- 2010年8月31日 10:36
- 日々の思い
高齢者の所在不明問題は当初予想した通りどんどん広がって、とうとう200歳の人が戸籍上は生存していることになっているという、もう笑えないレベルの話になってきました。100歳以上の人だと自治体によっては1000人規模で不明者が存在するということなので、日本が世界最高の長寿国というのはとんでもない作り話だということになります。他国の指摘通りになってしまいました。
確かに戸籍法は、①同居の家族、②同居している人、③大家さんか地主がある人物が死亡した時それを知ってから一週間以内に届けなければならないと規定しています。そしてもしそれを怠った場合過料(あやまちりょう)を取られることになっています。かつては大きな問題は起きずに経過してきましたが、核家族化、家族間の連帯の希薄化、高齢化、地域コミュニティーの崩壊、ホームレスになる人の増加など社会状況の大きな変化が生まれ、人の死に対する認識が希薄になり、戸籍法の拘束力があまり意味を持たなくなってきたせいでしょうか、結果としてこのような事態を生みだしています。
また、戸籍担当の人たちの自身の職務への態度がここまで事態を悪化させたと言われても致し方ありません。それが証拠に各地で問題が出て来たときに、他の場所でも調べてみたらあっという間に驚くべき多数の所在不明者がいることが判明しました。つまり日常業務の中で放置されていたということです。
罰則が無いから致し方ないと考える向きもいますが、私は賛同しません。現行の法律でも自分に与えられた権限を最大限に使って仕事をしていけば、ここまでの失態はなかったはずです。15年前オウム真理教からサティアンの建築申請が出されたときに、上九一色村の担当者が実際に建築基準法をもとに施設内に入って十分な精査を行っていればサリン精製施設を作られることは無かったと思われます。その時その時ででき得る最大限の職務というのをそれぞれの担当者はもう一度きちんと考えてみる必要があると私は確信しています。
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