- 2011年11月21日 10:27
- スポーツ
2011年プロ野球日本シリーズが終わりました。
戦前の予想は大半の専門家がソフトバンク圧倒的有利と唱えていました。しかし蓋を開けてみると中日がまず敵地で2連勝、名古屋に戻るとソフトバンクが3連勝、そして再び福岡で中日が勝って3勝3敗のタイにこぎつけました。想像された以上に中日が頑張り面白いシリーズになりました。
最後の第7戦は遂に中日が力尽きてソフトバンクがシリーズを制覇しましたが、派手な打ち合いこそ無かったものの緊張感に満ちた投手戦ばかりで一戦ごとに盛り上がった珍しいそして記憶に残る日本選手権でした。その一番の原動力は中日を率いた落合博満監督の手腕にあると言えます。客観的に見て実は今シーズンの中日の戦力はそれほど厚みのあるものではありませんでした。シーズン中も何度も試合を見ましたが良くこのチーム力で上位にいるなと思ったほど、選手層の厚い巨人などに比べるとやや非力なチームに見えたものです。
にもかかわらず、中日が8年間も常にリーグ上位にいて優勝を争うことができたのは偏に落合監督の指導力、チーム掌握力の素晴らしさだと感じます。特に今年はこれから優勝に向けての戦いが熾烈になるという時期に球団から落合監督は今季限りで退団という発表が行われました。常識では考えられない時期の発表です。普通ですとここで緊張感が途切れてチームはガタガタと崩れてしまうものですが、今年の中日は逆にこれを契機に集中力が増し一気にスパートしてヤクルトを逆転してリ―グ優勝を成し遂げてしまいました。このことを見ても落合監督がいかに選手たちに信頼されていたのかが分かります。監督の言う通りにやっていれば自分たちの成績も上がりチームも勝てる。8年という長い期間に落合監督の指揮への信頼がチーム全体に浸透していたということです。
野球に関しては落合監督の指導は正しかったのです。ではなぜ解任されたのでしょうか。それはマスコミに対して落合監督が一切サービスをしないという頑なな姿勢が結果的に中日球団についての情報が表に出て来づらいことになり、ファンにとっても嬉しくない状況がつづいたこと、従ってファン動員数も減少してきたことなどが主な理由になるのでしょう。指導者としては一流の技量を持ちながらプロ野球の監督としてはやや欠けるところもあったということで甚だ残念な幕の引き方になってしまいました。
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