- 2011年11月30日 15:02
- スポーツ
大関稀勢の里が誕生しました。
伝達式で大関の名を汚さぬよう精進致しますと簡潔に答えたのも好感が持てました。日本人力士の中で最も強くなりそうで、横綱になるとしたら彼しかいないと言われて久しかったのですが、ようやく一つの壁を越えての大関昇進です。場所前に急逝した鳴戸親方もこの伝達式を待ち詫びていたそうですが、弟子の中で大関になる力士は初めてのことでしたからどんなにかこの瞬間を体験したかったに違いありません。
場所前に今場所は11勝することが大関昇進の条件と言われていましたが、14日目に突然10勝でも昇進させるという話が協会幹部から出されました。結局稀勢の里は琴奨菊戦に敗れて10勝止まりでしたが大関昇進は決まりとなってしまいました。過去をさかのぼると3場所トータル28勝でも昇進したケースもあり、3場所で33勝は絶対的な条件とはいえなかったのですが、協会側の早く大関に上げて相撲界を盛り上げたいという思いが俄かに昇進ラインを下げてもという発言に繋がったようですね。
でもこの昇進については、私はこれで良いと思っています。横綱白鵬と五分に渡り合える相撲が取れそうな力士は他にそういるわけではありませんから。あとは稀勢の里自身が自分の相撲に磨きをかけることです。彼の左腕の力は異常なまでに強いと言われます。ならばそれを最大限に生かすため右からの攻めを徹底研究する必要があると思うのです。これまでは右からの攻めが甘いために、相手に右腕をはね上げられて右腕が浮いてしまいそこから攻め込まれるケースが非常に多かったのです。従って、この右からの攻めの強化が今後の大きな課題になるでしょう。そこを強化できれば相撲内容はより厳しいものになり、更に上を目指すことも可能になるのではないでしょうか。
根は非常にまじめなタイプの力士です。今までは鳴戸親方から作戦を伝授されて金星に繋がったことも多かったのですが、これからは自分で作戦を練りそしてそれを実戦に生かしていかなくてはなりません。自分のため、亡き親方のため、これからの精進を心から祈ります。
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