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2011年5月 Archive

「圧巻! オルフェーヴル」

5月29日(日)、関西テレビの「競馬beat」のゲストとして出演するため京都競馬場に出掛けました。

この日は日本ダービー。競馬サークルが一年で一番盛り上がる日です。なぜなら競馬のスケジュールはダービーを中心にして組まれているからです。3歳馬が一生に一度サラブレッドの最高峰を目指して競うレースがダービーであり、自ら管理する愛馬にその栄冠を取らせてあげたいと厩舎関係者は必死の努力を続けてこの日を迎えます。オーナーの皆さんはここまで幾多の関門を潜り抜けて出走枠の18頭の中に入れた幸運を喜び、できることなら一国の宰相になることより難しいと言われるダービー馬のオーナーになりたいと願います。更に、多くの競馬ファンは自分の贔屓の馬が勝つことを信じて応援することになるので盛り上がらないわけが無いのです。

しかしこの日は台風2号の影響で朝から激しい雨。レースが近づいても雨は弱まることは無く降り続きます。天気が良ければレースは実力通りに収まる確率が高いものですが、これだけ雨が降ると思わぬ展開になって波乱が起きることがあります。このような不良馬場ではその適性がはっきり出やすいものですが、出走する全ての馬がこれほど悪い馬場では戦った経験がないので、実際にどの馬が上手に走り抜けられるのかは全く分からないのです。

番組の中で草野さんの推奨馬はと聞かれ、「力量的にはやはりオルフェーヴルが抜けていると思います。展開が読み難いのですが」と答えました。思わぬ馬が上手に先行ペースを作りそのまま逃げ残ったりすることもあるので、このような劣悪な馬場でそれが絶対に無いとは言えないからです。

注目のダービーのスタートが切られました。何が先行するのかと見ていると、オールアズワン、ノーザンリバーがスタート良く出て行きます。1コーナーから2コーナーにかけオルフェーヴルは後ろから5頭目。この時点ではまだこの辺りで良いだろうと思いましたが、3コーナーから4コーナーにかけても依然としてその位置は変わらず。ちょっと後ろ過ぎるのでそこからでは届かないのではと心配になりました。そして直線に入り外に出ようとして更に外から来たナカヤマナイトと接触。内に切れ込んで行ったときにはこれは危ないと思ったのですが、そこからが本領発揮。足取りが重くなった各馬を尻目にグイグイ伸びて追いすがろうとするウインバリアシオンを楽に振り切ってゴールイン。見事栄冠を獲得してくれました。

初めてダービージョッキーとなった池添謙一騎手の落ち着いて冷静な騎乗が光ります。初めてこの馬に騎乗して以来8戦。段階を踏んで教えて来たことが実を結びました。これだけの馬場で誰しもポジションが後ろ過ぎると感じたのですが、池添騎手は馬の力を信じ直線勝負に懸け見事に勝利をものにしました。「苦労を共にしてきた自分とオルフェーヴルだ。騎手が乗り替わってきたりした馬には負けない」と心の中で叫んでいたそうです。

本当に強いと思わせたこの日のレースでした。無事に行けば菊花賞も獲得して三冠馬になれそうに思えます。実は皐月賞の前まではサダムパテックの方が実力は上かなと思っていました。しかし皐月賞のレースを見てオルフェーヴルのポテンシャルの大きさに気が付き、雑誌に載っていたオルフェーヴルのクロースアップの写真を見てとても可愛く綺麗な顔立ちをしていることに気付き、一段とオルフェーヴルが好きになりました。(強い馬は顔立ちも良いと厩舎関係者は強調します)

今回は人気通りの結果となりましたが、東京スポーツ上でもテレビにおいても予想が当たりほっとしました。

「名ゴルファー セベ・バレステロス選手」

世界的名ゴルファーのセベ・バレステロスさんが脳腫瘍のため54歳の若さで亡くなったという悲しいニュースが飛び込んで来ました。

セべ・バレステロスさんについては忘れられない思い出があります。それは私がまだNHKでスポーツ放送を担当していたときのことでした。1977年千葉県習志野カントリークラブで行われた日本オープンゴルフ選手権の中継でラウンドリポートを命ぜられ、有力選手の取材に奔走していたとき、練習場でスタートぎりぎりまで練習を続けていたのが初来日のセベ・バレステロス選手と日本が誇る青木功選手でした。バレステロス選手は前年19歳で欧州ツアー優勝。そして欧州ツアーの賞金王になって、20歳の若さで日本オープンにチャレンジしてきたのです。

少し早く練習を終えた青木選手がセベ選手の方を見るとまだ5球ほどボールが残っていました。歩み寄った青木選手が人懐こさを発揮して「セべ、ユーギブミーワンボール。アイギブユーワンストロ―ク」つまり残っているボールを一つ貸してくれたら君にワンストローク譲るよとジョークで話しかけたのです。

それに気付いたセベ選手は思わず吹き出しながら「ノー、ノー」とやんわり断って残りの5球を打ち終えたのでした。片言の英語でぐんぐん人の輪の中に入っていく青木さんの「人間が大好き」という姿勢と若々しく生真面目なセベ選手のやりとりが今でも生き生きと甦って来るのです。

セベ選手はこの時、堂々と日本オープンを勝ち取り翌年もいとも簡単に2連勝を飾りました。マスターズ2回、全英3回優勝。欧州ツアー50勝、米ツアー9勝、全世界で91勝を挙げた彼のゴルフはとにかく豪快そのもの。ドライバーは曲げてもアイアンで奇跡的なショットを放って勝つという魅力溢れるものでした。顔もハンサムで体形も美しい。真面目で余り欠点が無いように見えたそのセベ選手に病魔が忍び寄っていたとは何とも悲しく、残念な訃報でした。

「5月5日 巨人―阪神戦」

5月5日、東京ドームに帰ってきたジャイアンツの試合を見に行きました。

注目の先発は、巨人がル―キー沢村拓一投手で、阪神は岩田稔投手。沢村投手を見るのはオープン以来2度目ですが、颯爽とマウンドに向かいスリーアウトを取ると悠然とベンチに下がるその風情は見ていて気持ちが良いですね。ピンチになっても決して動揺の色は見せず、バッターに立ち向かっていく、眼光鋭くファイティングスピリット溢れる佇まいが見ている人の期待感を煽ります。何かどこを取っても軽やかな感じの斎藤佑樹投手とは異なり重みと存在感を感じさせてくれるのです。

この試合、結果は城島選手にホームランを打たれ負け投手になってしまいましたが、彼にとってはこれも良い体験の一つであり、これからいくらでも挽回できるはずです。この日は負けても、二桁は勝って新人王になれる逸材だと言えますね。強いて言えば、この日はフォ―クボールの落ち方が今一つでしたし、もう少し抜くところは抜いても良いのではと感じました。そうすればもっと自分のペースで投球ができ、メリハリのあるピッチングになるでしょう。

でも強打者にも力負けしない球威のあるボールはやはり魅力的です。今後の沢村投手の立ち直りに期待しましょう。

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