- 2010年12月28日 15:15
- スポーツ
「週刊パーゴルフ」の企画で女子プロゴルファーの鬼澤(きざわ)信子さんと対談をしました。
鬼澤さんは今年8月のニトリレディスゴルフトーナメントでプレーオフの末、キム・ナリ選手を降して40歳にして初優勝を遂げたことで知られています。プロ入りして20年、本当に待ち望んでいた優勝でした。元々168cmと長身、バランスのとれた体から繰り出すドライバーショットは豪快でとても魅力的な選手でした。
1997年、軽井沢72ゴルフで行われた「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」で2位タイとなって注目を集め、いずれ必ず優勝できる選手と期待されながら、現実にはあと一歩及ばず勝てないままプロ入り20年を迎えた今年、遂に念願の優勝に手が届いたのです。その試合を私はテレビで見ながら鬼澤選手に勝って欲しいと念じていました。というのは、勝てる可能性を持った選手でありながら思いが叶わずそれでもいつも懸命に挑戦する姿に心打たれていたからです。
このト―ナメント初日69で7位タイとまずまずのスタート。2日目自己最高の65の好スコアをマークしてトップに立った鬼澤選手逃げ切りがなるかどうか注目されました。最終日、鬼沢選手はピンチになっても笑顔を見せるなど何かいつもと違う雰囲気を漂わせていました。そのときのことを「いつもアドバイスをして下さる大先輩安井純子プロが『最終日は必ず並ばれたり、抜かれたりするものだけれど、そのことに気を奪われずに自分のゴルフを貫きなさい』という励ましの言葉を頂いていたので動揺することなく平常心を保つことができました」と語ってくれました。
結果的にキム・ナリ選手に追いつかれプレーオフとなりましたが、鬼澤選手は晴れ晴れとした心持でプレーオフでは負けないと感じていたようです。自分を信じていられたのですね。正しくその通りプレーオフ1ホール目で見事キム・ナリ選手を降して463試合目で初優勝を成し遂げたのでした。これはツアー史上最も遅い初優勝だそうですが、そのようなことは関係ありませんね。諦めずにコツコツと積み上げてきたことが初優勝に繋がったわけで本当に感動的な優勝でした。
生きる道は異なりますが歌手秋元順子さんが57歳でメジャーデビュー。61歳で紅白初出場を果たすという、一つの道をしっかり歩み続けていればいつかは夢を実現できるという実例は本当に私たちに勇気を与えてくれるものです。
対談を通じて明るくて爽やかで真っ直ぐな気持ちを持った鬼澤選手を益々応援したい気持ちになりました。優勝を契機に強くなりますよと語っていた彼女に一つだけ僭越ながら注文を言わせてもらいますと、「アプローチ、パットに一段と磨きをかけて下さい」ということです。
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