2021年9月の記事

「プラカードベアラーとして②」

「当日は絶対泣くだろうな」

プラカードベアラーに決まってから、プラカードを持って選手団を引率する自分の姿をほぼ毎日のように想像していました。

選手として参加した北京オリンピックの時は選手村のテレビでオリンピックが始まる瞬間である開会式を見ていました。
テレビでその様子を視聴していただけでも、夢であるオリンピックに参加できた喜びを感じられたため涙がにじみ出てきたため
会場にいる今回は涙がもっと溢れてくることを予期しておりました。

さて、開会式当日、衣装に着替え、会場控え場所にて出番を待ちます。
リハーサルの時とは別の緊張感と興奮が周囲に漂っています。
関係者スタッフ、エキストラの方々、プラカードベアラーの仲間たち、全員が興奮していました。
リハーサルとは異なり、アスリートが目の前で、雄叫びをあげたり、母国の国家を歌っているので、興奮するなと言う方が難しい雰囲気でした。

開会式が始まるその瞬間こそ、会場ではテレビでは見ること、感じるができない格別の臨場感が襲ってきました。
今、思い返すだけでも興奮します。

そしてプラカードベアラーとしての登場が近づいてきます。

入場の順番は、開催国によって異なります。
今回開催国である日本の入場は、五十音順での入場です!
ただし、最初に入場する国は必ず、オリンピック発祥の国ギリシャです。
その後、五十音順で各国の入場となり、
最後は次々回の開催国アメリカ(2028年)、次回の開催国フランス(2024年)
そして締め括りはもちろん開催国日本です。

今回話題となったのは、入場曲がドラゴンクエストの「序曲」だったことです。
開会式のコンセプトはクールジャパン、日本らしさを世界に発信できたのではないでしょうか。
私たちが持つプラカードも漫画の吹き出し風をモチーフにしたデザインとなっていました。

ドラゴンクエストの序曲が流れて、ギリシャが入場。

さぁ、選手と共に入場です!!!

眼前で繰り広げられた風景は次回お送りします!

Smile

Sho Uchida

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「プラカードベアラーとして①」

一年の延期を強いられたものの、東京オリンピック・パラリンピックは無事開催されたことは多くの方にとって感慨深いものがあったかと思います。

閉幕して少し時間が経過しましたが、私自身が今回の五輪にどう関わってきたのかについて3回に分けてお伝えします。

お気づきになった方もいらっしゃるかもしれませんが、今回のオリンピック開会式で『プラカードベアラー』を務めました。
あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、プラカードを持って各国の選手団を引率する担い手をそのように呼びます。
合計50名のプラカードベアラーがそれぞれ数か国を担当するのですが、私は4カ国(①英領バージン諸島②スイス③パレスチナ④ルーマニア)の引率役を任じられました。

実はオリンピックの選手として参加した2008年の北京五輪では開会式に参加できなかったのです。
私の出場種目である競泳は開会式翌日から始まるため、競泳チームは体力温存のため開会式を欠席せざるを得なかったのが理由です。
一選手としては参加したい気持ちもありましたが、欠席自体は賢明な判断でした。

そのような経緯もあったので、今回プラカードベアラーとして選んでいただいたときは、ようやく「開会式」に参加することができるという感激に浸ることができました。
オリンピックが始まる瞬間というのはオリンピアンとしてはやはり格別な思いがあります。

新型コロナウイルス対策のため、7/23の開会式1週間前から、都内のホテルにて隔離が始まりました。

当日までは、プラカードベアラーとしての役割を果たすべく、共生社会具現化のための、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の研修や、LGBTQ+の世界を知るための講演の受講、多様性な社会を創造するためのワークショップ、開会式会場でのリハーサルを経て開会式当日を迎えます。

次回は、当日のことをお話ししますね!

Smile
Sho Uchida

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