- 2010年8月24日 12:22
- スポーツ
第92回全国高校野球選手権大会で遂に沖縄興南高校が沖縄勢念願の初優勝を成し遂げました。興南高校は今年の春の選抜で優勝しているので春夏連覇も達成し(史上6校目)、文句のつけようのない今年の活躍ぶりです。
今から35年前、習志野高校(千葉)が新居浜商業(愛媛)を破って優勝したときの決勝戦のテレビ中継(NHK)を担当していた私が懐かしく思い出すのは、習志野にとって夏の優勝への大きな力になったのはその年の春の選抜で自分たちより格下と思いこんでいた豊見城高校(沖縄)に3-0で敗れてしまったことだそうです。(実はこのころから故裁監督が率いて徐々に力をつけ始めていた豊見城高校。しかものちに巨人に入団することになる赤嶺という好投手がいたのに、習志野はいつまでも沖縄勢にだけは負けることはあり得ないと思い込んでいました。)
しかし現実はその沖縄勢にあっさり敗れてしまったのです。野球については長い伝統を持つ習志野としてはこの敗戦を最大の教訓として夏に向けてできることは何でもやろうという精神で立ち向かったことがチーム力の劇的なアップに繋がったと関係者が話していたことを思い出します。裁監督は、沖縄勢が本当に強くなるには日頃から九州、四国、関西或いはときに関東の強豪チームと交流試合を経験する必要があると考えて苦しいやりくりをしながら選手達に肌で本土の強豪チームの存在を感じさせようと努めてきました。そしてそれが大きな礎となり更に裁監督の後を追った指導者たちの努力が積み重なって遂に沖縄高校野球関係者の夢が今年このような形で実現したと言っていいでしょう。
本土に比べれば温かい日が多く、プロ野球のほとんどの球団が沖縄でキャンプを張るようになってきているのを見ても分かるように、冬でも練習が可能なのですから高校球児にとって沖縄は恵まれた環境にあることは確かです。後は指導者が常に研究を怠らず、本土との交流に力を入れて行けば沖縄勢の強さはまだまだ続きそうな気がしますね。
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