレーだけでなくグラウンドで歴史を築いてきた多くの野球人に敬意を抱きその伝統を保ち続けようと考えているダグさんのような人たちにニューヨーク・ヤンキースは支えられているのだということを強く感じた次第です。

旧ヤンキースタジアムは85年の歴史に幕を降ろして役目を終え、今年からはそのすぐ近くに全く同じ意匠同じ規模で造られた新ヤンキースタジアムがヤンキースのホームグラウンドとして使われています。今回広報担当の広岡勲さんに試合前に新球場を案内して頂きました。基本的には旧球場と大きな違いは無いそうですが、一つだけ異なるところは昔の球場の方が歓声の反響が大きくこだまするように感じられるということです。グラウンドに立つ選手の間でも「新球場は歓声が拡散して外に逃げて行くような感じで少し物足りない」という声も出ているそうです。

色々な意見がありますが、今年は同じ二ューヨ―クを本拠地とするニューヨーク・メッツも新しく造られたシティ・フィールドを使うようになりましたので2009年は二ューヨークに2つの新球場が生まれた年として大リーグの歴史に残ることは間違いありません。そう言えば、シティ・フィールドの方はシェイ・スタジアム同様相変わらずラガーディア空港の発着便のエンジン音が絶え間なく響き渡っていました。

「第76回日本ダービー」

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5月31日日曜日、「第76回日本ダービー」を観戦しに東京競馬場に行きました。元々NHKでアナウンサーをしていたときから競馬は放送の対象でもあり、「日本ダービー」のようなビッグレースは実際に生で何度も見ているのですが、今年は一口会員としての所有馬アプレザンレーヴ号(フランス語で夢を追い求めての意)が出走するということもあり応援に駆けつけることになりました。

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因みに自分が会員だった馬がダービーに出るのは1996年のダンスインザダーク号以来13年ぶりのことになります。それほどダービーに駒を進めることは難しいことでもあるのです。今年のサラブレッド3歳馬はおよそ7700頭が生産されたということですから、ダービー出走確率は7700分の18つまり、428頭の中から1頭が漸くダービーに出られるという狭き、狭き門なのです。しかも13年前はダンスインザダーク号が直線で先頭に立ち優勝かと思ったもののゴール前70メートルで追走してきたフサイチコンコルド号に交わされて2着で終わるという、何とも口惜しい負け方をしたので今年は悔いのないレースをして欲しいなというのが正直な気持ちでした。

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一つだけ気になっていたのは雨がどの程度降るのかということでした。天気予報では夕方から本格的に降り出すと言っていたのですが、午後になって降りだした雨は勢いを増して土砂降りとなりあっという間に芝コース、ダートコースともに水溜りができてしまいました。一時間位は雨が激しく降り続きレースの始まる前には小降りになったものの馬場状態は不良で出走馬にとっては何とも気の毒な状態でダービーが行われることになりました。

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3時40分過ぎいよいよダービーがスタートしました。NHKマイルカップの優勝馬ジョーカプチ-ノ号が勢いよく飛び出しました。元々前に前にと行きたがる馬なのですがスタンドのどよめきに刺激されたのか、一頭だけ早いペースで飛ばしていきます。そのあとをリーチザクラウン号がマイペースで進みます。そして実力ナンバーワンの評価を受けながら皐月賞で惨敗したロジユ二ヴァース号が続き、わがアプレザンレーヴ号は9番手を追走していきます。

正直これほど馬場が悪いと後方から一気に差を詰めるのは難しいので、もっと前にせめて4、5番手位に付けて欲しいと思うのですが、内田騎手はポジションを変えないまま直線に入りました。少し外目にコースを取って追い上げますが、道悪に脚を取られる感じで伸び切れず結局5着でゴールに入りました。優勝したのは、3番手の好位置をキープしてタイミング良くスパートをかけインコースぎりぎりを通って前にいたリーチザクラウン号を交してゴールに入ったロジユ二ヴァース号でした。馬場の状態が悪化したときはインコースより少し外目にコースを取るというのが常識なのですが、この日のように極端に馬場が悪くなったときは、ロジユ二ヴァース号のようにインコース埒沿いを通った方がロスも少なくて良い結果をもたらすことがあるということを示した典型的な例だったように思えます。その意味でベテラン横山典弘騎手はそのことを最も的確に実践してくれました。見事なファインプレーだったと言えます。

内田騎手も名手なのですが、競馬の常識に左右されてしまったのかなという感じが否めません。唯あくまで乗っているジョッキーが馬の状態を感じながら馬を動かして行くのですから外から見ている人間の見方と現実は食い違っていることもあるので、これは私の印象批評に過ぎません。

道悪馬場に苦労して一番人気のアンライバルド号は見せ場もないままに12着に惨敗。それに比べればアプレザンレーヴ号は良く健闘したと思います。まだまだ成長途上ということなので、秋の闘いで躍進してくれることを期待します。それにしても全競馬人が目標にしているレースであるダービーで勝つというのは至難の業なのですね。それを、所有馬を走らせてからまだ一年目の久米田正明さんが達成してしまったのですから驚異的です。優勝本当におめでとうございます。

「祝 オークス勝利」

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去る5月24日私は東京競馬場のスタンドにいました。勿論一口会員であるブエナビスタ号のオークス出走に応援の声を送るためです。この日は朝から小雨が降ったり止んだりの天気でした。雨がひどくなって余りに馬場状態が悪くなると後方から追い上げていくタイプのレースをするブエナビスタ号にはマイナス材料になりそうなので、どこまで雨が降り続くのか大変気になるところでした。ところが幸いに雨は強くなることもなく、レース時刻の1時間ぐらい前にはすっかり上がって素晴らしい天候に変わり、応援団としては心配材料が一つ減ってほっとしたというのが実感でした。

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各出走馬の馬体重が場内に発表されたとき、ブエナビスタ号は前走より8kg減って446kgということでした。これまでに5回のレースに臨んだ時は450kgを超えていたので、「やはり関西から東京までの初めての輸送で気を遣って体重が減ったのだろうか。だとするとレースに影響がなければ良いのだが」などと応援する側にいると心配しても仕様がないことまで考えてしまったものです。

ところが実際にパドックに出てきたブエナビスタ号を見るとそうした心配は全くの杞憂であることがすぐ分かりました。彼女はいつもと少しも変わらず落ち着き払っていて、悠々とマイペースを保ったままパドックを周回していました。まだまだレース経験の少ない3歳馬の場合は気合いが入りすぎて、所謂入れ込んでしまう状態になったり、早く走りたいと焦りを表面に見せてしまったりして走る前に余分なエネルギーを消費して実力を発揮できないで終わるケースが多いものなのですが、このブエナビスタ号だけはデビューした時から全く変わらず堂々としていて他の馬たちより精神的に大人なのだと思います。

レースは定刻15時40分スタートのはずでしたがワイドサファイア号が岩田騎手を振り落として場内を一周して消耗が酷く発走除外になるアクシデントがありスタートが遅れました。そして場内にファンファーレが鳴り響きいよいよゲートが開いて17頭がスタートしました。

ブエナビスタ号はいつも通りゆっくり走り始め、スタンド前から第1コーナー、第2コーナーにかかる頃は後ろから2、3頭目バックストレートに架かってもその位置は変わりません。応援する側はもう少し前に上がって欲しいと思うのですが第3コーナーそして第4コーナーになっても後ろから三頭目のポジションをキープしています。最後の直線コースはゴールまで500m以上の長さがあるとは言え先頭の馬から10馬身以上の差があり、これではとても届かないのではないかと感じました。半分諦めの気持ちで双眼鏡を置いて肉眼でブエナビスタ号の動きを追い続けているとブエナビスタ号のスピードがぐんぐん上がり直線早めに先頭に立っていたレッドディザイア号に迫り始めました。それでもやはり勝てないのではと思いかけた最後の瞬間にブエナビスタ号がさらにスピードを上げ並びかけて僅かにレッドディザイア号を交わしたところがゴールだったのです。見ていた多くの人たちが「もう駄目だ。とても届かない」と思ったのにブエナビスタ号だけは自分を信じ、御してくれている安藤勝己騎手を信じ走り続けて先頭でゴールインしたのでした。

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レース後安藤騎手が自ら告白していましたが、直線に入ったとき内側のコースを走らせようか、安全な外側を走らせるか一瞬迷ったそうです。何故ならこの日の芝歩の状態が外より内の方が走り易くスピードに乗り易かったからでした。瞬間的な迷いのあと、内を突くと前方に馬の壁ができてスムーズに走れなくなる可能性が高いと判断して外側を走らせることに決めたのだそうです。従って自分がきっぱりと決断していれば、もう少し差をつけられたのではないかと思いますと反省の気持ちを込めてインタビューに答えていました。

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それにしてもブエナビスタ号は凄い精神力の持ち主だと思えます。これだけの脚力、心肺機能、精神力があれば日本の牝馬の歴史を創る競走馬になるかもしれないという思いが私の心中にも芽生えてきました。10月の凱旋門賞挑戦もひょっとしたら意義あるものになるのではと思えるようになってきました。勿論それは夢として、ブエナビスタ号には取り敢えずゆっくり休養して力を貯えて今後に備えて欲しいと思います。素晴らしい走りを見せてくれて、会員たちやファンの皆さんも心からの拍手を送っていることでしょう。

「きっと良い結果を残してくれます」

アメリカ大リーグはシーズンに入って13~14試合が終わったところです。

イチロー選手が張本勲さんの記録を塗り替えて日本人の通算ヒット数最多記録を更新したことで注目を集めましたが、片や松坂投手や黒田投手が故障者リスト入りするなど日本人大リーガー全体で言うと今一つ盛り上がりに欠けている感じです。

更に今シーズンこそ出足から好調なバッティングを披露してくれるだろうと期待されていたヤンキース松井秀喜選手がスタートで出遅れ、4/21の時点で31打数6安打打点3ホームラン1、打率.194と苦しんでいることもファンにとっては辛いことです。オープン戦では打率はともかく、ホームラン4 本14打点と勝負強さを発揮していましたので、このスタートの低迷は本人も意外だったでしょうし多くのファンも心配していることでしょう。ただ何時もそうなのですが、松井選手によると「打てない打席が続くことは何時でもあることですし、たまたまそれが今年は初めに来ているだけで少しも心配していません」とのことです。確かに素人はシーズンを通して162試合をプレーした経験がないのでどうしても目先の1打席1打席に一喜一憂してしまうものです。またメディアではヒットが出なくなるとピンチだと報じられてしまうのでファンの皆さんはより一層心配してしまうことになってしまいます。

長いシーズンですから少し冷静にゆったりした気分で見てあげる方が良いと私は考えています。ジラルディ監督は「松井選手は大切な選手なので1試合毎にトレーナーに手術した左膝の状態をチェックさせている。無理をさせずにシーズンを通して活躍して貰いたい」との思いで神経質すぎると思われるくらい大事を取っているようです。実際に松井選手自身も「左膝は少し腫れが出ているのですが、去年の経験から云って右膝も同じ様に一時腫れましたが次第に腫れは治まりました。今度も同じパターンを辿ると思いますので特に心配はしていません」と語っています。ですから、今後の活躍を心待ちにしましょう。きっと、彼は結果を出してくれると確信しています。

「マスターズを見て」

ゴルフの祭典という言葉が本当にぴったり当てはまるのがアメリカジョージア州オ―ガスタにあるナショナルゴルフコースで行われるマスターズゴルフトーナメントです。テレビでしか目にしたことはないのですが、ゴルフ場の何処をとっても兎に角美しいのです。フェアウェイもグリーンもこんなに綺麗な色があるのかと思えるほどの鮮やかな緑。バンカーは誘っているかのような純白。季節柄コースのあちらこちらに美しい花々が咲き乱れるということでまるで楽園の中にあるゴルフ場のように見えますが、プレーヤーにとっては油断も隙もないとてつもなく難しいゴルフコースです。一寸したミスがスコアメイクを妨げ失敗した多くのゴルファーをこれまで悲劇の底に落としこんで来ました。栄冠を手中に収めかけながら結局ヒーローになり切れず、涙をのんだゴルファーが果たしてどれだけいたことでしょう。2009年の今年はどんなドラマが展開されるのか開幕前から楽しみにしていた方も多かったと思います。

まず特別招待で参加した石川遼選手のゴルフがオ―ガスタで何処まで通じるのかが日本のファンにとって一番の見所でした。初日のプレーでは前半4オーバーまでスコアを乱しながら後半集中力を取り戻して3バーディーをもぎ取り、1オーバーまでスコアを戻したところに石川遼選手の非凡さが表現されていたと思います。2日目に崩れて予選落ちしましたが将来への可能性は十分に見せてくれました。先輩片山晋呉選手が「遼君は招待ではなく自分で権利を取ってここに来た方が絶対に良い結果に繋がると思う」と語っていましたが、来年以降世界ランキング上位にランクされる成績を収めてマスターズに挑戦して欲しいと思います。

そして何と言っても日本のファンを楽しませてくれたのがベテラン片山晋呉選手の4日間でした。自分の持ち味を生かし、どんなピンチにも動揺せず72ホール集中力が途切れなかったのは見事という他はありません。日本の賞金王5回獲得の片山選手がゴルフについてどれほど蓄積した技術を持っているのかを見せてくれた4日間だったと言っても過言ではないように思えます。片山晋呉選手は国内のトーナメントで試合に集中するあまりギャラリーに反応してくれないときがあるなどと言われたこともありましたが、今回の活躍を糧にしてギャラリーを思いっきり楽しませてくれるプレーを是非お願いしたいものです。何といっても第4位であのタイガー・ウッズ選手やフィル・ミケルソン選手より上位の成績だったのですから日本のギャラリーもこれまで以上の敬意をもって迎えてくれるに違いありません。

もう一つ驚いたのは3人のプレーオフを勝ち抜いて優勝したのがプレーオフの最初の18番ホールで第1打を右の林に打ち込んだアルゼンチンのアンヘル・カブレラ選手だったということです。勿論運もありましたが、あの絶望的な状況から良くパーで収めることができたと感心することしきりです。ゴルフは何が起きるか分からない、最後の最後まで諦めてはいけないということを教えてくれる良き教材だったと思います。

終わったばかりなのに早くも来年のマスターズが待ち遠しいですね。

「祝 桜花賞制覇」

4月12日、朝7時に羽田空港を出発して大阪伊丹空港に降り立ちました。

伊丹空港からはタクシーで阪神競馬場を目指したのですが、60代半ばという感じの運転手さんは元気が良過ぎるというよりは寧ろ粗暴運転で、スピードは出しすぎ、交差点で突然レーンを変えてまだ信号が赤なのに右折するなど、事故を起こしたりしないかハラハラさせられ通しでしたが何とか無事に阪神競馬場に到着できました。「やあ、今日は空いていたから早く着いちゃったよ」と言われても笑えない25分間の移動でした。プロの運転手さんの中にも注意力が散漫だったりどうしても粗暴な運転をしたりする人がいるものですが、事故を起こしてしまえば自分だけでなく他人をも不幸の中に引き込むことになるわけですからくれぐれも安全運転に徹して欲しいものだと思った次第です。

この日阪神競馬場にやって来たのは、実は第69回桜花賞に出走する「ブエナビスタ」号の応援のためでした。圧倒的な一番人気に支持されているブエナビスタ号ですが、彼女のレースパターンはいつもかなり後方にいて最後の直線だけで他馬を抜き去るというやや不器用な走りなので、その分他の馬がどんな作戦で立ち向かってくるのかが注目されました。

出走する18頭がパドックに姿を見せますと、やはりG1の舞台らしく華やかな雰囲気が漂います。春先だと牝馬は発情期に当たり時期的に競走馬として最高の状態に仕上げるのが非常に難しいといわれますが、そこはそれぞれに調教師たちがノウハウを生かしてほぼ万全といえる状態に各馬の状態を引き上げてきています。従って全体にとても見栄えのするパドックになります。

愛馬ブエナビスタ号は454kgと体は大きくありませんがいつもとても落ち着いていてマイペースでパドックを周回します。人間の場合もそうですが試合前に気が入りすぎると大体実力を発揮できないで終わることが多いのですが競走馬も例外ではありません。かつて三冠馬となったシンボリルドルフ号もパドックを歩いているときはのんびりと他の馬など全く眼中に無いといった感じで闊歩していたものです。従って落ち着いている、つまり平常心を保っていられるということは強い競走馬になるための必要条件であると私は思います。

さてパドックから阪神競馬場のレースコースに入ってきたブエナビスタ号は慌てることもなく一度ゴール前で立ち止まりました。そしてスタンドの方角に視線を向け、その様子はまるでこんなに沢山の人が来ているのかと感じて納得してからゆっくりウォームアップのキャンターに移ったかの様でした。

いよいよスタートの瞬間を迎えます。双眼鏡を通して見るブエナビスタ号は何時もと全く変わらない様子です。ざわめきが収まり不思議なほどの静けさの中、スタートが切られました。ブエナビスタ号はいつも通りゆっくりスタートし先ず18頭中16番手でバックストレッチを走り出しました。それが3~4コーナーにかけても依然として後ろから2、3頭目。後の直線コースに入る時は後ろから2頭目。そしてエンジン全開でスピードを上げようとしたとき、前に居た馬と接触しそうになり少し進路を変えざるを得ない状況になりました。そして更に加速しようとしたときには前を行くジェルミナル号レッドディザイア号の進路と重なって追えず、結局前2頭の更に外を通って追い出して先頭に立っていたレッドディザイア号に追いつき交わしたところがゴールという接戦を乗り越えての桜花賞制覇でした。

何度かの不利を乗り越えての勝利にブエナビスタ号の不屈の精神が表現されているように感じました。と同時に、安藤勝己騎手がブエナビスタ号に全幅の信頼を寄せていて、一方ブエナビスタ号も手綱を通してそのことを感じ取って死力を振り絞ったようにも思えます。レースの後安藤勝己騎手と少しだけ言葉を交わすことができました。「いやぁ、本当に強い馬ですよ」との言葉の中に、自分が感じ取っていた以上に能力が有り奥の深さがあるというニュアンスを伝えてくれました。

これほどまでの素晴らしい馬の一口会員になれたのは幸運以外の何物でもないのですが、競馬の発展のためにもより強い馬に成長していってファンを楽しませて欲しいものです。ブエナビスタ号の管理を担当している松田博資調教師や調教助手、厩務員その他関係者の皆様のご苦労にも改めて感謝申し上げます。

「待ちに待った大リーグ開幕」

アメリカ大リーグが開幕し日本人大リーガーのプレーに日本中のファンが注目していることと思います。今朝は巨人から憧れの大リーグ、ボルティモア・オリオールズ入りを果たした上原浩治投手が初登板、松井秀喜選手のいるニューヨーク・ヤンキースと対戦するというのでNHKの中継に時々眼を向けました。結果は7―5でオリオールズが勝ち、5回を失点1で投げ切った先発上原投手が大リーグでの嬉しい初勝利を挙げました。

試合終了後のインタビューで上原投手は「この日のためにこそという思いで頑張って来て本当に良かったです」と満面に笑みを湛えて語っていました。ここ何年もずっと大リーグで投げてみたいという思いを抱き続けていたわけですからその喜びの大きさが想像できます。全盛時に比べて球威が少し落ちていることは否めないので、この先決して楽ではないと思いますが頑張って欲しいものです。

一方珍しく上原投手との対戦を前に「やっつけたいと思います」と語っていた松井秀喜選手は上原投手との3回の対決では何れも難しい球を打たされた感じで今日は5打数ノーヒットに終わりました。一般にバッターというものは上手く打ちこなすよりは打ち損なうことの方が多いので、恐らく松井選手は今頃上手に気持ちを切り替えて明日こそ自分らしいバッティングをと考えていることでしょう。

ヤンキースで気になったのは第一戦のサバシア投手、今日の王建民投手共に打ち込まれてエースらしい働きができていないというところです。今年こそ投手陣の立て直しが優勝への鍵だと思いますので、僅か2試合終わったばかりとは言え少々不安に感じております。いずれにしてもこれからの季節、朝は主にNHKのBSで大リーグ中継のチェックで忙しくなります。尤も、忙しい忙しいと口では言いながら本当はそれを楽しんでいるのですが。

更に今週はマスターズゴルフトーナメントも始まりますので、尚一層慌ただしくなりますね。

「清峰高校の優勝に思う」

第81回選抜高校野球大会は長崎清峰高校が岩手花巻東高校を1-0で破り初優勝しました。

長崎県代表校の甲子園での優勝は春夏を通じて初めてのことですから、清峰高校は勿論長崎県民の皆さんも歓喜の声を上げていることでしょう。実は偶々長崎市市制施行120周年記念式典で講演を依頼され昨日長崎市に行ってきたばかりなのですが、既に清峰高校が準決勝を勝ち決勝進出を決めたということで長崎は選抜大会の話題で既に大変な盛り上がりを見せていました。今夜は県内あちこちで祝杯を挙げる人たちでヒートアップすることでしょう。

長崎県もご多分に漏れず経済状況はかなり落ち込み活気を失いつつあったので、県民に少しでも元気を取り戻してもらうためには良い刺激となる優勝だと思います。清峰高校といっても長崎においてさえ詳しく知っている人は意外に多くないのではないでしょうか。1952年創立の県立高校で、もともとは北松南(ほくしょうみなみ)<長崎県北松浦郡在>という名の高校でしたが、その後現在の清峰と名称を変え3年前にも選抜大会で決勝に進みました。その時は21-0のスコアで横浜に大敗を喫し決勝戦の最多失点を記録して涙を呑みました。従って、その時に受けた大きな心の傷も見事に癒す今回の優勝です。

今回の決勝戦をテレビで見ながら、私は自分がラジオで実況中継を担当した昭和50年の選抜大会決勝戦、神奈川東海大相模対高知高校の試合をふと思い出していました。当時の東海大相模には現在の巨人軍監督原辰徳さんが4番サードで、一方高知には後にヤクルトで活躍する杉村繁選手が中心打者として、それぞれメンバーに名を連ねていました。また、東海大相模は村中秀人投手、高知は山岡利則投手がエースとして君臨する強力チーム同士の対決でお互い一歩も引かず試合は延長戦に突入しましたが、最後は東海大相模の投手陣が踏ん張り切れず高知高校が東海大相模を振り切って優勝した試合でした。

このときの東海大相模には原辰徳選手、後に日本ハムに入った津末英明選手を中心とした強力打線、そして安定感のある頭脳派村中秀人投手を擁していたので甲子園での目標は優勝以外にはないと甲子園で既に優勝経験のあった原貢監督が公言して憚りませんでした。ところがその思いは実らず、試合終了後の総括の中で私は解説担当の松永玲一さん(田淵幸一選手、山本浩二選手などを育てた元法政大学監督で住友金属工業の監督などを歴任した日本アマチュア野球界の最高レベルの指導者)と高校野球において監督が優勝宣言をすることの是非について話をしました。その時松永さんは「高校野球においては謙虚であることが最も肝要である」と述べ、原貢監督の方法論については疑問があると指摘されました。古いタイプの人間である私も松永さんの見解に同調したことを思い出していました。

今回の優勝チーム清峰高校の今村投手は早い段階から優勝を意識した発言をしていたので、当時のことを思い出しながら私自身そのことに思いが傾くのはどうかと心配していたのですがそれも杞憂に終わったようですね。おそらく今の球児たちは目標を口に出すことによって自分の意識にその思いを刻みつけ、そして集中力を高めて試合に向かっていくことができるようです。いや寧ろ公言することによって、自分の意識や体が縛られたりせずに意外に伸びやかにプレーができるものなのかなと思えてきました。勿論そうなるためには誰にも負けない練習量をこなしてきたという心の裏付けがあるからに違いないと思いますが。

「春の訪れとスポーツ」

桜の開花が発表されて1週間近くなるのに気温が上がらず、桜の蕾も開きたいのに開けずに当惑しているように感じられます。その分少しは長く桜の季節を楽しめるのかなと考えたりしていますが、この時期花冷えという言葉に象徴されるように気温が上がらず寒いと感じる日々があるものなのです。昔スポーツアナウンサーだった頃、プロ野球が開幕するとナイトゲームの取材や放送を担当していましたがこの時期でも本当にしんしんと冷え込む日が有りました。気候というのは何時も順調に温かくなったり寒くなったりするのではなくて、行きつ戻りつして変化していくものだと実感しますね。

さて大阪の春は大相撲春場所と選抜高校野球からと言われますが、今年の春場所は白鵬の独走全勝優勝に終わったものの、横綱朝青龍4敗、大関日馬富士と同じく琴欧州が5敗では盛り上がりようもなく白鵬独り無人の境地を往く状況となってしまい今後の盛り上がりが不安に感じられます。

選抜高校野球は改修なった甲子園で行われていてこちらはそれなりに観客が入り今日は準々決勝後半の2試合が行われます。私の故郷長崎県代表の清峰高校は昨日の第2試合で簑島高校と対戦し見事勝利を収め準決勝進出を決めました。

古い話ばかりして恐縮ですが、昔は高校野球で一番面白いのは準々決勝の日だと言われていました。何故なら当時準々決勝は一日で4試合を行っていたからです。この4試合を見ればその年の大会の全体像が大体把握できるからだということなのです。朝8時から始まって4試合を見終えると夜7、8時になりますが、多少疲れを感じながらも何か不思議な充実感を抱けたものでした。ところが現在は4試合を2日で行うようになりましたのでこれも今は昔の話になってしまいました。

今週末からプロ野球も開幕し、球春という言葉がぴったりの季節になります。WBCを終えて帰国した加藤コミッショナーが語っていたことで注目すべきことがありました。それは、特にピッチャー陣が日本のプロ野球の使用球と異なるWBCの使用球に慣れるのに大変苦労していたことに鑑み、日本のプロ野球も国際球に統一した方が良いのではないかという意見です。私は素直に同調してしまいました。勿論ボールメーカーとの関係をどう調和させていくのかなど現実的には難しい問題がさまざまあることと思いますが、選手の立場で考えれば統一球でやるのが本来あるべき姿ではないかと感じます。恐らく加藤コミッショナーの提言は即座に取り上げられることはないのでしょうが、一考を要する問題であることは確かだと思います。

「WBCは無事閉幕しましたが」

第2回WBCは延長戦にもつれ込む大接戦の末イチロー選手の決勝タイムリーで韓国を降して日本が優勝、大会2連覇を飾りました。もともと長くスポーツアナウンサーとして放送の世界に携わっていましたのでなるべく客観的に相対する双方のチームを見る習慣が身についています。そのため今回の決勝戦についても日本と韓国の総合的な戦力という視点から冷静に試合の展開を予想していました。

投手力に関しては岩隈投手の安定したピッチングが光っており大崩れはまず考えられないのでこの面では日本がやや優勢と感じ、攻撃力では韓国も素晴らしい打者を揃えていますが日本は打線全体に繋がりが出てきているのでここではほぼ互角に見えました。ですから、後は団結力で勝っていることが重要な要素だと思いました。それまでの戦いではここ一番の勝負強さでは韓国が上回っていたことは否めない事実でしたから、その点も考慮に入れますと正直どちらが勝つと思うかと問われても答えに窮したのは間違いありません。

決勝戦が始まって、予想通り岩隈投手のピッチングは冴えていました。展開から言うと日本はもっと上手く得点を積み重ねていけたはずですが、韓国の踏ん張りも素晴らしく1点を争う大接戦になりました。3-2で9回裏の韓国の攻撃で抑えに回ったダルビッシュ投手が1アウトを取った時にはこのまま逃げ切れると思ったのですが、優勝への道は思うほど近くはありませんでした。韓国は同点に追いつきます。得てしてこのような流れで追いつかれてしまうと追いついた側が有利になりそうなものですが、そのようにはさせなかった今大会の日本チームは精神力も含めて相当な強さを持っていたと思います。

追いつかれた直後にチャンスを作ってイチロー選手のタイムリーヒットで突き放したのですから正しく実力の有るチームの戦いぶりでした。大会に入る前は私自身日本の2連覇は各国チームの力の入れ具合を見るとちょっと難しいのではないだろうかと考えていました。しかし今大会の日本は第1ラウンド、第2ラウンド準決勝、決勝と進んでいく中で誰かが不振の時は他の選手がそれをカバーし、全体にチームとしての見事な繋がりや連帯が出来上がっていて、試合を体験するたびにより素晴らしいチームへとレベルアップしていったように見えました。振り返ってみると誰か一人が傑出して活躍したというのではなく全員がとてもバランスの取れた形で勝利に貢献したように感じられ、全ての野球ファンに野球の素晴らしさを再認識させてくれたように思います。

日本はこれでWBCでは2回連続のチャンピオンになり本当に嬉しいことですが、若干まだ複雑な思いも残ります。というのは、野球の本場アメリカが今回の大会にもベストメンバーを注ぎ込んでこなかったからです。アメリカにはもともとメジャーリーグこそが世界最高水準の野球の舞台で、ワールドシリーズがその頂点を決するものという思いが底辺にあるのでしょうし、ペナントレース開始直前ということもありMLBの殆どの球団も選手の故障やそれに伴うチーム力の低下を恐れるが故に主力選手を出したがらないという切実な状況があります。ですからアメリカを本気にさせるのはなかなか難しいところです。WBC次の大会は4年後ということです。日本や韓国をはじめ他の出場国がアメリカ代表チームを完膚なきまでに圧倒して敗退させれば少しはアメリカも本気モードになるのでしょうが、それにはまだまだ時間がかかりそうですね。

「いよいよ決勝」

WBCはついに準決勝に入り日本が堂々とアメリカを降して決勝進出を果たしました。

ここまでの戦いはやはり何といっても投手陣の頑張りが素晴らしいと言えますね。松坂投手、ダルビッシュ投手、岩隈投手の三本柱が非常に安定していてやるべきことをきちんとやっているのでどの試合も安定した試合運びが出来ている、つまり野球は投手陣がしっかりしていればどんな強敵にも伍して行けるものだということを示しているのです。

加えて中継ぎ、抑えもここまではとても良い働きをしたと言って良いでしょう。この大会が始まった時馬原投手、藤川投手の抑えの切り札には不安があると以前に言いましたが、第2ラウンドまでは問題なく運んで来ました。強いて言えば、今日のアメリカ戦では馬原投手に少々危ないと思わせる場面が覗きました。でも怪我をするほどのこともなく終わって本当に良かったと思います。いよいよあすの決勝は韓国戦です。今大会これまで2勝2敗で雌雄を決する戦いとなりました。実力はほとんど互角と思える両チーム、まずは先発投手の出来が鍵を握ることになるでしょう。緊張感に満ちた試合、つまりに接戦になると思われるので、最後はここ一番での気持の強さが勝った方、そしてミスをしなかった方に栄冠は輝くのでしょう。

歴史に残る好試合を期待しましょう。

「WBC第2ラウンド 日本VS韓国」

WBC第2ラウンド準決勝進出を懸けた日本対韓国は4―1で韓国が勝ち一足先に準決勝進出を決めました。

ここ一番での勝負強さでは韓国が日本を上回ったという感じの今日の試合でした。日本の先発ダルビッシュ投手に対し韓国はその立ち上がりを攻めることこそ今日の勝負の分岐点と見たのでしょう。トップバッターの李容圭選手がレフト前ヒットで出塁すると2番鄭根宇選手の初球に盗塁を決め、その後内野安打で無死1、3塁。3番金賢洙選手の2塁ゴロの間に李選手がホームに還り1点を先制。その後6番の李晋映選手にレフト前タイムリーが出て併せて3点を挙げました。韓国の戦略が見事に功を奏したという形の1回裏の攻めでした。準決勝進出をかけるという緊張感の中で高度の集中力を要求されるこの場面で韓国はやるべきことをやり通したように思えます。

一方日本の守りで言えば少し精神的に追い込まれ、完全に受け身に回っていたように感じられました。相手に押されている時こそ相手を見下ろすくらいの気持ちで、考えられる全ての状況に対処してみせるぞという腹構えが有ると良かったのに、などと勝手な思いが巡ってしまいます。このような試合では先取点こそ大事だと言っていた原監督。その認識は全く正しいのですがその気持ちの強さの余り、先制点を奪われて少しだけ冷静さが薄れてしまったのでしょうか。

実力では全く遜色ない日本ですが、気持の上のぎりぎりのせめぎ合いになると韓国が少しだけ先を行ってしまうようですね。負けたことは大変残念ですがこうなったら明日のキューバ戦に全身全霊をぶつけて流石侍ジャパンだと言われるような試合をして欲しいものです。

「WBC第2ラウンド開幕」

WBC第2ラウンドが始まりました。今朝は早くから起きてテレビ観戦し応援された方も多かったことでしょうが、日本が強敵キューバを6-0で破ったのですから言うことはありませんね。

日本としては第一に投手陣の踏ん張りが見事だったと思います。先発松坂はルール上の問題で大リーグとの練習試合に登板できずキューバ戦がアメリカでの試合としてはぶっつけ登板となり心配されましたが、立ち上がりのピンチを切り抜けてからは球の切れ、コントロール共に素晴らしく大リーグエース級のピッチャーの力を十分に見せてくれました。二人目の岩隈も馬原、藤川も全く危な気の無いピッチングでキューバに付け入る隙を与えませんでした。勿論日本に先制点を取られさらに追加得点を許してしまったため、キューバ打線が焦って悪球に手を出し、さらに力で圧倒しようと力んでバットを振り回すだけだったということが幸いしたという面があったことも否定できません。

一方打線はしっかり投球を捉えてセンター方向に打ち返す気持ちが非常に良く表現されていてそれが6点に繋がったのだと思います。アジアラウンドの最初の韓国戦の時もそうでしたが日本は自分たちの攻めのパターンに入ったときにはかなり得点能力のあるチームだと言えると思います。問題は1点を争う接戦になったときにも同じ攻めができるかどうかでしょう。恐らく次は明後日の韓国戦(正確には韓国対メキシコの勝者)になるでしょうがその辺りが見ものですね。この大会は敗者復活があるので一度だけのミスは許されますがそれがどんな形で全体に影響を与えるのかが見えません。アメリカも初戦で躓きました。第2ラウンドの戦いもう少し注意深く様子を見る必要がありそうです。

「WBC第2ラウンドに向けて」

WBCアジアラウンドが終わりました。日本は韓国に次いで第2位で第2ラウンドへの進出を決めましたが、戦いの中で日本の強さと弱さが比較的はっきりしてきたような気がします。

7日の韓国戦では北京オリンピックで抑え込まれたキム・グアン・ヒョン投手を如何に打ち崩すかが日本の最大の課題でした。彼は自分の最高の武器であるスライダーに日本が焦点を絞り徹底研究をしていることも知っていましたが、それでもかなり強い意識で日本を抑え込もうと意気込んでいました。ただ、そのスライダーの制球力が思い通りにならずにボールになる確率が高くなっていて困っていると本人が試合前に漏らしており、日本を抑えなくてはという意気込みと制球に苦しんでいるという現実の狭間で、実際は不安を持ったままマウンドに上がったということです。

一方研究十分の日本は、狙い球を絞りストライクゾーンに来る球は積極的に打っていく思いでそれぞれ打席に入っていきました。イチロー選手が先ずお手本のようなヒットを打つと、キム投手の呪縛が解けたかのように中島、青木両選手がセンター前に打ち返す3連打で先制点を挙げ、更に2死1、2塁からこの日6番に初スタメン起用の内川選手がキム投手のスライダーを見事にレフト線に2塁打を放って3点を挙げました。特にこの内川選手の2塁打が大きかったのは、キム投手攻略のために内川選手の起用を決断した原監督にとって、彼が期待に見事に応えてくれたお陰で指揮官としての自分の考えに間違いがないと確信を抱かせるもので、ベンチのムードを盛り上げる最高の材料となったからです。

一方のキム・グアン・ヒョン投手は、絶対に抑えようという気持ちが空回りして、その中で連打を浴びて冷静さを失ったのが結果的にノックアウトに繋がりました。14-2というスコアは、流れが一方的になった時には実力差以上にスコアが開くことがあるという典型的なケースだったと思います。それが証拠に9日の順位決定戦では今度は日本が力を十分に発揮できないまま0-1で敗れてしまいました。

本当はこの順位決定戦こそ勝たなくてはならない試合でしたが、またまた肝心な時の勝負弱さを見せてしまいました。2連勝しておけば今度は韓国側が日本の力を認めざるを得ず、色々な場面で必要以上に日本の動きに神経質にならざるを得なかったのですが、1勝1敗になったことで、否むしろ改めて順位決定戦で勝ったことで、韓国側から見ればやはり自分たちの方が一枚上であるという自信にも繋がったような気がします。

さて、第2ラウンドに向けて私が気になっているのは以前にも触れましたが日本の抑え投手陣とクローザーです。馬原投手、藤川投手については今のところは火だるまになったりしてはいませんが球威、コントロール、外国人選手に有効な大きく落ちるフォークボールなど、いつもに比べいささか心配です。第2ラウンド以降試合の密度が濃い試合になればなるほど絶対の切り札を持っているか否かが勝敗を分けるような気がしてなりません。もう一点は原監督の采配です。大リーガーにも遠慮などせず、大胆に思い切り良く指揮を執って欲しいと思います。2連覇を期待はしていますが、それがどれくらい難しいかは野球ファンならよく知っていますから。

「WBCついに開幕」

WBC開幕戦日本対中国の試合をテレビで観戦しました。スコアの上では4対0で危な気無く全日本が勝ちましたが、幾つか課題も残した試合だったと思います。先発ダルビッシュの気合いの篭ったピッチングが後に続く投手にも気持の繋がりを生んで投手陣に関してはまずまずの評価ができる試合だと言えるでしょう。

ただ、中国の打線にまだ厚み、破壊力といったものがありませんでしたので、投手陣の粗が目立たなかったという見方もできそうです。抑えの馬原、藤川に関して言うと球威は勿論細かいコントロールについてはとても十分とは言えないものでした。相手が韓国のように切れ目のない打線で何を仕掛けてくるか分かりにくいバッターと対したときには何といっても針の穴を通すぐらいのコントロールが有るか無いかが勝敗を分ける重要な要素になるからです。その意味では抑えの布陣は本当に大丈夫かなと少し気になる点がありました。

攻撃に関しては多くのチャンスが有りながら、4点しか取れなかったので反省点は多々ありそうです。2回裏小笠原のヒットと福留の四球で無死1、2塁のチャンスに城島に強攻させて2塁ゴロ併殺で結果的に無得点に終わりましたが、あのケースはどんなに格下の相手でも先ずランナーを2、3塁に進めて先制点を目指すべきだと感じました。何故なら次の打者はどのような要求にも応えられる岩村選手だったからです。

それにしても大打者イチローのスランプは今のところ出口が見えませんね。ヒットを打つことにかけては世界一の技術を持つイチロー選手にもこういうことがあるのだなと不思議な感じがします。やっぱり切り込み隊長が打ってくれれば他の選手の意気も上がるはずですが、イチロー選手はどうしたんだろうと皆が何処かで心配しながらプレーを続けているような気がしてなりません。大打者は必ず立ち直るはずですから他の選手たちはそのことは気にせず自分のプレーに集中して欲しいものです。

ところで3年前に比べて対戦相手の中国が急激に力をつけてきていることがよく分かる試合でもありました。3年前は問題にならない大敗を喫した日本に、まだまだ勝てるところまでは来ていませんが良く食い下がっていたと思います。国が力を入れ、いろいろと措置を講じれば競技人口が圧倒的に多い分良い選手が育ってくるはずで、3年後はもっともっと力をつけてくるでしょうし侮れないチームになってくるでしょう。さあいよいよ明日は宿敵韓国戦です。全日本がどんな戦いを見せるか楽しみです。テレビの視聴率も昨日の中国戦は関東28.2%関西31.1%と高いものでした。明日の試合は更にすごい数字を出すのでしょうね。

「WBC開幕を目前にして」

球春の訪れを待つ野球ファンにとってプロ野球のオープン戦が始まりペナントレースに入っていくこの時期は堪らなく楽しいものです。一つには自分の応援するチームや期待する選手はどう変わって来ているのか期待感に胸を膨らませることができる時期だからでしょう。

今年はそれよりも第2回WBC(ワールドべースボールクラシック)が始まるため全日本がどのようなチーム編成でどのような戦いをするのかにも強い関心が寄せられ、宮崎合宿の時から連日4万人を超えるファンが詰めかけて周辺道路は長時間の渋滞が続いたほどでした。前回の優勝チームですから今回も勝って欲しいとファンが願うのは当然ですがスポーツの予測はただ期待感だけで見るよりも、少しクールに全体を客観的に見るように努めた方がより楽しくなるものだと私は思っています。

WBCの第1回では日本が優勝しましたが、他のどのチームも圧倒して優勝したというイメージではなく、実際に韓国戦では2回負けたものの諸々の条件も味方して優勝へ至ったという側面もありました。振り返ると、予選の段階では日本国内でもそんなに強い盛り上がりがあったわけではなかったのですが、本選のアメリカ戦でのデヴィッドソン球審による明らかな誤審を契機に、国内のファンもそれは見過ごすことができないと憤りを感じて注目し始めたこと、それに呼応するように全日本の選手たちが気持を一つにして戦い始めたことが結果的に優勝に繋がった経緯を思い出します。

前回日本が優勝したことにより、韓国は更に強いライバル意識を燃やしていますし、本家アメリカ、キューバ、ドミニカなども日本には負けられないという思いで、そして実力では自分たちの方が上だという意識で新たなチーム編成をしてきていますので、前回より日本以外のチームの総合力は確実に上がっています。ですから、アジア予選から気の抜けない戦いが続くことになるでしょう。

全日本は強化試合でオーストラリア、西武、巨人と戦ってきましたが、いま一つチームとしての盛り上がりが十分とは言えない感じがします。全体的に選手たちがのびのびやっているなというように見えないのが気掛かりですね。日本最強のメンバーを揃えたのですからもっと自信を持ってプレーして欲しいものです。イチロー選手が今不調のどん底にいますが8年連続200本以上のヒットを打ち続けてきた人ですから自己修正を経て本番に臨むことと思います。そして他の選手はイチロー選手のことは気にせずに自分の力を出し切ることに専心して欲しいものです。5日からの戦いは比較的安心して戦える中国戦からですから慌てる必要もないと思います。本番で各選手が調子を上げて先ずはファンを安心させる試合を見せてもらいたいものですね。

「悠揚迫らず ~トップアスリートの姿勢に学ぶ~」

先日、ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜選手と久し振りにお会いしてゆっくりお話をすることができました。

一番気掛かりだった左膝の手術のその後ですが、「状態はとても良いですよ。今はランニングもできていますからね、去年に比べて安心してキャンプに臨めると思います」と元気に充ち満ちた声で今の状況を説明してくれました。あの左手首を骨折してピンチに追い込まれたときでも辛そうな表情は一度も見せたことはありませんでした。私が何時も松井選手を見ていて感心するのは「人間万事塞翁が馬」とその時に自分が取れる最善の対応策で事に臨む姿勢を貫き通すところであり、決して笑顔を忘れず正に悠揚迫らずという感じで他人と接するところです。そこに彼の人間としての器の大きさを感じるばかりです。

今年はヤンキースとの契約の最終年に当たりますので仮に満足の行く結果が出せなければトレードに出される可能性は極めて大きいと思われます。そんなことは周りに指摘されるまでもなく松井選手自身が最も強く認識しているところで、優しい瞳の奥にメラメラと燃え立つ闘志を感じたのは私だけではない筈です。「去年は前半で打撃の大きなポイントをまた一つ掴んだように感じましたが、いかがですか」と聞きますと、すかさず松井選手が「そう、軽打と強打の兼ね合いの感覚が難しいけど少し分かってきたと思います。昨年一時は首位打者だったんですからね」と具体的な答えが返って来ました。従って今シーズンはフルに働けたら絶対に素晴らしい結果がついてくると思います。

そしてそれから数日後、京都で開かれた「ブエナビスタ号の阪神ジュベナイルフィリーズ優勝祝賀会」に出席して、ブエナビスタ号を優勝に導いた安藤勝己騎手と同席することができ、騎手という仕事について色々お話を伺いました。彼は言いました。「騎手は余り神経質であっては務まりません。すこし図太いくらいの方がいいんです。勿論細かい計算がぱっとできて今行くべきかもう少し待つべきかを瞬間的に決断できなければだめなんですがね。そういう点から見ると、三浦皇成君は大きな存在に成長できる可能性を持っていると思います。ただ思い通りに行かなくなったときにそれをどう乗り越えて飛躍できるか、そこが本当の正念場になりますね。だから今後の成長に今まだ太鼓判を押すわけにはいきません」と。安藤騎手は何時も何が起きようとも慌てず騒がずそれにどう巧く対応するかを第一に考えて動くタイプです。筋トレがブームになっているからすぐそれに飛びついたりせず、自分が取ってきた方法論をきちんとチェックして矯正すべきは矯正し守るべきところはしっかり守っていくというスタンスを大事にしています。

精神的な意味では現状を正しく認識し悠揚迫らぬ姿勢を堅持するという点で松井秀喜選手ととても大きな共通点があることに気がつきました。お二人の今年の大活躍を願わずにはいられません。

「愛すべき人間 青木功さん」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2008年12月27日 16:32
  • スポーツ

12月18日、帝国ホテルでプロゴルファー「青木功さんの紫綬褒章受章を祝う会」に出席しました。

今から35年前の日本オープンで青木さんはフィリピンのベン・アルダ選手と激しい優勝争いを展開。残念ながらこの時はベン・アルダに栄冠を奪われましたが私はラウンドリポーターとして青木選手のプレー振りを逐一報告しておりまして、それが青木さんとの初めての出会いでした。以後日本オープン、関東オープンの中継放送の度にじっくりお話を伺うことができ、知らず知らずのうちに私は青木さんのファンになっていきました。2歳年上の青木さんも私のことを「草(くさ)ちゃん、草(くさ)ちゃん」と呼んで大変優しく扱ってくれたものです。ですからまだ放送の無い予選ラウンドのときなど、青木さんをマークして歩いている私を青木さんが目敏く見つけ、「草ちゃん、俺お腹空いちゃったよ。あんパンが食べたいんだけど」と言うので、近くの売店であんパンを買ってきて届けると、美味しそうにそれを頬張ってプレーを続けていたこともありました。スコアがその後アップした時には私も「青木さん、私の買ってきたあんパンが良かったんですよね」と声をかけて「草ちゃん、ありがとう」の言葉を強要したものです。その後、全米オープンにも2度一緒に行きましたし、「青木功のベストゴルフ」というビデオの作成もお手伝いをさせて頂きました。

青木さんはとても私を可愛がってくれました。その後私はNHKを去りスポーツ放送の現場から離れてしまいました。そして青木さんはアメリカで活躍を始めどんどん大きな存在になっていきました。昔のような密度でのお付き合いはできなくなりましたが、久し振りに会ったときにも青木さんは以前と少しも変わらず「おー、草ちゃん元気かい」と声をかけてくれるのです。

チエ夫人との息がぴったり合っていて、共に人生を歩むようになって青木さんは人間として本当に誰からも尊敬される素晴らしいゴルファーになったのです。全米ゴルフ協会の殿堂入りも当然のことですし、世界中のゴルファーからこんなに敬愛される人はそうはいない筈です。その意味で紫綬褒章受章は当然のことです。私の眼には壇上でチエ夫人と微笑んでいる青木さんの顔がとても神々しく見えました。青木さんのように年齢を重ねられたらどんなにか素晴らしいのになあと思いましたが、そうは中々巧くは行かないわけで現実の厳しさを思い知らされる今日この頃です。

「名将 渡辺久信監督」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2008年11月11日 14:20
  • スポーツ

今年の日本シリーズは第7戦までもつれましたが、結局埼玉西武ライオンズが読売ジャイアンツを降し13回目の日本一の座につきました。私自身第2戦を東京ドームで観戦しましたし、他の試合の生中継も運良くテレビで見ることができたのです。往年の日本シリーズを数多く見てきた立場からすると選手たちはやや小粒な感じに映りましたが、全体に見所が多く面白い日本シリーズだったと思います。それが証拠にテレビの視聴率も第7戦では28.2%を記録しました。

今回は特に西武渡辺久信監督の一挙手一投足をじっくりと観察しながら、その采配に注目して全試合を見ていきました。印象としては、新人監督とは思えないほどどっしりとした落着きを感じさせるもので、仮に失敗があったとしても表情の中に一切感情の動きや動揺の影すら見せず、もともとイケメン投手と言われていた人だけに、表情の中にとてもきりりとした凛々しさを湛えていて信頼できる監督だという印象を持ちました。

特に、投手出身の人だからとも言えますが一人一人の投手に対する扱いは見事なものがありました。その時その時の投手の心理状況が全部理解できているだけにどの投手も次の試合へのモチベーションを落とすことがないように愛情ある配慮が為されていました。ですから、例えリードされていても、試合で負けても、じめじめせずカラッとしていてベンチの中の結束力が強いのだなということをつくづく感じさせられたものです。

最終戦の投手起用も日本シリーズで勝利を経験していないベテラン西口の闘志に火をつけて先発に起用。2点を取られたものの、後を受け継いだ石井一久そして涌井が監督の思いに応える熱投で試合の流れを引き寄せ、逆転勝利に繋げました。監督としてのこのような素晴らしい才覚はどの様にして育まれてきたのか、私としては是非本人に会って直接お話を聞いてみたいなと思っていたところ、昨日の日刊スポーツに渡辺監督が手記を寄せているのを発見。読んでみてその理由が分かりました。

その手記によりますと、選手として西武を自由契約になった後、誘ってくれた数球団の中から最も条件の良くなかったヤクルトを選んだそうです。それは当時監督だった人間野村克也に魅かれたからとのこと。彼から野球についての考え方を学び、後に台湾に移ってからの3年間で思い通りにできない選手の気持ちがわかるようになって、教える引き出しが増えたとのことです。この辺りが監督としての立派な基礎になっているようですね。

さらに、他人と同じことだけはやりたくないと感じ、他人が1、2歩踏み出すのなら自分は5、6歩踏み出して新しい監督像を創ろうと努めてきたということです。チーム内で問題が起きたら全部自分が責任を持つ。その代わり変な妥協だけは絶対にしない。例え首を切られることがあっても自分が目指したことはきちんとやり抜くことをモットーにしてきたそうです。

そういう考えで渡辺監督が自らの仕事に打ち込んでいるからでしょう、その眼は鋭いけれど優しさも感じさせるとても素敵な眼だと思います。台湾での経験も有り、本人は辞退しましたが本当はWBCの監督もできる人だと私は考えています。

「分かりやすいルールを」

  • Posted by: 草野 仁
  • 2008年10月30日 16:24
  • スポーツ

つい先日まで、来年行われる第2回WBCの日本代表チームの監督を誰にするのか世間の注目が集り、結局原辰徳巨人軍監督に決定しましたがそれまでの紆余曲折ぶりは誰の目にも奇異に映ったことだと思います。

そもそもNPBの側から星野仙一氏にオリンピックの後はWBCもよろしくという御託宣が有り、星野氏自身も北京から帰ったあとには乗り気の発言をしていたと伝えられたことから星野氏が再び指揮を執ることは規定路線だったのではと反感を呼んでしまったことが問題の端緒です。そこから事態は奇想天外な展開を見せましたがそれには相当の理由がありました。

それは偏に星野氏の対応だったと思います。北京オリンピックの前まで星野氏は「北京では金メダル以外は要らない」と大見栄を切り、そのために外国チームの取材や視察などに相当量の資金と人員を費やし周到な準備を行いました。ですから多くのファンが素晴らしい戦いをしてくれるだろうと期待したのは当然のことです。勿論どのチームも優勝を目指しメダルに拘って戦うので、例え結果が金メダルを獲得できなかったとしてもファンは納得してくれたはずでした。

しかし、以前にもこの欄で触れたように実際は数多くの点で戦略や戦術に見るべきものがなく、同じような失敗を重ねたことにファンのフラストレーションは極度に高まっていきました。従って、帰国してからの星野氏がファンの胸中を察して素直に「自分の判断ミスがこのような結果を生んでしまいました。反省点ばかり残してしまい期待して下さったファンの皆さんに本当に心からお詫びします。もう一度勉強し直します」などというようなコメントを出していれば寛容な日本のファンはそれを受け入れてくれたと思います。

ところがそうではなく「ストライクゾーンが日本とは違う」とか「午前中に試合を行うことに慣れていなかった」などと理由にもならないことを挙げて言い訳をしたことが逆にファンの怒りに火をつけてしまったのだと思います。「星野仙一という男は男の中の男ではなかったのか」という思いでそうした発言を聞いていた人も多かったのではないでしょうか。更には自身のブログで「俺を叩けば週刊誌も新聞も売れるらしい。日本はいつからいじめ国家になったのか」と書いたことも、やはり潔さの無い人なのだと世間の人たちに思わせてしまったのだと思います。男らしさ、つまり潔さや謙虚さを最も持っていると思われていた人が実際は全くそうではなかったと感じたときに、星野仙一熱が冷めてしまったということでしょう。

ここが総ての出発点になっているので、WBC監督へ星野氏をという報道が出てきたときにそれはおかしいだろうというリアクションが起きたのだと思います。また、楽天イーグルスの野村克也監督やイチロー選手の星野氏WBC監督就任報道に対する異議は世論を無視して事を進めようとするNPBの動きにブレーキを掛けることに繋がりましたが、先ずファンの気持ちを忖度できないようではこの先どうなることやらと心配になってきます。

監督決定までにはさまざま複雑な動きがありましたが、「前年の日本一チームの監督が就任する」といった形でルールをあらかじめ作っておけばこれほどまでに大きな問題になるはずがなかったのです。今後同種の混乱を引き起こさないためにも今のうちに一定の判り易い基準を設けておくべきです。

考えてみるとオリンピック代表を決めるのに毎回紛糾するマラソンや柔道もそうですが、例えばアメリカのようにオリンピック最終選考会を開きそこで勝った人が代表になるという簡単なシステムを決めておけば、混乱も回避できるでしょうし世間も納得してくれると思うのですがいかがでしょうか。

「北京オリンピックを振り返って7 更なる発展を願って」

北京オリンピックで日本が獲得した金メダルは全部で9個。前回のアテネでは柔道だけで8個の金メダルを取りましたが、今回はその柔道も金メダルの量産は難しいと言うのが一般的な見方でしたので(結果は内柴選手、石井選手、谷本選手、上野選手が優勝して4個の金メダル)、全体としてまずまず日本選手団は健闘したといって良いと思うのです。

嬉しい誤算と言っても良い競技での日本選手の活躍も目立ちました。男子フェンシングフルーレ銀メダルの太田雄貴選手の活躍(実は、サーブルでは中国の仲満選手が金メダルを獲得しているので欧米勢は東洋の剣士にやられっ放しでした。)。体操男子個人総合銀メダルの内村航平選手は、ナショナルトレー二ングセンターでの記者会見では超強気発言を繰り返していたので初出場の選手がこんなに自信満々で良いのだろうかと心配したのですが、その自信はある種の確信だったのですねと思わせるほどの大活躍。女子バドミントンダブルスの末綱聡子、前田美順組は3位決定戦で敗れたものの、3回戦で世界ナンバーワンペアを破る大殊勲。「オグシオ」に圧倒的に傾注していたマスコミ陣にもっと競技そのものを見る目を持って下さいと注意を喚起するかのような奮闘振りでした。そして女子カヌーではメダルには手は届かなかったものの4位入賞で、今後に大きな期待を抱かせる胎動が始まっているようです。

ナショナルトレー二ングセンターが創設されたことは組織的な練習が可能になって一歩前進ですが、10年20年先を見据えた全体構想ががっちりと出来上がっているようではないのでまだまだ危なっかしいところが一杯です。体協も政治家というよりはスポーツに本当の理解と識見のある人を迎えて協力を仰ぐ必要があるのではと思います。日本のスポーツをどんな方向に目標を定めて進ませるのか、市民スポーツをどう育てて行くのか、はっきりとした展望を持っている人を中心に更なる躍進、発展を期待せずにはいられません。

「北京オリンピックを振り返って6 精神的なレベルアップが金メダルを掴む」

今回の北京オリンピックで日本選手団に関して特徴的だったのは、金メダルに輝いた人たちがアテネに続いて2連覇を飾ったケースが多かったということです。中でも、水泳男子100m、200m平泳ぎで共にアテネに続く2種目制覇の偉業達成の北島康介選手は4年間に人間がどのように成長していくのかを私たちに教えてくれる良き実例だと思います。

アテネで金メダルを取ったとき、インタビューに答えた喜びの声は、「超、気持ち良い」というものでした。それに対して、今回最初の100m平泳ぎで勝利を収めたときはマイクを向けられてもしばし沈黙があり、そして喜びの涙をタオルでゆっくり拭い一呼吸あって、「本当に嬉しいです」と言葉を繋ぎました。

アテネの時は勿論勝つだけの力も持っていましたが、本当の勝負の怖さまではまだ知らない若さのエネルギーが他の選手を圧倒したという印象もあったのです。それだけに、自分の気持ちだけを、ストレートに表現した言葉が「超、気持ち良い」というものだったと思います。

ところが今回のインタビューに対する答えにはこの4年間に体験した苦悩、辛さを反芻しながら自分自身の頑張り、苦境を越えてきた実感、そして自分を支えてくれた周囲への感謝、共に闘った他の選手たちへの気配りなど色々な要素が含まれていて、私には、とても好感の持てるインタビューでした。

アテネで頂点に立った後、もう一つはっきりとした目標設定ができないまま練習だけは続けるものの、調子を崩し焦れば焦るほど体も言うことを聞かなくなり、最大のライバルであるブレンダン・ハンセンに勝てなくなりもう駄目かもしれない、やめた方が良いのだろうか、という思いを持つほどまでになったそうです。でもそのポイントからの反発力が普通の人とは違うのですね。

名コーチ平井伯昌さんが北島選手のアスリート魂を刺激します。「北島の平泳ぎを完成させようよ」、自分を間違いのない方法論で導いてくれた平井コーチのその言葉にいつの間にか
北島選手は乗ってしまったようで、50mごとのストローク数をできる限り少なくしてエネルギーの消耗を減らし、大きな伸びやかな理想の泳ぎで距離の短い100mでも泳ぎ切ってレースに勝つこと、そこを目標に二人の鍛錬が始まりました。100mでは誰しも気持ちが急くのでストローク数が増え、腕の回転も速くなりがちですが、そこを慌てず大きな泳ぎでストローク数を減らして泳ぐには勇気が必要ですが、この子弟はその命題に取り組み、これこそ理想の泳ぎだという確信を持って北京に乗り込んできていたのでした。100mの予選を見た時ときにこれは北島の勝利間違いなしと確信しました。他の選手たちとは次元の違う泳ぎをしているということが見て取れたのです。

200mの決勝はさらに凄いものでした。スタートした時から、独りだけ大きなストロークで自分の平泳ぎはこういうものだということをアピールするように伸びやかな泳ぎを続け、他の選手との差をじりじりと広げていきました。北島選手の視界には他の選手は一切入ってこない感じで、独り無人の境地を行くというレースに見えました。他の選手たちは北島以外の選手たちと争うしかないというものでした。4年間のうちに圧倒的に他の選手たちとは違う領域にまでレベルアップを成し遂げた北島選手そして彼を支えた平井コーチ二人の努力に心からの拍手を送りました。

北島選手以外にも、柔道の内芝選手、谷本選手、上野選手、女子レスリングの吉田選手、伊調馨選手、がアテネと北京の2連覇を成し遂げました。皆北島選手と同じように挫折、怪我、精神的な悩みなどを乗り越えての2連覇で、それらは技術だけではなく人間としてのレベルアップがなければ辿り着けないゴールだったわけです。重厚味溢れる金メダリストが沢山誕生したオリンピックでした。

「北京オリンピックを振り返って5 勝敗を決める戦略」

北京オリンピックで期待に応えられなかった種目の一つが野球でした。

星野監督は監督就任会見で「金メダルしか要らない」と述べて国民の期待感を煽ったのですから、例え簡単に金メダルを取れるとは思わなかったとしても、実際には金メダルに近付く闘いをしてくれるに違いないと考えた人が多かったのは無理からぬところでしよう。

日本チームの準備は念入りだったと聞いていました。外国チームの取材、情報収集には多くの人員を投入し出来る限りのデータを集めたようでした。勿論情報戦で後れを取るようでは話になりませんので、これは当然と言っても良いでしょう。更に監督首脳陣もどんどん海外に出ることによって外国チームの視察、戦力分析を徹底したと聞いていました。今までに無かったほどお金をかけて準備をしたわけですから、関係者の期待も大きくなったのも分かります。

ただ、星野氏、山本氏、田淵氏、で構成した首脳陣には当初から疑問の声が上がっていました。と言うのも3名とも六大学時代の同期生であり、プロに入ってからも親交の深い友人同士の組み合わせなので、「それぞれの役割分担がはっきりしたトリオではないではないか」「友達同士だけで本当に大丈夫なのか」という指摘が出てきても全く不思議ではなかったのです。

もっと深い突っ込みを入れる人からは「闘いには絶対に作戦参謀が必要なのにこれでは参謀不在であり、真っ当な闘いができないのではないか」と心配の声が上がっていました。でも、何時の間にかそうした懸念の声はかき消され、北京オリンピックへと進んでいきました。

予選リーグ戦の日本対韓国戦を取材に行ったのが8月16日です。この試合は緊張感のある投手戦で6回表まで0-0のまま、試合は進み、6回裏調子が中々上がってこなかった新井が韓国の先発金の投球を捉えて先制2ランを放ちました。ベンチの気勢も一気に上がったはずです。日本の先発和田は丁寧で時に大胆な攻めのピッチングで6回までは文句なしの投球でしたが7回には上位打線と対するので交代のタイミングが問題と誰もが考えていたに違いないのです。

しかしベンチは和田に続投を命じました。すると矢張り限界が来ていたのでしょうか、先頭打者にフォアボールを与えてしまいました。それでもベンチの指示は続投、そして李大浩に粘られた末度肝を抜かれるようなライナーの同点ホームランを打たれてしまったのです。

折角苦労しながら勝ちパターンに持ち込めそうだったのに、打つべき手を打たずに一転して韓国に勝利の流れを与えてしまう形になってしまいました。その後はもう皆さん御記憶の通り、9回には、前打席大ホームランの李大浩に送りバントを許したり、岩瀬が連打を浴びてプッシュバントを決められ阿部が無用の2塁悪送球をしたりするなど、乱れに乱れて自滅。反撃も及ばず、6-3で敗れたのでした。

後で明らかになったのですが、和田には6回まで頼むという指示があったそうですが、投球内容が余りにも良かったので、急遽7回もマウンドに行ってくれという監督からの要請があったということです。極度の緊張感の中で投げ続けた和田にはもう限界だったでしょうし、6回まで兎に角頑張り通せば良いのだと信じて投げ続けた精神状況に更に7回も行けというのは余りにも酷だったでしょう。

こうした継投策にも9回裏1点を返して尚、無死2、3塁のチャンスに何の策講じられず、相手を苦しめられないままゲームセットに至りました。一方の韓国ベンチは継投策も実に細かく5人の投手を使い、攻撃の面でも実に緻密な戦術を駆使して頑張り、明らかに両チームの間にはベンチワークに決定的な差があることが見えてしまいました。矢張り心配されていた作戦参謀の不在が露わになったということです。終わってみれば4位、上位3チームに対し、0勝5敗という成績が日本チームの弱点を物語っており、全ての闘いには戦略がなければならず、良き作戦参謀無しには、勝利への道筋は作れないということを改めて教えられた北京オリンピックでした。

「北京オリンピックを振り返って4 勝負の面白さ」

8月15日、ソフトボールの日本対アメリカ戦を取材に行きました。

悲願となっている金メダルを取るためには、アメリカの壁を越えなければ現実のものとはなりえません。ソフトボールがオリンピックの正式種目となったアトランタ大会からシドニー、アテネと全てアメリカが優勝。日本は4位、2位、3位と善戦すれども頂点に立てないままで終わっているのです。中でも口惜しかったのはシドニー大会で、予選リーグ戦7戦全勝でトップに立っていながら、予選4勝3敗で4位から這い上がってきたアメリカに決勝戦で敗れ金メダルを逃したことです。それだけに、今回の北京を最後にオリンピック種目から外れることになっているソフトボール関係者にとっては、何としても金メダルで締めくくりたいという思いが強く働いていたと思います。

今大会、ライバルの一つであるオーストラリアを初戦で接戦ながら下して順調なスタートを切った日本はここまで3戦負け無し。一方、アメリカも2勝0敗でこの日の試合に至りました。この大事なアメリカ戦に斎藤監督はどんな作戦で臨むのかとても興味がありました。ところがいざ先発メンバーが発表されると、ピッチャーはエースの上野ではなくベテラン江本だったのです。驚きました。と言うのも、未だ予選リーグ戦の途中ですからこの試合に勝つことだけが大事というわけではないのですが、大切なことは随所に日本は侮れないぞ、意外にしぶとい面を持っているぞ、といった印象を相手に与える必要があると私は考えていたからです。ということは、この試合に全力を投入して勝利を得ようというよりは、アメリカチームの力を量ることに狙いを絞ったのでしょうか。

さて、試合が始まってみると、江本投手のボールに威力が無く立ち上がりからホームランを交えメッタ打ちにされて1アウトも取れずに4点を奪われてマウンドを降りる始末。代わった染谷もアメリカの勢いを止めることができず2本のホームランを浴び5回コールド7-0で敗れてしまいました。

残念ながら日本の良さは全く見られないまま終わってしまいました。納得がいかないまま試合後の会見にも出席しました。そこで斎藤監督に「今日は勝ちに行こうとしたわけではなかったのですね。相手の戦力を見るという狙いだったのですね」と聞いたのですが、監督は「長丁場の戦いが続きますので、今日は継投策で臨みました。思い通りには行かないことが多いのでその辺りはご理解下さい」という含みのある答えを返してくれました。

しかし、どう考えても何ら見所のない今日の試合は今後にも良い影響を与えないだろうなととても心配になってしまいました。

その後、踏ん張った日本はアメリカ以外には強さを発揮して2位で予選を終え、1位のアメリカと決勝進出をかけて戦うことになりました。
(*ソフトボールはページ方式と呼ばれる独特の順位決定戦を行うことになっています。分かり易く言えば予選の1位と2位が試合を行い勝ったチームは決勝進出で銀メダル以上が確定。負けた方は、3位と4位のチームの戦いの勝者と対戦して、勝てば決勝戦に進むことができ、負ければ銅メダルが確定するというシステムになっています。)

さて20日、午前に行われたアメリカとの試合ですが、エース上野が良く投げ7回を終わって1-0のまま延長戦に、タイブレークの末9回に打たれて、4-1で涙を呑みました。日本は3位で予選を終え4位との対決を制したオーストラリアとこの日の夜決勝進出を賭けて試合をしなければなりません。既に日本に勝っているアメリカは翌日の決勝に臨むだけです。しかし圧倒的に不利な条件の中に身を置いた日本がここから快進撃を始めるようになるとは誰が想像したでしょうか。続くオーストラリア戦も延長12回まで戦う苦しい試合を乗り切って勝ち念願の決勝戦進出を決めました。上野投手はこの日の2試合で21イニングス(3試合分に相当)318球を投げ抜いたのでした。

そして翌日の決勝戦。上野投手は疲れているのは間違いなく、悪くすれば早い回でアメリカの強打線にノックアウトされるかもしれない、つまりアメリカ有利と多くの目には映っていたはずです。余裕を持って決勝戦に臨んだアメリカからしても、予選で粉砕した余り強さの見えなかった日本、その上にエース上野が疲れていて万全で無いとしたらもうこれはこちらのものだという思いが走っていたのではないでしょうか。

でも、勝負というのは本当に分からないものです。上野を中心に一丸となった日本チームには勝負の神様が付いたとしか言いようのない試合展開となりました。先取得点は日本、更に山田のホームランまで出てアメリカを圧倒。疲労の極にあるはずの上野は全く危なげのない冷静沈着な様子で、相手バッターの狙いを読みきって許した得点はブストス選手のホームランによる1点だけ。結局3-1で遂に夢にまで見た金メダルを日本にもたらしたのでした。総合力では劣っていてもチームが本当に一つになれば、その総合力で勝っているチームに勝つことがあるということを教えられました。

勿論、日本チームに最高の結束力を生み出したのは2日間で28イニングス(4試合分)413球を、肉体の疲労を乗り越えて最後まで明るい表情で楽しみながら投げているかのように
投げ続けた、上野投手その人です。そして他の選手たちも精神的なレベルは上野投手に負けないくらい高揚していて一丸となれたのだと感じられました。

予選リーグ戦でのアメリカ戦は私個人としては今でも失敗だったと考えていますが、でも日本の力量が全く読み取れず、結果としてはそれほど警戒を要するとは思えないとアメリカに思わせた点で結果的には良かったと言えるでしょう。それにしても、アメリカとは何度やっても簡単に日本が勝てるとは思えませんが、オリンピックの決勝戦でこういうことが起きてしまうのですから勝負はやってみなければ分からない。だから勝負は面白いのです。

「北京オリンピックを振り返って3 たとえアウェイでも」

今回の北京オリンピックで目立ったのは、地元中国選手への応援の熱烈さでした。自国の選手に声援を送るのは当然のことですが、応援の一致団結振り、応援する声のボリュームの大きさ、その持続力など日本人のエネルギーを遥かに超える凄さでした。

「ジャーヨウ!ジャーヨウ!ジャーヨウ!」(加油!加油!加油!「力一杯頑張れの意味を持つ応援の言葉」)という声が会場の隅から隅まで響き渡り他の音は全てかき消されてしまいます。と言うことは今回51個の金メダルを含め100個のメダルを中国は取ったので、あちこちの会場で凄まじいジャーヨウコールが湧き上がったことになります。中国の選手と対戦した他の国の選手たちは大変なアウェイ感を持ちながら戦ったということになります。

8月16日、女子レスリング55kg級の試合に臨んだ吉田沙保里選手の1回戦、2回戦、そして準決勝までの戦いぶりを、北京のテレビ東京のスタジオで試合会場の中国農業大学からの中継映像を交え日本に生放送しました。金メダルに最も近い選手と言われていた吉田選手ですが、1回戦、2回戦は序盤の動きに本来の鋭さが見られず、これだけのレベルの選手にも多少なりとも連覇への重圧があるのだろうかと感じたものです。

ところが、私たちの生放送の最後の準決勝ではカナダの強豪バービーク選手を吉田本来のレスリングで圧倒して決勝進出を決めてくれました。冷静に考えてみると、1回戦、2回戦は相手の力量なども十分に考えて、自らがミスをすることがないよう細心の注意を払って相手を上手に処理するという戦いを展開しただけで、特に何かで苦しんでいたわけではなかったのです。そして生放送を終えて、私たちは吉田選手の応援に試合会場に出向きました。決勝の対戦相手は何と地元中国の新鋭許莉選手でした。

対戦前の私の予想では、力量においてもキャリアにおいても何処を比べても吉田圧倒的優勢と感じていましたが、問題は会場の99%が熱烈加油コールに包まれてしまうことです。それによって若い許莉選手が本来の力以上のものを発揮したら意外に許莉選手善戦ということもあり得るのかなという感じもしてきました。

3位決定戦が終わって、吉田選手と許莉選手がリングに上がった瞬間から館内は耳をつんざくばかりの許莉選手を応援する加油コールが湧き上がりました。新鋭の許莉選手も声援に後押しされるように吉田選手に良く食い下がって第1ピリオド終了。

館内の大音声の加油コールの中、第2ピリオドは開始早々から吉田選手の動きが鋭さを増してきました。元日本チャンピオンだったレスリングの師である父栄勝さんをしても沙保里のタックルだけは飛び込んでくるタイミングを察知することは誰にもできないと言わしめた、吉田選手の猛烈に素早いタックル。まるで、カメレオンが一発で獲物を舌に巻き込むような感じだと言われた吉田のタックルがついに許莉選手の右足を捉えました。本当に見事な片足タックルで、すぐさまバックに回り腕を取ってあっという間のフォール勝ちとなりました。

あまりの素早さに中国の応援団は呆気にとられ瞬間言葉を失い、館内で一体何が起きたのだという驚きが支配して、音が無くなりあれだけ熱狂の大音声につつまれていた体育館に何秒間かの静寂が訪れたのです。正直中国の人たちも吉田選手の強さに呆れ、舌を巻いて黙るしかなかったというようでした。これほどのアウェイの状況の中で自分の力をきっちり出し切った吉田選手に私自身頭が下がりました。そして涙が滲んでくるのを感じました。

表彰式では中国の人たちも圧倒的な強さの吉田選手に拍手を送っていました。銀メダルの許莉選手にも私は健闘を称えて一際大きな拍手を送りました。すると、1列前の中国の若者が振り返って、「中国の選手に大きな拍手を送ってくれて有難う」とにっこり微笑みながら声を掛けてくれたのです。些細なことでしたが一人の日本人と一人の中国人の間に僅かばかりの心の交流が生まれた感じがして嬉しかったです。

「北京オリンピックを振り返って2 鳥の巣スタジアム」

北京オリンピックを象徴するものの代表は何といっても鳥の巣スタジアム(国家体育場)です。オリンピックが始まる前からその特徴のある佇まいは何かと注目されていました。私自身も構造的にどんな具合になっていて、機能的にはどのようなメリットがあるのかなど大変興味を覚えていましたので、入場するのが楽しみでなりませんでした。

フォルツォークとド・ムーロンというスイス人の高名な建築家が創ったということは聞いていましたが、建造物というものは例え形態的に美しくても得てして機能的には問題を抱えていることが多く、一見不思議な感じのこのスタジアムも果たして如何程のものだろうかと素人ながら少しばかり疑問を持ちながらスタジアムへ向いました。

私たちのホテルから何となく目と鼻の先にあるような感じでいたのですが、歩いてみると中々鳥の巣へ近づきません。スケールが大きい建物なので近くにあるように感じられますが、実は結構な距離があるのです。漸く辿り着くと、おそらく中国各地からやってきた人たちが親子連れ、カップル、そして仲間同志と、鳥の巣スタジアムを背景に笑顔で記念写真を何枚も何枚も撮り続けていました。ふと東京オリンピックが行われた44年前を思い起こして、私たち日本人もそうだったなと彼らの気持ちがとても良く判るような気がしたものです。

広いスタジアムをぐるり半周して報道関係者入口から中に入り、2階記者席に腰を下ろして場内を見渡すと、「何という素晴らしい競技場なんだ。これは凄い」。3階席まで超満員。9万1千人の観衆が見つめるトラック、フィールドの美しさ歓声の響き具合、何処を取っても一見したところでは欠点らしきものは何も感じられませんでした。今まで見たことのない豪華で格調のあるスタジアムに私は完全に魅了されてしまったのです。

さて陸上競技の初日トラックとフィールドで次々に予選が行われて行きます。
注目の男子100m第2予選では注目のウサイン・ボルト選手(ジャマイカ)が走りました、スタートの反応速度は8人中7番目でしたが、30m付近からの加速は圧倒的で、50m付近では先頭に立ち、80m辺りでスピードを緩め横を見ながらのゴールイン。タイムを見てびっくり、9秒92なのです。明らかに8分の力で走ってこのタイム。何というランナーなのでしょうか。100mは本格的に取り組んでから長い時間が立ったわけではないというから驚きです。この時点で決勝でのボルトの勝利は固いものに見えました。ライバルのパウエルもゲイも存在そのものが霞んで見えました。

また、400m障害予選の日本勢為末選手、成迫選手の走りも見ることができました。成迫選手には昨年ほどの切れがなく、為末選手も持っている力を全部ぶつけてレースに臨みましたが、両者とも予選を通過するだけの力は残っていませんでした。二人のレースは私たちの目の前からスタートしていくだけに、応援に力が入りましたが残念でした。

女子の7種競技、3000m障害、円盤投げ、10000mなどプログラム通り行われたこの日、何時までもこのスタジアムで楽しんでいたいなという気分でしたが、翌日の放送の打ち合わせもあったため思いを残して鳥の巣スタジアムを後にしました。

勿論このスタジアムもさまざまな問題を抱えています。蔦が絡まる文様になっている鳥の巣は鉄でできた競技場です。ということは錆び止めなどの補修だけで毎年何億円、否それ以上の費用がかかると言われています。これだけの立派なスタジアムをどんな催しにどれくらい有効に使い続けることができるか問題は山積しています。長い時間が経過したときに間違っても本当の鳥の巣にならないよう、素晴らしいスタジアムであり続けることを祈りたいと思います。

「北京オリンピックを振り返って1 開会式」

テレビ東京の「北京オリンピック2008」放送のため8月10日から18日まで北京に行っていましたが、IOCのよる制約もあり期間中は写真の使用も含めブログが書けませんでした。そこで閉幕から一週間を経過した今、オリンピックを振り返って総括的な印象論を綴ってみたいと思います。もっとも滞在は僅かわずか9日でしたので余り細かいところまでは触れられませんが。

開会式はまだ出発前でしたので自宅のテレビで視聴しました。中国の長い歴史を動く絵巻物で表現するという手法が新鮮で人員の凄さ、彩りの鮮やかさ、コンピュータを連想させる点滅するボードなど、それまでの開会式がせいぜい3次元の表現に留まっていたのに対し、正しく4次元の世界に私たちを誘うスケール感が見ている人たちを圧倒したことは間違いないと思います。このオリンピックのために中国政府は4兆円以上のお金をかけたというのですからその圧倒的なスケールは彼らから見れば当然という感じではないでしょうか。

総合演出を担当したチャン・イー・モウ監督の仕事ぶりは、構成力、演出力、統合力どれを取っても素晴らしく、スピルバーグ監督が辞退して責任を負う形になったとはいえ、チャン・イー・モウだからこそできた演出ではなかったでしょうか。歌を歌った美少女が口パクだったとか、CGが多用されていたとか幾つかの批判も出ていますが、それは演出の範囲内のことであって然程問題にするほどのことでもないと思います。勿論もっとコンパクトなものにした方が良いなど色々な見方はあるでしょう。

でも恐らく、中国としては自国が現在如何に優れた水準にまで到達しているのかを何としても世界にアピールしたかったはずですからこのような手法をとらざるを得なかったのでしょう。それよりも問題だと感じたのは、204もの国と地域が参加しているので入場行進に時間がかかりすぎることです。テレビの視聴者も場内の観客も疲れ気味になってしまうのではないかと思いましたし、何よりもこれから競技を行う選手たちにも大変な負担になってしまうのでと心配までしてしまいました。各国ごとの入場行進の参加者をもっと絞って時間の短縮を図ることが急務だと私は思います。取り敢えず開会式は世界中に強烈なインパクトを与える効果があったと言えるでしょう。勿論開会式は中国の表の顔が見えただけで、中に潜むさまざまな問題は簡単には見えないようになっているとも言う向きもあります。(続く)

「松井秀喜選手の思い」

松井秀喜選手が膝の手術に踏み切るのかどうか注目されていましたが、手術はせずにリハビリを続けながら膝の回復を図り試合へ復帰する途を選んだとヤンキース球団が発表しました。

去年右膝の手術を担当したロデオ医師の診察を受けた上で結論を出すことになっていたそうで、ロデオ医師は現実に右膝を治療したこともあり、手術医の立場から左膝も手術した方が良いと勧めたようでした。一緒に立ち会ったキャッシュマンGMは、これで松井選手も手術に踏み切るだろうと考えながらヤンキースタジアムに帰って来て記者たちに発表する心算だったとのことです。ところが、念の為と思って松井選手に「どうする」と尋ねますと、意外にも「手術はしません。回復を待って試合に出てチームに貢献したいと思います」という返事が返ってきたということなのです。

ロデオ医師の所から球場に帰るまでのたった30分の間に松井選手の考えが変わったことにキャッシュマンGMは相当驚いたようです。そのため、記者発表時のGMのコメントには少し冷たいニュアンスが含まれていました。「彼はチームに貢献する途をえらんだ。しかし彼が復帰しても外野手として戻ることは無い。DHでホームランを打ってジョギングでホームに戻れれば良いのだが」

このコメントを見れば如何に松井選手の決断が彼にとって意外だったかが想像できます。残念なことに、もうヤンキース生活6年目になる松井選手の基本的な考え方がまだキャッシュマンGMには完全には理解してもらえていないのだなという気がします。

松井選手は、野球というのはチームスポーツであり、第一にチームが勝つことを目標に頑張らなければならない、そのために場合によっては自分を犠牲にすることも当然であるという考えを誰よりも強く持っている人です。そのためにこそホームラン狙いを捨て、その場その場の状況に合わせたチームバッティングを徹底してきました。できる限り試合に出てチームの勝利に繋げたいと力を尽くしてきたわけで、トーリ前監督などは松井選手と常に話し合いをして彼のそんな気持ちをしっかり汲み上げてくれ、人間としての松井選手に十分な敬意を払ってくれていたのです。

勿論GMとしての立場もありますから簡単には言い切れませんが、松井選手の考え方をもう少し理解していて欲しかったなと思います。

実は、タンパでバッティング練習を始めた時鋭い打球を飛ばしている、という二ュースが入って来ました。そこで、二ュースを聞いて嬉しいというメールを送った翌日、松井選手からは「折角良い感じで練習ができたと思ったのですが、また膝が腫れてきてしまいました。二ューヨークに戻って腫れが引くまで練習はストップします。手術はしません」というメールが届いていたので、今回の決断は当然のこと思ったのです。

GMもジラルディ監督も、トーリ前監督のように、本当に純粋にチームの為に貢献したいという松井選手の心の中の思いをもう少しだけ理解してくれると良いなと思いました。以前にも書きましたが松井選手は自分の体については極めて繊細な感覚を持っていて、自分で無理をして体を壊してしまうようなタイプではありません。膝の腫れまでは感知できませんでしたが、これはいわば誤差の範囲内みたいなものです。そのことに確信があればこその手術回避の判断だと私は思っています。

残された時間はそんなに沢山あるわけではありませんが、元気にグラウンドに戻ってきて、ヤンキースの優勝に松井選手が少しでも貢献できるように祈りたいものです。

「男子柔道日本代表選手 取材」

北京オリンピック関連の取材を続けていますが、今回は男子柔道です。

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ナショナルトレーニングセンターの柔道場に入ると広い、広い道場が目に入ります。試合用のラインが引かれたスペースが6面ゆったりと取られそれ以外のスペースでも稽古が十分に行えるように配慮されている素晴らしい道場です。そこに100人を超える黒帯の強化選手や全日本クラスの選手が加わってオリンピック代表選手と最後の合宿を行っているところでした。100人以上の選手群が一斉に動き出し、素早い動きで試合形式の稽古を行っている様は壮観としか言いようがありません。

それぞれのパートにコーチ陣が居てその場その場に応じた指導ができるようになっていて稽古が実に効率的に行えるのです。一寸遅すぎたという感じはありますが漸く格好の練習場が出来たなと思いました。

さて男子の代表選手は7人、60キロ級平岡拓晃選手、66キロ級内柴正人選手、73キロ級金丸雄介選手、81キロ級小野卓志選手、90キロ級泉浩選手、100キロ級鈴木桂治選手、100キロ超級石井慧選手というメンバーです。

アテネでは3つの金メダルを獲得した男子ですが今回はそう簡単には行かないだろうと見られています。絶対の強さを持った選手が居ないからどうしても強気の見通しが立て難いということでしょう。

重量級の泉、鈴木、石井の3選手は、金メダル以外は考えの中には無いと言い切っていました。その中では一時は柔道を止めようか、いや止めなければいけないのではないかとまで思ったという泉選手が闘争心を取り戻し、落ち着いた表情で北京への思いや見通しを語ってくれたのが特に印象に残りました。精神的に高いレベルに到達しているなと私には感じられました。

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後はどうしても私たちテレビ東京が担当する81キロ級の小野卓志選手が気になりました。間もなく第2子が誕生するということで北京に因んだ名前を考えているそうです。女の子なら京愛(けいな)か京夏(きょうか)のどちらかにしたいと話していました。子供たちの為にも頑張らなくてはというのは男にとっては結構大きなエネルギーになるものです。

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小野選手は代表権を獲得するまでが大変でした。4月に行われた韓国済州島でのアジア選手権で苦しみ抜いた末に優勝して代表権を手にしたのです。もし早々と負けていれば日本が初めて柔道で代表枠を失うことになったわけで、彼に掛かったプレッシャーは大変なものだったと思います。「考えてみればこれ以上は無いというくらいのピンチを次々に乗り越えて来たのだから怖いものは何も無いですよね。その気持ちで試合に臨んで下さい」と私が言いますと、小野選手は答えてくれました、「その通りです。その気持ちで頑張ります」と。代表選手の中ではイケメンの柔道家のその表情には確信に満ちた微笑がありました。このクラスは外国勢が強いので苦しい戦いを強いられるとは思いますが、タイトロープを渡って来た男の強さをみせて貰いたいものです。

「卓球日本代表選手取材」

北京オリンピック卓球日本代表チームを取材しました。

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男女共最後の合宿を行っている段階で練習を公開しインタビューにも応じるということで
取材陣も大集合となりました。

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男子代表は韓陽選手(29)、水谷隼選手(19)、岸川聖也選手(21)、に宮崎義仁監督(49)。そして女子代表は福原愛選手(19)、平野早矢香選手(23)、福岡春菜選手(24)、に近藤欽司監督(65)。男女ともに考えられる最高のメンバー編成ができた日本代表チームだと思います。

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今大会はアテネでは無かった団体戦が設けられ、日本にとってはメダルの可能性が出てきたことでチームのモチベーションは非常に高くなっています。と言うのも、ご存知のように世界選手権の団体戦では女子は4大会連続の銅メダル、男子も今年2月の中国広州大会で銅メダルを獲得しているという実績があるからです。

今回の北京では、団体戦ではシングルス2試合のあとダブルス1試合を行い、そのあとシングルス2試合で合計3試合を制した方が勝つという仕組みに成っています。そして3人の選手はシングルス2試合かシングルス1試合、ダブルス1試合の何れかに登場しなければなりません。試合が行われる順番から言っても、チーム全体に与える影響力から見てもダブルスの持つ意味が相当大きいことは明らかです。

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(水谷隼選手)

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(岸川聖也選手)

男子では水谷選手と岸川選手が組むことは決まっていますが同じスヴェンソンに所属し、二人ともドイツブンデスリーガでヨーロッパ勢と戦ってきたキャリアにも共通性が有り、コンビネーションはとても良くかなり高い確率で勝利の計算ができそうだと監督は強調していました。シングルスでは水谷選手の進境、成長が素晴らしくどの選手と当たっても勝てる確率が高まってきているので心強いと宮崎監督も胸を張ります。

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(韓陽選手)

もう一人の韓選手はマイペースを崩さないイメージを周囲にも与える選手でした。ところが出身地の中国でのオリンピックということもあり、日本に帰化はしたけれど自分が頑張っていることを中国の人々にも見て欲しいいと一念発起して、徹底的な走り込みで体を絞り、アルコール類も殆ど口にしなくなり、結果的に動きがシャープになりスタミナもついてきたそうです。監督は、韓選手は言われたことはきちんとやる素直な選手なんですと嬉しそうに話してくれました。

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(平野早矢香選手)

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(福岡春菜選手)

女子はシングルス全日本チャンピオンの平野選手が中核になっていて闘志の炎をめらめらと燃やす。福岡選手は表面的にはその闘志を内に秘めるタイプですが胸の中には何時も戦略や戦術が行き来するインサイドワーク派。そしてその二人を上手に繋ぐ心の柔軟性を豊かに有している福原愛選手という感じで、コンビネーションの良さはこれ以上望めない程素晴らしいものに思えました。鍵を握るダブルスは平野選手、福岡選手の可能性がもっとも強く福原選手、福岡選手の可能性もあるとのことです。

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(福原愛選手)

男女とも外国勢が非常に強い卓球ですが監督の思い通りにことが運んだとすれば、共にメダルの可能性は十分あると思えてきました。
彼らの奮闘振りは是非テレビ東京の放送をご覧下さい。

「日本ダービー」

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二年ぶりに日本ダービーを観戦しに東京競馬場に出かけました。


前日の雨が嘘のように素晴らしい天気になり悪化していた馬場コンディションが何処迄
回復するのかファンには予想の上でも大変気になるところでした。専門家達の指摘では完全な良馬場迄は回復しないだろうと言う声が多かったようです。


この日ダービー観戦に東京競馬場に集まった人はおよそ12万5千人、バブル時の平成2年のダービーの19万6517人に比べると少なくなりましたが私にはこの競馬場にとってはこれ位が適正規模の人数ではないかと感じられました。


一般の人には分かり辛いのですが競馬サークルで生活している人達にとってダービーは一年の中で特別な一日で、例えて言えば普通の人のお正月に相当するものです。競馬関係者の生活はダービーを中心に全てが回っていると言っていいでしょう。したがって馬主、調教師、騎手、厩務員達にとって最大の目標はダービーを制覇することなのです。


かつて騎手時代スピードシンボリ等で大活躍した野平祐二さん(故人)はダービーだけは縁がなく4着が最高の成績でした。イギリスやフランスで競馬関係者と話をする度に彼等がダービージョッキーと向き合った途端に襟を正すのを見てつくづく自分がダービーに勝てなかったことをとても寂しく感じたと語ったことがあります。調教師になってからはシンボリルドルフを三冠馬に仕立てあげた人でさえ、騎手時代にダービーを勝てなかったことを悔やんでいたところにもダービーに対する思いの強さが感じられます。


そしてダービーが終わると新たに2歳馬達がデビューし始めます。つまり来年のダービーを目指してサークル全体が動き出すのです。と説明すれば、ダービーの日が競馬界のお正月だということがお分かり頂けるでしょう。


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さて肝心のレースではディープスカイが直線で一気のゴボウ抜きで優勝、関係者は歓喜の
涙に包まれたということです。ディープスカイの勝利が素晴らしいと思うのは競馬界全体がシステム化され大規模な牧場でなければ存続が難しい状況で、笠松牧場という小さな牧場で生産されたサラブレッドが何と8000頭余りの頂点に立ったことです。規模の小さい牧場がどんどん淘汰され廃業する農家が多い中同業の人達に希望の灯を灯す勇気を与える快挙だったと言えるでしょう。


馬券は当たりませんでしたが牧場及び関係者の皆様に心から祝福の言葉を送りたいと思います。

「松井秀喜選手の好調の理由は」

ニューヨーク・ヤンキースは現在、アメリカンリーグ東地区で下位に低迷し、勝率5割を確保するのもやっとという感じです。

しかし、その中にあって独り松井秀喜選手は開幕から非常にコンスタントにヒットを打ち続け、大リーグ挑戦6年目の今年は4月、5月に関して言えば最高の成績を収めています。

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好調の理由はいくつか挙げることができますが、第一に誰もが言うように結婚して家庭を持ったことが大きいと思います。これまでは外食が多かった訳ですが、奥様が松井選手のコンディションなど色々考えて料理を作ってくれるそうですし、何より料理の腕前が見事でとても美味しいとのこと、これは最高ですね。何を食べるか自分で思案する必要がなくなった訳でその上、同時に彼を支える会話がテーブルをはさんで交わされている様子が目に浮かびます。思えば結婚発表直前でしたが私とのインタビューの中で自分の好みのタイプは日本的で控え目な人、それでいて自分をきちんと支えてくれる人だと明言していました。結婚によって自分にとって全てが整い、家庭が明日へのエネルギーを再生産する母港となったのだと思います。

第二に大リーグ六年目の今年、バッターとしてある種の集大成的な答を出したいという意気込みも好調の理由になっていると思います。対話の中でバッターとして最も大切なことは打率3割を超えることですと彼は断言しました。この二ヶ月のバッティングを見ていると何よりもヒットを打って出塁すること、何処まで幅のある打撃ができるのか自分として答えを出したいと考えているように思えます。

第三に、どんな重圧でも撥ね退ける偉大な力を松井選手が持っていることも大きいと思います。キャンプ入りをする直前の彼のランニングはちょっと痛々しい感じがする程、手術した右ヒザを庇ってのものでした。正直これで開幕に間に合うのだろうかと私もとても不安を覚えたものです。元気な時を仮に100としたらその時は60位という感じでした。しかしそれからの日々、毎日毎日自分自身で入念にチェックしながら、本当に少しずつ少しずつコンディションを整えていき、遂に開幕戦は8番DHとスタメン入りを果たしたのでした。スタメン入りを知った時、この人は本当にとても慎重な努力家だなと感服しました。

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いつも傍でサポートしているN.Yヤンキース広岡勲広報担当は「松井選手は熱くなりすぎてペースを上げ過ぎて自分を壊してしまうようなタイプの人間ではありません、自分の体についてはとても神経質な男です。彼を信頼しています」と語っていたことを思い出します。自分の体のことを良く知り、そして気を配った上で実に計画的に回復を図って、それをやり遂げた。そもそも今年は最悪の年。レギュラーすら保証されていないと言われていましたが、その逆境を見事に覆す大きな力を持っていたことを物語っていると思います。

第四に彼の人間性に惹かれる人達が多く、心からの励ましを送ってくれていたことも大きかったと思っています。キャンプ地のフロリダ・タンパでは男性も女性も大人も子供も列を作って松井選手にサインを求めていました。丁寧にサインをする彼にアメリカのファンから「アリガトウ マツイ」、「ガンバッテ マツイ」という日本語の声援が沢山飛んでいました。ある女性ファンは「一昨年左手首を骨折した時、松井選手はファンに向って『皆さんに心配や迷惑をかけて本当に申し訳ありません』と謝罪したのよ、こんな選手は今迄一人もいなかった。松井選手は本当に素晴しい。人間として最高だと思う」と話してくれました。

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これ程までも人間性を評価されている日本人が他にいるだろうかと思うと、胸の中に熱いものがこみ上げてきたものです。そんなファンの声に今年こそ応えなければならないと彼の胸の中にはそんな思いもしっかり築かれているのだと思います。今年は今迄とは違う、そんな松井選手の今後を温かく見守りたいと思っています。

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