- 2010年1月13日 15:04
- スポーツ
40年以上競馬を見続けてきてこんなに大きな落馬事故は初めてのことでした。
去る11日、中山競馬場で行われた第4レースの新馬戦でその事故は起きました。(私は自宅でグリーンチャンネルの放送を観ていました)三浦皇成騎手のノボプロジェクト号が先頭で4コーナーを回ろうとしたとき、左の後肢が外側に流れお尻も外側にブルンと振れました。その瞬間一気に追い上げを図ろうとしてすぐ後ろに迫っていた勝浦騎手のフォルメン号とノボプロジェクト号のお尻が接触してフォルメン号が転倒。各馬が密集してスピードを上げてラストスパートに移ろうとしていたため、この落馬をきっかけに出走馬が次々にバランスを崩し、落馬した馬たちに接触してさらに落馬が相次ぎ、合わせて16頭中9頭が落馬するという前代未聞の事故になってしまいました。
その瞬間、騎手たちは、そしてこれがデビュー戦だった馬たちは大丈夫なのだろうか。大怪我をした騎手はいないのか、はたまた競走能力を喪失した馬はいないのか、そうしたことが気にかかってずっと情報を待ちましたが、すぐには詳しい情報は伝えられませんでした。良く考えてみるとこの間、舞台裏では9人の騎手たちの身体チェックが行われ、9頭の馬たちの馬体チェックが慎重かつ入念に行われており、後のレースに騎乗できなくなった騎手については別の騎手に騎乗依頼をしなくてはならず、その全てを情報としてまとめて放送するには大変な時間がかかるのは当然のことでした。
結果的にはお昼休みを挟む時間でもあったため、次の第5レースの開始が予定よりも15分遅れただけで、JRAの事後処理はとてもスムーズに行われた感じです。そして9人の騎手の中で、去年のリーデイングジョッキー内田博之騎手だけ左腕骨折の負傷となったのは残念でしたが、他の騎手たちは擦り傷や打撲などの怪我をしたものの大怪我には至らず、さらにデビュー戦で落馬という怖い体験をさせられた馬たちも全馬が競走能力を失うこともなかったのは本当に不幸中の幸いだったと思います。
でも改めて思うのはハイスピ―ドで競う競馬は一歩間違うと死亡事故や馬の命を奪うことに繋がるわけで、安全のために騎手や関係者が一層注意深く努力して欲しいということです。馬券を買って応援しているファンのためにも、愛情を注いで競走馬を仕上げてレースに臨ませている馬主や関係者のためにも、このような慄然とさせる落馬事故だけは二度と起こしてはならないと思います。