2021年3月の記事

東日本大震災から10年

あれから今日で10年が経つのですね。
当時記者だった私は震災後、被災地の岩手県陸前高田市に行き、いろんな方のお話を伺わせていただきました。

中でも印象的だったのが「生きていても地獄」と話していたお母さん。
私と同じ年の息子さんが、消防団をしていて、避難を呼びかけに行きそのまま津波に巻き込まれてしまいました。

電気の通らない避難所で、皆さんで肩を寄せ合い、ろうそくの火を囲んでいた姿、
まだご遺体の見つからない家族がいるからと、ご位牌も避難所には持ち込まず、そっと車の中に毎日手を合わせに行っていた姿、すごく心に残っています。

そのお母さんとの出会いもあって、私にも何か少しでもできることがあればと、そのあと休暇のたびに陸前高田市にボランティアで行っていました。

被災地には震災から何ヶ月経っても屋根の上に車や大きな船が乗っている、天地がひっくり返ったような光景が広がっていました。
被害の大きさをその都度感じながら、少しずつ少しずつ片付けや炊き出しなどをさせていただきました。

東北の皆さんは本当に我慢強くて優しくて、そのような状況でもまわりの方にいつでも気を配っていて、こちらが温かい気持ちになることばかりでした。

高校生の時に、阪神淡路大震災のボランティアにも行ったのですが、被災しても明るく私たちを笑わせてくれるような方達もいて、関西の方の力強さを感じました。

東北の方々とはとても対照的でしたが、どちらに伺った時もこういうつらい場面でこそ、日本の強さ、誇りを感じざるを得ませんでした。

最近はなかなか東北の被災地に伺えていないのですが、またコロナの状況など落ち着いたらお母さんのお顔を見に伺えたらなと思います。

被災された皆さんに、これからもどうか少しでも心の安らぎが広がりますように、毎年想いを寄せています。

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