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「立川志の輔さん」

このところ立川志の輔さんのライブを見せてもらっています。

志の輔さんは、私がフリーのキャスターになった1985年、私がMCを担当することになった「朝のホットライン」のリポーターオーディションに応募してきて、断トツの評価で採用された人でした。そこから5年間一緒に仕事をさせて頂きましたが、彼は本来業務である落語家として、ありとあらゆる可能性を追求し、古典落語だけの世界にとどまらず、ジャンル拡大のため色々な実験を行いつつ、次第に自身の世界を構築してきて、今日の志の輔ワールドを築き上げてきた努力の人でもあります。

今年20年目を迎えたというパルコ劇場での公演を久しぶりに見せて頂きました。特に伊能忠敬の一生を語った部分は情報としての正確さは勿論、伊能に関わるあらゆる要素が語られていて、最高峰の情報エンタテインメントになっていました。これほどまでに緻密な落語は初めて見ました。これまで如何に苦労をし、いかに苦しんできたかその道筋に少しだけ思いを馳せた次第です。本当に素晴らしい人ですね。

初めて会った時から30年の時を経て、素晴らしい境地を切り開いた志の輔さんに心から敬意を表します。と同時に自分自身の努力の足りなさをしみじみと感じた次第です。

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