- 2011年5月30日 15:47
- スポーツ
5月29日(日)、関西テレビの「競馬beat」のゲストとして出演するため京都競馬場に出掛けました。
この日は日本ダービー。競馬サークルが一年で一番盛り上がる日です。なぜなら競馬のスケジュールはダービーを中心にして組まれているからです。3歳馬が一生に一度サラブレッドの最高峰を目指して競うレースがダービーであり、自ら管理する愛馬にその栄冠を取らせてあげたいと厩舎関係者は必死の努力を続けてこの日を迎えます。オーナーの皆さんはここまで幾多の関門を潜り抜けて出走枠の18頭の中に入れた幸運を喜び、できることなら一国の宰相になることより難しいと言われるダービー馬のオーナーになりたいと願います。更に、多くの競馬ファンは自分の贔屓の馬が勝つことを信じて応援することになるので盛り上がらないわけが無いのです。
しかしこの日は台風2号の影響で朝から激しい雨。レースが近づいても雨は弱まることは無く降り続きます。天気が良ければレースは実力通りに収まる確率が高いものですが、これだけ雨が降ると思わぬ展開になって波乱が起きることがあります。このような不良馬場ではその適性がはっきり出やすいものですが、出走する全ての馬がこれほど悪い馬場では戦った経験がないので、実際にどの馬が上手に走り抜けられるのかは全く分からないのです。
番組の中で草野さんの推奨馬はと聞かれ、「力量的にはやはりオルフェーヴルが抜けていると思います。展開が読み難いのですが」と答えました。思わぬ馬が上手に先行ペースを作りそのまま逃げ残ったりすることもあるので、このような劣悪な馬場でそれが絶対に無いとは言えないからです。
注目のダービーのスタートが切られました。何が先行するのかと見ていると、オールアズワン、ノーザンリバーがスタート良く出て行きます。1コーナーから2コーナーにかけオルフェーヴルは後ろから5頭目。この時点ではまだこの辺りで良いだろうと思いましたが、3コーナーから4コーナーにかけても依然としてその位置は変わらず。ちょっと後ろ過ぎるのでそこからでは届かないのではと心配になりました。そして直線に入り外に出ようとして更に外から来たナカヤマナイトと接触。内に切れ込んで行ったときにはこれは危ないと思ったのですが、そこからが本領発揮。足取りが重くなった各馬を尻目にグイグイ伸びて追いすがろうとするウインバリアシオンを楽に振り切ってゴールイン。見事栄冠を獲得してくれました。
初めてダービージョッキーとなった池添謙一騎手の落ち着いて冷静な騎乗が光ります。初めてこの馬に騎乗して以来8戦。段階を踏んで教えて来たことが実を結びました。これだけの馬場で誰しもポジションが後ろ過ぎると感じたのですが、池添騎手は馬の力を信じ直線勝負に懸け見事に勝利をものにしました。「苦労を共にしてきた自分とオルフェーヴルだ。騎手が乗り替わってきたりした馬には負けない」と心の中で叫んでいたそうです。
本当に強いと思わせたこの日のレースでした。無事に行けば菊花賞も獲得して三冠馬になれそうに思えます。実は皐月賞の前まではサダムパテックの方が実力は上かなと思っていました。しかし皐月賞のレースを見てオルフェーヴルのポテンシャルの大きさに気が付き、雑誌に載っていたオルフェーヴルのクロースアップの写真を見てとても可愛く綺麗な顔立ちをしていることに気付き、一段とオルフェーヴルが好きになりました。(強い馬は顔立ちも良いと厩舎関係者は強調します)
今回は人気通りの結果となりましたが、東京スポーツ上でもテレビにおいても予想が当たりほっとしました。
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