- 2010年6月 7日 15:48
- スポーツ
6月6日、「ブエナビスタ号のヴィクトリアマイル(G1)優勝祝賀会」が行われました。
去年のオークスを制して一年ぶりのG1優勝だったので会員の皆さんの喜びは一入のものがありました。立ち続けに桜花賞とオークスを勝ったので秋華賞も獲れるのではないかと多くの会員は考えていたと思いますが、勝負はそんなに甘いものではなく秋華賞は僅差で負けた上に降着処分で3着になり、エリザベス女王杯は先行馬ペースにはまって3着と悲運なレースが続きました。
ところが有馬記念で横山典弘騎手が騎乗して、追い込み一辺倒のレースではなく、早目に上位に進出して行くという柔軟性のあるレースを展開し、ブエナビスタ号には色々なパターンのレースがあるのだということを教えてくれたことが大きな転機になったと私は思っています。この時は2着でしたが、ブエナの可能性を大きく開くレースだったと言っていいでしょう。
京都記念は自在性のあるところを見せ一瞬ジャガーメイル号に追いすがられましたが、最後は見事に振り切って優勝。勝負強さを発揮したレースでした。ドバイシーマクラシックは、後方に位置してバックストレッチで前に上がろうとしては何度も外の馬に塞がれて動けずじまい、スムーズさを欠くレースになりながらも直線苦労しながら追い込んで僅差の2着となりました。
この時、この馬は私自身が想像していたよりも遥かに強い馬であることを思い知らされました。そして乗っていたペリエ騎手にとっては悔いの残るレースだったに違いないと思ったのです。あのブエナを動かそうとしたとき、自分の思い通り前に上がって行けたならば勝てていたかもしれないと思ったペリエには苦い思いが残ったレースだったはずです。横山騎手が「どうしてあのとき僕が乗っていなかったのでしょう」と思わず語りました。
ブエナビスタ号はドバイから帰国して3週間の検疫があり、栗東に戻って僅か2週間でヴィクトリアマイルだったので本当に大変な強行軍でした。横山騎手も返し馬で「いつもより少し動きが硬い感じで完調ではない」と思ったそうです。「東京コースの馬場状態がとても良くて、ある程度前のポジションでレースを進めようと思ったけどもブエナは前に行こうとしないんです。そこでブエナのリズムを崩さないようにゆっくり行くことにしました」とのこと。この辺りのブエナとの意志の疎通が見事であり相互信頼がとてもうまくでき上がっていたということです。パーフェクトな状態でもないのに最後まで力一杯走って勝利に繋げてしまうところが他の馬たちとは違う、いわゆる次元が違う馬ということなのですね、と横山騎手は語りました。
とにかく、この後も無事で競走馬生活を全うし優れた母馬になってくれるようにという会員の思いが一つになった夜でした。
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