- 2016年5月17日 15:06
- スポーツ
大相撲夏場所は九日目を終えて、白鵬、稀勢の里が全勝で並び、優勝争いのトップに立っています。
全ての要素が揃えば綱取りも可能だということで、稀勢の里にかかる期待は大変大きいものがあります。稀勢の里の今場所は初日から冷静でやるべきことをきちんとやって、この感じで進めば優勝も夢ではないと思います。ただ、ここまでの9日間の対戦相手は稀勢の里にとっては比較的やりやすい力士が続いたので、日本人横綱誕生に向け最大限の気配りが行われているようにも感じます。
一方、白鵬は稀勢の里だけには優勝させてはならじとばかり、勝利優先の非常に荒っぽい相撲を見せています。特に目につくのは激しい張り手、そしてかち上げの多用です。昨日の勢との一番は張り手から思い切りかち上げに出て勢の喉にこのかち上げが入ったため、これを受けた勢が瞬間的に失神状態となり崩れ落ちました。相撲のルール上は禁止されているわけではありませんが、この強力なかち上げはプロレスでいうエルボー攻撃であり危険です。半世紀以上相撲を見続けていますが、格下相手にかち上げを連発というのは見たことがありません。そもそもかち上げというのは、仮に使うとしても格下の側がとても勝てそうもない相手に奇襲的に使うものだと思っていました。
プロ野球でも今季から選手の安全を守るためコリジョンルールが採用されましたが、相撲でも力士の安全を担保するために危険な技の使用の是非に関して今一度検討、協議されることを望みます。国技館のお客様の反応を見ていても明らかにブーイングが起きているように思えます。
優勝36回という前人未踏の優勝を積み重ねた名横綱なのですから風格のある相撲をとって相撲ファンをうならせてほしいものだと思います。明日から2日間国技館に取材に行きます。
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