東日本大震災から10年

先日の3月11日で東日本大震災から10年経ちました。

もう10年か。と思ってしまいますが、風化させてはいけないことだと思います。

ただ、私自身は東日本大震災の大きな揺れの恐ろしさを知らないのです。
と言うのは、当時まだ現役だった自分は恒例の海外合宿のためシンガポールにいました。
花粉症が持病であり、それを避けるためにかの地にいたのです。

その日、震災のことをまだ知らぬまま午後の練習に向かうとシンガポールの友人やジムの方々が、
「翔は大丈夫かい?」
と心配した表情で声をかけてきました。

至って元気であるものの、練習での疲労が蓄積されていたため、
「元気だけど少し疲れているよ」
と答えましたが、
「そうじゃない!君の家族だ!」
と言うのです。

彼らの言っている意味がよく分からなかったものの、
練習前のストレッチと準備運動を行うためジムに向かいました。
すると中にいた人たちが動きを止めテレビに夢中になっているのです。

翔「何かあったの?」
ジムスタッフ「MIYAGI,JAPANは知っているかい?」
翔「知っているよ?どうしたの?」
ジムスタッフ「大きな地震が起きたらしい」

ふとテレビに視線をやると、その映像は今まで見たことがないものでした。
テレビの端には確かに『MIYAGI,JAPAN』とあり、見るのにはあまりにも辛い映像が流れていました。

この時点でようやく事の重大さに気付きました。

今でこそスマートフォンやネットワーク環境の普及は当たり前の時代となっていますが、10年前はまだ特定の場所でなければ最新の情報を瞬時に得られない時代でした。
従って大地震のニュースもジムに到着してはじめて知ることになったのです。

慌てて実家に連絡を入れても勿論携帯は通じなくなっており、家族の安否もつかめませんでした。
連絡がとれたのは練習後です。
父から「地震があった。こちらは無事。安心して練習に励むこと!」とメールが入っていたので、安心したことを今でも覚えています。

たくさんの命が地震によって奪われました。私の大切な友人も命を落としました。
会えばいつもたわいもないことを話したりしていた友人です。

思い立って原稿を書いたのは、10年という節目を迎えたこともありますが、
実は友人が夢に出てきて
「おい!人生サボってんなよ!」
という何ともリアルな夢をみたからなのです。
霊的なものを感じやすいタイプではないのですが、その友人が夢に出てきて刺激ある言葉を発して帰って行ったことは何かあるのでないかと思いました。

昨年来、新型コロナウイルスの影響で世界中がパニックとなりました。
しかし今ではワクチンが開発され、明るい兆しが見られています。

ピンチはチャンスと言いますが、このピンチこそがこれからの世界及び日本のイノベーションを進展させるきっかけとなるだろうと信じています。

下は向かない。
前を向こう!

Smile
Sho Uchida