- 2010年10月19日 21:35
- 日々の思い
10月18日(月)、午後10時からのNHK総合「プロフェッショナル 仕事の流儀」を見ました。
肺がん、肺移植の分野で世界的にも高い評価を受けている京都大学医学部教授伊達洋至さんの仕事振りをつぶさに紹介したドキュメンタリーでした。アメリカで肺移植などの最先端技術を修業して帰国し、患者の治療に当たっていた伊達医師は肺の難病で苦しむ少女を担当。肺の移植しか手が無いという状況で両親からの移植を考えたものの血液型が合わず断念。ドナーを求めたものの結局容態悪化で命を救えなかったことが自分の出発点だと語り、そこから患者にとって最善の医療を目指して機能することを信条としてきたのだと言います。
伊達医師はどんな患者にも情報を正確に開示しリスクについても詳しく説明、そして手術に入ると全力で7~8時間の所要時間もものともせず乗り切ってしまうのです。大きな手術の前夜は必ずガーゼを相手に手術糸で縫うことを繰り返して精神の統一を図ります。手術に入るとできる限り患者に負担をかけないように手術時間の短縮を図り、あらゆる可能性を勘案して患者に最も良い対応をしていく。その結果は他に例を見ない程の高い成功率として表現されているのです。
肺がんの患者にも肺の難病の患者にも明るい笑顔で対し、誠意を尽くして臨むその表情は優しさに満ち溢れています。「命懸けで助けを求めてくる人にはこちらも命懸けで臨む」私が親しくお付き合いをして頂いている脳外科医の上山博康先生と全く同じ考えであり、名医と呼ぶにふさわしい方の考えには共通するものがあるということをつくづく感じました。