- 2013年8月15日 14:35
- スポーツ
世界陸上が始まりました。初日からボルト選手、ガトリン選手、桐生選手、白人唯一人の9秒台ランナーであるルメートル選手たちの走りを見ることができて満足です。
桐生選手、スタートは良かったのですが後半力みが出て10秒31で落選。惜しかったのは山県選手で10秒21を出しながら準決勝進出を逃してしまいました。二人とも素晴らしい要素を持っているランナーなのですが、さすがに世界のトップクラスと比べるとエンジンが違うという感じがします。
60メートルくらいからの加速については、ボルト選手などは飛び抜けた強さを持っています。持って生まれた身体能力の高さとそれを磨きあげてきた鍛錬の凄さ、そこに他の追随を許さない秘密があるように思えます。
また、10秒を突破できるかどうかについても大きな壁の存在を感じずにはいられません。1968年にジム・ハインズ選手が9秒台に突入して以来、80人以上のランナーが9秒台入りを果たしていますが、これまでのところほぼすべて黒人選手です。白人選手では2010年にフランスのクリストフ・ルメートル選手が初めて9秒台を記録するまで一人も9秒台を出せなかったのです。
ローマ・オリンピックでドイツのアルミン・ハリー選手が10秒00を出してから壁突破までに50年を要しました。何か不思議な壁が間違いなくそこには存在するようです。ということは桐生選手の10秒01という記録を見て「ああ、これは9秒台も近い」と誰もが感じたでしょうが、すぐにその快挙が見られるのかということについては、案外まだ時間がかかるのかもしれない、と思えてします。
ライバルとしては、中国の張選手が今回の準決勝で10秒00を出して(日本の伊東浩司選手のアジア記録と並びましたが)、なかなか切れる走りを見せていました。これからアジア人で最初に10秒の壁を誰が突破するのか、興味が尽きませんね。
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